スタインハート・オーシャンワン・ブラック 安くて高品質なダイバー

どうして日本で売っていないんだろう?
STEINHART OCEAN ONE BLACK のレビューです

OceanOne03

感想まとめ
● 高級感あり。見た目と機能だけを評価すればロレックスはいらない?と思ってしまう。
● 一般的な日本人の腕には少し大きく重いかな。
● サブマリーナが欲しいけど手が届かないと思っている方には、絶対お買い得だと思う。

【プラス面】
300m防水が本当なら、この値段ですごい。
オプションのセラミックベゼルを選択すれば、より高級感が増す。とてもきれい。
サブマリーナに似ているが、42.5mmケースとベゼル・エッジの形状で独自の特長を出している。
基本320ユーロ。円高・ユーロ安の今はなおさらお買い得感あり!

【マイナス面】
大きく重い。
ベゼルのセラミックインレイの文字は欠けやすい。(なぜか理由はわかりません)
ベゼルの回転が固すぎる
あえて言えばサブマリーナに似ていること

OceanOne図面
図面の画像を忘れていました。16.07.21追加。これがないと分からんよね。ごめんなさい。

【スペック(寸法は実測)】
a:50mm / b:42.5mm / c:30.5mm / d:28.5mm* / e:46.5mm / f:約3mm* / g:7mm / 厚さ:13mm
バネ棒込み本体のみ重量 :87g(*ベルト含まず)
写真の手首幅 : 55mm
*d はインナーベゼルを除いた文字盤の直径 *f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :ETA 2824-2
●ケース :ステンレス、側面=二次元曲面、ラグ上面=つや消、側面=グロス、ベゼルエッジ=つや消
●風防 :サファイアクリスタル(フラット)、日付部拡大鏡、両面無反射コーティング
●防水 :300m / ●リューズ :ねじ込み / ●裏蓋 :ねじ込み
●カレンダー :3時位置DATE
●蓄光 :略字・時・分針と秒針マーカー
●ダイアル色 :ブラック
●ベゼル :逆回転防止、色=ブブラック、120クリック、オプション:セラミックインレイ
●ベルト :ステンレス(無垢)、ダブルロック付き三つ折れクラスプ、バンド調整=ネジ式、
バンド幅=22mm(ダイバーエクステンションはありません)

なんと言っても値段、320ユーロ=36,480円!
ベゼルをセラミックにしても、345ユーロ=39,330円
(1ユーロ=114円換算 2016.6.26)
サブマリーナ オマージュ 決して偽物、マネ物には見えない

非常に優れた品質の時計だということに間違いはありません。
300m防水の本格的なダイバーウォッチで、造りも実にスキがなく、いかにも欧州産の高級感も持ち合わせます。
サブマリーナに似てはいますが、サブマリーナオマージュとしてはまったく恥ずかしくない品と質を持っています。
この種の時計で最近の日本では、例えば、「101(ヒャクイチ)」ってサブマリーナそっくりの10千円くらいの時計があります。それなりに問題の無い時計だと思いますが、見た目の質感・外見の印象はまったく違います。
サブマリーナは素晴らしい時計ですから当然これをまねた商品は出てきます。
しかし、偽物(FAKE)なのか模造(IMITATION または COPY)なのか、あるいは敬意や尊敬を表したもの(hommage=オマージュ)なのかではずいぶん違います。
FAKE は論外として、先ほどのヒャクイチは模造の域を出ていないと感じます。ムーブメント以外のエレメントがあきらかに安易な”まね”だからです。
また、”サブマリーナがほしいけどお金がないのでこれにしました”的なものを感じて、自信を持って腕にはめることができないからです。
かたやオーシャンワンの質感・品質は、サブマリーナに深い敬意・尊敬を表しつつ、それに近づこうとする独自性が感じられます。
“手を抜いていない”メーカーの姿勢が感じられるのです。それだけでも自信を持って腕にはめることができます。
繰り返しになりますが、非常に優れた品質の時計です。
しかも、SWISS MADE で320ユーロというバーゲン価格です。

