自動巻腕時計、振って巻き上げると進む!?

なにかおもしろい話題でもないかなと思うけど、世間は連日コロナのニュースばかりで、罹患された方々や不幸にもお亡くなりになられた方々には本当に申し訳ないのですが、気が重くなってします。ここ一週間で仕事の環境も、町の環境も一気に息を潜めたように静かになってしまって、自分のような零細業者では楽観できないぞって不安が芽生えてもしかたないですね。
ただ、インフルエンザのアビガンやぜんそくの治療薬などで症状を緩和する臨床試験も進んでいるようなので、少し明るさも見えてきたのかな?海外勢の薬もあるけど、これらの薬が国内由来であることは心強いことであります。
あと数週間辛抱して、収束の兆しが見えて、日本に生まれて良かったね!と言えればいいのですが。
希望を持って、辛抱も明るい気持ちでしていきたいものです。
それにしても、トイレットペーパー、どないしてくれんねん!エエ加減にしとけよ!って、デマと転売目的の輩には言いたいね!こんなこと、日本国内で起きることが、なさけなく、はずかしいがな。
ホンマ、あかんやろ・・・。

さて、気を取り直して、自動巻き時計のゼンマイ巻き上げの話です。
以降なんども言いますが、こんなことどうでもいいという話です。

機械式オートマチック腕時計といえば、クォーツのように正確でもないし、日々ゼンマイのパワーを保ってやらないと気付いたら止まってた!みたいなことになるし、極めて正確な時刻が必要な生活を送る人には不向きな時計ですが、気遣ってやらないと止まってしまうと言うなんとも有機体的なところがいいなぁと思いますね。
電気信号を使う無機的な製品で無くて、ゼンマイの力を沢山の歯車やバネやその他の部品が精緻に絡み合って時を刻むって、人間の英知と技術のなせる、いとおしい機械やと思うわけです。
毎日生活を共にして、僕が生きて活動してる限り僕の為に真面目に時を刻み続け、いつの間にか共に年老いていく・・・そんな感じにもいとおしさを感じます。
ま、機械式時計に対する想いは置いといて、

自動巻き、手に持って振って巻き上げたら、進む!って知ってました?

ま、知ってても知らんでもいいような話ではありますが。

止まっている自動巻き時計の巻き上げは、セイコーの取説によると時計を水平に持って左右に振る、これが正しい巻き方です。また(状況にもよりますが)秒針が動き出したら時刻と日付を合わせて腕に着け、一日8時間以上使用すると動き続ける、となっています。

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一説によると、手巻き機能の付いている自動巻きでも、手巻きは使用せず、時計を着ける・または振ることで巻き上げた方が長持ちするとのことです。
とにかく、秒針が動いていれば、腕に着けてる限り止まらんし、たまに時刻合わせする以外な〜んにもせんでいいよってことなのですが、運動量の少ない生活を送る者としては使用中のゼンマイパワーの枯渇が気になります。ちょっと暇になったら、つい、腕を振ったり、時計を外して左右に振ったりしてゼンマイパワーを補充する習慣のある人も多いと思います。

ただ注意したいのは、振り方にもよるのでしょうが、

振れば振るほど時が進むということです。

時刻を秒まで合わせた後にパワーを貯めようと時計を振ると進んでしまって折角合わせた時刻がパーになってしまいます。
写真は、秒針の”0″に合わせてストップウォッチを動かし、約20〜25秒マニュアル通り時計を左右に振った結果です。
上からセイコーのムーブメント6R15、オリエントの40N52、ETAの2824を試しています。
どれも機械式の量産ムーブメントとしては多く使用されているムーブメントですね。

seiko6R15
orient40N52eta2824各時計の”0″に合わせてストップウォッチをスタートしてますが、振った後は時計が5〜7秒ほど進んでいます。
高級機は持たないので試せません(誰か試してみて!)が、たぶん、テンプのヒゲゼンマイが遠心力でたわむのが原因じゃないかと思うので、普通の機械式はおそらく同じ結果になると思います。

秒針停止機能のある機械式は正確な時刻合わせが出来ますが、下位機種で秒針停止機能をもたない時計はなかなか秒までの正確な時刻合わせが出来ませんが、振ると進むこの性格を利用し、タイミングを見計ればかなり正確な時刻合わせができます。

ほんと、この話題、どうでもいいようなことではありますかね。

ま、どうでもいいとは思いますが、
生活習慣、日々の運動量、使用中の時計の傾き、などなど様々な個人差で、精度は変わるという話でもあります。
また、原因がヒゲゼンマイのたわみだとしたら、巻き上げの為に力一杯激しく振るのは絶対やってはいけないことだと言うことにもなります。
生涯の伴侶にもなり得る、生き物のような極めてデリケートな持ち物ですから、ゼンマイの巻き上げ一つにしても大切にしてあげたいものです。

試した様子は動画で観てね!

歩度調整再度挑戦と、絶対やってはいけない自動巻の巻き方。

 

前々回の記事で初めて試したiPhoneアプリのタイムグラファーを使って、最近遅れ気味のSKX007(cal.7S26C)を調整してみます。(尚、現時点での自分なりの理解なので間違いがあればごめんなさい・・)

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Watch Tuner / Timegrapher

iPhoneのアプリ『Watch Tuner / Timegrapher』は、iPhoneに付属のイヤフォンを接続し、音量調節スイッチに付いているマイクで、時計のテンプのチックタック音を拾って精度を計測してくれます。
例えば、柱時計の振り子が左に振れた時をチック、右に振れた時をタックとすると、一分間にチックが30回、タックが30回なら正確に時を刻んでいることになりますね。また、チック→タックとタック→チックの間隔が均等ならいいのですが不均等なら不安定になります。柱時計をチョット傾けて設置した感じやね。
腕時計の振り子は、ヒゲぜんまいで左右に行ったり来たり回転するテンプにあたりますので、テンプの左右回転時のチックタックを読めばその時計の精度がわかるということですね。

