ALBA・Q&Q・CheapCasio ¥2,000〜¥3,000!チープウォッチ比較

セイコー・シチズン・カシオ、比べてみました。

先回のALBAでちょっと感動したので、
¥2,500〜¥3,000でよく似たタイプの セイコーALBA・シチズンQ&Q・CheapCasio を比べて見ようと思います。・・では早速。

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左から、Q&Q(H30-001)、ALBA(ABPS137)、CheapCasio(MRW-200H-1BV)。
価格(購入価格)は、Q&Q-6,000円(2,370円)、ALBA-4,000円+税(3,013円)、CheapCasio-逆輸入のため不明(2.430円)。
2千円〜3千円の回転ベゼル付き3針のクオーツ時計です。
どれもケースや風防がプラスチックなのでそれなりの見栄えではあります。
クオーツムーブメントには詳しくありませんが、価格帯からどれも最底辺の国産ムーブメントだと推測します。経験上充分に正確に動くと思います。
一秒ごとにステップする秒針の動き方も数万円で売られている国産機種のものと比べ明らかに硬く安っぽく見えます。
また、針も薄板を型抜きしただけのチープな感じはありますが、ALBA・CheapCasioは白で塗色されているのでうまくごまかされているかな。

届いた姿はこのとおり。

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ALBAは厚紙のケースに一応スポンジの枕に巻かれて入っています。Q&Qは吊し用の塩ビのケースに、CheapCasioはビニール袋にグチャグチャっと入っています。

主な仕様と特徴を表にしました。

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大きさは、CheapCasioが一番大きく重く、ALBA、Q&Qと続きます。Q&Qは一番小さいのですが、ラグからラグの全長が一番長いので見た目にはそれほどの小ささは感じません。
ALBAは電池式のクオーツで機能は最もシンプル
これに、Q&Qはソーラー充電機能が、CheapCasioはDAY/DATEカレンダーが付加価値として加わります。

回転ベゼルはALBA、Q&Qが共に逆回転防止60クリックで動作の節度・強度も良好です。
CheapCasioは両方向に回転しラッチはありません。ぬめっと適度な抵抗をもって回ります。少し物足りませんが、別にこれらの時計で本格的なダイビングをするわけではなく、ただ経過時間を計りたいという目的だけならCheapCasioの設定がむしろ便利でいいのかもしれません。
ALBA、Q&Qは粗めのコインエッジ、CheapCasioは歯数の少ない歯車状の彫刻です。僕はフラットでオーソドックスなALBAのベゼルを好ましく思います。
防水は全て100mmです。チョットした水没や、軽い水泳くらいには耐えるのかな?ま、豪雨の中でも安心でしょう。

側面はこんな感じ

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厚さの違いが少しわかります。風防以外に最もプラスチック感を感じる部分ではないでしょうか?ALBA、Q&Qはケースの中央にはっきり成形の筋がありますが
CheapCasioにそれはなく比較的高品質な感じがあります。

腕につけるとこんな感じ

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左からALBA、Q&Q、CheapCasio。
付属のバンドは、ALBAがナイロンのNATOタイプ。12時側が短すぎて大人の手に尾錠があらぬ位置に来て使うには辛抱がいります。
Q&QとCheapCasioはPVCかな?工業用ゴムの加工品。Q&Qは適度な長さを持ちますが、CheapCasioは12時側6時側ともびっくりするほど長すぎてよほど腕が太いか、服の袖の上に巻く以外は普通に使用するにはかなり恥ずかしい、かな。
大きさは、腕回り17cm強の僕が付けて、ALBAはちょうど良く、Q&Qは少し小ぶりに見え、CheapCasioは少し大きめ(普通のダイバーをつけた感じ)。

ダイヤルは、インデックスが数字で内側に小さな活字で24時間表示があるALBA、CheapCasioに対してQ&Qは楔状の大きめの略字です。好みの問題ですが、数字の方がアウトドアっぽい感じがしますね。ただ気になるのはCheapCasioの数字の書体です。メインの大きな12時間表示・ベゼルの15分間隔表示の数字とその他の小さな数字の書体がちがいます。数字自体の大きさの違いと相まって若干の違和感を覚えます。せめてベゼルだけでも書体と大きさをそろえればいいのに・・。

3機とも蓄光が施されています。

ALBAは時分針と1〜12時にドットのマーカー。
Q&Qは時分秒針とインデックスの略字。
CheapCasioは時分秒針とインデックスの数字。但しCheapCasioのインデックスの数字の蓄光はほとんど役に立ちません。
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LED懐中電灯で蓄光した後の経過観察です。2分後にはQ&QとCheapCasioは蓄光を失います。ALBAは10分強継続します。
Q&QとCheapCasioは2分ですが、照明を落として数秒で明らかに光度が減少するのがわかります。ま、たった数分のことですが、実用性ではALBAかな。

だいたい違いが分かったところで少し装ってみよう!

