腕が細い人の腕時計選び・基本的なポイント

腕に違和感なくフィットする大きさ・形を考えよう!

特に腕の細い人。

僕の腕は幅が55mm、周囲は170mm弱の細腕です。
最近は大きく分厚い時計が多いので、自分にフィットする時計を選ぶのは大変です。
機械式のクロノグラフや、ダイバーなど、機能的に大きさが必要な場合はいいと思いますが、特に普通のドレスウォッチやビジネスウォッチは、見た目で腕に違和感なくフィットしているものがいいと思う。

以下、腕時計の見栄えの基本的な要素だと思うケースの形・大きさ・色・針の長さ・ラグの長さを単純に経面で比較してみます。
時計屋で現物を確認せず、通販などで写真とスペックだけを見て時計選びをする時の参考になればと思います。

腕時計の個性を決める要素はたくさんありますが・・・

今回は普通の2・3針の時計で、出来るだけ単純にケースの形・大きさ・色(白/黒)、針の長さ、ラグの長さだけに絞って比較しようと思う。
文字盤の装飾や、針の形、ラグの形状、ケースの厚み、また多機能時計などは追って整理してみたいと思う。

1. ケースの形・色だけでも大きさの印象は変わる!

ケースの形・色/ 下の4つの時計の中で一番大きな時計はどれ?

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いろんな見え方があると思うけど、左から2番目かな。
実は全部同じ大きさ。40mmケースの時計を想定しています。(背景のグラデーションの帯の幅は56mm、腕幅を想定)
見た目の大きさはこれだけでも結構違うのが分かるよね。
時計選びの時(特に通販などでスペックと写真だけで選ぶ場合など)ケースのタイプ・色で見た目の大きさも変わることは頭に入れておけばいいと思う。
スペックのケースサイズが「少し大きいかな」と思っても、色やケースのタイプで若干は許容できるということ。

2. 針の長さがリッチな表情を演出する!

針の長さについて/ 下の2つのタイプ時計の中でそれぞれどちらが見栄え良く見える?

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長い針と、短い針の比較です。これは僕の意見ですが、秒針・分針はインデックスの先まで届き、時針はインデックスの内周に届く、という配置がベストだと感じる。短い針はプアでチープな印象になってしまう。もちろん文字盤の装飾や針のタイプ、全体のデザインの中での敢えての短い針であればいいが、基本的には針は長いほうがデザイン的な安定・美しさに通じると思う。
図ではそれぞれ左の針の長い方がデザイン的な安定もあってリッチで表情豊かに見える。
また、機能的にも「時を読む」視認性に優れるのは言うまでもないこと。
最近の大きな時計の流行で、ムーブメントに対してケースが大きすぎる時計の場合に短い針がよく見られる。これはいただけないと思う。

3. 小さなケースでもラグの長さでスマートな存在感が!

ラグの長さ/ 腕時計の見た目の大きさを左右する大切な要素

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今回の比較の前提になっているのは腕の幅56mm(図のグラデーションの背景)。
実際の腕は柔らかいのでベルトをすると腕に若干食い込でしまう。腕幅56mmの場合、ラグからラグの全長が50mmを超えると腕時計は腕をはみ出したように見える。実際、腕時計の見た目の大きさを左右する大きな要素に「全長」があると思う。
図左の2点、ともに38mmケース。ただし、ラグの長さが43.5mmと少し長い46mmの場合。
全長46mmは充分許容範囲、その許容範囲の中で38mmの比較的小さなケースでも存在感が高まる。見た目にもスマートに映る。細腕にはジャストな比率。
逆に図右の2点、ともに42mmケース。この場合一般的に全長は48mm〜50mm超になる。
右端は全長を抑えた46.5mmの場合、ズングリとスマートさを失う結果になってしまう。(但し腕が太い場合や、ラグの角度・形状によって見た目は変わるので、あくまで一般論として)
通販などでスペックの確認が出来る場合はぜひ全長にも留意したい。

4. 最後に単純な大きさの比較

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35mmから42mmまで。
自分の腕に巻いた時を想像して、時計選びを楽しんで。

● 関連記事 ● 33mm~42mm比較。腕にフィットする腕時計の大きさは?