タイムグラファーが計測する主な点は二つ。

1. 精度(rate)
今回のSKX007、7s26Cムーブメントは(21600振動/時)なので一秒間に6振動、つまり一秒間にチックが3回、タックが3回ということになります。タイムグラファーは音でこれを計測します。
2. テンプの振り幅の誤差(beat error)
チック→タックとタック→チックの間隔の誤差を計測すると、テンプの回転の左右の振り幅の誤差が計測できることになります。正確な輪であるテンプは静止状態の中心から右への振り幅と左への振り幅が均等であることが望まれます。この誤差をミリ秒で計測します。

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一般的に歩度の調整は、「緩急針(B)」でヒゲぜんまいの長さを調整し精度を決めることと、中心でテンプにつながるヒゲぜんまいの端っこを固定している「ヒゲ持ち(A)」の位置を調整しテンプの左右の振り幅を決めることで行いますので、上記の2点が計測できれば初心者としては十分であります。

解説はボロが出ないうちにこのへんにしておいて、

早速SKX007を計測してみます。

感覚的には一日一分くらい遅れるようになっていたSKX007です。

普通の時計なら、ケース側面や、リューズ、また裏蓋なんかにマイクを押しつけて計測出来るのですが、ダイバーのSKX007はケースも裏蓋も分厚く、リューズもガスケット付きのねじ込み式なので、どこにマイクを当てても音を拾ってくれません。
裏蓋を開けてテンプ付近の適当な場所にマイクをあてて計測します。

結果はこれ、感じていた遅れどおりですね。

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精度は -45.2s/d、振り幅の誤差は 0.9ms、テンプの振り幅は 190度。
精度は自分の生活のペースに合わせて調整しますが、振り幅の誤差は 0.5ms以下、テンプの振り幅は 250度以上がいいようです。

まず「ヒゲ持ち(A)」を動かして誤差を出来るだけ小さくします。動かす方向は分からないので、任意の方向に動かして計測し数値が大きくなったら逆方向に・・というような方法で詰めていきます。
つぎに「緩急針(B)」を、今回の場合は進ませたいので写真左方向(ヒゲゼンマイを短くする方向・ムーブメントの座金に刻まれた+の方向)に動かします。
コレが基本的な手順。理にかなっていますが、実際やってみると手順どおりではいきません。
Aを触ってBを触って、Bを触ってAを触って・・あんまりやっていると時計を壊してしまうのではないかと心配になる素人ではあります。

途中経過がこれ、
右肩上がりにはなりましたが、誤差は余計悪くなったような・・・

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但し、誤差の 1.4ms 、赤字はクオリティ48%。読み切っていないようです。
再びチョット触ってはグラフを確認し、またちょっと触るを何回も繰り返します。
(ホンマしんどい作業です。コツがわかれば一発でいけるんかなぁ〜?)

再び途中経過。
精度は 10.4s/d、いい感じ。でも誤差が詰められていません。なんでやろ?へたやからか?

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で、繰り返しやったけど、もうあかん、ここが妥協点。
精度(+7.6)、誤差(0.2)ともいい感じ。でも振り幅218度は少ないのかもしれませんがこれを触る術を知りません。

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本当は、地球の引力の影響で、ヒゲぜんまい・テンプは影響を受けるので、12時を上に立てた状態や3時を上にした場合、またその反対など幾つかの姿勢で計測して数値を詰めていくのが本筋らしいのですが、素人の僕には多すぎるデータを処理する能力がありません。
とりあえず、今、平置きの状態で詰めた現状で腕にはめて一日様子を見ます。

一日腕に着けて確認すると、改善はされていますが少し遅れています。5秒くらい。
(進めたつもりやのに・・・、これが姿勢差か?)
これは文句なく充分及第点ですが、やはり、遅れるのは少し嫌です。
そこで、気持ち程度進み気味にしようと、再度緩急針を調整。結果がこのグラフ。数秒だけ進みぎみに。(あんまり変わってないけどね・・)

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これでまた一日様子を見ることにします。

さて、今回の歩度調整でわかった注意点。

1. 緩急針・ヒゲ持ちとも動かすのは、ほんのチョット。ほんとほんのチョット。
両針とも結構固く動きにくくしてるので、動かそうと力を入れると思わぬ大きさで動いてしまいます。
動かす幅は何度も言いますがホントほんのチョットなので細心の注意力と集中力で行わなければなりません。
2. 下手に力を入れると緩急針やヒゲ持ちの高さを変えてしまったり、最悪はヒゲゼンマイを毀損してしまうことも考えられます。こうなったら取り返しがつかず最悪なので、道具はそれなりに考えなくてはなりません。以前参考にさせていただいたどなたかのブログの中に、先の尖ったものがいいとあったので、今回バネ棒外しの工具の爪でない棒状の先をヤスリで尖らせて使いました。これでも、上下方向にミスをするとヒゲゼンマイを傷めるので注意が必要ですが、精密ドライバーを使うよりは使いやすいと感じました。いろいろ工夫せんとあかんみたいやね・・・。

次ぎに、今までの時計の扱い方を大反省!

ガンギ車・アンクル・ヒゲゼンマイ・テンプと繋がる脱進機は時計の命とは知ってたけど、こんなデリケートな調整で出来上がっているとは考えてもみんかった。
ホント小さく細く繊細なパーツがほんの十分の数ミリ、百分の数ミリの調整の上で成り立っているんやということを実感した次第です。
そら乱暴に扱ったらあかんわ。時計は。大事に扱わな。

そこで絶対やってはいけない自動巻き時計のゼンマイの巻き方

僕は今まで動いていない自動巻きを動かす時、またデスクワークが多く腕を動かす機会が少ない時、腕時計を手に持って拍手をするような動作や、腕時計を持った手で太ももをたたくような動作で、衝撃でローターを回してゼンマイを巻き上げるというようなことを頻繁に行っていました。実際、こうやると1たたきで1時間くらいは充分に動くだけゼンマイが巻けます。
とんでもないことやね! とんでもない!
絶対やったらあかん動作やったと大反省。
あたえたらアカン”衝撃”でゼンマイ巻いとったんやね。アホやったね。
そんなことやってたら、そら狂うようになるわ、こんな微妙でデリケートな中身やのに。
これからはリューズでの巻き上げができない時計は、腕をやさしく振って巻き上げることにします。

P.S.

