セイコー5 SNKL15、バンドを替えて楽しもう!

第二章 D.I.Y セイコー5は革バンドでカッコよく!

楽しみ方 =第二章= は、チープだと言われるメタルバンドを革バンドに替えます。

セイコー5スポーツ以外のセイコー5は種類を問わず標準のメタルバンドやキャンバスストラップを少し上質な革バンドに替えるだけで圧倒的にカッコ良くなります。
今回は4〜6千円クラスの牛革、型押しのバンド、黒・焦げ茶・茶色を試してみようと思います。

革バンドに交換!

交換方法は、下のビデオの後半にあります。板バネ式のメタルバンドの弓カンは結構外しにくいものもあるのでビデオを参考にして下さい。コツは、細めの鋭いバネ棒はずし工具を持つことと、バネ棒の片側を押し込んだら、弓カンを時計の表方向から裏方向にずらして外すことです。方向を間違えると多分はずれません。慣れれば意外と簡単です。

とりあえず、三本の結果は? こんな感じ。

n_IMGP4844
オイルタンの黒バンド。オールマイティですね。
n_IMGP4848
アリゲータ型押しの焦げ茶のバンド。ドレスウォッチの定番やね。
n_IMGP4841
白スティッチの効いたシャークスキン型押し。色はtan。スポーティー。

革バンドも、内側にクッションを挟んで表と裏を縁で縫い合わせたドレッシーなタイプから、縁を断ち切ったような加工や、縫い目の糸色を変えてスティッチを強調したスポーティーなもの、
また、牛革に鰐やシャーク、トカゲ、蛇などの革に模したエンボスを施したものなど多種類あります。
牛革以外の本物の革は希少なので高価になりますが、牛革のエンボスは見栄えも良く比較的安価なので、2・3本持てば一つの時計でいろいろなシチュエーションを楽しむことができます。

n_IMGP4897

先回、メタルバンドの調整をして、そのままでも充分使えるドレスウォッチだと評価していたSNKL15。
今回は革バンドに交換、これで一気にワンランク上の上品で上質なドレスウォッチに変身したと僕は思っています。
セイコー5を買ったなら、革の替えバンドを最低でも2本持てばセイコー5はその本来のカッコ良さ、本領を存分に発揮してくれるとあらためて実感しています。

n_IMGP4850

次は、少しハードルは高くなりますが、風防をサファイヤクリスタルに変更します。
標準のミネラルクリスタル(ハードレックス)でも充分なのですが、浅い角度でのボーっとした反射などが、メリハリの効いたスカッとクリアな見栄えになるはずです。
ただのセイコーファイブかぁ・・」とは言わせないレベルにできるかな?

今回のバンドは
HADLEY ROMA / MS-784 Black 18mm
オイルタンレザーの非常に腕に馴染みやすいお薦めの革バンド。
HADLEY ROMA / MS-836 DarkBrown 18mm
ドレスウォッチの定番。アリゲータ型押し・セミグロスのやや光沢ある上品な造りの革バンド。
HADLEY ROMA / MS-906 Tan 18mm
シャークスキン型押し、白スティッチの効いたオシャレな革バンド
どれも、以下で購入できます。ぜひ覗いてみてください。

HRwb

それにしても、大谷君。すごいね。完全無欠、非の打ち所がないとはこういうことか?
僕は、子供の頃、月間の漫画雑誌に連載の野球漫画の発売日が待ち遠しいあのワクワクと期待感に溢れた気持ちで、ネットのニュースと夜のスポーツニュースを楽しみにしています。
いや、今、唯一の楽しみかもしれんね。最近ろくなニュースないもんね。国内も、国際も。
夜のニュースなんか、昼のワイドショーと変わらんくらい、事実よりもなんかようわからん憶測と疑惑と推測コメントばっかり。うんざりやね。殺人や傷害事件から政治、国際ニュースまで、なんか本質忘れたようなズレた違和感があるのは僕だけやろうか?
ほんま、阪神も弱いし。藤波!どおしてんねん?
ま、その中で、大谷君。僕は君に感謝しています。

セイコー5を楽しもう!Enjoy! SEIKO-5 SNKL15K1 コスパ最良のドレスウォッチ

第一章 D.I.Y バンドの長さを調節

楽しみ方 =第一章= はとりあえず、バンドの長さの調整です。
腕に合った長さにするのは当たり前の第一歩ですからね。
バンド調整が分からなくて、通販で安く買えると分かっていてもためらう人が多いのでは?
ビデオでは “SNKL15” の概要と、板バネ式金属バンドの調整方法を紹介しています。
参考にして下さい。

バンドの長さを調整して腕に合わせ使えるようになりました。

さて、”SNKL15”を詳しく見ていきましよう。

サイズは以下の通りです。

IMGP4860IMGP4857

幅38mm、全長45mm、厚さ10.5mm。実にちょうどいい大きさ。周囲170mmの僕の腕にはぴったりのサイズです。

n_IMGP4838

数あるセイコーファイブの中で上品さに於いては最良ではないかと思う“SNKL15K1”。しかも安い!為替レートの影響もありますが現在で 7,000円強。21石、21600振動のインハウスムーブメント7S26は一秒間を6ビートでなめらかに刻みます。機械式でこの値段は大バーゲンです。

SNKL15 見た目の印象は?

● 文字盤はシルバーのサンバースト、略字部分の外周には縦ストライプのギョーシェが施されています。
n_IMGP4819
シルバーはほんの少し青みがかったシルバーで、悪く言えばブリキをつや消しに磨いたような感じです。サンバーストに処理されていますが荒いのかムラがあります。色と処理が少し安っぽく見えます。でも、この値段を考えると上出来でしょう。
実際、凝視しなければ10万・20万、いやそれ以上の高級品と比べてもその差を言い当てることができる人はよほどの時計好きに限られると思います。
凝視すれば差は歴然ですが、むしろこのシルバーの色合いを好む人も多くいると思うので無視できる安っぽさかな?とも思います。要するに、とてもよくできているということです。
● その文字盤にシルバーの棒状の略字が貼り付けられています。この略字もフラットな棒ではなく屋根状にカットされていて、周囲の光を上手く反射してくれるので、同じシルバーの文字盤上にあっても良い視認性を確保しています。略字の外周には小さな蓄光のマーカーが付きます。これらも値段から考えると大サービスの設定だと思います。
● はシルバーのドルフィン針。時針・分針には中央に蓄光が施されています。秒針はシルバーの蓄光無し。惜しいのは、違和感を感じるほどではないしにろ3針とも少し短いかな?と感じる点です。あと1mm弱でいいから長ければ完璧だと思います。
● 容姿的に他の時計と明らかに違う点は、クラウン(リューズ)です。一度日付・時刻を合わせてやれば後はリューズなんかいらんやろ!とばかりに小さなリューズがケースに半ば埋め込まれています。
ビッグクラウンがもてはやされているような時代にこのスモールクラウンですが、僕は上品で好ましく思います。
 風防はミネラル・ハードレックス。サファイヤに比べると高級感や硬度で劣るものの、問題はありません。

時計としては?

 ムーブメントは海外セイコーの定番、7S26型です。
三針・デイ/デイトカレンダー付きのベーシックなレイアウト。
秒針停止・手巻きの機能はありません。ゼンマイを巻くには時計をほぼ水平方向に振ってやる必要があります。10回以上振ってやれば後は腕に着けているだけで効率よくゼンマイを巻き上げてくれます。現在、使用しての日差は +15〜+20秒くらい、正確に動いています(公称日差±40秒)。パワーリザーブは約43時間とのこと。
タフさでも定評のあるアジアスタンダードのムーブメントですから機械的には問題ありません。
 ケース裏はスケルトンで、このムーブメントの動きが見えます。セイコーでも底辺の安価で大量生産のムーブメントですからなんの装飾もないものですが、生きているようにビートを刻む小さな機械の動きには愛着がわきます。
 防水は日常生活防水。3気圧。雨の日も、洗面所でも、クルマの洗車でも気を遣うことはありません。(水泳はあかんかな?)要は水しぶき程度。
腕時計として機能的には充分でしょう。

僕が最良と思う点

ケースの形状です。サイズを表示した側面の写真を見れば分かりますが、ラグの先端がほぼケースの底面まで落とし込まれた、実に腕にフィットする形状を持っています。バンドの底面と腕時計の底面が段差無く腕に接するようになっています。
セイコーの時計にはこういう設計が多く、安い時計でも気遣いある設計になっているのは素晴らしいと思っています。
また、ケースの磨き分けも絶妙だと感じます。ラグ上面とサイド下部はヘアラインのつや消し、それに挟まれたエッジ部分とベゼルは鏡面のグロス。有機的な曲面がとてもいい感じです。
IMGP4868
惜しむらくはケースに歪みが多いこと。角の処理にシャープさがなく、若干メリハリを欠くことになっているところ。よく見ないと分からないことですがね。でも、こんな些細なフィニッシュの差が本当の高級感に繋がるということは否めません。
ま、値段を考えると贅沢は言えません。充分です。いや、それ以上かな。

最悪と言われるブレスは?

