オールマイティ・SEIKO Mechanical SARB033

やっぱりいいね!セイコーメカニカル

以前に記事にしている SARB035 と同型の黒ダイヤルです。
白(オフホワイト)ダイヤルの SARB035 は、一見地味な目立たない極普通のドレスウォッチ(またはビジネスウォチ)と思われがちですが、なんのなんの、ベルトを替えるだけでビジネスからカジュアルまでなんでもこなせる優等生でした。(以前の記事を参照してね→ SARB035 最高のコスパ! ドレスウォッチの決定版!(Under ¥50k) )
今回は同型の黒ダイヤル、SARB033 です。

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38.4mm×44.5mmの今では少し小柄なサイズに、邪魔にならない11.2mmの厚さ。このサイズが僕の腕にはちょうどいいのです。(なんども書いてますが僕の細腕は幅55mm、周囲170mm強です)
それに加えて、エレガントでスポーティな引き締まった黒ダイヤル。もうなにも言うことはない、やっぱり優等生です。

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スペック

SARB035 に記事にスペックがなかったので紹介しておきます。
いつもの図面は省略させてね。
●Dial window : Sapphire crystal
●Display Type : Analog
●Case material : Stainless Steel
●Case width : 38.4mm
●Case length (Lug to Lug) : 44.5mm
●Case Thickness : 11.2mm
●Dial color : Black
●Calendar : date
●Special features : Luminous
●Movement : Automatic cal.6R15
●Water resistant : 10 BAR

●Clasp : Buckle
●Band Material : Stainless Steel
●Band width : 20mm

改めて、最高のコスパ

安くても世界的に定評のあるセイコーのインハウスムーブメント・6R15。23石、21,600振動ではありますが、さすが国産スムーズに時を刻みます。精度も日差±10秒前後、日常使用に問題はありません。6R15は他にいくつか使用していますが、荒っぽい扱いが多い自分でも非常に信頼性の高いムーブメントだと感じています。

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このムーブメントに、とてもフィニッシュの効いた手を抜かない磨きが美しいケース、見やすいインデックス、その略字の先端まで届く分針、略字の内側をピタリと指す時針、この太いドルフィン型の時分針とは対照的なとても細く長い秒針。とてもメリハリのある、引き締まったいいデザインのダイヤル。風防もサファイヤクリスタル。
この価格帯で、これも磨きの効いた無垢のステンレスベルト。
ホント、ETAのムーブメントを載せた20万前後のスイス製時計と比べても絶対遜色ないと断言できます。
メーカー希望45,000円。実利を重んじる人には絶対のコストパフォーマンスだと思います。

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ベルトを替えてみよう!

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付属のステンレスベルトはなんの問題もない良いものだと思います。このままでもいいのですが、これからの秋冬にはやっぱり温もり感のある革ベルトがいいですね。

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で、秋冬に向けて、ストラップチェンジです。写真はカシスのベルト、マウイ・ダークブラウン。編み込みの革ベルトが欲しくて買ったのですが、ネットの写真ではわからないタマムシのような輝きのある代物でした。タマムシには好き嫌いがあると思いますが、ま、これはこれで、ドレッシー且つカジュアルでもいけそうないい感じです。なにより、非常にフィット感のいいベルトで、結構厚みもあるのにカーフのベルト特有の硬さがありません。適度にフィットするいい感じです。
ベルトの話はここまでにして、SARB033につけてみると、ステンレスベルトとはガラッと雰囲気が変わります。
なんか、うれしいね。どっか行きたなるね。
つけたところをコメントしようと思ったけど、あんまりピタッときてしまったのでコメントはありません。
これも時計の素材自体がエエからやろね。
たぶん、どんな色の革ベルトでもピタッときます。色は好みと服装次第で!