それにしても、大谷くん。すごいね! 仮に今がピークやとしても、オープン戦から現在に至る過程を思えば、賢い子やからきっとシーズン終わるまでに2・3回は同じようなピークを迎えるやろね。たのしみやね!

 

 

古時計のバンド交換と、”歩度”と”タイムグラファー”

ここ一週間ほど、異常に暖かかったこともあってか桜の花も開花間近でしょうか。つぼみがピンクに染まりだして、春本番の予感がしますね。いい季節です。
大量に飛散する花粉がこたえる季節でもありますが。僕の花粉症も近年ましではあったのですが今年は目の腫れが酷くてしんどい思いをしています。

さて、今回は古時計いじり。またまたラドーです。

僕らが子供のころから成人するくらいまでかな?舶来の時計ではとてもポピュラーで有名なメーカーでしたね。
前にいじらせてもらったモンちゃんのラドーは彼が若い時に何かの記念に贈られたというシルバーホース。
今回は同じく友人のシンちゃんが親父から引き継いだ金時計、ゴールデンホース。やっぱり昔はラドーはポピュラーやったんや。
古い時計やけど、バンド変えたら使えるかと思て、似合うバンドないか?」と訪ねてきたシンちゃん。
バンドはハドリーローマMS-836/Brown をお買い上げいただきました。アリゲータグレイン、セミグロスの上品なバンドです。美錠も金なのでこの時計にはちょうどいいかな。

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しかし、時計自体は長年手入れもしていなかったのか手垢かなにかわからないものでドロドロ。
これじゃ、バンド変えても代わり映えせんで・・・。ちょっとキレイにしとくから僕に数日預けとき。」ということで数日預かってケースだけでもキレイにしてやることにしました。バンド買ってもらったお礼にね。
で、帰りがけのシンちゃん、「これな、無茶苦茶進むんや。一日30分以上進む。ま、別に分かってるからええねんけど!」と明るく言い残して去って行くのはいいけど、一日30分?気になりますね。

そんな顛末で預かったこの時計、なんと57石!。ただの三針のデイト付きで57も石いるんか?無駄に飾ってるだけちゃうか?とも思いますが、調べるとラドーが1957年に RADO UHREN AG に社名変更した記念に製造されたらしく、高級機の位置づけとのこと。
・・・そうか、エエ時計なんや・・・。
そういえば、ボロボロにはなっていたけど、付いていたダークブラウンのバンドは本物のアリゲータでした。
・・・そうか、高級機なんや・・・。

ケースをキレイにしたる!とは言ったものの金メッキ。削ったら剥げるかも?
これも調べたらゴールデンホースの金メッキの厚さは 20ミクロンとか・・・普通の金メッキは0.2〜10ミクロンらしいので相当の厚付けのようです。めっちゃ分厚いよ!って言ってるのだからチョットくらいきつく磨いても大丈夫そうやね。
ということで、リューターと青棒で慎重に軽く磨いた結果がこの写真。一皮むけてピッカピカになりました。幸い風防も大きなキズもなく全体にキレイさは良好です。

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オークションに30,000円強で出品されている同型の写真よりは絶対きれいかな。程度のいい90,000円位で出ているものと比べても遜色ないようです。ま、こんだけキレイになったらシンちゃんビックリしよるやろ。と、満足な上がりです。

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さて、まだ時間もあるし、気になっていた「一日30分」を調整してみたろ!と、

人の時計で初めての歩度調整に挑戦です。

歩度の調整は、テンプ部分のヒゲゼンマイの長さを調整している緩急針をチョットずつ動かして行います。と言うことは知っていたので先ずは初歩と言うことでここだけ触ってみることに。(エエ〜ッ!? 人のんで試すってか?それ、あかんのちゃう?

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写真の「A」が緩急針。遅れ・進みはこれで調整。ヒゲゼンマイに干渉しヒゲゼンマイの実質的な長さを調整します。(ということです。)
ゼンマイの外側(写真左方向)に動かせば長くなって時計は遅れる、内側(写真右方向)に動かせば短くなって時計は進む。柱時計の振り子と一緒で、錘の位置を上げたり下げたりで振り子の長さを調整しているのと同じですね。
「B」はヒゲ持ちと言うらしく、ここでヒゲゼンマイの端を固定しているもの。
ヒゲゼンマイでテンプが左右に振れて、連動してアンクルが左右に動くのですがこの左右の動きが均等でない場合のことを「片振り」と言うらしく、これを均等に修正する時にのみ動かすものらしい。・・・・う〜んややこしい。コレには触れずにおこう・・。

実際どのくらい狂うのか試してみると、ほんと、みるみる進む。秒針を合わせた他の時計と並べ比べただけで早いとわかる。ものの2〜3分もたてば、3秒くらいは進む。
そこで、緩急針をマイナス方向、ヒゲゼンマイを長くする方向にチョンチョンと調整。他の時計と並べて観察。また緩急針を調整、他の時計と並べて観察・・・・これを1〜2時間おきに繰り返し、4回目くらいの調整で、結構上手くいって「な〜んや簡単やん!」、と一日おいて、結果なんとか一日+2分以内くらいに出来たのですが・・・。

そんなにあまくないで!

その後、たまたま数時間裏向きに伏せた状態で置いてあったことがあって、表をむけて時刻をみると・・、ややっ!何これ、遅れてるやん、それも並の遅れやないがな・・。どういうことかいな?
何時間伏せて置いてあったは分かりません。でもその数時間に10分以上遅れています。
その状態で表を向けて、他の時計と比べて数時間。遅れはそれ以上にもそれ以下にもなりません。
表向き(平置き)でほぼ正確。裏向きでダダ遅れ。という状態です。
そこで、12時・3時・6時・9時をそれぞれ上にして状態を見てみると、裏向きの時よりも遅れます。しかも各向き、遅れに相当差があることがわかりました。
要するに、元々平置きの場合のみ著しく進んで、他の向きではそれほど進んではいなかったところを遅れ方向に調整してしまったものだから平置き以外の場合は全て遅れることになったようで・・・。
それは分かったけど、姿勢の差でこれだけそれぞれに精度の差があると、もう自分の”カン”頼りでは何がなんかわかりません。

これはもう機械に頼るしか・・タイムグラファー登場!