さて、バンドです。
安いセイコー5の定番。巻き板の板バネ式ブレスレットです。
いつものことですが、安っぽいシャラシャラ音がします。以前からブログで書いていますが、僕はこれが嫌いでした。
過去形やネ。そう、過去形です。
どんな論評を見ても、サイコー5の弱点の様な書き方をされています。チープな板バネで、クラスプも薄くチャッチイ。実際その通りなのかもしれないけど、例えば、外品の3〜5,000円位の金属バンドを買うと、もっと酷いものがたくさんあります。セイコー5に付く金属バンドはそれなりによく出来ていると最近感じます。表面処理や細部のフィニッシュも「これはアカンやろう!」と思うところはないし、腕に着けている限り見た目も無垢ステンレスのバンドと大きく変わるものでもありません。
なにより無垢バンドと比較して、軽く、柔軟なところは、大きく評価していいのではないかと・・最近は思っています。
板バネ式は構造上左右方向に柔軟性があります。これが金属特有の拘束感を和らげているように思うし、重く窮屈な無垢より優れた点ではないのかなと思うのです。
確かに耐久性に関しては劣ると思うし、隙間が多いのでメンテしないと汗や脂が貯まりやすいだろうとかは思いますが、丁寧にキレイに扱ってやればいいだけのことなので。

最後に・・・

とてもいい時計だと思います。一万円以下で、信頼できる機械式で、まとまったキレイなフォルムで。
機械式が欲しいと思っている人、ドレスウォッチを一本は欲しいと思っている人、腕時計コレクションしてみたいと思う人、それに、今から社会に出る人、皆に手にとって見てみる価値のある時計だと思います。
細かいところ一つ一つを取って見ると確かにチープさはあります。でも全体的にはいわゆる「安物感」はありません。
実に普通に感じるのです。普通に見えるというのは本当に大切なことだと思うのです。

n_IMGP4805

さて、これからの楽しみは・・・

第二章として、革バンドで雰囲気を変えてみる。
ステンレスブレスも革バンドもそれぞれ良い特徴を持っていて、好み次第だと思いますが、革バンドは派手さはないものの時計を明らかに上品にします。また、板バネ式のブレスに疑問を感じる人には革バンドの装着は必須かもしれません。
(チープさを消して?)雰囲気の違うカッコよさを目指してみようと考えています。

で、第三章として、風防を変えようと考えています。
現状のフラットなミネラルクリスタルから、ダブルドームのサファイヤクリスタルに。これで時計自体の雰囲気が一気に上質感を増すと期待しています。

気楽に時計をいじってみようと考えられるのも、7,000円チョットの値段だからこそできること、ではあります。
でも、セイコー5には多くのモディファイ用(修理用ではない)パーツが流通しています。そもそもいくら安くても、素材が良くなければモディファイ用のパーツは流通しないでしょう。よい素材だから、もっと良いように変えてみよう!と思う人が多いわけです。
磨けばより光る素材だと言うことです。

買ってそのまま楽しむのも良し。
気楽に買える値段や、5シリーズの実に豊富な種類からコレクションを楽しむのも良し。
もっとかっこよくしてやろうとモディファイするものも良し。
とにかく楽しめる時計です。

自分好みの時計、作ってみよう。-その3・その後

作ってみた自分好みの時計の後日談です。

IMG_1511

突然止まってしもた!

3月の初旬に完成した時計ですが、順調に動いて2週間ほど経った時、突然止まってしまいました。
原因はわかりません。なんの前触れもなく突然の停止です。
たぶん、ムーブメントをケースにセットする時に、取り付け固定用にフィットするクランプがなく、暫定的にテープや廃品のプラスチックで無理やりケースに収めてしまったことが、どこかに無理をきたすことになったのかな?
寄せ集めのパーツを組み立てて出来上がった時計がうれしくて、暫定的にと言っているのに常時腕に着けて結構乱暴に扱っていたのがいけなかったのかもしれないと反省。
動かないムーブメントを素人なりに分解してみると、3番歯車4番歯車がぐらついていて、特に4番歯車は「ほぞ」が欠けているようで・・。
しかたなく新しい MIYOTA 8205 を買う羽目に。

買い換えMov. これ、ほんまにミヨタかぁ?

壊れたムーブメントは、eBay : ajia544という販売元から “MIYOTA 8205 Movement automatic watch Mechanical miyota 3o’clock” という商品名ででている ¥3,735で買った物。
今回は同じく eBayですが jindia という販売元から、”MIYOTA 8205 Mechanical Automatic Watch Movement “ という商品名ででているもの、値段は ¥1,848 。半額です

半額だけに、文字盤干支足を固定するビスや、新しいケースに取り付ける際の巻き芯などは付いていません。
また、同じ “MIYOTA 8205” となっていますが、ローター部分にはメーカーや型式などの刻印もなく、他のパーツにもなんの刻印もありませんし、明らかに部品の形状やレイアウトが以前のものと異なります。大きさと取り付け用のネジ穴の位置などは同じですが、まったく違うムーブメントです。(形状の違いは後述の写真を見てね)

大丈夫やろか?・・と、文字盤と針を恐る恐る取り付けてみると、なんと、リューズ2段引きで秒針停止しますし、リューズを回せば手巻きが可能です。また、カレンダーの合わせ方も違うようでリューズ1段引きでリューズを回し続けるのでなく、日付が変わるところまで回し、変わったら少し戻し、また少し回すと次に変わります。
本来のMIYOTA 8205とは全く違うようです。

なんか、違うなぁ〜・・と思いながら、ま、ハッキングも効くし、手巻きも出来るし、動けばいいか・・!

腕時計用クランプ届きました!

今回はきちんと、クランプでケーシングします。

やっぱりデリケートな精密機械のことなので、取り付けはきちんと行わねば、といことで、ケーシング用のクランプとスクリューのセットを買いました。
eBay “bestshop996” から “Watch Movement Repair Adapter Securing Screw&Washer for ETA 2824 2836 284”。MIYOTA用でなくETA用ですが、いろんなサイズが入っているので、なんとかなるやろうと買ったものです。値段は ¥981。

IMGP4786

取り付けの詳細は省略しますが、
まず、
文字盤を固定したムーブメントに金属のクッションを嵌め、ムーブメントに穿たれたケーシング用のネジ穴を利用してクランプでクッションを押さえつけ固定します(赤矢印)。クッションは文字盤の縁とクランプで挟まれ固定されます。
次に、
ケースに挿入。クッションに穿たれたケーシング用ネジ穴位置で、ケース内側(裏蓋のスクリュー溝のちょっと下)に刻まれた溝にクランプの端を差し込んで、ねじ止めすればケースに固定されます(黄矢印)。

IMGP4792

実にしっかり固定できました。
この安もんのムーブメントがいったい何者か不明なのが少し気がかりではありますが、なかなかうまく収めることができたと、結構満足な出来ではあります。
こんな感じ。右は以前の壊れたムーブメント。ね、明らかに違うものだとわかります。

クランプでのケーシングて結構ハードル高いよな・・

因みにムーブメントのケーシングですが・・

SEIKO-5 など、低価格帯の製品はプラスチックのクッションを介してケースに収められています。

7s36
SEIKO-5 の 7S36 ムーブメント周囲の黒部分(黄斜線)がプラスチックのクッション

同じセイコーでも、メカニカルラインになるとクランプで固定されています。

6r15
SEIKO SARB035 の 6R15 黄線部分がケース固定用のクランプ

クランプでネジ止めして固定するのはしっかりしていいのですが、素人が「ちょっと風防や針を変えてみよう」とかモディファイしたい場合にはハードルが少し高く感じます。ホントに小さなネジで止めるので取り扱いには注意が必要です。(今回も、ピンセットで少し強く掴んだネジをはじき飛ばしてしもた。2本も。小さなものやから、飛んでいってしもたら見つけるのは至難の業であります。ムーブメントの中に入り込んでしもたりしたらもう、アカンもんね
その点、プラスチックのクッションなら精密工具も過度の集中力もほとんどいらないし気楽に遊べます。
そう考えると、SEIKO-5 を筆頭に1〜2万円クラスの時計は、
買ったままで楽しむ→ベルトを変えて楽しむ→モディファイして楽しむ、
と3段階の楽しみ方をハードル低く提供してくれるので「自分でいじって楽しめる」貴重な存在だと改めて感じます。

さて、正体不明のムーブメント、今ハマっている歩度調整を行いました。

グラフはありませんが、調整前は rate= +25sec/day beat error= 3msでした。
いつものように根気よく調整した結果、このグラフ。いい感じでしょ。

IMG_1510

後はまた、数日着用してみて経過を観察かな?