ケースはサブマリーナより一回り大きめの42mm。これだけで本家とは印象が違います。
しかし、このために、特にラグからラグの全長が50mmで、ラグのデザインも水平に近く張りだしているので細めの腕には、腕からはみ出してしまうように見えます。少し残念なところです。

OceanOne04
視認性も、暗所での蓄光も十分な光量と持続時間で問題ありません。
ETA 2824-2ムーブメントは、この一年間常に +5〜7秒/日 で安定しています。
ベゼルは本体から若干はみ出し気味の大きさですが、内側から外側への傾斜によって本体との一体感と、作り込みの良さが感じられます。
ベゼルの回転は、個人的にはもう少し柔らかくしてほしいと思うくらいソリッド感の強いものです。また、オプションで選択できるセラミックのインサートはとても上品な光沢です。
重量は公称 190g 、手首17cmの僕にあわせて 174g 、ステンレスベルトを付けた一般的なドレスウォッチが 100〜140g、セイコーSKX007で160g ですからかなり重いと思った方がいいです。
手首が18cm以上の人には絶対お勧めです。逆に17cm以下の人はよく考えて・・。

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スタインハートはドイツの若いメーカーです。
20世紀の中頃、世界に追いつこうと努力を重ねていたセイコーの製品もまさにスイス時計へのオマージュだったのでしょう。
そういうところがスタインハートに重ねて見ることが出来ると思うのです。

残念ながら日本には正規代理店がないようです。正式に販売しているところはありません。
でも、少しの手間を惜しむことがなければ、スタインハートのホームページから直接購入が可能です。
現在ユーロはほぼ 114円。絶対に損のない買い物だと思います。(ただし、サブマリーナにブランド価値や思い入れが大きい人は別ですが)

動画はこちらで!

 

決済は PayPal それなりの準備は必要
別途、輸送費、消費税、税金についての特別取扱手数料も必要

決済は PayPal なので、PayPal に自分のクレジット情報などを登録しておきます。
SteinHart のホームページの注文フォームに必要事項を入力し送信すると、詳しい購入手続きが送られてきます。
後は内容を確認し、PayPal を通じて決済を行い、PayPal から決済終了のメールを SteinHart に送るだけです。

1年前になりますが、僕はオプションのセラミックインレイを加えたので、
本体価格 344.54ユーロ
運送費  30ユーロ
円換算合計額  50,491円(134.8円/ユーロ)
これに、輸入時の税金および手数料が FeDex から請求されます。
消費税  3,100円
地方消費税 800円
手数料   500円  合計:4,400円

総合計  54,891円
※ 円高・ユーロ安の今ならたぶん8,000円位安く買えます。

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300m防水の本格ダイバーで、造りも見栄えも良く、正真正銘 SWISS MADE。5万円以下!
お買い得だとは思いませんか?

なぜか手にしたくなるSKX

雨ニモマケズ風ニモマケズ

「雨ニモマケズ風ニモマケズ雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ慾ハナク決シテ瞋ラズイツモシヅカニワラッテヰル・・・・」
宮沢賢治の有名な詩ですね。小学校で必ず習う。
何度目にもなりますが、セイコーSKX007とSKX009の話です。
まさに、この詩の出だしのような時計だと思います。一年中どんな天候でもタフに使える丈夫な時計なのに、過度な主張もなくいつも自分をフォローしてくれる。そんな感じです。
晴天の日に気分良く出かける時や、悪天候の日に出なければならないような時、かならずこのどちらかを連れて行ってしまいます。
僕は不注意な性格で、今まで何回も水で時計を曇らせてしまったり、硬い物に当てて風防を傷つけたり、いつも時計屋の親爺に「もっと大切に扱え」と叱られたものです。その親爺ももう引退して店はありませんが。(街に時計屋や自転車屋が少なくなったね。淋しいことです。)
この時計は僕の不注意を寛容に見守ってくれるありがたい存在です。
「G-Shockでええやんか」とも思いますが、SKXは時計本来の色気があると僕は感じるので愛用しています。それになにより自動巻が好きなので。