歩度を測るタイムグラファーという機械があるのは知っていましたが、高価だし、あれば参考になるだろうけれどこのために買うのはもったいないし・・いやいや買えないやろ・・などと考えながらいろいろ検索していると見つけました。
iPhone用のアプリ、「Watch Tuner Timegrapher」。1,600円
えぇっ?1,600円でタイムグラファー? 歩度をきっちり計ってくれるあの高価な機械が、アプリで1,600円。早速買ってみました。
タイムグラファーという機械の使い方も分かりませんが、なんとか測れるやろう!

早速アプリをダウンロード。iPhone附属のマイク付きイヤフォンを差し込んで、アプリを立ち上げると、こんな画面。

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チンプンカンプンですが、HELPに詳しい説明が。・・英語なので実際ようわからんのですが、おおよそのことは分かった、くらいのとこで、イヤフォンのマイクを時計の裏やリューズ、また側面に当てて、”START”をタップ。

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※これは試しにやってみた SEIKO SARB035。以下の写真もラドーのものではありません。

おお、音を拾ってるんやね。
すぐに時計の振動数を計測できたようで、この時計は18,000振動、5振動/秒。うん、合ってる。
計測が続いて、秒単位の日差、そしてややこしいと言っていた「片振り」をms(ミリセカンド?)で表示(0に近いほどいいらしい)、その他テンプの振り幅なんかも計測してくれます。
メインのグラフはドットで連続表示され、状態が目で分かるようです。進み気味なら右肩上がり、遅れ気味なら右肩下がりみたいに。

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これも SEIKO SARB035 の計測です。右上の BPH 21600 は 6R15 の振動数です。

まだ、詳しいことは分かりません。使いこなしたらまた書こうと思っています。

とりあえずは、日差がわかれば。ついでに片振りも調整できそう。

その後の奮闘を文字にすればどれだけ長くなるか分からないので省略します。とにかく試行錯誤で緩急針とヒゲ持ちを調整。
片振りを0から0.5msくらいに調整して、緩急針で各方向日差の開きを極力抑えるように緩急針を調整して・・・。
しかし時計の向きの違いでこんなに開きがあるのは、やっぱり古い時計やからかなぁと半分あきらめながら、
なんとか、平置き以外での遅れを1〜3分くらいにして、平置きの進みを10分強までには出来たのですが。
(ふつう腕に着けていれば、平置きの状態は比較的少ないだろうと想像して、平均的にある程度の精度を期待するしかないかな?)
あとは実際腕に着けてもらって具合を見るしかないかな?

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でも、タイムグラファーってすごいね。数字で分かるんやから。カンではどうしようも無くても数字が分かれば方向性が見えるよね。
すごい。
このアプリ、計測の記録も詳細に残せるようなので、いろんなケースで計画的に記録すれば、たぶん目に見えない時計のデリケートな動きがわかるかも。
そしたら、時計の普段の扱い方も変わるかもしれないね。

成功か失敗か、分かりません。でも今まで知らなかったことが少しでも分かるようになって、人の時計を実験台に進歩したように思います。(シンちゃんゴメン)
今度は自分の、最近遅れがちなセイコー5でいろいろ試して、(ほぼ)正確な歩度調整の技術習得に挑戦したいと思っています。

後日談

時計を預けていったシンちゃんがなかなか取りにこないので、就寝時間以外、約18時間自分の腕に着けて進み・遅れ具合を試してみたら、なんと、ほとんど狂い無く動いた!
問題は時計を就寝時どんな向きで置いておくか、やね。それさえコツが分かったらきっと実用に耐えるやろうと思います。きっと成功やね・・・!

たまには磨こう!革ベルト。その2

腕時計の革バンド、くたびれてませんか?
もし、買ってから一回もケアなんかしたことがない、という方がいたら、ぜひ試してみて。
きっと見違えるようにキレイになると思いますよ!

2016年の5月に書いた革ベルトの磨き方ですが、今回動画を撮ってみたので、詳しく繰り返しです。
特に特別な物を使わないと言うことで、使うものは先回と同じ、たぶんどの家庭にも1セットはあると思う革靴のケアセットです。
靴用のクリーム(革製品用のクリームがあればなおいいですね)、
同じくブラシ、綿の布(着古しのアンダーでもOK)。これだけ。

試すバンドは使い古しのハドリーローマ MS-898、Blue、カーフのアリゲータ型押しのバンドです。
実はこれ、バンドを販売するにあたって、耐久性やキズの付き方、水濡れや退色を試してみるためにいじりまくった結果、ご覧のようにほぼボロボロになってしまったものです。
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さて、どこまで甦らせることができるかな?

使う道具と、磨いた結果の写真がこちら。

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下段の写真が結果。新品とはいきませんが、充分にキレイに甦りました。
家にあるもので、ほんの15分〜20分の手間でこれくらい変わります。
充分「甦った」って言えるよね!

クリームもつけず、布拭きとブラシ掛けだけでも充分効果があります。

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左の写真が今回のくたびれたバンドそのものと、布拭きとブラシ掛けだけを行ったものの比較。深いキズは直らないけれど、くすみが消えて十分な艶も出すことができます。
手軽なので、普段時計に付けたままでもいいから定期的に布拭き・ブラシ掛けだけでもしてやるとバンドはキレイにしかも長持ちします。
右の写真がクリームを使用した場合。深いキズもほとんど目立たなくなっています。

注意!! 表面を起毛させたヌバックや、スエード・バックスキンにこの方法は使えません。

では、手順です。

クリームを適量バンドにつけて、

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指が抵抗を感じるくらいまですり込みます。写真のクリームは少し多めかな?革用のクリームは伸びがいいのでほんの少しで大丈夫。

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次ぎに布で表面を磨きます。

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軽い力でいいので、感触がさらさらになって、艶が充分に出るまで、上下左右斜め、方向を変えながら磨きます。2〜3分で艶が出てきますが、最低5分位は磨いてやりましょう。

最後にブラシ掛けです。

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これも上下左右斜め方向を変えながら、これもあまり力を入れずにせっせとこすります。
これで、一気に艶が増します

これらの手順、動画もみてね!