こちらは写真で大きさを比較しています。
「・・・僕の好みは、ケース径がリスト幅の70〜75%くらい、ケースのラグからラグ(全長・高さ)の85%くらいです。
この基準より小さなものでもシンプルなものは上品に映ります。僕のリスト幅が55mmだったら、ケース径38.5〜41mm、全長は47mmくらいです。・・・」

最適の38mmケース。 ON/OFF問わず日常ガンガン使える実用ミリタリー

ハミルトン・カーキ・フィールド 38mm どんな時計?

感想まとめ

●腕が細めの人に最適!38mmケース。
●とてもよくまとまったデザイン。フェイスを目一杯使った見やすいインデックス。見栄えのいい長い針。
●控えめながら、しっかりしたケース、長目のラグ、カーブガラスなど、存在感のあるクラシカルな仕上げ。
●日差は+5秒ほど。十分な精度。パワーリザーブも42時間で充分。平均的であるが日常使いでは気にならない。

【プラス面】
視認性良好。夜光もきれいに比較的過不足無く光る。防水も10気圧で日常使用には充分。
38mmケース、厚さ11mm。大きすぎず、小さすぎず、厚すぎず、薄すぎず。重すぎず、軽すぎず。
まさにちょうどいい大きさ。
扱いやすい少し大きめのクラウン。
【マイナス面】
腕周りが180mm、腕幅が60mm以上の人には小さいと感じるかも。(その場合は40mmや42mmケースのカーキがオススメ)
リューズは普通のプル・プッシュ式。できればねじ込みリューズが欲しかった。
リューズガードもなく大きめのリューズなのでぶつけたり、落とした時が心配。

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【スペック(寸法は実測)】
a:47mm / b:38mm / c:32mm / d:30mm / e:42.5mm / f:約2mm* / g:6.5mm / 厚さ:11mm
バネ棒込み本体のみ重量 :52g(*ベルト含まず)
写真の手首幅 : 55mm
*d はインナーベゼルを除いた文字盤の直径 *f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :ETA 2824-2
●ケース :ステンレス、側面=二次元曲面、ベゼル面のみグロス、他はつや消し
●風防 :サファイヤクリスタル(カーブ)
●防水 :10気圧 / ●裏蓋 :ねじ込み式スケルトン
●カレンダー :3時位置DATE
●ルミブライト :インデックス各略字・時,分針
●ダイアル色 :ブラック
●ベルト :レザー、バンド幅=20mm

● いつでもどこでも使える、一本は持っておきたい時計

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なんと言っても特長は38mmケースのミリタリーということだと思います。
ミリタリーというと、いかにも無骨な実用本位の時計を思い描きます。日常の使用では場にそぐわない場面も想像してしまいます。
しかし、38mmという今では小さめのケースのおかげで、無駄な押し出しもなく、インデックスや針を小さなダイヤルにおさめることで、返ってまとまりもよく見栄えのいいダイヤルになっています。
そして、ケースは38mmですが、ラグがケースに対して長目に設定されていて12時側から6時側への全長は47mmありますから決して小ささを感じさせない全体的なデザインになっているため、どんな場面でも違和感の無い使用ができると思います。
ONなら、デスクワークでも、営業でも、荒っぽい現場作業でもがんがん使えます。スーツでも作業着でもまったく違和感がないでしょう。
OFFはONより得意でしょう。山でも、海でも、ちょっとしたスポーツでも、きっと似合います。カジュアルウエアでもスポーツウエアでもOKでしょう。特にベルトをそれなりに替えるとアクティブな気持ちになれます。
唯一、気の張ったパーティなんかでは少しそぐわないかな・・と思うくらいです。
ぜひ一本は持っておきたい時計です。

