セイコー SNZF17J1 『ウニ』 風防・ストラップ交換!

人気のダイバー(風?)セイコー5スポーツ SNZF17J1、海外でも”SeaUrchin(雲丹)”ってニックネームで人気のある時計。
一度、このブログでとてもハンサム・クリーンなフェイスの時計と紹介していますが、より男前にするべく風防を変えます。
今回はシングルドームのサファイヤクリスタル・ブルーARコーティング。Crystaltimes CT020。

男前になった?

うん、なった。

しかも、なんかクラシックダイバーの貫禄みたいなんも少しだけやけど醸し出しているような・・・感じ。
むちゃくちゃエエんちゃう?と満足度の高い出来上がりになったと自賛です。

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それにしても、セイコー5

それにしてもセイコー5、正直たったの一万円前後で、しっかりして磨きも上々のケース、シンプルながら手抜きのない文字盤と針、そして、(手巻きも秒針停止もできないベーシックラインではあるけれど)精度も信頼性も高く巻き上げ効率も良好の自社製の機械式自動巻きムーブメント。驚きのコストパフォーマンスです。しかし、価格は価格、悲しいかなストラップと風防はチープに見えます。それでも最近のスポーツラインの金属バンドはなかなかの出来なので、チープさの残りはミネラルガラスの風防だけ。これをサファイヤクリスタルに変えれば一気に3〜5万円クラス(いや、それ以上かな?)の時計のできばえに匹敵すると確信を持って言えます。

安くて、土台がしっかりしているのでモディファイも手軽で楽しいものになります。

シングルドームとダブルドーム

シングルドームはレンズの下面はフラットで上面がドーム状になっています。要するに凸レンズやね。
ダブルドームはレンズの上面・下面とも一律に湾曲しています。まさに風防・ドームやね。
正面から見ている限り違いはないのですが、斜めから見る眺めは大きく違います。ま、当然やけど。

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左:ダブルドーム装着のSKX009、右シングルドームのSNZF17

シングルドームは斜めから見るとレンズ効果で文字盤は見えなくなります。ダブルドームは歪みは出ますがかなりの角度まで視認性が確保されます。
但し、あらゆる角度からの視認性ではフラットな風防に勝るものはないのですが・・・。
雰囲気のシングルドーム、実用性のダブルドームと言えると思います。どちらがいいかは好み次第かな。

出来の詳細は動画を見てね!

最近目が悪くて、小さなホコリなんか肉眼では見えなくなった。動画を撮って初めてケースの中にホコリが入っているのがわかるようなもので、今回も動画編集時にケース内にホコリを、一部風防表面なんかにホコリや汚れを発見。気をつけてるつもりやのに、アカンね。他のビデオ同様少々の見苦しさは我慢ください。
今回、2作目の歌入りです。フリー音源の「魔王魂」さんから。
テンポがいいので、初めて曲のリズムに動画の切り替えをできるだけ合わせてみました。
動画作ってるのもなかなか楽しいのです。仕事上の勉強にもなるしね。

今回のモディファイ素材は・・・

クリスタルは=Crystaltimes Horology https://crystaltimes.net/
型番 CT020 $34.95
バンドは=HADLEY ROMA http://www.ngart.gr.jp/watchband/
型番 MS-910 ¥6,640 (← いいバンドです。なにより分厚いのに装着感がいいんです。)

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2017年9月17日午前11時・大阪、今日は台風18号襲来の予想です。今、鹿児島・宮﨑あたりの様子。
昨日の夜は強風と雨が激しかったのに、今日は朝からおだやかな天候で、今になって少し風が強くなってきています。
“大型で強い”台風が西寄り北側を通る最悪のコースのようです。大丈夫かな?
子供の頃なら台風が接近した今頃、僕の仕事はおじいちゃんと一緒に屋根に登って二階の窓の雨戸に板を打ち付けること。(台風被害に遭われた方には不謹慎ですが)ワクワクするような高揚感を覚えた記憶があります。
僕がまだそんな手伝いを出来ない幼い頃、台風(当時台風には名前が付いていましたが覚えていません)の直撃で大阪湾から生駒山に吹き上げる西風が強く、二階の西側の雨戸が飛び、木枠のサッシの薄いガラスは見事に割れ、吹き込んだ風が屋根を押し上げ・・。祖父はとっさに部屋の畳をはずし窓にあてがい、小学高学年になったばかりの兄貴に東側の窓と雨戸を開けるように指示し、なんとか大きな被害を避けたことがありました。台風一過の街は、屋根が飛んだ家もあり、半分以上の家の瓦が飛び、倒れた板塀が道や家々の境界を塞ぎ、そのパワーの大きさは子供心に大きく刻み込まれました。
そのことがあって、雨戸に補強の板を打ち付けることが台風接近時の我が家の台風準備の作業になりました。
でも、台風で被害を受けた記憶はそれくらいで、現在にいたるまで大きな被害を受けたことのない地域に住んでいることを本当に感謝しています。
今はマンション住まいで、台風準備といえばベランダのものを片付けるくらい。
あの時のパワーの怖さを忘れてしまって、”どうせ今回も大したことないやろ”と安全を過信している自分を少し戒めないとと思っています。

