たまには磨こう!革ベルト。その2

腕時計の革バンド、くたびれてませんか?
もし、買ってから一回もケアなんかしたことがない、という方がいたら、ぜひ試してみて。
きっと見違えるようにキレイになると思いますよ!

2016年の5月に書いた革ベルトの磨き方ですが、今回動画を撮ってみたので、詳しく繰り返しです。
特に特別な物を使わないと言うことで、使うものは先回と同じ、たぶんどの家庭にも1セットはあると思う革靴のケアセットです。
靴用のクリーム(革製品用のクリームがあればなおいいですね)、
同じくブラシ、綿の布(着古しのアンダーでもOK)。これだけ。

試すバンドは使い古しのハドリーローマ MS-898、Blue、カーフのアリゲータ型押しのバンドです。
実はこれ、バンドを販売するにあたって、耐久性やキズの付き方、水濡れや退色を試してみるためにいじりまくった結果、ご覧のようにほぼボロボロになってしまったものです。
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さて、どこまで甦らせることができるかな?

使う道具と、磨いた結果の写真がこちら。

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下段の写真が結果。新品とはいきませんが、充分にキレイに甦りました。
家にあるもので、ほんの15分〜20分の手間でこれくらい変わります。
充分「甦った」って言えるよね!

クリームもつけず、布拭きとブラシ掛けだけでも充分効果があります。

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左の写真が今回のくたびれたバンドそのものと、布拭きとブラシ掛けだけを行ったものの比較。深いキズは直らないけれど、くすみが消えて十分な艶も出すことができます。
手軽なので、普段時計に付けたままでもいいから定期的に布拭き・ブラシ掛けだけでもしてやるとバンドはキレイにしかも長持ちします。
右の写真がクリームを使用した場合。深いキズもほとんど目立たなくなっています。

注意!! 表面を起毛させたヌバックや、スエード・バックスキンにこの方法は使えません。

では、手順です。

クリームを適量バンドにつけて、

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指が抵抗を感じるくらいまですり込みます。写真のクリームは少し多めかな?革用のクリームは伸びがいいのでほんの少しで大丈夫。

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次ぎに布で表面を磨きます。

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軽い力でいいので、感触がさらさらになって、艶が充分に出るまで、上下左右斜め、方向を変えながら磨きます。2〜3分で艶が出てきますが、最低5分位は磨いてやりましょう。

最後にブラシ掛けです。

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これも上下左右斜め方向を変えながら、これもあまり力を入れずにせっせとこすります。
これで、一気に艶が増します

これらの手順、動画もみてね!

これだけでオワリ。手はだるくなるけど、簡単な作業でケア完了です。
革バンドは、普段、また定期的に手間をかけてやると、縫い目の糸が切れたり、いつも留めている尾錠の留め穴付近で割れてしまったりしないかぎり長期間愛用することができます。
いつまでも、お気に入りの時計を美しく引き立てて欲しいものです。

P.S.
ここに掲載している写真ですが、照明が悪くて色がよくわかりません。ま、もともとこのMS-898 のブルーは彩度・明度とも低いダークブルーで、暗いところでは黒に見えるような色なのですが、さんざんいじくったせいもあり本来の色ではありません。
本来はこんな色です。
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特に白ダイヤルには落ち着きを持ってピタッとはまります。
興味があればこちらをご覧ください。(セールボックスで売ってます)

HRwb

SEIKO SEIKO SNK805, 809 ”もっと”モディファイ! 針交換 再挑戦!

少し小さく細いSNKのアルファ針を太くて大きいソード針に!
SNKはこれで小さなパイロット!?

秋も深まり冬の気配がただようこの頃、風邪には気をつけましょう!
さて、今までのブログに書いてますが、ホント大好きな SEIKO SNK シリーズ。実売8千円位のオートマチック、37mmケース、小ぶりなミリタリー風。売ってるままだと、仕事も含めた普段使いにはチョット?っと思うサンドブラスト風のつや消し処理を一皮剥いて磨いてやると、印象一転、普段使いOKの感じに! 加えて風防をサファイヤクリスタルに変えれば、もう、これは結構ナイスウォッチに!
小ぶりな大きさも手首回り17cm強の僕にはちょうど良くて、いろいろ手を加えただけに愛着もあって、ほんといい時計だと思うのです。
が、ちょっと気に入らないのは針の小ささと細さ。もうチョット長くて太ければきっと存在感が増すのに・・・残念なところ。

以前の記事や動画にもあるとおり、カーキ色ダイヤルのSNK805の針を少し長いベンツ針に変えたら自分なりには大成功。バランスの取れたいい感じになったのですが、素人の初めての作業だったので、ダイヤルも針の穴付近もキズだらけの結果でした。(ま、肉眼の一瞥では見えないようなキズですが・・)
今回、ベンツ針を買った「raffles-time(eBayの出品者)」さんのサイトにあった、同じく7S26用のソード針を購入し、キズなくきれいに付け変えできるようリベンジです。