仕事の関係で簡単な映像を編集することがあるのですが、今度、adobe の Premiere って編集ソフトを使うことになって、練習がてらSKX007と009を使って3分弱の動画を作ってみました。比較できるのでぜひ見て下さい。

グラフィックの仕事は長いので、adobe Premiereも何年くらい前やろうか、10年?15年?、使ったことはあるのですが、進化した姿に本当に驚きました。今回はほんの基本的な機能だけを使ってのものなので、普通ですが、AfterEffects なんかも使ってそこそこ表現豊かな動画が作れればなぁと思っています。

画像のブレの原因は「手ブレ」で無く「手ブレ防止機能」やったという皮肉な話

今まで YOUTUBE に動画をいくつか上げています。ターンテーブルに乗せた時計を撮影したものです。
いつも気になっていたのが{動画がぶれる}ことです。たぶんターンテーブルが安物なので回転にムラやブレが出るのだと思っていました。
確かにそれもあるのですが、今回、決定的な原因が分かりました。
カメラの手ブレ防止機能です。この機能って、あらかじめ大きめの画面で撮影して、それより少し小さな画面を仕上がりサイズとしていて、その差、余白を利用して、あたかも手ブレしなかったように見せるデジタル技術なんですね。
大きめの画面の中で、仕上がりの小さな画面が被写体を基準に追いかけて、動いている訳です。
僕はカメラを三脚で固定して撮っているので手ブレは起きません。しかし、被写体はターンテーブルの上で動いているので、誤認識するんですね。
今回、手ブレ機能をOFFに設定すると、あの気持ちの悪いブレはほとんどなくなりました。

最近の機械はなんでもそうですが、素人でも簡単にプロに近い操作ができるようになっています。
複雑な技術があるのでしょうが、やっぱりアナログのマニュアルがいいですね。カメラも車も電子レンジも。
ちなみに、僕は最新の電子レンジで酒を燗することができません。タイマーで「チン」という古いのを使ってます。

外品のメタルベルト、購入する時は気をつけて!

「安物買いの銭失い」にならないように注意しよう!

夏になるとメタルのベルトに交換したくなるというようなことを何回か前に書いていますが、純正のメタルベルトが買えない場合や、雰囲気の違うものがほしい場合など、どうしても外品のベルトしか選択肢がなくなります。
店頭で確かめて買えればいいのですが、その場合でもなかなか細かなチェックはできません。ネット通販などで買う場合は掲載されている写真しか判断材料はありません。
とても危険な買い物ですね。
そこで僕の経験から購入時の注意点をまとめました。

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外品例:右3本は主な購入失敗例。特に右下2本は”使えない”明かな不良品

購入時の注意点

● コマ繋ぎの方式(割ピン・Cリング・板バネ・スクリューなど)を確認し、サイズ調整が可能な手段をあらかじめ確保しておく!
(道具を揃えて自分でやる。友達にたのむ。時計屋に頼む。など)
● 安物には手を出さない!
(少なくとも3千円以上、できれば5千円以上のものを選びましょう)
● 分厚いタイプは避ける!
(分厚いものを選ぶ場合は必ず5千円以上のもの、出来れば10千円前後またはそれ以上のものを選びましょう)
● 価格は時間の許す限りよく比較する!
(5千円の売価がついていても、どう見ても同じ商品が千円、2千円で売っていることがあります。そういう品は避ける)
● 工具・バネ棒以外のおまけつき商品には要注意!
(よく、革ベルト付きなどで販売しているものがありますが、商品もおまけも使えないケースがある)
● シャークメッシュと言われる商品はサイズ調整の方法をよく確かめて!
(チェーンを切断しないと調整できないものを買ってしまうと素人は大変です)
● 汎用品の弓カン付きのもの(ベルトの端っこが時計にフィットするよう円弧になっているもの)は避け、直カン式のものを選ぶ!
(時計の型式専用と謳われているものは別です。汎用のものはラジオペンチなどの工具で結構煩わしい作業が必要な場合が多く、よほど運が良くなければピッタリ着けることは出来ないと思った方がいいです。カン(エンドピース)が真っ直ぐな直カンのものはその心配がありません)
● 直カン式のものでも、写真を良く見てエンドピースが大きく太いものは避ける!
(自分の時計のベルト装着部分、ボディとバネ棒の隙間にはまるかどうかや、装着できてもエンドピースが時計に干渉し傷つける場合があるとエンドピースを削る加工が必要な場合もあります)

★ できれば純正品を手に入れる!