北の国の度重なるミサイル発射の報に接しながら、子供の頃の台風の体験を思い出してしまった今日の朝です。

SEIKO PROSPEX SRP789 MODIFY HOW TO SWAP CRYSTAL. +CRYSTALTIME CT057 +HADLEYROMA MS-851 TAN

やっと夏が去ったと思える過ごしやすさになってきました。気がつくと、近年多く見られる巨大な入道雲に覆い尽くされていた空はいつしか糸を引くような絹雲にかわっています。
しかし、夏から続いている強力な台風の襲来は絶えることなく、気が置けない秋になりそう。
いつからこんなに気候の変化の大きな国になってしまったんやろ?
そういえば今年はツクツクボウシの鳴き声をほとんど聞かなかった。夏場のアブラゼミも少なくほとんどクマゼミやしね。
ま、今からの季節は光熱費も少なくてすむし、部屋に爽やかな風を入れながらの仕事もなかなかいいもんです。

季節の話はそれくらいにして、今回は SRP789 Turtle の風防をいつものサファイヤクリスタル・ダブルドームに交換します。ベルトは HadleyRoma の MS-851 サドルレザーの僕が大好きなベルトに交換です。
いかにもダイバー!って感じの大柄で無骨な Turtle がすこし柔らかく優しく変身します。

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今回初めて作業の手順を YOUTUBE にアップしました。ぜひ、ご参考までにご覧ください。

手順は動画のとおりなので説明は省きますが、動画では不足している注意点だけ示しておきたいと思います。

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まず、道具

写真の❶=圧入器具とそのパーツ(時計の受けや押さえに使うコマ)
❷=ねじ込み式の裏蓋のオープナー
❸=ピンセット(ガスケット・ラチェットのバネなどの脱着に使います。動画では使っていません)
❹=バンドのバネ棒外しの工具
❺=圧入式の裏蓋こじ開けの工具(ベゼルのこじ開けに使いましたがナイフがあればいりません)
❻=ナイフ(ベゼルのこじ開けに使います)
❼=CRYSTALTIME からのサファイヤクリスタル・ダブルドーム・ブルーARコーティングの新しい風防、CT057。
写真にはありませんが、ホコリを吹き飛ばすブロアー、種々確認用のルーペなんかは必需品です。

新しい風防以外はほとんど amazon などの通販で買った1,000〜2,000円程度のものです。
風防は、$44.95 送料もかかるので5,000円ちょっと。
結構かかるようですが、風防交換後の見た目の変化を思えば価値があると思っています。

特に注意する2点は・・

1. ベゼル外しは、たぶん専用の工具があるのだと思いますが、動画では鋭利で硬いナイフを使っています。SEIKOの200mダイバーのベゼルはとてもしっかりとケースにハマっています。安いSKXも同様です。オリエントのMAKOや、SEIKOでも100m防水のファイブなどは比較的簡単に軽い力で簡単に外せますが、これらは力がいります。つまり、とても危険な方法です。指を深く切ってからでは遅いので、自信のある方以外は絶対に真似しないでください。
また、力を入れすぎてベゼルを飛ばしてしまったりすると、内部のラチェットのバネを破損する可能性もあります。
「力をいれすぎているな」と感じたら作業はやめるべきです。
小さなジャッキのような工具があればいいやけど・・。(今度探してみよう)
ベゼルをつけたままでも風防の交換はできます。繰り返しますが、危険な方法です。
2. 風防の厚みは、3mm あります。分厚いのと使う圧入器具の精度があまりよくないので、ケースに水平を保って装着するのはなかなか難しいのです。しかも今回の風防はドーム型なので圧入器具の上部のパーツをガラス面に均等に当てることは難しく、なおさら気の抜けない作業になります。
むりやり斜めに押し込んでしまうと、ガラスパッキンが毀損する可能性が高くなります。パッキンを潰してしまったり伸ばしてしまったりすると再利用できませんから十分な注意と慎重さが必要です。