どれもそれなりにカッコよく、気楽に遊びに使うならこれで充分!ということが分かったので、ベルトを変えて少し装ってみます。
ALBAとCheapCasioは程よい遊び心を持つ感じなので、ステッチの効いたOFFに最適の革バンドに。Q&Qは時計の形もベゼルの色や一見した時の印象もおとなしいので上品でシックなクロコ押しの革バンドにしてみました。
問題はCheapCasioのバンド幅。ラグの幅は18mmで43mmあるケース幅に対して細すぎて見た目にアンバランスです。
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そこで、22mm幅のバンドの付け根をカッターで細工して18mmにして装着。これで見た目のバランスが改善しました。
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ちなみに、ALBA、Q&Qはケースとバンドを装着するバネ棒の中心の隙間が十分にありますが、CheapCasioは構造上非常に狭くなっています。たぶんこの価格帯の時計だからか標準のバンド以外のものに付け替えることは考慮していないのだろうと思います。
従って、厚めのNATOタイプや他の外品バンドへの付け替えの選択肢は非常に小さいです。
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さて、全部変えたところ

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見栄えが変わったでしょう? 素材の安っぽさも和らいで、より使える時計になったと思います。子供使いの印象が大人でも使える印象に近づいたと思いませんか?
ま、全て時計本体より高いバンドで、本末転倒ではありますが、これだけ変われば楽しく嬉しく思います。
(自分の周りは老眼ばかりなので、どうせ細かいところは皆見えません。「どや!実は安い時計やねん。」と自慢したくなります)

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最後に、各特徴を簡単に。

ALBA(ABPS137)は引き締まったデザインと24時間表示のインデックスの赤の差し色が魅力的。自分的には一番カッコよく好きな時計。

Q&Q(H30-001)は少し小ぶりなオーソドックスなスタイルとデザイン的なまとまりが素敵。ソーラーで電池交換不要。文字盤に貼られたソーラーセルも上品なアクセントになっています。この中では一番オールマイティに近い時計だと思う。
また、特筆したいのは風防の美しさ。皆アクリルの風防だけれど、他に比べ密度が違うのか透過率がよく拡散反射率が少ないように見え、クリア感が際立っている。歪みも少ない。ベベルカットのエッジもあって、ミネラルクリスタルにも引けを取らない美しさ。定価が一番高いだけのことはあると思う。

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中央がQ&Q、他の2機と比べ風防がダントツにキレイ!

CheapCasio(MRW-200H-1BV)は他に比べ無骨でタフな見栄えがいい。若い人にはこれかな。唯一DAY/DATEカレンダーもついて付加価値は高いと思う。

さてさて、皆さんはどれにしますか?「どれもいらん」って人の方が多いかもしれませんが、
僕は好きやなぁ、こういうの。

動画もね!

P.S.
先週 ALBA を買って思ったこと

安いからと言って子供のための腕時計を論ずるつもりはありません。
あくまで、大人として、社会人としてアプローチしてみたいと思います。今までに書いたことの繰り返しになるかもしれませんが。
僕は社会人として、常々手元と足元は大切だと思っています。どんなに上品でいいスーツを着ても靴が奇をてらったものなら台無しに感じます。
手元も袖口から覗く腕時計がハデハデだったり押し出しが強すぎたりすると人格さえ疑われると思うからです。某放送局の夜の人気報道番組のフレッシュで爽やかで好感が持てたキャスターが、いつのまにかちょっと売れた芸人も驚くようなデカハデ腕時計を巻いているのを見ると、「おお、頑張ってエエのん買おてんな。えらいえらい」とは思わず、「あほちゃうか」「こいつ、ちょっとおかしなったんちゃうか」という人格的評価に変わってしまします。どんなものを身につけようが本人の勝手と言えば勝手なのですが、手元は大切だと思うのです。

社会人としてはビジネスのどんなシーンにでも対応できる品があってきれいで、見た目自己主張の大きすぎない靴と時計は必ず持っていなければならない必須アイテムだと思います。
そういう条件のなかでも、自分が持っていて、人に見られて、恥ずかしくなく、自信を持って楽しめて、気分を高揚してくれる靴や腕時計を、背伸びせず自分の甲斐性の中で選んで身につけることが、自身の品格を磨くコツだと思っています。