 

 

 

古時計のバンド交換と、”歩度”と”タイムグラファー”

ここ一週間ほど、異常に暖かかったこともあってか桜の花も開花間近でしょうか。つぼみがピンクに染まりだして、春本番の予感がしますね。いい季節です。
大量に飛散する花粉がこたえる季節でもありますが。僕の花粉症も近年ましではあったのですが今年は目の腫れが酷くてしんどい思いをしています。

さて、今回は古時計いじり。またまたラドーです。

僕らが子供のころから成人するくらいまでかな?舶来の時計ではとてもポピュラーで有名なメーカーでしたね。
前にいじらせてもらったモンちゃんのラドーは彼が若い時に何かの記念に贈られたというシルバーホース。
今回は同じく友人のシンちゃんが親父から引き継いだ金時計、ゴールデンホース。やっぱり昔はラドーはポピュラーやったんや。
古い時計やけど、バンド変えたら使えるかと思て、似合うバンドないか?」と訪ねてきたシンちゃん。
バンドはハドリーローマMS-836/Brown をお買い上げいただきました。アリゲータグレイン、セミグロスの上品なバンドです。美錠も金なのでこの時計にはちょうどいいかな。

TOP_IMGP3160 HRwb

しかし、時計自体は長年手入れもしていなかったのか手垢かなにかわからないものでドロドロ。
これじゃ、バンド変えても代わり映えせんで・・・。ちょっとキレイにしとくから僕に数日預けとき。」ということで数日預かってケースだけでもキレイにしてやることにしました。バンド買ってもらったお礼にね。
で、帰りがけのシンちゃん、「これな、無茶苦茶進むんや。一日30分以上進む。ま、別に分かってるからええねんけど!」と明るく言い残して去って行くのはいいけど、一日30分?気になりますね。

そんな顛末で預かったこの時計、なんと57石!。ただの三針のデイト付きで57も石いるんか?無駄に飾ってるだけちゃうか?とも思いますが、調べるとラドーが1957年に RADO UHREN AG に社名変更した記念に製造されたらしく、高級機の位置づけとのこと。
・・・そうか、エエ時計なんや・・・。
そういえば、ボロボロにはなっていたけど、付いていたダークブラウンのバンドは本物のアリゲータでした。
・・・そうか、高級機なんや・・・。

ケースをキレイにしたる!とは言ったものの金メッキ。削ったら剥げるかも?
これも調べたらゴールデンホースの金メッキの厚さは 20ミクロンとか・・・普通の金メッキは0.2〜10ミクロンらしいので相当の厚付けのようです。めっちゃ分厚いよ!って言ってるのだからチョットくらいきつく磨いても大丈夫そうやね。
ということで、リューターと青棒で慎重に軽く磨いた結果がこの写真。一皮むけてピッカピカになりました。幸い風防も大きなキズもなく全体にキレイさは良好です。

r01

オークションに30,000円強で出品されている同型の写真よりは絶対きれいかな。程度のいい90,000円位で出ているものと比べても遜色ないようです。ま、こんだけキレイになったらシンちゃんビックリしよるやろ。と、満足な上がりです。

r04

さて、まだ時間もあるし、気になっていた「一日30分」を調整してみたろ!と、

人の時計で初めての歩度調整に挑戦です。

歩度の調整は、テンプ部分のヒゲゼンマイの長さを調整している緩急針をチョットずつ動かして行います。と言うことは知っていたので先ずは初歩と言うことでここだけ触ってみることに。(エエ〜ッ!? 人のんで試すってか?それ、あかんのちゃう?

t02

写真の「A」が緩急針。遅れ・進みはこれで調整。ヒゲゼンマイに干渉しヒゲゼンマイの実質的な長さを調整します。(ということです。)
ゼンマイの外側(写真左方向)に動かせば長くなって時計は遅れる、内側(写真右方向)に動かせば短くなって時計は進む。柱時計の振り子と一緒で、錘の位置を上げたり下げたりで振り子の長さを調整しているのと同じですね。
「B」はヒゲ持ちと言うらしく、ここでヒゲゼンマイの端を固定しているもの。
ヒゲゼンマイでテンプが左右に振れて、連動してアンクルが左右に動くのですがこの左右の動きが均等でない場合のことを「片振り」と言うらしく、これを均等に修正する時にのみ動かすものらしい。・・・・う〜んややこしい。コレには触れずにおこう・・。

実際どのくらい狂うのか試してみると、ほんと、みるみる進む。秒針を合わせた他の時計と並べ比べただけで早いとわかる。ものの2〜3分もたてば、3秒くらいは進む。
そこで、緩急針をマイナス方向、ヒゲゼンマイを長くする方向にチョンチョンと調整。他の時計と並べて観察。また緩急針を調整、他の時計と並べて観察・・・・これを1〜2時間おきに繰り返し、4回目くらいの調整で、結構上手くいって「な〜んや簡単やん!」、と一日おいて、結果なんとか一日+2分以内くらいに出来たのですが・・・。

そんなにあまくないで!

その後、たまたま数時間裏向きに伏せた状態で置いてあったことがあって、表をむけて時刻をみると・・、ややっ!何これ、遅れてるやん、それも並の遅れやないがな・・。どういうことかいな?
何時間伏せて置いてあったは分かりません。でもその数時間に10分以上遅れています。
その状態で表を向けて、他の時計と比べて数時間。遅れはそれ以上にもそれ以下にもなりません。
表向き(平置き)でほぼ正確。裏向きでダダ遅れ。という状態です。
そこで、12時・3時・6時・9時をそれぞれ上にして状態を見てみると、裏向きの時よりも遅れます。しかも各向き、遅れに相当差があることがわかりました。
要するに、元々平置きの場合のみ著しく進んで、他の向きではそれほど進んではいなかったところを遅れ方向に調整してしまったものだから平置き以外の場合は全て遅れることになったようで・・・。
それは分かったけど、姿勢の差でこれだけそれぞれに精度の差があると、もう自分の”カン”頼りでは何がなんかわかりません。

これはもう機械に頼るしか・・タイムグラファー登場!

歩度を測るタイムグラファーという機械があるのは知っていましたが、高価だし、あれば参考になるだろうけれどこのために買うのはもったいないし・・いやいや買えないやろ・・などと考えながらいろいろ検索していると見つけました。
iPhone用のアプリ、「Watch Tuner Timegrapher」。1,600円
えぇっ?1,600円でタイムグラファー? 歩度をきっちり計ってくれるあの高価な機械が、アプリで1,600円。早速買ってみました。
タイムグラファーという機械の使い方も分かりませんが、なんとか測れるやろう!

早速アプリをダウンロード。iPhone附属のマイク付きイヤフォンを差し込んで、アプリを立ち上げると、こんな画面。

IMG_1500

チンプンカンプンですが、HELPに詳しい説明が。・・英語なので実際ようわからんのですが、おおよそのことは分かった、くらいのとこで、イヤフォンのマイクを時計の裏やリューズ、また側面に当てて、”START”をタップ。

IMG_1491
※これは試しにやってみた SEIKO SARB035。以下の写真もラドーのものではありません。

おお、音を拾ってるんやね。
すぐに時計の振動数を計測できたようで、この時計は18,000振動、5振動/秒。うん、合ってる。
計測が続いて、秒単位の日差、そしてややこしいと言っていた「片振り」をms(ミリセカンド?)で表示(0に近いほどいいらしい)、その他テンプの振り幅なんかも計測してくれます。
メインのグラフはドットで連続表示され、状態が目で分かるようです。進み気味なら右肩上がり、遅れ気味なら右肩下がりみたいに。

IMG_1502
これも SEIKO SARB035 の計測です。右上の BPH 21600 は 6R15 の振動数です。

まだ、詳しいことは分かりません。使いこなしたらまた書こうと思っています。

とりあえずは、日差がわかれば。ついでに片振りも調整できそう。

その後の奮闘を文字にすればどれだけ長くなるか分からないので省略します。とにかく試行錯誤で緩急針とヒゲ持ちを調整。
片振りを0から0.5msくらいに調整して、緩急針で各方向日差の開きを極力抑えるように緩急針を調整して・・・。
しかし時計の向きの違いでこんなに開きがあるのは、やっぱり古い時計やからかなぁと半分あきらめながら、
なんとか、平置き以外での遅れを1〜3分くらいにして、平置きの進みを10分強までには出来たのですが。
(ふつう腕に着けていれば、平置きの状態は比較的少ないだろうと想像して、平均的にある程度の精度を期待するしかないかな?)
あとは実際腕に着けてもらって具合を見るしかないかな?

r03

でも、タイムグラファーってすごいね。数字で分かるんやから。カンではどうしようも無くても数字が分かれば方向性が見えるよね。
すごい。
このアプリ、計測の記録も詳細に残せるようなので、いろんなケースで計画的に記録すれば、たぶん目に見えない時計のデリケートな動きがわかるかも。
そしたら、時計の普段の扱い方も変わるかもしれないね。

成功か失敗か、分かりません。でも今まで知らなかったことが少しでも分かるようになって、人の時計を実験台に進歩したように思います。(シンちゃんゴメン)
今度は自分の、最近遅れがちなセイコー5でいろいろ試して、(ほぼ)正確な歩度調整の技術習得に挑戦したいと思っています。

後日談

時計を預けていったシンちゃんがなかなか取りにこないので、就寝時間以外、約18時間自分の腕に着けて進み・遅れ具合を試してみたら、なんと、ほとんど狂い無く動いた!
問題は時計を就寝時どんな向きで置いておくか、やね。それさえコツが分かったらきっと実用に耐えるやろうと思います。きっと成功やね・・・!

自分好みの時計、作ってみよう。-その3-

なんか、最近ニュースを見るのがいやになってきた。前向きで明るく希望を抱かせるようなニュース、無いね。国会審議が進まないほど森友の問題って大きな問題なのかな?相撲もそうやったけど、今回のレスリングのことも、わからんことばっかり、推測ばっかり、未確認ばっかり、本来これってニュースじゃないよね。報道も政治も疑惑と事実を比べたら当然事実の方に重きを置いて議論し対策し報告し実施するのが社会の中での役割やと思う。他に大事な現実・事実としての課題が一杯あるやろうにね。ホンマしんどい。疑惑が事実につながるならいいけど、もしただの根拠の薄い疑惑やったら、だれがこの間の時間的・経済的損失の責任を取るのやろうか?ホンマに嫌。っと、せめて自分の日常だけは明るく、オモロく、楽しく送りたいものやと、仕事と趣味に精を出したいと思います。元気に明るく精一杯生きることが、一介の市井の民としての役割やろうからね。

長くなったけど、ついでに無駄話をもうひとつ。四年前に聞いた話やけど、「桜の開花」時期のこと。もうそろそろでありますが。2月1日からの平均気温の和が「400℃」に達する日に桜が開花するっていう話です。この話を聞いて、2014年に2月1日からの大阪の最高気温と最低気温の中間値を足し算していって、3月24日に392℃。翌25日に408℃。自分の目視ではありますが25日に地元の桜並木で数輪の開花を確認して、「400℃、ホンマやんか・・」と驚いたことがありました。ま、どうでもいい話ですけど・・・。

先回速報の「自分好みの時計を作った」の詳細です。

ロレックス×オメガ×ジン×ジャパンmove?得体不明の腕時計!?