(難しそうなこと書いてますが、そもそも自動車やバイクやないんやから、力が必要なことは、裏蓋やベゼルの圧入以外ないはずで、繰り返しになりるけど「力をいれすぎているな」と感じたら何か間違っている可能性があると思って作業をやり直すか別の方法を考えるかして、なにより慎重に行えばできるはず。と思う。)

なんか、「簡単やから、みなさんもやってみて」って言うつもりやったのに、注意書きしとこうと思ったら不安あおるようなことばっかりで・・。ごめんなさい。ただ怪我だけはしてほしくないので。
でも、上記の 1. 以外は怪我の心配はありません!ベゼル外しをスキップして、後の作業を慎重に丁寧にやれば必ずできます!

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パーツの調達は以下で。

クリスタルは=Crystaltimes Horology https://crystaltimes.net/
型番 CT057 $44.95
バンドは=HADLEY ROMA http://www.ngart.gr.jp/watchband/
型番 MS-851 ¥6,640

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完成のイメージ動画もみてね!

ORIENT MAKO-XL / RAY-II “MOD”

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う〜・・・・っ、あつい・・。
子供の頃、暑いあついといっても、最高気温はせいぜい32℃位だったと記憶しているけど、最近は36℃とか37℃とか・・。ほんと殺人的な暑さですね。あれほど夏が好きだったのに、この頃は少々苦痛に感じます。
これでは夏休みの子供も表では遊べませんね。孫達を見ていても、せっかくの思い出作りの夏休みなのにかわいそうに思います。
それにしても、毎日必ずと言っていいほど日本のどこかで「記録的短時間大雨情報」が出されるのは異常な事態だと心配しています。
被害に遭われた地域の皆様には心からおだやかな天候への回復と一刻も早い復旧を祈っています。
異常な暑さと雨には、今できることは僕にはありませんが、健康にだけは気を付けて異常事態に対処できる体力と気力だけでも持っていたいと思います。

さて、
6月の初めだったと思いますが、このブログを読んでくださっている長野県のKさんから「風防の交換をやってくれないか?」とのメッセージをいただき、「素人細工でよければ・・」と返したところ、何通かのメールのやりとりの末7月中旬に、オリエントのダイバー2種の風防の交換をさせていただくことに。
交換と同時に会社が「WatchStrap Selection」で売っているハドリーローマの革バンドのご注文もいただきました。ありがとうございました。

時計はオリエントのダイバー、MAKO-XLとRAY-II、共にアメリカで人気のダイバーです。
人様の時計、それも買ったばかりのキズ一つない新品なので「おまえ、大丈夫か?つぶしたらどおすんねん。責任とれるん?」と心の声も聞こえてきそうですが、オリエントはRAYと同型のMAKOの風防交換をやったこともあるし、ま、できるやろう・・と、(いつもの悪い癖で)楽観的にお引き受けしてしまったところです。
交換する風防は、このブログでも何度も紹介している「Crystaltime」のサファイヤクリスタルのドーム形状のものです。
これはKさんが買われて時計と一緒に僕の手元に送って頂きました。

届いた時計がこれ、左がXL、右がRAY。
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左のXL、名前どおり大きな時計です。幅44.5mm、ラグからラグは約50mmあります。
僕もネットでこの時計の写真を見て欲しいと思ったのですが、大きさの仕様を見て「大きすぎる」と諦めていた物です。
実物を見ると確かに大きいのですが、ベゼルの内周が太く縁取られているせいか実際の寸法ほど大きくは見えません。とにかくとても存在感のある時計です。
いかつい感じの時分針をロリポップの秒針が和らげているような不思議な調和感があります。
ムーブメントは「46943」、手巻き・ハッキングの機能はありません。セイコーのSKXなんかの「7S26」と同等でしょうか。