視認性のいいダイヤル

先にも書きましたが、各パーツの完璧な配置と、見やすい単純な略字に、太いドルフィン針、しかも、針のセンターを峰にトラス状に立体成型されているので、ルミがなくても、少しの光さえあれば時計の角度次第でキラッと光り時間を読み間違えることはありません。
もちろん、黒ダイヤルに白の針などで、視認性を高めている機種もありますが、「明るい」「薄暗い」「暗い」様々な環境での総合的な視認性ではベストだと思います。
老眼の進んだ自分には、特にうれしい視認性です。

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もちろん、定評のあるセイコーの夜光、ルミブライトも施されているので、全くの暗闇に紛れ込んでも2・30分、じっと目をこらせるか、わざと目をそらすと一瞬時刻が読める状態が数時間続きます。
暗闇の中、懐中電灯で20秒ほどダイヤルに光を蓄えて懐中電灯を消すと、感動的なくらい明るく美しく光ります。

動画はこちらで!

最後に

日本に生まれてよかった。こんないい時計が、Under$500 実売30千円ちょいでで買えるのだから。
先に”ETAのムーブメントを載せた20万前後のスイス製時計”と比べてって言ったけど、心からそう思います。
欧米人が ”ベイビーグランドセイコー” ってよく言うセイコーのメカニカルシリーズ。
特にSARB033と035、どんなシチュエーションでも役に立ってくれるオールマイティな日常時計の最右翼です。
僕は大好きです。まさに日本の良心やね!

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最適の38mmケース。 ON/OFF問わず日常ガンガン使える実用ミリタリー

ハミルトン・カーキ・フィールド 38mm どんな時計?

感想まとめ

●腕が細めの人に最適!38mmケース。
●とてもよくまとまったデザイン。フェイスを目一杯使った見やすいインデックス。見栄えのいい長い針。
●控えめながら、しっかりしたケース、長目のラグ、カーブガラスなど、存在感のあるクラシカルな仕上げ。
●日差は+5秒ほど。十分な精度。パワーリザーブも42時間で充分。平均的であるが日常使いでは気にならない。

【プラス面】
視認性良好。夜光もきれいに比較的過不足無く光る。防水も10気圧で日常使用には充分。
38mmケース、厚さ11mm。大きすぎず、小さすぎず、厚すぎず、薄すぎず。重すぎず、軽すぎず。
まさにちょうどいい大きさ。
扱いやすい少し大きめのクラウン。
【マイナス面】
腕周りが180mm、腕幅が60mm以上の人には小さいと感じるかも。(その場合は40mmや42mmケースのカーキがオススメ)
リューズは普通のプル・プッシュ式。できればねじ込みリューズが欲しかった。
リューズガードもなく大きめのリューズなのでぶつけたり、落とした時が心配。

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【スペック(寸法は実測)】
a:47mm / b:38mm / c:32mm / d:30mm / e:42.5mm / f:約2mm* / g:6.5mm / 厚さ:11mm
バネ棒込み本体のみ重量 :52g(*ベルト含まず)
写真の手首幅 : 55mm
*d はインナーベゼルを除いた文字盤の直径 *f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :ETA 2824-2
●ケース :ステンレス、側面=二次元曲面、ベゼル面のみグロス、他はつや消し
●風防 :サファイヤクリスタル(カーブ)
●防水 :10気圧 / ●裏蓋 :ねじ込み式スケルトン
●カレンダー :3時位置DATE
●ルミブライト :インデックス各略字・時,分針
●ダイアル色 :ブラック
●ベルト :レザー、バンド幅=20mm

● いつでもどこでも使える、一本は持っておきたい時計

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なんと言っても特長は38mmケースのミリタリーということだと思います。
ミリタリーというと、いかにも無骨な実用本位の時計を思い描きます。日常の使用では場にそぐわない場面も想像してしまいます。
しかし、38mmという今では小さめのケースのおかげで、無駄な押し出しもなく、インデックスや針を小さなダイヤルにおさめることで、返ってまとまりもよく見栄えのいいダイヤルになっています。
そして、ケースは38mmですが、ラグがケースに対して長目に設定されていて12時側から6時側への全長は47mmありますから決して小ささを感じさせない全体的なデザインになっているため、どんな場面でも違和感の無い使用ができると思います。
ONなら、デスクワークでも、営業でも、荒っぽい現場作業でもがんがん使えます。スーツでも作業着でもまったく違和感がないでしょう。
OFFはONより得意でしょう。山でも、海でも、ちょっとしたスポーツでも、きっと似合います。カジュアルウエアでもスポーツウエアでもOKでしょう。特にベルトをそれなりに替えるとアクティブな気持ちになれます。
唯一、気の張ったパーティなんかでは少しそぐわないかな・・と思うくらいです。
ぜひ一本は持っておきたい時計です。