さて、時計の組立の詳細です。

繰り返しになりますが、使ったパーツは以下のとおり。
部品 PARTS
Movement
MIYOTA 8205
eBay : ajia544  ¥ 3,735
Jewels : 21pcs Vibration(/hour)21600 Accuracy(/day): -20~+40sec.
Running time : 42hours
Hands
Aviator Military Sinn Style Broad Arrow Hands
eBay : raffles-time  ¥ 2,346
Case
P707 Parnis Sapphire 40mm Watch Case
width : 40mm / length : 49mm / thickness : 13.8mm band width : 20mm
eBay : qifawatch ¥ 3,912
Dial
31mm black watch Dial fit Miyota
eBay : frank-77_0 ¥ 1,557

and (Movement Casing clamp and Screws) ¥ 934 + ¥424(shipping)

partlist

合計12,484円。セイコー5なら買えるくらいの出費です。ちなみにこれにバンドもいるから、ま、20,000円位の予算が必要です。部品の紹介にもありますが、ケースは「Parnis」という中国製。Parnisは今回と同じミヨタのムーブメントを使って、立派なステンレスのバンドを付けた完成品(ロレックスやオメガのそっくりさん)を定価15,000円位で売っているので、わざわざ組み立てる必要があるのかどうかは、、、実際僕にもわかりません。でも自由にパーツを選択できるし、作業自体も僕は好きなのでエエんやないかな?と思います。
作業中の動画を上げているので、そちらも参照して頂いて、ここでは段階毎の注意点や問題点を書いておきたいと思います。

それではステップ-1 文字盤の干支足を切る

文字盤はミヨタのムーヴメント以外にETAのものなどにも適合する汎用性を持っているので、4本の干支足があります。不必要な干支足を取り除くことが必要です。

干支足切り

ミヨタのムーブメントに必要なのは2カ所。あらかじめダウンロードした図面でハッキリわかりました。図面はとても参考になりました。

miyota_draw_move
miyota_draw

図面はシチズン・ミヨタもホームページからダウンロードできます。
http://miyotamovement.com/

ステップ-2 文字盤をムーブメントに取り付ける

干支足ネジ留め

届いたムーブメントのパッケージには、ムーブメント本体(仮のリューズ付)・プラスチックのクッション・天真・金属のリング・小さなビス2本の6点が入っています。天真はケースに附属するクラウンに付けて使用することや、プラスチックのクッションはケースの規格によって使用できるのやろうか?くらいの想像はつきますし、小さなビスの目的が文字盤の干支足留めであろうことは、以前ラドーをいじった時に干支足がビスで固定されていたので理解できましたが、金属のリングの目的が分かりません。文字盤をムーブメントに干支足を合わせて被せた時に、文字盤がカレンダーに干渉してしまうことがわかって、はじめてここに隙間を作るスペーサーの役目だと気づく始末。万事がそんな調子で、やってみないとわからないことばかり。ホントおもしろい経験です。

リング

とにかく、ムーブメントにリングを付けて、結果出来た穴に干支足を通して文字盤を装着。その後干支足をビスでムーブメントに固定します。

ステップ-3 針を取り付ける

針取り付け

カレンダーこれはいつも紹介している手順での取り付けですが、ムーブメントが今何時を示しているのかが分かりません。分針だけを軽く仮に取り付けて、リューズの時を進める回転方向を確認して、針を外し、見えない針をどんどん進めて、日付が変わるタイミングを探します。
日付が切りかわる瞬間が午前0時0分。この位置で時針・分針を取り付けます。秒針はどのタイミングでもOKですね。

ステップ-4 ムーブメントクッションを取り付ける

組み上げた時計の中身(文字盤・ムーブメント・針)をケースにきっちり収めるためのスペーサーがムーブメントクッション(以下クッション)です。これをキチンと装着しないとケース内で中身が踊ります。装着専用の特殊な留め金(ケーシングクランプ・以下クランプ)とケースおよびクッションに穿たれたねじ穴に合うネジで、クッションと中身を固定し、次ぎにクッションとケースを固定するようです。ところが、今回買ったケースにも、ムーブメントにもクランプとネジは附属しません。そこで、「クランプ・スクリュー」を検索し、それらしいものを買ったのですが、これが失敗。買ったものはどうやらETAムーブメント用のもののようで、ミヨタのムーブメントに刻まれた場所にクランプは大きすぎて入りません。また、ネジもサイズが合いません。クッションの固定には、クランプは使えますが、こちらもネジがサイズ違いで使えません。全くの失敗です。僕の知識不足ではあります。反省を踏まえ、再度ムーブメントやケースの販売を調べてみると、必要な数のクランプ・ネジをセットで販売している業者もあるようです。また、ミヨタ用を売っている業者もあります。(ミヨタのホームページの仕様書にはクランプとネジの型番が示されています)パーツの購入にはこういう附属品にも注意が必要だと痛感しています。

クッション

ま、落ちこんでも仕方ないので、なんとか中身をケースに押し込んでしまいたいと・・!今回、クッションは金属製ですが、プラスチックのクッションを使っている時計はたくさんあります。また、それらはクランプを必要とせず、プラスチックの弾力で各パーツを固定しています。そこで、金属のクッションにセロテープを貼って、その弾力でほぼ固定することはできないかな?ということで試してみると・・・、ムーブメントとクッションの隙間にはテープ1重。クッションとケースの間は3重で、全て結構キッチリはめ込むことができて、水平方向にがたつくことは防げると判明。
適当なクランプとネジを見つけるまでの暫定処置ではありますが、僕の頼りないネジ締め技術よりはこの方がいいかもとも思っています。

クッション02

しかし、よく考えると、水平方向の隙間は埋まったけど、垂直方向には無防備です。このままではケースの中で中身がガタガタ踊ることは必定です。ケース裏蓋のねじ込みの縁から、ケースに収めてクッション表面までの距離はおよそ1mm。つまりガタつく隙間は約1mm。(ケース縁からクッション表面までの距離約2.4mm – ケース裏蓋のネジの高さ約1.4mm = 隙間約1mm)そこで、詰め物を・・・、クッションの形状(外形32mm、内径27mmほど、厚さ1mm)に合ったものは・・・と身の周りを探していると、ありました。薬の空き瓶の蓋の内径がちょうど32mm、その内側のクッションを切り取ればちょうどいいかも・・・。(ホントはホームセンターへ行って、ガスケットの類いを探そうかと思ったのですが、邪魔くさがりの悪い性格で・・)サークルカッターで切り取ると厚さもちょうど1mm、仕上がりは不細工ですが目的は果たせそう。

詰め物

早速ケースに埋め込んで、裏蓋を締めてみると、裏蓋を締めきったケースの厚みは詰め物をしていない正常値と同じ。垂直方向に振ってみても指先にガタツキは感じられず。まず成功と考えていいのかな? いいやろ!

ステップ-5 リューズの寸法合わせ

リューズ

さて、素人の僕が一番緊張すると想像していたリューズの天真の寸法あわせです。実際切りすぎると途方にくれますもんね。しかし避けては通れません。ムーブメントに附属の新しい天真を、ケースに附属のクラウンにねじ込みます。たまに、ムーブメントの巻き上げ方向に合わせて逆ねじになっていることもあるようですが、これは普通です。
これをケースに収めたムーブメントに差し込みます。日付合わせ・時刻合わせの位置でリューズがしっかり機能することを確かめて、通常位置に押し込みます。ここで、ケースの縁と、クラウンの縁の長さを計ります。

ステムカット

リューズを引き抜いて、クラウンを外し、天真のネジ部分を計った長さだけニッパーで切り落とします。天真の切り取りのバリをペーパーでキレイにして、クラウンをしっかりねじ込みます。これでリューズを時計にキチンと装着出来ます。このケースのリューズはねじ込みになっています。リューズ通常位置ではバネで外側に押し出されたリューズを、ネジが噛むまで押し込んで回すと非常になめらかで高級感のある感触でケース縁までねじ込めます。ねじ込みリューズはなんとなく安心感がありますね。
うまく行きました。バンドを付けて完成です。

完成

(完成?中身セロテープとプラスチックの廃材で?・・完成?てか?)と言われそうですが、ハイ、僕なりに完成です。残された課題、クランプなんかは今後の改善点ということで。

完成です!

