オリエント・SAC00008W0 / Bambino

クラシック感満載・雰囲気のあるドレスウォッチ

海外で人気のあるオリエントの機械式腕時計。日本では正規販売されていません。
この時計は逆輸入で15,800円。機械式腕時計としては最も安い価格帯のものですが、自動巻でDATEカレンダー付き、手巻き機能や秒針停止機能も付いて、仕上げもしっかりとした日本製です。
オリエントは日本では少々マニアックな感じで受け止められることが多いですが、海外では機械式時計のエントリーモデルとして非常に高い人気があるようです。1901年創業、1934年には腕時計製造を始めた歴史ある企業です。今はセイコーの傘下で、最近セイコーの事業再編でセイコーエプソンに吸収されるようです。会社は吸収されてもオリエントのブランドは継続されるようですが、これからもいい時計を作り続けてもらいたいと思います。
この時計は海外で売られている「バンビーノ」シリーズのひとつです。シリーズにはどれを選んでもよさそうなクラシカルな雰囲気のデザインが揃っています。しかも価格はすべてエントリーレベル。人気があるのもわかります。

まずスペックです

Basic RGB

【スペック(寸法は実測)】
a:46.5mm / b:40.5mm / c:d:36.2mm / e:43.2mm / f:約2.5mm* / g:2.2mm / 厚さ:12mm
バネ棒込み本体のみ重量 :53g(*ベルト含まず)
写真の手首幅 : 55mm
*f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :cal.Orient F67
●ケース :ステンレス、側面=二次元曲面、側面=つや消し、上面・ベゼル=グロス
●風防 :ミネラルガラス(ボックス型カーブ)
●防水 :3気圧 / ●裏蓋 :ねじ込み式
●カレンダー :3時位置DATE
●インデックス・針 :ローズゴールド
●ダイアル色 :白
●ベルト :牛革型押し(赤茶)、ベルト幅=21mm
●手巻き機能・秒針停止機能有り

こんなに雰囲気のある時計は最近見かけません。

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SAC00008W0はシリーズの中でも最もクラシック感満載のドレスウォッチです。
ドーム風防の中はボンベ状に膨らんだ文字盤、その膨らみにそってカーブした分針・秒針。ローマ数字のインデックス、オニオンタイプの竜頭。どれをとってもとても懐かしい形です。
インデックス・針はピンクゴールド、いい感じの華やかさです。
最近の腕時計にはない非常に雰囲気のある腕時計です。写真からも感じてもらえるのではないかと思います。
これが2万円以下で手に入るのだから、機械式ドレスウォッチ入門編としては最適だと思います。

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自分なりに思う欠点は・・・

もう一回り小さい方が・・・

商品を見た瞬間の印象は「デカい」に尽きます。ケース自体は40mm強なのですが、ダイヤルが白であることもあって膨張して見えます。腕にはめても「ちょっとデカいな」感はいなめません。
おそらく海外用なのでこれくらいの大きさがいるのでしょうが、クラシカルなデザインに今時の大きなケース、ぼくはいかがなものかな・・・と思っています。
下の写真は正面から見たオリジナル(左)と、ダイヤルはそのままにケースを38mm、ベルト幅を20mmにした加工画像(右)です。一回り小さい方が締まって見えませんか?

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また、文字盤は色は白ですが、若干緑がかった白です。僕はこの色がとても寒く感じます。真っ白か生成りでよかったのに。

中途半端な21mm幅のベルト

ベルト幅は21mmです。一般に売られている替えベルトは偶数が多いので、21mmを探すのは根気が必要です。ま、20mmのベルトをつけてもそんなには違和感は感じませんが・・。たった1mmです。20mmにすればよかったのに。

「よかったのに」がほぼ3つ付きましたが、どれも自分の腕の細さと、好みの問題なので、充分に無視できる欠点です。

ベルトを替えてみよう!

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NATOストラップは全て20mm幅です。そんなに違和感ないよね。

クラシカルなドレスウォッチなので、定番は附属の革ベルトのように茶色や黒の革ベルトやメッシュタイプのベルトがいいのですが、カラフルなNATOタイプも似合います。
差し色がピンクゴールドの時計なので、オレンジや赤系のベルトなら女性にも大いに好まれると思います。
グリーンや紺系も、この時計を一気にカジュアルに仕上げてくれます。
こう見ると、結構オールマイティに使えそうやね。

動画も見てね!

最後に、細腕の人のために・・・

40mm強の時計、どれくらい大きく見えるのか

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標準の革ベルトと、NATOタイプ、37mmの時計を比較しています。
革ベルトは腕にフィットするので特に時計の大きさが強調されます。
NATOタイプは構造上ベルト自体に幅が出るので、比較的時計が大きく見えるのを緩和してくれます。
40mm強のケース、許容範囲ですが37mmケースと比べれば大きさの違いは明確ですね。

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いずれにしても、とても良く出来た時計だと思います。
日本製、オール自社製造。造り、見た目、精度、機能、どれをとっても文句のないものです。
これが15,700円。日本は真面目にいい仕事するね!

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セイコー5/SNK809K2 一番安い機械式時計。最良のエントリーモデル!

細腕にピッタリのサイズ、日常使いにうってつけ。一皮剥けばさらにいい感じ!