これだけでオワリ。手はだるくなるけど、簡単な作業でケア完了です。
革バンドは、普段、また定期的に手間をかけてやると、縫い目の糸が切れたり、いつも留めている尾錠の留め穴付近で割れてしまったりしないかぎり長期間愛用することができます。
いつまでも、お気に入りの時計を美しく引き立てて欲しいものです。

P.S.
ここに掲載している写真ですが、照明が悪くて色がよくわかりません。ま、もともとこのMS-898 のブルーは彩度・明度とも低いダークブルーで、暗いところでは黒に見えるような色なのですが、さんざんいじくったせいもあり本来の色ではありません。
本来はこんな色です。
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特に白ダイヤルには落ち着きを持ってピタッとはまります。
興味があればこちらをご覧ください。(セールボックスで売ってます)

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古い RADO SEAHORSEリペアの巻

中学時代の友人から預かった、彼が若い頃に着けていたRADO。ケースも風防もキズだらけ。
彼曰く「手巻きの時計やけど、巻いても30分位で止まってしまいよる。だいぶ前に一回オーバーホールはしてて、数年前にこんな具合になってからは使ってないんや。きれいに動くようにできる?無茶苦茶なってもええから、いっぺんやってみてよ」
たしかに30分位動いたら止まる。少し衝撃を加えれば動き出す、が、やっぱり30分位で止まる。
と、いうことで、どうせつぶれてるならあそばせてもらうことに。

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結果は上の写真。とりあえず、日常の使用に耐えるくらいのきれいさにはなったかな。
写真のバンドはオリジナルの巻き板のブレスからハドリーローマの MS-836 、アレルギー対策済みのセミグロス、アリゲータグレイン。美錠はバンビ製のDバックルに交換しています。このタイプの時計にはよく似合うバンドやね。
先細りのバンド形状で美錠幅16mmやからDバックルもしっくりくるし。なにより上品やしね。
【このバンド、売ってます(5,780円税・送料抜き)。興味ある方はこちらを見てね!】
眺めても、腕に着けてもクラシック感満載のいい感じに仕上がったなと悦に入っています。
古いけど、キズも風格の内って感じしますな。

作業顛末。まずはケース。磨いてみよっと。

あれ、オシドリは?

裏蓋はスクリューなので、くるくるっと回して外して、リューズを抜こうと思ったら、オシドリを押して解除する穴やそれらしき物がない。あれ?ないよなぁ。これでは進まんがな・・。
そこでネットで「RADO オシドリ」で検索してみると、ムーブメントは若干違うけれどよく似たものの解説を発見。
リューズの穴のすぐ斜め横のネジを緩めるとのこと。
そうか。ネジでとまってるのか。いろんな方式があるんやね。勉強なった。(オシドリを操作するネジの位置は後の写真を見てね)
緩めたらいいんやね、ネジを。と、くるくる回すと、ん、取れんやん。また、くるくる。
なんか、ピンッと小さくはじけるような感触があって、取れた、やっと取れた。
しかし、このええ加減さが後で泣きを見るはめになろうとは、この特は思いもせんかったのです。

さて、中身も外したし、とりあえずケースをきれいにしよう!と無邪気に作業にかかります。

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ケースはキズだらけで、しかもくすんでいます。きれいな鏡面であったろう側面も写真のようにくすんでいます。

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また、どうやったら無垢のステンレスがこんなにへこむのか、と思うくらい深い打ちキズもあります。
風防も細かなキズの多いこと。しかも、ケースと同じくひっかき傷じゃなくて打ったような小さいけど深いキズがほぼ全面に散在しています。
こら、完全復活は無理やね。と思いながら、くすみとちいさなキズだけでもきれいにしよう。

(作業自体は退屈なので故意に写真はありません)今回は、手持ちのリューターで作業。ゴム砥石の先端でケースの細かなキズを取っていって、後はフエルトの先端に、時計研磨のキクモールを研磨剤にしてケース風防とも磨くことに。
風防はボックスドーム型のミネラルガラスなのでキクモールなどの細かな研磨剤で小キズくらいはきれいに取れるはずです。
ゴム砥石を当ててつや消し状態のケースもキクモールで丹念に磨けば鏡面に近い仕上がりになります。

結果はこれ、

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ね、そこそこきれいになったかな。
でも、ケース・風防とも、肉眼ではほとんど見えないけど実際には深い打ちキズが各所に残っています。
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接写で写真を撮ったり、ルーペで確認するとよくわかります。肉眼でも光の加減によってはハッキリと分かります。
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が、肉眼でほとんど見えないならええとしよう。と、この辺でとりあえず作業オワリ。

さてと、分解掃除まではできなけど、

ちょっと中を見てみよ。

で、30分で止まるムーブメント。リューズを差し込んで動きを観察しようと思ったら、入らない。なんで?
オシドリのネジを締めても緩めても結果は同じ。リューズは時刻合わせの位置までしか入らない。
リューズを抜いた時の「ピンッと小さくはじけるような感触」がいかんかったんか?
これでは、ここでおしまいになってしまうやん。ただ、つぶれた時計のトドメをさしたってか?
よーし、外しまくったる。どこかで読んだ「上から順に外せばなんとかなる」を参考に(え?ガイドラインはこれだけ?ほんまになんとかなるん?)文字盤外しから開始。
(頭に血が上った感情的な理由で写真はありません)