以上が鉄則です。

購入後の注意点

● タグなどあれば外す前に、商品の各部を充分にチェックする。ブレスの曲りかたがスムースか、クラスプのソリッド感は十分か、留め具のロックは確実に効くか。など。
● バネ棒が附属しているもの、これはありがたいのですが、バネ棒の強度をよく確かめてから装着する。(僕は、不良品のバネ棒の先が折れて時計を落としたことがあります)
● サイズ調整で余ったコマやピンの部品は必ず大切に取っておく。
● バネ棒はずしの工具は少なくとも千円以上のものを買っておく。(バネ棒はずしの工具は、品質が悪いと、やり直しの数が増え、時計を傷つけることが多くなります。また、作業中バネ棒自体がピョンとはねて紛失することも多くあります。少し高価でもよい工具はそれらの可能性を少なくしてくれます)
● ブレスの繋ぎのピン抜きは百均の工具でも十分ですが、ネジ式のしっかりした専用工具があればベターです。(ベルトを傷つける可能性が圧倒的に減ります)

一番重要な点。安物はだめ! なぜ?

写真だけを見ると、どれもとても立派に見えます。でも、安い物に多いのは、コマの動きが渋くて腕にフィットしない。角の面取りが不十分で痛い。いかにも安っぽい音がする。など問題の多い物がほとんどです。
特にバックル、留め具やアームの工作が悪く、ほとんどのものは耐久性に問題がある、もしくはすぐこわれる。と僕は思っています。

まったく使えなかった例を上げます。

「トンチャーメー シャークメッシュブレス ベルト ステンレス シルバー バックル式」
アマゾンで今年2月、2,999円で購入。革ベルト・バネ棒・バネ棒はずしなど盛りだくさんのおまけ付き。現在2,180円になっています。(安くなってる?これ自体おかしいよね)
千円・2千円のメタルベルトを買ってさんざん失敗したのに、これでとどめをさされた感じです。(3千円クラスならましやろ、と思ったのですが)
● バックルの留め具がキチンとロック出来ません。これだけで致命的です。
● おまけの革ベルトは、それはそれは恐ろしいほどチープです。ベルト自体がチープなだけでなく、バックルの針の付け根の遊びが大きく、留めても抜け落ちます。こんなもの見たことがありません。全く使えない代物です。いったいこのおまけにどんな意味があるの?って深く考え込んでしまいます。

商品到着後、シャークメッシュの長さ調整にばかり時間と気をとられて、ロックの不良に気づいたのはチェーンを切った後。そうです、後の祭り。
商品代金と、長さ調整に費やした時間をまるまる損しました。

もともと、バックル金具の工作が悪いのに加え、ベルトの厚みに対しバックル金具自体がフィットしていない。ということです。
図のようにバックルは A, B 二つのアームが支点で折りたたまれロック穴の付いたケースに収まります。
clasp01
空の状態や薄いベルト装着の場合での動作はソリッド感はないものの問題はないのですが、分厚いベルトを装着すると(下図下段)、アームの設計に問題があるのか、折りたたんだ状態でアームとベルト、反対側ケース上端とベルトが干渉しロックピンがロック穴にきちんと収まりません。人差し指と親指でケースをつまんでエイっと力を入れるとアームが若干しなって、やっとロックされます。しかも、ロックピンとロック穴の位置設定が甘いのか少しずらし加減に押すというコツが必要です。
clasp02
これは使えません。
ロック機構やアームの工作の不良は今までも経験した安物によくある症状です。
しかし、この製品の致命傷は、バックルの深さ4mm(実測)に対し、ベルトの厚みが最大4.3mmあることです。薄いベルトなら、不良でも許容できる遊びがこの商品にはありません。
なんとかベルトがバックルに収まっても、閉じた時にどこかで必ず干渉が起き、しっかりロックすることはできません。
ちなみに、商品の説明ではベルトの厚みは4mmと記されています。