小さすぎると言う人もいると思いますが、小さい分とても上品に感じる時計です。
機械式・効率のいい自動巻・DAY/DATEカレンダー・日常防水・充分許容範囲の精度(日差+10〜15秒)・まとまりのいいデザインと優れた視認性・明るく光る夜光・・・日常使いに求められるものはすべて揃って実売価格7,000円位。
これ以上、なにを求めるのかと思うくらいのよい出来上がりだと思います。
ただし、腕時計に「押し出し」や「派手さ」「ステイタス」「ブランド」を求める人には向きません。

スペックから

Basic RGB
写真はケースを磨いたあとのものです

【スペック(寸法は実測)】
a:42.6mm / b:37.3mm / c:d:30.5mm / e:38.5mm / f:約2.4mm* / g:4mm / 厚さ:10.8mm
バネ棒込み本体のみ重量 :47g(*ベルト含まず)
写真の手首幅 : 55mm
*f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :cal.7S26
●ケース :ステンレス、側面=二次元曲面、つや消し(ヘアライン状でなく完全なマット)
●風防 :ミネラルガラス(フラット)
●防水 :3気圧 / ●裏蓋 :ねじ込み式スケルトン
●カレンダー :3時位置DAY/DATE
●ルミブライト :インデックス各略字・時,分,秒針
●ダイアル色 :ブラック
●ベルト :キャンバス地、バンド幅=18mm
●手巻き機能・秒針停止機能はありません

竜頭の存在を消したシンプルなデザイン

「自動巻で精度もそこそこイイし、竜頭なんかいらんやろ。どうせ手巻機能もないし・・」とでも思ったのか、実に小さな竜頭が4時側にさりげなく付いています。これがかえって全体的にスマートで上品な印象を出しています。
ダイヤルは、分を表すアラビア数字を大きく、時を表す数字は小さく内側に。
時・分・秒針は、この価格帯の時計にありがちな短い印象もなく、長くはないもののしっかり必要な部分を指し示す設定で好感の持てるバランスです。
黒のダイヤルに、白のインデックス、太すぎず細すぎずのアルファ針、差し色に秒針先端の赤。視認性は最良。
ミリタリー風のダイヤルですが、各エレメントに押し出しの強い部分もなく、とても上品に仕上がったデザインです。

マイナス点はケースの仕上げ?

僕の意見です。ケースのつや消し処理。ミリタリー風ということでこういう設定になっているのかもしれないので、これはこれでいいのですが、どうしても実用本位の安っぽさを感じます。光を全く反射しないマット仕上げなので、周りの環境にかかわらず、白っぽい灰色に見えます。キャンバス地の黒ベルトと相まって、仕事も含む日常使いには色気が少なすぎると感じます。アウトドアで遊ぶのには良い設定なのかもしれませんが、どうも引っかかります。

そこで、一皮剥いてみると・・・!

この時計をレビューしている、アメリカ(ハワイ?)の「minitwatch」さんのサイトでケースを磨いてベルトを交換する動画を見つけ、時計を壊すリスクも考えず同じようにやってみることに。

用意したのは、クルマの小キズ修復用のコンパウンドとフエルトの先端をつけたリューター。
まず、裏蓋を開けて→竜頭を引き抜き→ムーブメントを取り出して→裏蓋をもどし→竜頭の穴に爪楊枝をねじ込んで→風防をマスキング。
※ムーブメントの取り出しはちょっとした不注意が致命傷になるので慎重に、自己責任で!

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ここからリューターに「粗キズ用コンパウンド」を塗り込んで全体を粗磨き。
次ぎに、これはうまくいきそう!と気合いを込めて「細キズ用コンパウンド」でひたすら磨くと、こんな具合。

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最後に仕上げ用クリームを不織布につけて丁寧に仕上げ磨き。
あとは丁寧に拭き上げて、分解の逆の手順でムーブメントをもどし、裏蓋をギュッと締めれば出来上がり。
※わざわざムーブメントを取り出したのは、リューターで磨くと対象物が結構熱を持つから。熱すぎて時計本体に影響があったら困るので。
※コンパウンドは自動車のボディ用で「粗」「細」「仕上げ」3本セットでどこでも売ってるものです。

ベルトを交換

幅18mmのベルトは持たないので、一工夫。古い20mmベルトをカッターで加工してしまおう。
ワンタッチバネ棒とやらが付いていたゴールドブラウンの20mm幅のベルト。ワンタッチバネ棒は工具なしで簡単にベルトの付け替えができる優れものですが、このバネ棒がこわれて、こわれたバネ棒をベルトから取り出すにも取り出せず、無理にやったらベルトのバネ棒付近が一部裂けて使えなくなったモレラート製。(長い説明やね・・)
このベルトのバネ棒部分の両端を18mmにフィットするよう1mmカットして、付けてみた。
とてもいい感じです。

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これを教えてくれた「minitwatch」さんは、タイメックスの替えベルトにしています。で、ぼくもタイメックスの替えベルトを探したら、こんなものがありました。3,240円。届いた商品のケースにはご丁寧に12.99ドルってタグが付いてました。
これをつけるとこんな感じ。これも、いいね。

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最後にビフォー・アウター。

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どうです?自分は大成功と思っています。
この夏お世話になったセイコーのダイバーSKXに替わって、秋冬はこれでいきます。

動画で確認↓↓

p.s.  ここまでやったんやから、今度はヒマを見つけて、反射しすぎる風防を外品のサファイヤガラスへの交換にチャレンジしてみるぞ〜!