結果はこれ

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ベージュの SNK803と、黒の SNK805。針は色違いの同型です。
秒針は、理由を後述しますがSNKオリジナルです。
針の存在感が控えめなオリジナルに比べ、時計全体の押し出しみたいなものが出たように思いませんか?上品さは少し失ったかもしれないけど、増した視認性に比べれば目論見どおりです。
僕は腕時計の針は長いほうがカッコいいと常々思っています。特に秒針・分針は秒のインデックスを指すのが基本的に優れたバランスだと思っています。ちょうど、この写真のようにね。(秒針が残念だけど・・・)

eBayで買った針はこちら

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raffles-time(http://stores.ebay.com/Raffles-Time?_trksid=p2047675.l2563)
中国から郵送されたものです。
以前のベンツ針もそうでしたが、蓄光もセイコーのオリジナルにひけを取らないものです。
針自体の品質はわかりませんが、すんなり収まるので、たぶんいいんかな・・?

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Aはお馴染みの裏蓋外し、Bは安物の工具セットに入っていた剣抜き、Cは新たに買った明工舎の剣押さえ、
Dは薄いプラスチック板をカッターで切った針を抜く際の文字盤保護膜、Eは同じ目的で使うラップ。
Fが今回買ったソード針。

さて、気合い入れて交換作業!

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ケースから外した中身にリューズだけ取り付けて、午後0時に合わせます。午前0時だと新しい針を装着した時に針同士が干渉しないかクルクルリューズを回すので、その際逆回転でカレンダーを痛めることが心配なので。

 

 

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自作の保護膜やラップを使って、文字盤にキズが就かないように慎重に剣抜きで針を取り外します。

 

 

 

 

hands04ラップを使う時は、ラップを針の上に被せて、ラップ越しに工具を使います。
緑の805の時は、安物の工具にいらだってゴチャゴチャしている内に文字盤を傷つけてしまった。文字盤は以外とチョットのことで傷つきます。デリケートなので取り扱い注意です。

 

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さて、新しい時針を取り付けます。細かい部品を扱う時の粘土みたいなものがあるようですが、持たないので、セロテープで針の先をチョンっとくっつけて作業しています。12時にピッタリ合うように剣押さえで装着します。

 

 

hands06重ねて分針も同様に装着します。この時時分針がピッタリ重ならないと、分針が12時に来た時に時針がズレてしまうので慎重に。

装着したら、時分針が文字盤に平行に装着出来ているか目視で確認した後、リューズを12時間回して、時分針同士が干渉しないか、時針が文字盤のロゴなど突起物に干渉しないか確認します。干渉するようだったら針を抜くところからからやり直し。

hands07最後は秒針です。秒針の取付けは時分針がどの位置にあってもかまわないで、慎重にセンターをあわせて、チョンチョンとつついてやれば入るはずです。
ところが、この新しい針、何度やっても入りません。なんで?なんで入らん?チョンチョン・・あかん・・、入らん。
hands08結局あきらめて、オリジナルの秒針を装着するはめに。オリジナルは一発で決まりました。

なんでかなぁ? で、秒針の袴をマクロで撮ってみたら、明らかに袴とその穴の大きさが違うよね。

 

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左が新しいもの、右がオリジナル。左の方が小さいよね。こら入らんわ。
多様にある針の穴(ムーブメントの軸の太さ)の規格のことはよく分からないので、7S26用であれば大丈夫って思ってたけれど・・。あかんのもあるんかな。難しいね。

ま、秒針は残念だけど針を変えたムーブメントをケースにもどして完成です。

いろいろあったけれど、とりあえず完成。

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グリーンの805も加えて記念写真。
以前より増した視認性に大満足であります。
小さいSNKが本格的なミリタリー?パイロット?になったようで。うん。なかなかのものです。(「おんなじようなもんいっぱいこうて、なにしてんのん。おかしいんちゃう?」って言われてます。冷静に考えれば僕も同感です。)

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特に、ベージュの803、眼にやさしいベージュのダイヤルにルミを施された黒の時分針が際だって。クラシカルな雰囲気が最高です。明るいブラウンのバンドも似合うね。

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完成写真のバンドは、ハドリーローマ MS-906 (白スティッチ・シャークグレイン)と MS-784 (オイルタンレザー・フラット)。粋でオシャレ!っと思います。

HRwb

針交換の顛末、動画はこちらで!

最後に、言い忘れた注意点

針の穴の規格はムーブメントによって異なります。多数のムーブメントが採用するサイズはあるようですが、多様なようです。純正品でなく外品を手に入れる時は注意がいります。今回もSEIKO 7S26 用を確認しての購入ですが、SNK には秒針は違ったようです。
同じメーカーの同じムーブメントを搭載した異なる時計の純正品か、ジャンク品の部品取りで手に入れるのが、ホントは失敗のない方法なんでしょうか。
難しいね。