●とてもまとまった印象のフェイス

小さいフェイスとか言ってますが、実際の文字盤の大きさは、32mm。
僕の持っている一番大きな時計、ステインハートオーシャンワンはケースが42mmですが、文字盤の大きさは30.5mm。実はこの時計よりも小さいのです。
よい視認性を得るのに十分な大きさは確保しています。
長い針も大きな長所です。秒針・分針の先端はは文字盤外周の秒インデックスの外側いっぱいを回ります。時針の先はインデックスの大きな数字の内側にかかるところを指しています。とてもバランス感のいい配置です。
僕は時・分・秒針がこのようにきっちりとインデックスを指すレイアウトが好きです。これは時計の高級感にも繋がると思っています。
最近の大きな時計では、流行で無理矢理大きくした文字盤に、ムーブメントが許す重さの針を付けるため、比較的針が短く見えるレイアウトのものをよく見かけます。これはバランス感覚に欠けるし、なにより、針先がインデックスに届かないのは時計として邪道ではないのかと。クロノグラフなんかでは特に、ストップウォッチ秒針が数分の一秒のインデックスに届かないため正確に時間を把握することができないものも多く見かけます。これはいけないと思うのです。
それに短く見える針は著しくチープに感じるのは僕だけではないと思います。

●38mmと40mm、少し比較してみよう

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これはハミルトンさんのホームページからの画像です。
インデックスの秒目盛り、数字の大きさ、省略されていた3時を表示、内周24時間の数字に加えられた目盛りなんかが明らかに違います。
2mm大きくなっただけでこれだけ余裕が生まれるのですね。
でも、追加された内周の24時間目盛りのためか、時針は短くなっています。
デザインは好みのものですが、僕はキュッと締まった感じの38mmが好きです。
※40mmのものは、新しいH-10型というムーブメントを搭載したモデルです。パワーリザーブ80時間、すごいね。

●ベルトを交換してみよう

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標準では、少しゴツ目の黒のレザーベルトが付きます。(この他にメタルベルトの仕様もあります。)
特に過不足の無い品質のベルトです。
しかし、時計自体のデザイン的な仕上げがいいので、シーンに合わせてベルトも交換すれば尚雰囲気が出ます。

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茶色やグレーのベルトなんかもいいですが、OFFなら、NATOタイプがとてもよく決まります。
シンプルなウレタンなら黒以外でもオレンジなんかいいだろうと思います。

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夏場、汗をよくかく時期にはメタルのベルトが欲しくなります。が、純正のベルトを手に入れるには15千円程度と結構高額です。そういう思いのある人はメタルベルトが標準装着されているタイプを購入しておくのがいいかなとも思います。

●精度はそれなり

ムーブメントは、ETA-2824-2。舶来の機械式腕時計によく使われているETA社の汎用ムーブメントです。
よく、「エタポン」とか言って馬鹿にしている人もいますが、多く出回っているため、非常に高い信頼性と容易なメンテナンスを両立しているいいムーブメントだと思います。仮にこわれても、修理に心配はいらないと言うことです。オーバーホールも比較的安いしね。
パワーリザーブは42時間。平均的ですが充分ですね。自動巻の巻き上げ効率は分かりませんが、日常腕に着けている限り止まることはありません。
この個体の精度は、+約5秒/日で安定しています。
ちなみに、さっき大きさのことで出てきたオーシャンワンも同じムーブメントで、精度も同じです。
ETA-2824-2、少し進み目の設定になっているようです。

動画はこちらで!

● 結論

手首が細めの人には絶対おすすめです。僕は170mm、幅55mmですが、実にしっくり馴染みます。
実売価格50千円前後、お買い得な実用時計だと思います。
ハミルトンやセイコーがはずかしい、って人もいます。僕はちがうと思っています。
実売50千円くらいで、とても高品質で高評価の時計を大量に提供し続ける企業の技術ってすごいと思いませんか?
それだけでも尊敬できる企業だと思うのです。
ハリウッド映画にはいっぱい出てくるしね。「インターステラー」なんかハミルトンの時計はいい役をしていたしね。
持って絶対損の無い時計だと思います。

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