clasp_photo
上っ面はとても立派です。

値段で判断するのは本当は正確性を欠くのかもしれませんが、
5千円で買った別物(冒頭写真の右上)も使用実質半年でロックが甘くなってきています。
同じような使用方法でも、専用品(純正ではない)と謳われている9千円前後の品(複数)は問題なく使えています。
使えない物と、使える物の境界は、10千円前後かな・・。ま、ある程度のガイドラインになるのではないかと思います。
実売価格40〜60千円のミドルクラスの時計でも、純正のメタルベルトを買おうと思ったら15千円前後というのが普通ですから、10千円前後の出費はしかたないかなと思います。

P.S. 使えない商品の流通を許す、そんな国になってはいけません。

ネットには、このような安価をうたい文句に使えない商品が出回っています。こういう品を買って、安いんだから使えなくてもしかたがない。と諦めたり、自分で調整してなんとか使おう。とか、こういう風潮は日本の将来のためにも、おかしいと僕は思うのです。売る限りは値段はいくらであれ、使える物でなくては。
こんな状態で買い物をする若者がもの創りに携わった時に、本当にいい品を作ることができるのだろうかと。 使えるものを心を込めて作るという日本人として当たりまえの神経がマヒしてしまうのではないかと、心配になります。
インターネットは国の境界をはらい、インターナショナルであることはとてもいいことだと思うのですが、いい加減な他国の商習慣・生活習慣も同時に入ってきてしまいます。
これらに馴染んでしまうことが心配なのです。
日本にどこかの国のような神経をもつ人が多くなったら、日本は日本でなくなるのだから。

求めやすいパイロットウォッチ SEIKO SND255PC どんな時計?

少し本格的にレビューしてみたいと思う

SND255PC、ネット通販などでみるとレビューの数がとても多い。きっと人気のある機種なんだと思う。同型の黒ダイアルはSND253。今まで1万円以下のファッション時計をしていた人には本格的な腕時計として、3万円以上のビジネス時計をしている人にはカジュアルにお勧めできます。

感想まとめ
●高級感を期待してはいけない。確かに値段相応のチープ感はあるが、決して悲観するほどのレベルではない。
●充分日常使いできるよい素材。自分なりにカスタマイズするとベター。
●時計としては機能面で満点と言ってもいい信頼できる時計。
【プラス面】
ちょうどいい大きさ・重さ。日常の使用に気をつかわない防水性・堅牢製。見やすい文字盤。操作しやすいクロノ。
温泉やゴルフ場で置き忘れても、後悔はしても頭が真っ白になるほどではない価格設定。
【マイナス面】
ダイアルの色。ケースの仕上げ。メタルベルトのシャラシャラ音。

scale
【スペック(寸法は実測)】
a:46mm / b:40mm / c:31.5mm / d:27.5mm* / e:43mm / f:約2.2mm* / g:4.5mm / 厚さ:10.5mm (写真の手首幅 : 55mm)バネ棒込み本体のみ重量 :54g(*ベルト含まず)
*d はインナーベゼルを除いた文字盤の直径 *f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :7T92 クロノグラフ
●ケース :ステンレス、側面=二次元曲面、ラグ上面のみつや消し、他はグロス
●風防 :ミネラルハードレックス(フラット)
●防水 :10気圧 / ●リューズ :ねじ込み / ●裏蓋 :ねじ込み
●インダイアル :12時位置=1/20秒計・6時位置=2針60分/12時間計・9時位置=通常秒針
●カレンダー :3時位置 DATE
●ルミブライト :1,2,4,8,10,11時略字 / 時・分針とストップウォッチ秒針
●ダイアル色 :ブルーメタリック
●ベゼル :双方向回転式(計算尺)、色=ブルーメタリック着色・反転印字
●クロノグラフ :1/20秒〜12時間計測、計測中断-計測再開可(中断を含まない総時間)、計測中断-計測継続可(中断を含む総時間)、リセット=時計回りにグルッと0位置に戻る(カチッと瞬時には戻らない)
●ベルト :ステンレス(巻き板)、ダブルロック付き三つ折れクラスプ、バンド調整=割ピン、バンド幅=20mm

さて、この色をなんと評価するか?