針と文字盤は蓄光が施されています。針はグリーン、文字盤はブルー発光ですが、文字盤のブルーは弱く役に立つのは数十秒です。針は秒針まで結構長く光ります。

ルミ

いろんなバンドを付けてみました。メタル、NATO、革・・・

ステンブレスnato

どれもいいけど、最終的にこれが一番似合うと付けたバンド。

HDMS

ハドリーローマMS-836、ブラウン・セミグロスのクロコダイル型押しカーフバンド。Dバックルを付けていますが、私見、文句なく似合います。

HRwb 01_IMGP3180

身につけて3週間ですが、精度はムーブメント仕様書に書かれた限界、+30秒/日、くらいです。結構進む。感覚的には進みすぎ。これはもう歩度調整やるしかないのかな?(やったことないけど・・)自動巻きの振り子に回転方向の矢印が付いているので、一方向のみ巻き上げが効く方式でしょうが、効率はいいようです。ほとんど腕を動かさないデスクワークでも、止まったことはありません。少し時計を振るとキュルキュルと振り子が廻る音がずいぶん長く続きます。ミヨタ8205は機械式ミヨタの中で一番安いものだと思いますが、現時点ではセイコーの7S26同様にとても出来のいいムーブメントだと感じています。

最後に思ったこと。

前にも書きましたが、同じくらいかもっと安い費用で中国メーカーの今回仕様同様の完成品が買えます。でも、パーツを自分で選ぶことで完成品にはない時計が出来上がりますし、自分の好みで選ぶ訳だから当然好みに合います。また、組み上げる作業も好きな人なら何よりの楽しみだろうし、しっかり出来上がったらこれはもう愛着を持つしかないですよね。僕はこれでまた一つ楽しみが増えたと喜んでいます。
しかし、痛切に感じるのは目の衰えと手先指先の器用さの衰えやね。ほんまに歳はとりたくないね。今欲しいのは使い勝手がよくて品質のいいルーペまたはキズ見。小さなものの固定台。それからなによりとびきり品質のいい精密ドライバーと消磁のピンセット。前のラドーいじりの時もそうやったけど、今回のクランプや干支足留めのネジの小ささは半端や無いもんね。時計屋さんは偉い!と思う。こんな小さなもの扱うんやから。これでもいろいろ調べて買ったつもりの精密ドライバーやけど、これらの小さなネジの溝にきっちりと先端が食い込むドライバーにあたったことがない。いつも先端を少し研いでやらないと食い込まないし、きれいに研げたかどうかも正直わからない。クッションにテープを巻く段で書いてたけど、自分のネジ締め技術がないというのはこのこと。とにかく、しっかり小さなネジを締めきれる道具とよく見えるレンズがほしいな〜、と思っています。

自分好みの時計、作ってみよう。-その2-

オリンピックも気づけばもう明後日閉会。始まってしまうと2週間もあっという間ですね。
それにしても女子選手の活躍には目を見張るものがありますね。(よかったな!小平!ようがんばった。)
正直、冬季オリンピックで日本選手がこんなに活躍することなんか子供の頃には叶わないことやと思っていた。今は本当に誇りに思います。残り3日、まだまだ期待しています。

さて、先回の続きです。

腕時計、組み上げました!

先月末に注文していた部品(ケース・ムーブメント・ハンド・ダイヤル/詳細は前回のブログを見てね)が、今月15日には揃い、内容をチェックしていたのですが、ムーブメントをケースのクッションに固定する留め金(クランプとネジ)がなかったり、ミヨタのムーブメントは干支足2本のはずなのにダイヤルの干支足が4本あって訳がわからなかったり・・・。いろいろあったのですが、素人なりに不細工な技でカバーして(できたかどうかわからないけど・・)。空いた時間に作業をすすめ、一応の完成をみました。
こんな感じ。

IMGP4655

丸一日半経過しますが正確に順調に動いています。
思いの外ゴツい印象があって、当初予想していた印象とは若干違うのですが、自分で組み上げたということで愛着も湧くかな?
こうやって見てみるとジャンルも国籍もなんかわからん感じではありますが、視認性だけは抜群です。

IMGP4657

作業の詳細は次回以降に詳しく・・・。

組み上げの、簡単なようで難しく難しいようで簡単な詳細は後日詳しく書き置くつもりです。
まずは自慢したくて速報まで・・。

SIMPLE IS BEST! G-SHOCK DW5600BB-1 JF

オンでも使えるタフウォッチ! NATOストラップも試してみよう!

wp00

まさにシンプルイズ・ベスト! 全身真っ黒。他の円形のG-SHOCKと比べ派手な飾りも押し出しもない。幅43.5mm、縦47mm、厚さ11.6mm、大きすぎないサイズ感。タフで強い印象はG-SHOCKそのもの。しかし、シンプルさ故の品の良さも・・。これならOFFだけでなくONでも充分使えます。いや、むしろONで使えば好感を持たれる時計であると思います。

WP02

機能はこれで充分!

電波でもソーラーでもないけれど、月・日・曜日・時・分・秒を正確に刻み、パーペチュアルカレンダーで月・日・曜日の修正は不要。アラーム・タイマー・ストップウォッチと必要充分な機能。叩き付けようが、クルマに轢かれようがこわれない堅牢性。20気圧防水。ど派手なアクション映画の冒険に巻き込まれたってこれなら大丈夫!・・まさに頼りになる相棒!
少なくとも一月くらいは秒の時刻合わせも必要ない精度だから、操作を間違わない限り体の一部のように腕に張り付いて、なんの気遣いもなく普段の生活ができる・・というとほんとの理想の時計やんか!
これで、実売価格10千円前後!・・・G-SHOCK、すごいね!

事故現場に駆けつけた刑事が「止まった時計が21時16分、事故発生時刻と推定・・」なんてことこの時計では無理やなぁ・・と不謹慎なことを考えてしまった。

四つあるボタンを操作して、時刻(12時間表示・24時間表示)・アラーム・タイマー・ストップウォッチ計測ができます。どのボタンでどうすればっていうのは説明が長くなるのでしません。ちゃっちゃと素早くこれらの機能を使いこなすには少し慣れが必要だろうと思いますが、核になるキーだけ分かればカンでも操作できます。自分の場合は時刻を確認する以外ほとんど使わないのでこれ以上の機能があろうがなかろうが問題はありません。これで充分です。

でも欠点も・・

但し、良いことばかりではありません。
唯一の欠点は、ネガ表示の液晶の読みにくさです。
薄明かりくらいの光源しかなければほとんど黒。ほんの限られた角度内だけうっすら数字が確認出来ますが老眼の僕には眼鏡が無ければ読めません。
少し明るい光源なら、その光源から出た光がディスプレイで反射して目にとどく限られた角度でのみハッキリ数字が見えます。すこし角度が変われば、読めません。
晴天の戸外でのみ、この問題は無視できるくらいのものに感じます。

WP01

アナログの時計だって、文字盤と針の形状・素材の関係で読みにくいものはたくさんあるので、この時計だけ悪者ということはないのですが、針の角度でイメージとして時刻が認識できるアナログに対して、デジタルは数字を読まなければならないので、5なのか8なのか6なのか分からなければ、これは致命的です。

と、悪いところもあるのですが、この真っ黒、これはカッコいいのです。
常に時刻の確認が必要な日常にいない限り、必要な時はバックライトを光らせれば問題ないことですし、これはこれでいいのかな?・・・格好良さか、実用か・・・悩むところです。

ウレタンベルトのこと。

標準で付くベルトはウレタンベルトです。いかにも精度良く、しかし柔軟にケースに密着しています。
この時計の性格上、これがベストなのかとは思います。
しかし、手首周り17cmの僕にはちょっと長い。遊革からはみ出したベルトの先が12時方向外側に長く延びているのは、どうも視覚的によろしくないし、なにかに引っかかることもしばしば。気にならない人はいいけど、僕は気になります。

革バンドなんかに替えたら、それはそれでカッコよく見えるんではないか?よりONにふさわしい雰囲気になるんじゃないか?と思ったのですが、DW5600のラグの幅は16mm。見栄え良く革バンドを付けようと思えば、24mmか22mmのバンドを付け根16mmに加工して付けなければなりません。これももったいない話で。高い革バンド加工したものの似合わなかったらアホみたいやものね。

そこで、ワンピースストラップ装着用のDW5600用「先端カバー」(黄矢印)なるものを購入(¥1,500)。先端カバーの幅に合わせて24mmのNATOタイプストラップ(緑矢印)も購入(@540・・安いね・・)。ベルトを付け替えてみることに。

WPw01

以下、「先端カバー」「NATOタイプストラップ」取付の顛末と注意点をまとめました。

取り付けた結果はこれ。ミリタリー感バリバリやな。

WP03

ストラップ交換は、標準のウレタンベルトを外して、先端カバーを取り付け、ストラップを通すだけ。
ベルト・先端カバーの脱着は、他の腕時計同様、通常のバネ棒を介しているので、バネ棒を脱着することで行います。バネ棒の長さは16mm。

交換方法

動画で顛末が見れます。かなり苦労している動画です。

●まずウレタンバンドを外します。

WPw02

時計の裏側、ケースとウレタンバントの接合部に少しバネ棒の先が見えています。
ここにバネ棒外し工具を差し込んで、先端をバネ棒のツバにひっかけ、バネ棒を押し下げて縮め、ベルトをケースから少しずらすと外れます。
G-SHOCKはかなりキッチリと組まれているので、少し苦労するかもしれません。

●先端カバーを付けます。

WPw03

先端カバーの凸部の穴に外したバネ棒を差し込み、(写真左から・・)ケースの下のラグの穴にバネ棒の先を入れて、先端カバー・ケースの接合部を合わせます。
バネ棒の上の部分を押し下げながら、ラグの内側に押し込みます。
バネ棒の上端が上部ラグの穴に入れば完了です。

動画にもありますが、これが入らず苦労しました。
僕の技術が伴わないのか、外品の先端カバーの穴の位置がキチンとしていないのが原因なのか、分かりません。
ま、今度いつか、外したウレタンベルトを付け戻す時に分かると思います。