文字盤は「干支足」ってものでムーブメントに装着されている、くらいの知識しかないのに大丈夫かいな。
まず針を取って、側面を観察すると干支足らしきもの2本を確認。側面のそのすぐ横に2本ともおなじようなネジがあったので、とりあえず緩めてみよう。
と、正解。文字盤が抜けました。少し自信になるね。
ムーブメントのオモテ面にはカレンダーの文字盤が付いています。外側に日付、内側に曜日。
内側の曜日の文字盤は置いてあるだけなので簡単にとれます。取れた後にはチョット複雑な穴の空いた押さえと思われる部品が。ネジ2本で止まっているようなので、さっきの根拠のない自信のままに外すと、外れたよ、ん〜これが日付の文字盤(リング形状)を押さえてるんやね。なるほど。で、日付の文字盤も外して。
じっくり見ようと手に持つと、なにやら小さな物が手の平にあたったような・・・。
あわてて机を見ると、1mm×2mmくらいの小さな部品を発見。これってオシドリちゃうん?
リューズを抜く時にゆるめすぎたんやね。で、オシドリが抜け落ちてたんや。と納得。

左側にオシドリを含むリューズの機構が見えます。この中のオシドリ(矢印1)がなんと脱落していました。オシドリはキチ車の手前の巻芯の溝に食い込むはずなので、そんな位置にセットして、ウラ面のネジを締めこんでやっとオシドリを元の位置に固定。修復した状態が下の写真。(ここまで来てやっと気持ちも落ち着き後のために写真撮影)

mid06_B
知らないとはいえ、無知と想像力不足が生んだ無駄な難作業やったね。

mid05_B
こちらオモテ面、矢印のネジがオシドリを留めているネジ

部品ってこんなに細かいとは・・

ところで写真の矢印2の細くて小さなバネ、フレームの形取られた凹部に置かれただけで、矢印3のこれもフレームの円形凸部にはめ込まれただけの小さな剣のような部品をテンションを持って押さえています。
作業中これがすぐはじける。バネやからね、はじけるし、もとにもどすのも大変やし、ほんと、厄介。
矢印3の剣のような部品はカレンダーの日付リングの内側に刻まれた溝にはまって、矢印4が24時間ごとに一コマ日付送りをした時カレンダーの窓にキッチリと位置決めする部品。なので、この剣のような部品もバネも向きを間違えれば機能しません。
バネの中心の穴は、先ほど外したこれらを押さえる部品の止めねじが入り、これらを固定しているようです。
とにかく、部品の位置決めが終わったら、早く押さえを付けて固定してしまわないと・・と焦りの気持ちが出てくるんやけど、焦れば焦るほどバネはまたはじけます。
ん〜〜、時計いじりは忍耐と平常心と集中力、それとルーペでしか分からないような小さな部品がピョンと飛んでしまっても探せるように作業台の整理とガードを置いておくことやと、つくづく納得。
幾度かの試行錯誤の後、カレンダーの日付リングと押さえを無事装着。・・肩凝った・・

さて、この状態でゼンマイを巻き上げて、テンプを観察

チチチチチ・・・っと元気にけなげに動いとるやん。このまま一晩置いとこっと。
約14時間経過後の翌朝見ると・・、おお、動いとるやん。止まってないやん。原因は分かりません。でも動いてるやからこのままそ〜っと組み上げてケースに収めよかな。友達には「えらい苦労して動かした」って言っとこっと。
オモテ面の曜日の円盤も押さえ部品の中央にセットして、リューズを引いてくるくる回すと、カレンダーもちゃんと動作するのを確認して、文字盤を装着、外した針をセット。
実は、針をセットする時、分針がインデックスの飾り石に当たってしまってうまくいきません。原因は文字盤をセットする時ちゃんと深い位置までセット出来てなかったんやね、再度文字盤をきっちり干支足が底まで付くところで固定すると、やっと正常な高さになって分針もスムーズに動くように。(何度も少々荒っぽく時分針を取ったり付けたりしたので針穴やハカマを毀損していないか心配が残るところではあります・・・いつか衝撃で脱落せんやろか?)

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少し心配の種ものこったけど、ケースに戻して、一応の完成。
ま、これがリペアと言えるかどうかわからんけど、ちゃんと30時間以上動くし、精度も一日1分も変わらんので成功か?
原因がわからないまま偶然動くようになったムーブメントってことも、針の装着に心配の種が残ったこともあるけど、とりあえず息を吹き返したRADOに感謝、やね。

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風防の深いキズ、もう少し磨き込んでみよかな・・。
なんか愛着わいてきた・・このまま譲ってもらおかな・・。

キチンと整理してみよう!「リベルタ・収納ケース」と腕時計置き

腕時計の収納ケース、前から欲しいなと思っていたけど、通販のレビューを見ていると何千円もする高価なもの以外になかなかいい評価のものがなくて、先送りにしていたんだけれど、たまたま評価の安定したものを見つけたので連休中に時計を整理しようと買ってみました。
安い腕時計でもそれぞれ愛着のあるものだし、ケースに入れるとよりカッコよく見えるような気もして。
バラけて置いておくよりいいもんね。
買ったのは、LIBERTA SHOP Amazon店から

[リベルタ]LIBERTA 腕時計 12本用 収納 ケース

値段は1,580円/箱。お得感のある値段ですね。こんな箱です。

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幅30cm、縦20cm、高さ8cm のビニールレザー貼りの黒いケースで、蓋にあたる天面は透明アクリルになっていて中が見えます。見た目も外観の作りもよく、しっかりした出来になっています。安っぽさはありません。

蓋をあけると、中はアイボリーの内張に化粧仕上げされた仕切りで12升に区切られています。
仕切りの工作も貼りの工作も極めて丁寧とは言えませんが、値段を考えると文句を言うほどのものではないと思います。

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さて、ここから通販で買った皆さんの批判的レビューに多くあった、クッションです。

クッションはこんな形。幅55mm、長さ80mm、高さ約33mmの長円体、外周は約200mm。
長円形の側面は固く、バンドを巻く内側だけが柔らかくなっています。

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大きな時計と普通の時計を置いてみるとこんな感じ。幅55mm(ひと升の幅と同じ)なのでこれより大きなビッグフェイスや、G-SHOCKなんかの機能時計には幅がもたないかも・・。ま、ケースサイズ42mm程度の時計なら問題なく収まりそうです。