この時計の第一の特長は、ベゼルとダイアルの色でしょう。メタリック感のため、紺、濃紺、濃紫、群青、受ける光によって印象がかわる。
正直言って、好みの分かれるところだと思う。僕はどちらかと言うと否定的。いっそフラットなネイビーでいいのではと思う。
夜の照明の下や、昼間の室内などでは非常に落ち着いた紺色で好感が持てる。しかし、屋外では日光の状態で紫に見えたりする。これがあまり好きではない。弱い光のなかではそこそこ高級に、強い光のなかでは時に最大級に安っぽく見える。
しかし、良くも悪くもこの色がこの時計を最も強く印象づける要因だと思う。
少し気に入らないから使わない、ではもったいないので、このダイアルの色にぴったりなじみ、しかもおしゃれに使えるベルトを探してみようと思う。内容は後半に。

made in japan とは明らかに差のあるケースの出来

フェイスの色を、ある時最大級に安っぽく見える、と言ったが、ケースも同様。セイコーの時計は丁寧で美しいケースの磨きが一つの大きな特長だと認識している。誇れる in house movement と共にセイコーの良き伝統と。
しかし、実売価格2万円以上のものと明らかに差がある。金属の加工には詳しくないが、表面処理のフィニッシュに問題があると感じる。例えば下の写真(右側)。ベルトに隠れるラグとラグの間。なんとも安っぽいシワが見えるでしょうか。
SND255hairline
これほどではないしにしろ、本体側面、反リューズ側も細かなうねりが見える。グロス仕上げの2次元曲面なので、ささいなことではあるが周囲の映り込みで安っぽさが出てしまう。そう、ほんのさささいなことが重要なんだと思う。
これと同価格帯のSND363も同様であった。若干価格帯がアップするからかダイバーのSKXなどにはこの現象はない。
単にコストの問題なのか、製造国の違いなのか、よく分からない。
そもそもケースはどこで作っているのだろう?製品には「cased in XXX」と記載されたシールが貼られているので、組立は外国でも、部品製造は国内だと思っていたが・・。
いずれにしても、このままでは使いたくないので、ケース側面をヘアライン風に処理してマットにし反射を抑えると、自分なりにはかなり問題の解決を見た。と、思っている。(写真左側)

時計としての機能的は充分以上

大きさも、厚さも、重量も、共に過ぎずちょうどいい。腕に着けてまったく違和感のないいい仕上がりだと思う。
その色もあって一見派手なフェイスも、40mmのケースの中に収まってるので品の悪い押し出しもなく、ビジネスに使っても問題は無い感じ。
防水は10気圧、水泳くらいなら使えるもの。また、このクラスには珍しくねじ込みリューズとなっているから防水の信頼性もより高まる。(但し、リューズが小さくて回しにくいのが欠点)。日常の雨や水はまったく気にせずガンガン使える仕様になっている。

しかも、公称精度月差±15秒(実際は±10秒以下だと思う)の正確性で、ストップウォッチは1/20秒の高速で12時間計測出来る。フライバックなどの高級機能は無いが、計測中に再度計測ボタンを押せば中断し、さらに押せば停止している秒針はその位置から計測を再開する。この機能はたびたび中断時間が発生する連続作業の実働時間を計るのに適している。
また、計測中、リセットボタンを押せば秒針は停止し、一定時間経過後再度リセットボタンを押せば、押した時点の位置にすばやく針が進み連続時間の計測を継続する。という興味深い機能も付いている。この機能は中断が発生する作業の最初の実働時間と総合的な所要時間を計測するのに役立つ。実利にかなった機能だ。これらは総時間12時間以内ならきっちり機能する。陸上競技や水泳、モータースポーツだけでなく、仕事上にも使える機能だと思う。
ルミブライトも抜けた歯でマヌケに大笑いしたように6ッの時刻位置でしか光らないが、セイコーの定評どおりきれいに光る。
見やすく正確な時刻表示、1/20秒の高速でクルクル回る計測針、簡単な操作で使い分けられる時間計測。一瞬の時間差の計測から何時間にも及ぶ時間の計測までこなせるわけで、機能的にはまったく文句はない。
むしろ、この値段で、ほんとにいいの?と思う。脱帽です。
もし、セイコーが市販のクオーツムーブメントを開発していなかったら、機械式でこれらの機能を正確に満足させようとしたら、いったい値段はいくらになるのか?100千円以下では絶対無理でしょう。スイス製なら200千円以下では絶対売らないと思う。
この機能が10千円前後で手に入るって、すごい。セイコーがスイスに嫌われたのも納得できます。クオーツはこわい。