WPw04
上が標準、下が細いバネ棒

仕方ないので、穴とバネ棒の隙間に遊びがあれば多少の精度の悪さや技術のなさをカバーできるので、直径1.4mmのバネ棒を使うことにしました。標準は2mmの太くしっかりしたバネ棒です。この0.6mmの差で、なんとかしようと。

結果は良好。さほどの苦労なくすんなり装着完了。バネ棒の遊びが接合に影響するようなガタツキもなく、キッチリ装着出来ました。

WPw05

●540円で買ったNATOタイプのストラップをつけます。

WPw06つけます、といっても、通すだけ。簡単やネ。ワンピースストラップのいいところ。しかし、
ここで、またも問題発生。
「これは決定的に似合うやろう!」と思っていたカーキのストラップ。装着してみると、ストラップが二重になる時計の底がツッパっています。これでは腕に巻いた時、時計が浮き上がってしまいます。

 

 

 

 

 

下の写真。左が今回のカーキ。浮き上がっているのがわかる?付けられないことはないけど不快かな。
右は手持ちの薄手の22mm幅のストラップ。付け心地良好。22mm幅と2mm狭いものだけど違和感はありません。

WPw07

原因は、ストラップの時計を固定するフラップ部分の長さ。
DW5600本体の長さは47mmだけど、先端カバーを付けたので、66mm(ストラップが通る部分は60mm)になっています。このため、NATOタイプのストラップでは、ものによってフラップの長さが足りないものがあるようです。
先端カバーを付けたDW5600には、フラップの有効長が少なくとも70mm弱は必要と思われますが、カーキのNATOストラップの有効長は57mmでした。これでは突っ張るのも無理ありません。
下は長さを比較したもの。
上2本は今回買った24mm幅・厚手のもの。下1本は手持ちの22mm幅・薄手のもの。
明らかにカーキは短いよね。

WPw08

NATOタイプのストラップは通販でかなり安く購入できます。しかし、今回に限らず特に500円〜1000円の安い輸入品はストラップ自体の長さ、フラップの長さ、ループの位置なんかずいぶんバラつきのあるものが出回っているので注意が必要です。
時計バンドの専門メーカーが作るものはさすがに規格や品質で優れていますが、3000円〜6000円くらいします。ちょっと高いね。
「先端カバー」を販売しているサイトでは、専用のストラップをセットで売っているところもありますので、セット買いが間違いの無い選択かもしれません。

それにしても、24mm幅のストラップって、普通はいわゆるデカオモ時計に付けるためのものだろうから、フラップが57mmは少ないと思うよね。もう少し余裕持たさないと、返品増えるよ。きっと。

と、いろいろありましたが、ベルトを交換する時の注意点は・・・
●「先端カバー」の付け替えは僕の様に細めのバネ棒を用意しておいた方がいいかも。
● NATOタイプのワンピースにするなら、安いものを買うなら複数買っておくのが無難。また、22mmでも違和感なく使える。
● できれば「先端カバー+ストラップ」セット販売を利用するのが、良い選択肢かも。
といったところです。

さて、最後に、

WP04

G-SHOCKを一本欲しくて、ずいぶんいろんな機種の写真を見たけど、DW5600BB-1 JF 、これが自分なりには一番カッコいいG-SHOCKやと思う。
営業職でも接客職でも仕事中違和感なく使えるやろうし、OFFには水を得た魚みたいなものやし、仕事を無視してストラップを変えればミリタリー風の存在感あふれる魅力ある風貌になるし、なによりメンテナンスフリー、きっといついかなる状況でもズ〜ッと日常に寄り添ってくれる実用的な存在になる、そんな時計やろうね。
ただ、見にくい。なんとも惜しい。なんとかならんかなぁ〜、しかたないんかなぁ〜。

5分でできるベゼルインサート交換!

SNZF17J1 / SeaUchin、
ルミ・セラミックベゼルインサート投入!

若々しくハンサムな SEA-UCHIN をセラミックベゼルで一気に大人の雰囲気に!

平成30年 あけましておめでとうございます。
とは言っても、もう8日。今日は成人式です。
全国的にあいにくの天候で、特に成人式を迎える娘さんは大変やろうね。
カレンダーの関係でいつもより長くゆっくりした感じの年末年始の休暇も今日でいよいよ終わり。
明日からは忘れかけていた音をたてて、慣れ親しんだ日常が始まります。
それにしても、こんな長い正月休暇いるやろか?明日からの学校や仕事のことを思うとブルーになる子供たちや大人たちが増えるだけとちゃうかな?と、休みが今ほど多くなかった時代を過ごした僕は思います。
ま、今の仕事が365日休み、365日仕事、みたいな感じの僕にはどっちでもいいんやけど。

さて、今日は大好きな時計のひとつ、

セイコーファイブ SNZF17J1 SEAUCHIN のモディファイ追加です。

とてもハンサムだと紹介していた SNZF17J1 SEAUCHIN ではありますが、正直なところオリジナルのままでは高校生・大学生向きな印象が強くあります。大胆で太くくっきりとしたインデックス・針・ベゼルのデザインで若々しくハンサムな印象がそう思わせます。
エネルギッシュな若い人には本当によく似合う時計だと思うのですが、大人・・または中高年?が使うには少し気恥ずかしさみたいなものを感じるのも否めません。(もともと中高年は使わんやろう、って?そんなことはないやろ)
そこで、一回目のモディファイで標準のミネラルの風防をサファイヤのダブルドームに変えたら、なんとなくキレイさと落ち着きみたいなものが出て、年齢的にもいい感じになったので、ここは一気に大人の時計にしよう!ということで、特にエネルギッシュで若い印象を出していたベゼルインサートを落ち着きのある光沢のセラミックベゼルに交換してみます。
結果はこれ

WP01

自分では目論見どおり。と思いますが・・。
落ち着きのある大人の時計になったのではないかと。成人式やからちょうどいいかな。
ハンサムで活発な学生が、落ち着きのある大人のビジネスマンになったような、僕はそんな印象にとらえています。

セラミックベゼルインサートの落ち着きのある独特な光沢は、プラスチックやアルミまたスチールの素材にはない独特の光沢です。高級感も増し、硬度も高いのでキズの心配もありません。加えて今回購入のインサートはインデックスに蓄光が施されたもので、暗所でキレイに発光します。
WP03
日光や懐中電灯などで蓄光させた後、暗所に持ち込むと感動的なくらいキレイなグリーンの光を発します。(僕はこれが大好きで、特にセイコーの時計を好むのもこの性能が他社製に比べ優れているからです。)
ただし、インサートの蓄光は時計本体の針やインデックスの蓄光よりは継続時間が短く、ほんの数分で減衰してしまうものなので、実用性は感じられません。
蓄光性能はそんなものですから、ま、どうでもいいと言えばどうでもいいので蓄光の無い、SNZF17J1のサイズに合う、より安いセラミックインサートがあれば、選択としてはベストかも。

では、ベゼルインサート交換の顛末を。
HOW TO EXCHANGE

動画を見てね!

購入のベゼルは ebay で購入
”SEIKO SNZF17 SEA URCHIN “TP STYLE” FULLY LUMED CERAMIC BEZEL INSERT-BLACK”
https://www.ebay.com/usr/lumedceramicbezelinserts?_trksid=p2047675.l2559
US $ 45、加えて送料 US $ 15.5

work00

円形のプラスチックケースに入った商品の他、サイズに型抜きされた貼付用の両面タック紙が附属します。

以下、動画の補足です。

まずベゼルを外します。

work01

SNZF17J1のベゼルは同レベルのセイコー200mダイバーなどと比べ緩く嵌まっているので、比較的簡単に外れます。
が、鋭利な刃物でこじ開けるので充分に注意しなければなりません。指を切ったらアホらしいどころですまんもんね。
ベゼルが外れると、ベゼル内縁の溝にセットされているゴムの輪(ガスケット)と本体にセットされているラチェットの爪の出たリングを確認しておきます。(最終的にベゼルを戻す時に、両者のセットに不備があると、正常な動作にならないので)

ベゼルインサートを剥がし取ります。

work02

ベゼル内側のベゼルとインサートの隙間に精密ドライバーを差し込んで、インサートを浮かせていきます。
写真の様に当て布などで養生しながら丁寧に作業すると、現インサートを痛めずに外すことができます。
そこそこ浮いたら外縁から薄い工具を差し込んで剥ぎ取ってききます。写真はカッターを使っていますが、竹べらなんかがベストかも。
インサートが外れたら、ベゼルに残った接着剤をキレイに剥ぎ取ります。写真は爪楊枝を使っています。仕上げは接着剤はがしの溶剤などを綿棒に浸ませて拭き取るのも有効です。

両面タック紙を貼り付けます。

work03

両面タック紙は、上面の剥離紙を外さないままで、ベゼル表面に貼ります。サイズに合わせて型抜きされているので簡単に貼れます。
(!! この段階で新しいインサートを貼りたくなりますが、貼ってはいけません。インデックスの位置が決まらないので)
後は、本体への装着に続くので、ここで、先ほどのガスケットとラチェットリングのセットがキチンと出来ているか確認します。
出来ていないままベゼルを装着すると、ベゼルの回転不良とガスケット・ラチェットリングの毀損・破損に繋がるのでしっかり確認します。

ベゼルを本体に、インサートをベゼルに装着します。

work04

ベゼルを本体にセットし、指で圧入します。パチン!と入ればOKです。圧入器具がなくても比較的はめ込みが緩い設定なので指で十分だと思います。
また、標準のフラットな風防のままなら、漫画雑誌などの上に裏向きに時計を置いて、手のひらを当てて体重をかければ簡単に装着出来ます。
装着したらベゼルの回転をチェックします。以前より抵抗が増していたり、スカスカ・ギクシャクなど感じたら無理に回さずに、もう一度ベゼルを外してガスケット・ラチェットリングを確認するところからやり直します。
両面タック紙の上面剥離紙を剥がして、最後にインサートを貼り付けます。
インサートのインデックス0分の三角マーカーの頂点が文字盤の12時キッチリになるように合わせて位置決めし、静かにインサートをセット。位置が確かなら指で圧着します。

これで完成。手順を守れば順調にいって作業時間5〜10分くらい?