しかし、問題は皆さんがおっしゃっている200mmという外周の大きさです。標準サイズ(長115〜120mm・短75mm〜80mm)のバンドを付けた長さ45〜50mmの時計でも、先端の穴でバックルを留めて、やっとはめ込むことができる大きさです。

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これ以上短いバンドや、女性用など小さな時計ではバンドを留めてクッションにはめ込むことはできません。まして、金属ブレスの場合はバックルを閉じた状態ではめ込むことは全く不可能です。
革バンドの場合は、バックルを留めずフリーの状態、金属ブレスの場合はバックルを開いた状態で納めなくてはいけません。
非常に不安定な状態の収納になります。

そもそもクッションの側面の長円形が固いので融通性がないのです。ふつうの柔らかいクッションにすればよかったのにね。
なんでこんな固いもんいれてるんやろ?と思う次第です。

そこで、小さな時計をしっかり収納するのに、コーナンでこんなもん見つけました。
「アンシンクッション」368円/本(50cm位)。写真の円内、オレンジのものです。

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もともとは長さ約50cmくらいのカマボコ型の緩衝材です。これを幅56mm強に切って升にはめ込むと、時計はバンドを閉じていようが開いていようがしっかりと収納できました。色はオレンジ以外に黒もあったので、黒ならよりカッコよくなるかも・・。
天地は少し空きができるけれど、時計がケースの中で踊るよりはいいかな、と思います。
ちなみに、写真左から三つ目の小さな時計には普通のジュエリー用のクッション(時計を買った時にケースに入っているもの)をはめています。(ジュエリー用のクションって、単品で買うと結構高いよね。信用できそうなものは一個数百円するようやね。)
いろいろ入れてみるとこんな感じ。んん〜〜。なかなかいい感じかな。

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時計整理、もうひとつ!

普段使う時計をケースに収めてしまうと、着けたい時にじゃまくさい思いをするよね。そこで、スタンド風に気軽に時計を置いておけるように、モノタローで「友屋 アクリル伝票立」249円/個 を買ってみた。

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レストランに行くとよくあるアクリルの伝票立て。直径は50mm。
金属ブレスでもバックルを閉じたままゆるく巻いておけるし、特に革バンドの場合はいい感じに固定されます。
普段使いの時計を忘れな盆にデレっと置いておくよりカッコよくなりました。
時計屋さんにあるようなアクリルの展示スタンドよりええ感じになったと自画自賛のゴールデンウィーク、ほかに考えることもないヒマなゴールデンウィークでした。

腕時計のバンド、なんでこんなに高いの?

替えバンドって結構高いと思いませんか

サラリーマン時代に時計のバンドの遊革(余ったバンドを止める輪)が切れて百貨店に買いに行ったことがあります。
当時していたのはオメガのドレスウオッチで、黒のコードバンのベルトでした。それまで替えバンドの値段なんか知らなかったのでその値段を聞いてびっくりしたことがあります。確か一万円を少し超えるくらいだったと思います。しかも、ただの替えバンドで、オメガの美錠の付いたものなら、取り寄せで倍くらいかかるといわれました。
安サラリーマンだった僕の懐ではどちらも買うことができません。
仕方なく、確かバンビだったと思いますが吊しで売っている黒のカーフを4000円位で買ったのを覚えています。

革バンドの失敗しない価格帯

ここ一年以上、安い腕時計で楽しみたく、革バンドもいろいろ見てきましたが、やっぱりいいものは高いですね。

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左から2つめ・右端はカシスMAUI: 6,480円。左から4つめMiLTAT Antipode: 10,260円
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左2本はFLUCO Horween Shell Cordovan: 8,208円、中央Morellato BOLLE: 5,400円、右同HAYEZ: 7,560円

国産以外の海外メーカー(中国のメーカーを除く)の名前の付いたものなら、5000円以下で探すことは難しいことが分かりました。また、国産の腕時計でも純正の替えバンドは同じですね。
ちなみに、僕が国産の安い腕時計を買う時、革バンド仕様とステンレス仕様があれば、ステンレス仕様を選んでいます。後にバンドを替えてみたくなった時に、単品でステンレス製を買うより、革の替えバンド(少々高くても)を選んだ方が安いからです。特に純正のステンレスは高いと感じます。
話がそれましたが、3000円以下の革バンドを探していると、ノーブランド(かノーブランドに近い)中国製しかありません。
僕もいくつか試したのですが、中でも最悪の思い出は、アマゾンで買った1500円のカーフ・クロコダイル型押しのバンドです。それはひどいものでした。スティッチされているのに芯ははずれてベコベコだし、美錠は針が甘く力を入れて引っ張ればものの見事に外れてしまう手品のようなバンド。こんなもの売ってはいけないという代物でした。それに近い製品がかなりあります。
ただし、アタリも確かにあります。海外サイトですがE-bayでなんと8ドル(香港からの配送込み)で買ったものは見た目も使用感もなんの文句もないいいものでした。(ただし、アレルギー対策や耐水なんかはわからないけどね)
経験的にノーブランドでも、買うなら3000円以上ならなんとか痛い目には遭わずに済むのではないかと感じています。
そして失敗したくなければ、国産を含め最低5000円前後、できればそれ以上のブランドもの、ということになります。

ブランドものの海外と国内の価格差

驚いたのは国内で売られている海外ブランドものの製品の価格が、特にアメリカなどではとても安く売られていることです。
アメリカは腕時計の大きなアフターマーケットをもっていますから仕方ないのでしょうが、例えば僕のお薦めのハドリーローマのMS784。普段使いのドレスウオッチには最適のバンドです。

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イタリアのモレラートがリーズナブルでいいと思っていた僕はこのバンドに感銘を受けました。(なぜいいと感じるかは別のページに書きたいと思います。)
最初僕はこれをE-bayでアメリカの販売会社から29.95ドルで買いました(後で分かりましたがこれはメーカー希望価格です)。但し配送料が2000円近くかかりましたが、製品自体は3500円弱です。同じ製品を国内の通販サイトで探すと、楽天やYAHOOで1万円強、アマゾンではなんと1万9千円〜2万9千円もします。

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海を渡っただけで、普及品が高級品に化けてしまいます。ハドリーローマだけではありません。他の有名ブランドも結局は同じような値付けです。値付けは自由ですが、海を渡る費用としては高すぎませんか?僕にはこの価格差が納得いきません。

革バンドの替えは必需品?