ベルトはそれなり

ステンレスメタルのブレスレット。見栄えはしっかりしている。なんの不備も問題もない。バックルもきちんと節度ある閉じ方でロックのクリック感も問題なし。でも、見た目は分からないが巻き板式なのか特有のシャラシャラした音がする。高級感はない。ま、値段からすると当然かな、むしろ充分以上におごったと仕上がりではある。シャラシャラ音が気になる人には不向き。

パイロットは本当にこのベゼルで燃料や航続距離の計算をするの?

ベゼルに目盛られているのは様々な計算ができる円形計算尺。計算尺、中学の時に普通の物を買わされた。なつかしい。
計算尺なので、ベゼルはラッチも付かず双方向にスルスルスムーズに回る。
掛け算・割り算・比例計算、時間と速度と距離の計算、燃費の計算、航空機の上昇・下降の率や時間の計算、他距離や重量の単位換算などができる。らしい。すごい。でも説明書を見てもわからない(アホやから)。そもそも裸眼ではこんな小さな字や目盛りは見えない。理工系の人たちの間では便利に使っている人もいるらしい。
今の航空機のパイロットは計算尺なんか使わないという話を聞いた。たぶん、一般的にはそうなんだろう。でも、面白そうなので、今度挑戦してみる。(報告できたら報告します・・自信ないけど)

では、ピッタリのベルトを探してみよう!
主にNATOタイプのベルトに着替えてカジュアルに!ただし、ベルトの厚みには注意!

総括すると、非常に便利な機能と素晴らしい精度を持ったまさに実用時計です。
冒頭の話にもどりますが、不満はダイアルの色と附属のメタルベルトです。附属のメタルベルトは可も無し不可も無し、普通の印象でこの時計にフィットしています。
でも、シャラシャラ音が気になって、できれば他のものに替えたいと思うのですが、メタル以外でこのダイヤルに合う色ってどんな色でしょうか。
ベルトで印象がかわれば、ダイアルの色もあまり気にならなくなるのではと思うのですが、白や黒のダイヤルよりベルト選びは難しいようです。
そこで、いろいろ試してみた結果を見てください。好みもあると思いますが、この時計を買ったり、検討している人の参考になればと思います。

革ベルトは、少しでもいい物を選べば、特に安い時計を一気にそこそこ高級な印象にしてくれます。こんな感じ。特に焦げ茶はいいですね。青は(写真にはありませんが黒と同様)少し微妙です。
SND255brown
SND255blue
カジュアルに使うなら安いNATOタイプでOK。紺系が基本で無難かと思いますが、遊び全開ならオレンジも似合います。結局こういう使い方が一番似合っているのかなと感じます。色や柄でインパクトのある物の方がおもしろく使えます。緑系は色合いの選択が難しく、彩度・明度を間違うと全く似合いません。
SND255nato
★但し、冒頭スペックにあるように、寸法計測点の f 、バネ棒と本体の隙間が狭いのです。直径1.4mmのバネ棒でも本体との隙間は1.5mmです。
厚さが2mm以上のNATOやメタルでもエンドピースのごついものは装着できません。注意が必要です。
SND255black
NATOタイプなら実は黒が似合います。但し、おもしろみはないね。
僕の今の一番はこれです。黒・紺のストライプに白のステッチ(540円で買いました)。本格的なビジネス以外ならどこへでも連れて行けそうです。それに、時折見せるダイアルのメタリックな安っぽい紫の光を和らげているようにも見えます。(あくまで使っている時の印象ですが)
SND255best
SDN255、機能と値段を考えればとてもコストパフォーマンスの高い時計だと思います。色さえ気に入れば損のない時計だと断言できます。
たった一万円の時計を楽しみながら使えれば、これ以上のおしゃれはないのではと思うのです。しかも、時計本来の機能は完璧ですから。

夏に向けてメタルベルトのメンテナンス

買ったものの失敗だと思っていた艶無しメッシュベルトを磨いてみたら・・?