以前のブログ(SEIKO SKX007 ”もっと”モディファイ!)で紹介している(今回のインサートと同じものの色違い)ルミ・セラミックでブルーのアイテムと比べると、今回の黒のほうがキッパリとメリハリのきいたキレイさがあります。
今回は ”TP STYLE” と言うインデックスデザインですが、デザインは他にも選択肢があります。
SNZF17J1 にセラミックインサート、ちょっと大人びた雰囲気にモディファイするには絶好のアイテムだと思います。

ところで、写真の時計のバンドはハドリーローマ MS-910 Black 22mm。
大きく重い時計に似合う厚くしっかりとしたバンドです。

WP02

遊革のみ同型の Brown のものに交換しています。ちょっとオシャレ?
バンドの購入はとちらでね!

HRwb

あ〜・・のんびりするのも今日まで。さ、明日から仕事がんばろ!

 

SEIKO SEIKO SNK805, 809 ”もっと”モディファイ! 針交換 再挑戦!

少し小さく細いSNKのアルファ針を太くて大きいソード針に!
SNKはこれで小さなパイロット!?

秋も深まり冬の気配がただようこの頃、風邪には気をつけましょう!
さて、今までのブログに書いてますが、ホント大好きな SEIKO SNK シリーズ。実売8千円位のオートマチック、37mmケース、小ぶりなミリタリー風。売ってるままだと、仕事も含めた普段使いにはチョット?っと思うサンドブラスト風のつや消し処理を一皮剥いて磨いてやると、印象一転、普段使いOKの感じに! 加えて風防をサファイヤクリスタルに変えれば、もう、これは結構ナイスウォッチに!
小ぶりな大きさも手首回り17cm強の僕にはちょうど良くて、いろいろ手を加えただけに愛着もあって、ほんといい時計だと思うのです。
が、ちょっと気に入らないのは針の小ささと細さ。もうチョット長くて太ければきっと存在感が増すのに・・・残念なところ。

以前の記事や動画にもあるとおり、カーキ色ダイヤルのSNK805の針を少し長いベンツ針に変えたら自分なりには大成功。バランスの取れたいい感じになったのですが、素人の初めての作業だったので、ダイヤルも針の穴付近もキズだらけの結果でした。(ま、肉眼の一瞥では見えないようなキズですが・・)
今回、ベンツ針を買った「raffles-time(eBayの出品者)」さんのサイトにあった、同じく7S26用のソード針を購入し、キズなくきれいに付け変えできるようリベンジです。

結果はこれ

beigeblack

ベージュの SNK803と、黒の SNK805。針は色違いの同型です。
秒針は、理由を後述しますがSNKオリジナルです。
針の存在感が控えめなオリジナルに比べ、時計全体の押し出しみたいなものが出たように思いませんか?上品さは少し失ったかもしれないけど、増した視認性に比べれば目論見どおりです。
僕は腕時計の針は長いほうがカッコいいと常々思っています。特に秒針・分針は秒のインデックスを指すのが基本的に優れたバランスだと思っています。ちょうど、この写真のようにね。(秒針が残念だけど・・・)

eBayで買った針はこちら

hands00

raffles-time(http://stores.ebay.com/Raffles-Time?_trksid=p2047675.l2563)
中国から郵送されたものです。
以前のベンツ針もそうでしたが、蓄光もセイコーのオリジナルにひけを取らないものです。
針自体の品質はわかりませんが、すんなり収まるので、たぶんいいんかな・・?

hands01

Aはお馴染みの裏蓋外し、Bは安物の工具セットに入っていた剣抜き、Cは新たに買った明工舎の剣押さえ、
Dは薄いプラスチック板をカッターで切った針を抜く際の文字盤保護膜、Eは同じ目的で使うラップ。
Fが今回買ったソード針。

さて、気合い入れて交換作業!

hands02

ケースから外した中身にリューズだけ取り付けて、午後0時に合わせます。午前0時だと新しい針を装着した時に針同士が干渉しないかクルクルリューズを回すので、その際逆回転でカレンダーを痛めることが心配なので。

 

 

hands03

自作の保護膜やラップを使って、文字盤にキズが就かないように慎重に剣抜きで針を取り外します。

 

 

 

 

hands04ラップを使う時は、ラップを針の上に被せて、ラップ越しに工具を使います。
緑の805の時は、安物の工具にいらだってゴチャゴチャしている内に文字盤を傷つけてしまった。文字盤は以外とチョットのことで傷つきます。デリケートなので取り扱い注意です。

 

hands05

さて、新しい時針を取り付けます。細かい部品を扱う時の粘土みたいなものがあるようですが、持たないので、セロテープで針の先をチョンっとくっつけて作業しています。12時にピッタリ合うように剣押さえで装着します。

 

 

hands06重ねて分針も同様に装着します。この時時分針がピッタリ重ならないと、分針が12時に来た時に時針がズレてしまうので慎重に。

装着したら、時分針が文字盤に平行に装着出来ているか目視で確認した後、リューズを12時間回して、時分針同士が干渉しないか、時針が文字盤のロゴなど突起物に干渉しないか確認します。干渉するようだったら針を抜くところからからやり直し。

hands07最後は秒針です。秒針の取付けは時分針がどの位置にあってもかまわないで、慎重にセンターをあわせて、チョンチョンとつついてやれば入るはずです。
ところが、この新しい針、何度やっても入りません。なんで?なんで入らん?チョンチョン・・あかん・・、入らん。
hands08結局あきらめて、オリジナルの秒針を装着するはめに。オリジナルは一発で決まりました。

なんでかなぁ? で、秒針の袴をマクロで撮ってみたら、明らかに袴とその穴の大きさが違うよね。

 

hands09
左が新しいもの、右がオリジナル。左の方が小さいよね。こら入らんわ。
多様にある針の穴(ムーブメントの軸の太さ)の規格のことはよく分からないので、7S26用であれば大丈夫って思ってたけれど・・。あかんのもあるんかな。難しいね。

ま、秒針は残念だけど針を変えたムーブメントをケースにもどして完成です。

いろいろあったけれど、とりあえず完成。

SNKs00

グリーンの805も加えて記念写真。
以前より増した視認性に大満足であります。
小さいSNKが本格的なミリタリー?パイロット?になったようで。うん。なかなかのものです。(「おんなじようなもんいっぱいこうて、なにしてんのん。おかしいんちゃう?」って言われてます。冷静に考えれば僕も同感です。)

SNKs03
特に、ベージュの803、眼にやさしいベージュのダイヤルにルミを施された黒の時分針が際だって。クラシカルな雰囲気が最高です。明るいブラウンのバンドも似合うね。

SNKs02

完成写真のバンドは、ハドリーローマ MS-906 (白スティッチ・シャークグレイン)と MS-784 (オイルタンレザー・フラット)。粋でオシャレ!っと思います。

HRwb

針交換の顛末、動画はこちらで!

最後に、言い忘れた注意点

針の穴の規格はムーブメントによって異なります。多数のムーブメントが採用するサイズはあるようですが、多様なようです。純正品でなく外品を手に入れる時は注意がいります。今回もSEIKO 7S26 用を確認しての購入ですが、SNK には秒針は違ったようです。
同じメーカーの同じムーブメントを搭載した異なる時計の純正品か、ジャンク品の部品取りで手に入れるのが、ホントは失敗のない方法なんでしょうか。
難しいね。

ALBA・Q&Q・CheapCasio ¥2,000〜¥3,000!チープウォッチ比較

セイコー・シチズン・カシオ、比べてみました。

先回のALBAでちょっと感動したので、
¥2,500〜¥3,000でよく似たタイプの セイコーALBA・シチズンQ&Q・CheapCasio を比べて見ようと思います。・・では早速。

comp01
左から、Q&Q(H30-001)、ALBA(ABPS137)、CheapCasio(MRW-200H-1BV)。
価格(購入価格)は、Q&Q-6,000円(2,370円)、ALBA-4,000円+税(3,013円)、CheapCasio-逆輸入のため不明(2.430円)。
2千円〜3千円の回転ベゼル付き3針のクオーツ時計です。
どれもケースや風防がプラスチックなのでそれなりの見栄えではあります。
クオーツムーブメントには詳しくありませんが、価格帯からどれも最底辺の国産ムーブメントだと推測します。経験上充分に正確に動くと思います。
一秒ごとにステップする秒針の動き方も数万円で売られている国産機種のものと比べ明らかに硬く安っぽく見えます。
また、針も薄板を型抜きしただけのチープな感じはありますが、ALBA・CheapCasioは白で塗色されているのでうまくごまかされているかな。