右はRAY-II、このブログでも紹介しているMAKOと文字盤・ハンド違いの同型です。
僕の細腕にはこちら、幅41.5mmはちょうどよく収まるように感じます。とてもまとまった破綻のない形が僕も大好きです。
こちらのムーブメントは「F6922」、手巻き・ハッキングの機能がついています。

それでは早速作業にかかります。

ケースから中身を取り出したところ。

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文字盤と、チャプターリングは一体です。同クラスのセイコーのダイバーとの違いです。
ちなみに、RAYのF6922ムーブメントの「オシドリ」はリューズから巻真の通る道筋のすぐ脇にある穴の中にあり、すぐに分かるのですが、XLのムーブメント46943の「オシドリ」は、普段隠れていて、リューズを2段引き出すとムーブメントの側面にちょっと顔を出すという僕にとっては初めてのタイプのもので、最初わからず少し焦りました。

こちらはケース。風防を取り外しました。

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標準の風防は厚さ3mm位のミネラルクリスタルの表面がフラットなものです。
ちなみに100m防水の時計の風防の厚みはこの半分くらいしかありません。200m防水となるとこんな厚さ。水圧ってすごいんやね。
今回は出来るだけケースにキズを付けたくなかったのでベゼルは付けたまま作業しています。
写真の矢印が示す白い部分はガスケットです。しっかりはまっていることを確認します。

ここからは新しい風防の装着。

圧入器具での作業は、いままで何度も紹介しているので省略します。
(実は写真の撮り忘れでして・・、すみません)

しっかり装着出来たし、水に浸けてみます。

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風防を本当にしっかり装着出来たか不安なものですが、僕はケースを組み上げた状態の厚さで判断しています。新旧の風防の厚さの差を確認しておいて、風防装着前後のケース厚さの差が一致すればOKとしています。
水が浸入しないか確認のため、ケースに共にねじ込み式のケースバックとリューズのみ組み上げ、20cm位の深さの水に沈めています。今回は、途中ケースの向きを変えながら2時間くらい沈めたままにしました。
気圧をかけることができないので本当の防水検査にはなりませんが、少なくとも日常生活での水の侵入の有り無しは判断出来ると思っています。

水から引き上げ、冷やします。

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引き上げたケースの上にしばらく氷を乗せて冷やします。
ケース内に水が入っていたら、風防内側などが結露するはずです。
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結果、OKですね。

ムーブメントを戻し、バンドを装着。

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ケースをしっかり乾かした後、外していたムーブメントをケース内に戻し、バンドを装着。共に幅は22mm。
左、XLにはハドリーローマ MS-910、black、
右、RAYにはハドリーローマ MS-851、black。共にKさんのご注文。
※  -WatchStrap Selection- で売っています。ぜひご覧ください。
どちらも縁を絞っていないタイプでダイバーウォッチには最適の革バンドだと思います。

風貌を光にかざしてみると・・。

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部屋に照明の下に置くとこんな感じになります。
左、RAYにはシングルドームのサファイヤクリスタル。シングルドーム、要は凸レンズやね。
右、XLにはダブルドームのサファイヤクリスタル、こちらは表裏ともカーブしているので斜めからの視認性も良好です。
共にARコーティング、ブルー着色のものです。ブルーの着色は風防の裏面に行われていることが青い光と白い光の分かれ方でわかりますね。XLのダブルドームは表裏ほぼ同じ反射なので青と白の光が重なります。

ビフォー・アフターはこんな感じ。

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上が標準のフラットなミネラルクリスタル。下が交換後。
RAYもXLもベゼルがベベル状に傾斜のあるタイプなので、風貌のドームと一体感が出てとてもいい感じになります。
僕自身MAKOの風防を今回のRAY同様の風防に交換した時、イメージの変化に驚きました。
(冒頭の写真も参照してね)
ちょっと大袈裟かもしれませんが、作業着を着て汗を流していた作業員がシャワーを浴びてアフターファイブのスーツに着替えたようなイメージの変化です。
今回は特に、大きなXLに程よい「絞まり」が出たように感じます。

ま、とりあえず、うまくいってよかった。
オリエントの人気ダイバー2つを見比べる機会を与えてくれたKさんに感謝します。

動画も2本作らせていただきました。見てね。