自分が自分のビジネスと背丈に合った恥ずかしくない時計を持つことは必須です。

その上で、趣味や遊びでビジネスシーンから解放された自分を楽しみたい時、そのOFFの気分を高揚してくれるアイテムも必要です。
今回チープウォッチを取り上げていますが、これらの腕時計は腕時計として素材にしてもムーブメントにしても組み上げ精度にしても、どれをとっても底辺のレベルのもので、決して前述したような”まともな腕時計”に太刀打ち出来るようなではありません。(でも、決してオモチャでもありません。時計として立派に役目を果たしてくれます。)
だから、これらをビジネスにも常用する時計として扱ってはいけません。(但し、ファッション性重視や現場仕事の多いビジネスに就かれている方は別ですが。)あくまで自分を楽しませてくれるアイテムとして扱うべきだと思います。

ビジネスを離れて、たまに海へ山へのレジャーや旅行と言ったアウトドアを楽しむ時、それなりのラフな格好に着替え、家族・気の合った仲間と出かける時、安くて気楽で使えるチープウォッチは、持っていて損のないアイテムだと思うようになりました。
ダイビングでもフィールドでも、それなりの雰囲気を持った充分以上に”使える”ものがたくさんあります。
普通のサラリーマン、ビジネスマンがOFFを楽しむ時、決して高級なものは必要ではありません。高級なものはそういう職業のプロか、OFFでもステータスが気になる人がつければいいのです。
とにかく楽しめばエエ!安くて気楽に買えるチープウォッチ、おもしろいやん。
余った予算でバンドを変えたりして雰囲気を変えればなおさら楽しめるしね!

 

 

 

 

 

 

 

驚いた!¥3,000のALBA!

夏以来、今まで経験したこともないような乱れた天候が続いていたように思うけど、やっと落ち着いた秋の気配もただよい、ここ二日ほどは透けるように高い空と山が色づき馬も肥える気持ちのいい季節になったようやね。朝夕ちょっと寒いけど。
一昨日は月も未練な十三夜の月が澄み渡った夜空にとてもきれいでした。
北の国のミサイル連発、2週連続の大型台風と希に見るへんちょこりんな総選挙(ほんま、誰がこんなへんちょこりんな状況つくったんやろね?)なんかでなにかと大騒ぎでしたが、とりあえず身の周りには何事もなく、このまま落ち着いた秋から冬、正月を過ごせればええんやけどね。
総選挙といえば、自民圧勝で安定政権継続。それはいいけど、チョットでも早く好景気の実感をいただきたいものやと、零細企業の経営者として思うわけです。耐えてしのいで、これ以上の底はいらんで、と悲鳴をあげた時期は確かに過ぎたようには思うけど、最盛期ほどの好況感にはほど遠く、今でも耐えてしのんでる状況ではありますので、経済政策なんとかしてください。

話は長くなりましたが、時計の話です。

チープウォッチ、買ってみました。
とりあえず結果を見て! どぉ?

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バンドは、ハドリーローマMS851/black に付け替えています。

HRwbブログを遡ってみますと、欧州もんに負けない50千円クラスの時計探しが目的やったようやのに、どんどん下がっていって、最近は10千円クラスの時計探しになってる。いろんなシーンでも恥ずかしくなく、視認性良く実用目的を100%満たしてくれて、着けていてうれしい時計を探しているわけですから、値段が下がるというのはいいことで、10千円クラスでも不都合を感じないような時計があるということはすばらしいことやと思うのです。
未だに耐えしのんでいる自分としては安いことは好都合でもあります。
そこで、一度試してみようと、10千円よりずっと下クラスに挑戦です。

以前、孫にと思ってシチズンのQ&Qを買ったり、自転車に付けようと思ってチープカシオを買ったりしたことはありますが、特に印象は残っていません。
シチズン、カシオときたので今回はセイコーのアルバを試してみようと思い、ちょっと気になっていた「チタン製・200m防水」のミリタリーを買おうと思ったのですが(前からハミルトンのカーキフィールドと比べてみたくて)、アマゾンでアルバたちを見ていて見つけたのがこの時計です。
レビューの評価も結構高く、3千円でポイントも若干つくし、なによりなんとなくトレーサーやルミノックスを彷彿とさせる感じが目に止まって、衝動的にこっちを買ってしまったという次第です。
前者のアルバは7千円くらい。こっちのアルバは3千円。小遣いへらずにすむしね。

正直、値段が値段なので、以前のQ&Qやシープカシオ同様期待はしていなかったのです。どうせチープやろって。

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3千円でもちゃんと箱に入っています。右下は通常のNATOストラップとの長さの比較。

驚いたよ。ビックリした。なかなかエエやん。

確かにそらチープですわ。全部プラスチックやし、秒針も短いし一秒単位の運針動作も底辺のクオーツそのものやし、リューズも取って付けたような感じやし、NATOタイプのバンドも短いし、エトセトラ。
高級感なんてかけらもありません。当たり前ですが資産にもステータスにもなりません。
でも、カッコいい。大きさもちょっと小ぶりで僕にはちょうどいいし。ボディも回転ベゼルの太さでプラスチックの風防ガラスの縁がほぼ隠れていてプラスチック独特の安っぽい光り方が目立たないし、なにより視覚的にキュッと締まったデザインにとても好感が持てます。
ほんと、マイナーな予想を覆す驚きやったので、ちょっと詳しくコメントしたくなりました。

おおよその仕様は?