届いた姿はこのとおり。

comp02
ALBAは厚紙のケースに一応スポンジの枕に巻かれて入っています。Q&Qは吊し用の塩ビのケースに、CheapCasioはビニール袋にグチャグチャっと入っています。

主な仕様と特徴を表にしました。

n_compare
大きさは、CheapCasioが一番大きく重く、ALBA、Q&Qと続きます。Q&Qは一番小さいのですが、ラグからラグの全長が一番長いので見た目にはそれほどの小ささは感じません。
ALBAは電池式のクオーツで機能は最もシンプル
これに、Q&Qはソーラー充電機能が、CheapCasioはDAY/DATEカレンダーが付加価値として加わります。

回転ベゼルはALBA、Q&Qが共に逆回転防止60クリックで動作の節度・強度も良好です。
CheapCasioは両方向に回転しラッチはありません。ぬめっと適度な抵抗をもって回ります。少し物足りませんが、別にこれらの時計で本格的なダイビングをするわけではなく、ただ経過時間を計りたいという目的だけならCheapCasioの設定がむしろ便利でいいのかもしれません。
ALBA、Q&Qは粗めのコインエッジ、CheapCasioは歯数の少ない歯車状の彫刻です。僕はフラットでオーソドックスなALBAのベゼルを好ましく思います。
防水は全て100mmです。チョットした水没や、軽い水泳くらいには耐えるのかな?ま、豪雨の中でも安心でしょう。

側面はこんな感じ

comp03
厚さの違いが少しわかります。風防以外に最もプラスチック感を感じる部分ではないでしょうか?ALBA、Q&Qはケースの中央にはっきり成形の筋がありますが
CheapCasioにそれはなく比較的高品質な感じがあります。

腕につけるとこんな感じ

comp04
左からALBA、Q&Q、CheapCasio。
付属のバンドは、ALBAがナイロンのNATOタイプ。12時側が短すぎて大人の手に尾錠があらぬ位置に来て使うには辛抱がいります。
Q&QとCheapCasioはPVCかな?工業用ゴムの加工品。Q&Qは適度な長さを持ちますが、CheapCasioは12時側6時側ともびっくりするほど長すぎてよほど腕が太いか、服の袖の上に巻く以外は普通に使用するにはかなり恥ずかしい、かな。
大きさは、腕回り17cm強の僕が付けて、ALBAはちょうど良く、Q&Qは少し小ぶりに見え、CheapCasioは少し大きめ(普通のダイバーをつけた感じ)。

ダイヤルは、インデックスが数字で内側に小さな活字で24時間表示があるALBA、CheapCasioに対してQ&Qは楔状の大きめの略字です。好みの問題ですが、数字の方がアウトドアっぽい感じがしますね。ただ気になるのはCheapCasioの数字の書体です。メインの大きな12時間表示・ベゼルの15分間隔表示の数字とその他の小さな数字の書体がちがいます。数字自体の大きさの違いと相まって若干の違和感を覚えます。せめてベゼルだけでも書体と大きさをそろえればいいのに・・。

3機とも蓄光が施されています。

ALBAは時分針と1〜12時にドットのマーカー。
Q&Qは時分秒針とインデックスの略字。
CheapCasioは時分秒針とインデックスの数字。但しCheapCasioのインデックスの数字の蓄光はほとんど役に立ちません。
comp10
LED懐中電灯で蓄光した後の経過観察です。2分後にはQ&QとCheapCasioは蓄光を失います。ALBAは10分強継続します。
Q&QとCheapCasioは2分ですが、照明を落として数秒で明らかに光度が減少するのがわかります。ま、たった数分のことですが、実用性ではALBAかな。

だいたい違いが分かったところで少し装ってみよう!

どれもそれなりにカッコよく、気楽に遊びに使うならこれで充分!ということが分かったので、ベルトを変えて少し装ってみます。
ALBAとCheapCasioは程よい遊び心を持つ感じなので、ステッチの効いたOFFに最適の革バンドに。Q&Qは時計の形もベゼルの色や一見した時の印象もおとなしいので上品でシックなクロコ押しの革バンドにしてみました。
問題はCheapCasioのバンド幅。ラグの幅は18mmで43mmあるケース幅に対して細すぎて見た目にアンバランスです。
comp05
そこで、22mm幅のバンドの付け根をカッターで細工して18mmにして装着。これで見た目のバランスが改善しました。
comp06

ちなみに、ALBA、Q&Qはケースとバンドを装着するバネ棒の中心の隙間が十分にありますが、CheapCasioは構造上非常に狭くなっています。たぶんこの価格帯の時計だからか標準のバンド以外のものに付け替えることは考慮していないのだろうと思います。
従って、厚めのNATOタイプや他の外品バンドへの付け替えの選択肢は非常に小さいです。
comp07

さて、全部変えたところ

comp08
見栄えが変わったでしょう? 素材の安っぽさも和らいで、より使える時計になったと思います。子供使いの印象が大人でも使える印象に近づいたと思いませんか?
ま、全て時計本体より高いバンドで、本末転倒ではありますが、これだけ変われば楽しく嬉しく思います。
(自分の周りは老眼ばかりなので、どうせ細かいところは皆見えません。「どや!実は安い時計やねん。」と自慢したくなります)

HRwb

最後に、各特徴を簡単に。

ALBA(ABPS137)は引き締まったデザインと24時間表示のインデックスの赤の差し色が魅力的。自分的には一番カッコよく好きな時計。

Q&Q(H30-001)は少し小ぶりなオーソドックスなスタイルとデザイン的なまとまりが素敵。ソーラーで電池交換不要。文字盤に貼られたソーラーセルも上品なアクセントになっています。この中では一番オールマイティに近い時計だと思う。
また、特筆したいのは風防の美しさ。皆アクリルの風防だけれど、他に比べ密度が違うのか透過率がよく拡散反射率が少ないように見え、クリア感が際立っている。歪みも少ない。ベベルカットのエッジもあって、ミネラルクリスタルにも引けを取らない美しさ。定価が一番高いだけのことはあると思う。

comp09
中央がQ&Q、他の2機と比べ風防がダントツにキレイ!

CheapCasio(MRW-200H-1BV)は他に比べ無骨でタフな見栄えがいい。若い人にはこれかな。唯一DAY/DATEカレンダーもついて付加価値は高いと思う。

さてさて、皆さんはどれにしますか?「どれもいらん」って人の方が多いかもしれませんが、
僕は好きやなぁ、こういうの。

動画もね!

P.S.
先週 ALBA を買って思ったこと

安いからと言って子供のための腕時計を論ずるつもりはありません。
あくまで、大人として、社会人としてアプローチしてみたいと思います。今までに書いたことの繰り返しになるかもしれませんが。
僕は社会人として、常々手元と足元は大切だと思っています。どんなに上品でいいスーツを着ても靴が奇をてらったものなら台無しに感じます。
手元も袖口から覗く腕時計がハデハデだったり押し出しが強すぎたりすると人格さえ疑われると思うからです。某放送局の夜の人気報道番組のフレッシュで爽やかで好感が持てたキャスターが、いつのまにかちょっと売れた芸人も驚くようなデカハデ腕時計を巻いているのを見ると、「おお、頑張ってエエのん買おてんな。えらいえらい」とは思わず、「あほちゃうか」「こいつ、ちょっとおかしなったんちゃうか」という人格的評価に変わってしまします。どんなものを身につけようが本人の勝手と言えば勝手なのですが、手元は大切だと思うのです。

社会人としてはビジネスのどんなシーンにでも対応できる品があってきれいで、見た目自己主張の大きすぎない靴と時計は必ず持っていなければならない必須アイテムだと思います。
そういう条件のなかでも、自分が持っていて、人に見られて、恥ずかしくなく、自信を持って楽しめて、気分を高揚してくれる靴や腕時計を、背伸びせず自分の甲斐性の中で選んで身につけることが、自身の品格を磨くコツだと思っています。

自分が自分のビジネスと背丈に合った恥ずかしくない時計を持つことは必須です。

その上で、趣味や遊びでビジネスシーンから解放された自分を楽しみたい時、そのOFFの気分を高揚してくれるアイテムも必要です。
今回チープウォッチを取り上げていますが、これらの腕時計は腕時計として素材にしてもムーブメントにしても組み上げ精度にしても、どれをとっても底辺のレベルのもので、決して前述したような”まともな腕時計”に太刀打ち出来るようなではありません。(でも、決してオモチャでもありません。時計として立派に役目を果たしてくれます。)
だから、これらをビジネスにも常用する時計として扱ってはいけません。(但し、ファッション性重視や現場仕事の多いビジネスに就かれている方は別ですが。)あくまで自分を楽しませてくれるアイテムとして扱うべきだと思います。

ビジネスを離れて、たまに海へ山へのレジャーや旅行と言ったアウトドアを楽しむ時、それなりのラフな格好に着替え、家族・気の合った仲間と出かける時、安くて気楽で使えるチープウォッチは、持っていて損のないアイテムだと思うようになりました。
ダイビングでもフィールドでも、それなりの雰囲気を持った充分以上に”使える”ものがたくさんあります。
普通のサラリーマン、ビジネスマンがOFFを楽しむ時、決して高級なものは必要ではありません。高級なものはそういう職業のプロか、OFFでもステータスが気になる人がつければいいのです。
とにかく楽しめばエエ!安くて気楽に買えるチープウォッチ、おもしろいやん。
余った予算でバンドを変えたりして雰囲気を変えればなおさら楽しめるしね!