夏はやっぱり汗を気にしなくていいメタルのベルトがええね。
水に接する機会も増えるし、特に革ベルトはちょっとしんどい場面が増えるしね。
普段使っている時計はみんなメタルのベルトも用意しているんだけど、昨年末に手に入れたセイコーSARG017だけは例外で、標準が革ベルトだったのだけど、兄弟モデルでメタルベルト仕様があるので後でメタルだけ買えばいいか・・。と思っていたら、これが手に入らなくて。専用品のメタルベルト単体では販売していないみたい。
そこで、以前買ったものの色つやがなんとなくいやで使っていなかった少し厚めのメッシュベルトを改良して、こいつに着けよう!と思い立って、色つやを改善することに。

メッシュベルトの艶無しってどんな感じなん?

昨年夏にアマゾン(Geckota)で買った厚めのメッシュベルト、艶ありと艶なしを選ぶことが出来るのだけど、艶ありの薄いメッシュベルトは持っているので感じはわかるけど、艶無しってどんな感じやろ?ちょっとワイルド感出るかもしらん。と思って艶無しを選択。で、到着した商品を見ると、バックルやエンドピース部分はヘアライン処理、メッシュ部分はというと、艶ありのメッシュを薬剤か何かで無理矢理くすませた感じ。想像していた艶無しの鉄線を編んだ感じではない。オイオイこれはちがうやろう・・。しばらく使ってみたものの違和感があって使用中止、そのまま放置してしまうことに。(モッタイナ)
そう、もったいないから今回この「くすみ」をちょっとでも取って、今よりましにすることが目標です。
メッシュの中までは処理できないけど、表面だけでも処理できれば全面艶ありよりいい感じになるんとちゃうかな?

m_tools

使う道具はこちら。
左から、時計屋さんがよく使っている研磨剤「キクモール」、KOYOのステンレスみがきクロス、3Mの研磨フィルム(ピンク#4000、水色#2000)、リューター(ゴム砥石とメッシュに少しでも食い込むようにフランネルのパフ)。

で、作業手順。
ベルトエンドピースの平らなところはゴム砥石でざっと磨いて深いヘアラインをできるだけ平坦に。
フランネルのパフにキクモールをつけて、メッシュ部分を丁寧に磨いて、
研磨フィルムでエンドピースとメッシュ部分の表面を光沢が見えるまでひたすら磨いて、
最後にみがきクロスで丁寧に磨いて・・・・この段階でメッシュ部分はカスで真っ黒です。
あとは歯ブラシと石鹸できれいに汚れを洗い流して、ティッシュで水気を取ってドライヤーで乾燥。

m_conpair

できあがり。(上が処理後)
くすみから来る乱反射がなくなったので全体的にコントラストがハッキリしました。
照明が悪いのでコントラストの暗い部分が強調されてしまっていますが・・。
写真ではわかりにくいのですが、ちょうどいい感じに表面だけキラキラ光るようになりました。
自分なりには大成功やん!(一時間以上しんどい思いした甲斐があったよ。よかったよかった)

m_after

ちょっとごついSARG017、夏支度の完成です。(但し、重い。139g)

メタルベルトの手入れには音波洗浄機がいいです。眼鏡用に持っていたシチズンの洗浄機で半年間使用したメタルベルトを洗うと、それはそれは驚くほど汚れが掻き出されます。まさにびっくりです。
洗浄時はズボラせず、必ず時計からベルトをはずして、ベルト単体で洗浄を。また、水気はしっかり乾燥させてね。