● リューズを除くケース幅は、41.4mm
● ラグからラグの全長は、45.6mm
● ベゼルの径は、39.5mm
● ダイヤルの径は、27.5mm
(アマゾンの仕様にはケース44mm×44mmとありますが、どこにも44mmは出てきません。
アマゾンの仕様を見て買う人がいれば注意してね。大きな時計ではありません。どちらかというと小ぶりです)
● 厚みは、11mm
● バンド幅は、20mm
● 重さは、本体22g!(軽い!)ナイロンベルトを入れても、34g(軽い!)
回転ベゼルは?
ちゃんと逆回転防止で、60クリックで実にカッチリしっかりしています。これも驚きです。
(以前買ったダイバー風Q&Qのベゼルは同じく逆回転防止やけど、おもちゃのように軽く頼りないものだったので。)
ただ、5分ごとに印字されているインデックスはプリントなので、たぶん使っている内に消えると思うし、回転のクリック音も安っぽいのは仕方ありません。
ルミは?
しっかり光ります。30千円クラス以上のセイコーダイバーと比べると少し継続時間が少ないくらいです。
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精度は?
安いとは言えセイコーのクオーツなので1ヶ月くらい時刻合わせしなくても大丈夫だと思います。しばらく試さないとわかりませんが。
秒針もダイヤルの秒インデックスを全周に渡ってきっちりと指しています。組立の精度がいいことを示していると思われます。
視認性は?
はい。文句ありません。老眼の僕でも裸眼できっちり時刻が読めます。
裏蓋は?
四隅をネジ止めするタイプです。電池交換は楽にできますね。ついでに、バネ棒とケースの隙間はこんなかんじ。普通に狭いものです。厚めのワンピースバンドは通らないかもしれません。
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そのほかは?
リューズの時刻合わせの回り方が軽すぎてたよりないし、強度的にも頻繁に操作しない方がいいかも、と思わせる頼りなさがあります。
風防のプラスチックは見た目は分かりませんが、うねっています。

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ブラインドの映り込みを撮ってみたらこんなふうになります。

バンドはしっかりとしたNATOタイプのものですが、短く、特に12時側が短いので腕に装着した時に美錠の位置が腕の中心に来ず、不快。これはいけません。

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上段がオリジナル。右上:美錠が腕の側面にきています。下段は通常のNATOの変えた場合。

外品のバンドに変更するのは必須かな?
NATOタイプなのでバンドの交換が簡単だろうと思ったら、ベルトの穴回りの補強の革が邪魔をしてバンドだけを抜き取ることはできません。結局バネ棒を外すことになります。ま、外品に交換してしまえば大丈夫ですが。
バネ棒は、ケースのラグに穴のあるタイプですから、針状のものを穴に押し込めば簡単にはずせます。

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NATOタイプ様々。よく似合うね。特に黒とカーキがいいかな。

革バンドで一気にレベルアップ

本来、NATOタイプやウレタンストラップが似合うし、この時計の本来の姿だと思いますが、チョット奢って、いい革バンドを装着すると一気に雰囲気が変わります。
いつものハドリーローマMS851の黒を付けてみました。
安物とは言わせません!といえるレベルになったと思います。(バンドの値段でこの時計が2本買えるという本末転倒状態ではありますが・・・・)
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HRwb

結論は?

 

チープだと思ってしまえばそれまでですが、ぱっと見た目や遠目にはルミノックスやトレーサーと変わらんのやないかな。よっぽど目の肥えた人か目のいい人やないと。
それなりに装ってやればなおさらです。
充分楽しくうれしく遊びに、時には仕事に使える時計だと思います。
日付もないし、クオーツやから頻繁な時刻合わせもゼンマイ巻きもないし、なんの負担もなく、ほったらかしで、100m防水やし雨だあろうが嵐であろうが気を遣わず結構ハードに使ってもこわれそうにはないし。よしんばこわれてもあきらめのつく値段やし。
ほんと、見た目は立派なミリタリーで時計としての基本性能は十分以上やし。
僕は、エエんちゃうかなと思っています。
もう一個、色違いを買ってみよかな、と気楽に思える時計です。

動画もみてね!