●とてもまとまった印象のフェイス

小さいフェイスとか言ってますが、実際の文字盤の大きさは、32mm。
僕の持っている一番大きな時計、ステインハートオーシャンワンはケースが42mmですが、文字盤の大きさは30.5mm。実はこの時計よりも小さいのです。
よい視認性を得るのに十分な大きさは確保しています。
長い針も大きな長所です。秒針・分針の先端はは文字盤外周の秒インデックスの外側いっぱいを回ります。時針の先はインデックスの大きな数字の内側にかかるところを指しています。とてもバランス感のいい配置です。
僕は時・分・秒針がこのようにきっちりとインデックスを指すレイアウトが好きです。これは時計の高級感にも繋がると思っています。
最近の大きな時計では、流行で無理矢理大きくした文字盤に、ムーブメントが許す重さの針を付けるため、比較的針が短く見えるレイアウトのものをよく見かけます。これはバランス感覚に欠けるし、なにより、針先がインデックスに届かないのは時計として邪道ではないのかと。クロノグラフなんかでは特に、ストップウォッチ秒針が数分の一秒のインデックスに届かないため正確に時間を把握することができないものも多く見かけます。これはいけないと思うのです。
それに短く見える針は著しくチープに感じるのは僕だけではないと思います。

●38mmと40mm、少し比較してみよう

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これはハミルトンさんのホームページからの画像です。
インデックスの秒目盛り、数字の大きさ、省略されていた3時を表示、内周24時間の数字に加えられた目盛りなんかが明らかに違います。
2mm大きくなっただけでこれだけ余裕が生まれるのですね。
でも、追加された内周の24時間目盛りのためか、時針は短くなっています。
デザインは好みのものですが、僕はキュッと締まった感じの38mmが好きです。
※40mmのものは、新しいH-10型というムーブメントを搭載したモデルです。パワーリザーブ80時間、すごいね。

●ベルトを交換してみよう

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標準では、少しゴツ目の黒のレザーベルトが付きます。(この他にメタルベルトの仕様もあります。)
特に過不足の無い品質のベルトです。
しかし、時計自体のデザイン的な仕上げがいいので、シーンに合わせてベルトも交換すれば尚雰囲気が出ます。

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茶色やグレーのベルトなんかもいいですが、OFFなら、NATOタイプがとてもよく決まります。
シンプルなウレタンなら黒以外でもオレンジなんかいいだろうと思います。

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夏場、汗をよくかく時期にはメタルのベルトが欲しくなります。が、純正のベルトを手に入れるには15千円程度と結構高額です。そういう思いのある人はメタルベルトが標準装着されているタイプを購入しておくのがいいかなとも思います。

●精度はそれなり

ムーブメントは、ETA-2824-2。舶来の機械式腕時計によく使われているETA社の汎用ムーブメントです。
よく、「エタポン」とか言って馬鹿にしている人もいますが、多く出回っているため、非常に高い信頼性と容易なメンテナンスを両立しているいいムーブメントだと思います。仮にこわれても、修理に心配はいらないと言うことです。オーバーホールも比較的安いしね。
パワーリザーブは42時間。平均的ですが充分ですね。自動巻の巻き上げ効率は分かりませんが、日常腕に着けている限り止まることはありません。
この個体の精度は、+約5秒/日で安定しています。
ちなみに、さっき大きさのことで出てきたオーシャンワンも同じムーブメントで、精度も同じです。
ETA-2824-2、少し進み目の設定になっているようです。

動画はこちらで!

● 結論

手首が細めの人には絶対おすすめです。僕は170mm、幅55mmですが、実にしっくり馴染みます。
実売価格50千円前後、お買い得な実用時計だと思います。
ハミルトンやセイコーがはずかしい、って人もいます。僕はちがうと思っています。
実売50千円くらいで、とても高品質で高評価の時計を大量に提供し続ける企業の技術ってすごいと思いませんか?
それだけでも尊敬できる企業だと思うのです。
ハリウッド映画にはいっぱい出てくるしね。「インターステラー」なんかハミルトンの時計はいい役をしていたしね。
持って絶対損の無い時計だと思います。

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