革バンド、所詮革製品なので金属に比べ劣化も早く、修理もきかないので一生ものとはいきません。腕時計が生きている限り替えは必需品です。極端に言えば消耗品です。
それに、特に3万円以下の安い時計を買った時なんか、使い心地のいいバンドが付いていることはホントに希です。
そんな時、変えるならやっぱり綺麗で、おしゃれで、センス良く、使い心地・装着感も良く、しかも価格的にリーズナブルなものが欲しいですよね。
しかも、そういういいバンドを付ければ、安い時計や古い時計が見違えるほどいいものに変化します。特に国産時計の場合、もともと品質はより高級な海外時計と同等の品質を持っていますから、本来の価値を取り戻すようなものです。

僕は時計も時計バンドも、特に時計バンドは生活の様々なシチュエーションに合わせておしゃれに楽しめば、服装に凝るよりも安く同様に気分を高揚させてくれる絶好のアイテムだと感じています。
センスを問われる足元と手元。特に目に付きやすい手元のセンスのよさは、その人の人生の楽しみ方さえ現していると思うのです。

ハドリーローマの時計バンド
リーズナブルな価格でご提供しています。ぜひ一度ご訪問ください。

NGA WatchBand Selection
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My SEIKO 革ベルトで秋冬仕様に衣替え

Hadley-Roma / CASSIS / MiLTAT

少し遅くなったけれどお気に入りの時計の衣替え!

気がつくと、いつの間にか過ごしやすい気候になっていて、坂道を自転車で登っても汗をかくこともなく、電気代が気にならない季節に入ったと喜んでいたら、もう暖房がいるくらい寒い日がおとずれるようになっている。この頃は秋が短いと感じているのは僕だけかなぁ。
こんな季節になると、腕時計も革ベルトが欲しくなってきます。汗をかかない秋冬はやっぱり革ベルトが似合うね。
そこで、少し遅くなったけれど僕の大好きな SEIKO も革ベルトで衣替え。

SARB033/035 に Hadley-Roma と CASSIS

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白ダイヤルの035には、Hadley-Roma MS784 オイルタンのブラウン。酵素で皮の繊維をほぐした後タンニン鞣しを行うオイルタンの革ベルトはホントにしなやかで馴染みやすく、新品でも抵抗なく腕になじむのでとても好きです。ダークブラウンよりもかなり明るめなので華やかさがあります。
とても上品ないい感じになったと思っています。
黒ダイヤルの033には CASSIS MAUI U1011304 ダークブラウン。ダークブラウンっていうけど、玉虫のように光るので、見た目「濃いあずき色」のような感じ。こちらはメッシュなので硬さもないしオールシーズン使えそう。シックに仕上がったかな。
どちらも幅が均一な、角丸タイプ。僕は腕が細く、長いベルトを巻くと余りが多いのでベルトの先端が目立ちます。角丸タイプのベルトは先端が目立ちにくいので好きです。また、幅が均一なベルトはカジュアルさも感じます。レジャーにも違和感なく使えるのでいいね。

SKX007/009 に CASSIS と Hadley-Roma

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ネイビーの007には CASSIS MAUI U1011304 グレー。SARB033 のものと幅・色違いの同型。
黒の009には Hadley-Roma MS851 ブラウン。サドルレザーのぶ厚めの革ベルト。サドルレザーは馬具に使われるレザーの総称、馬具というくらいなので、使い込むほど味が出るみたいな感じ。最初はかなり固く感じるけど使い込めば馴染むものです。(自分で言うのもなんやけど、どちらもカッコエエ。ホンマ)

SARG017/SARB017 に MiLTAT と Hadley-Roma

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少し大きなSARG017には MilTAT Antipode マットブラックのクロコ型押し。ぶ厚めのマットブラックのベルトにライトブラウンの遊革。正直に言って、SARG017 にピッタリだと思った初めてのベルトです。時計自体の大きさやデザインからかなり存在感のある時計なので、普通のベルトでは時計ばかり強調されて、特に細腕の僕には違和感があったんだけど、このベルトは時計に見合う存在感があって、バランスが取れるからか、細腕にもピッタリきてしまいます。いいものに巡り合ったと喜んでいるところです。
グリーンがきれいなSARB017には Hadley-Roma MS906 赤茶のタンレザー、白ステッチ。上品なシボと白のステッチが特徴。グリーンダイヤルにシャイニーな厚めのケースのアルピニストにはホントは抑えたグリーンのベルトが似合うと思うのですが、なかなかいい色がありません。他の色では、赤茶はベストです。この時計の華やかさをより引き立たせると感じます。どう?紅葉狩りにはピッタリでしょう。

季節でイメージを変えるのはイイね!

腕時計はベルトで印象が大きく変わるよね。季節ごとに変えてやるとお気に入りが益々お気に入りになることは間違い無し。
今回初めてHadley-Romaを手に入れたけど、アメリカの伝統あるメーカーだけあって作りもいいし、中でも高級品でない普及品でも品質を落としていない誠実な感じがとても好ましいと思った。CASSISやMilTATはいいけど、高い。Hadley-Romaはリーズナブルな価格帯のものでも信頼できるいい品が多いよう。個人的な感想では、人気のあるイタリアのMORELLATOよりコスパは高いと思う。
Hadley-Romaのバンド、こちらで売ってます! 国内の他より安いよ!興味があればご覧ください
腕時計のイメージチェンジはバンドの交換やからね!

それにしても、時計のバンドって高いよね。腰に巻く普通のベルトと比べたら、本当に高いと思う。ま、サイズを豊富に作らなあかんし、手間もかかるもんやからしかたないかもしれんけど。
できるだけ経済的にコスパの高いものを選んで、小遣いの許す限り楽しみたいと思ってます。

クオーツ腕時計の電池とOリング交換・FolliFollie

ミヨタ SUPER 2035 ムーブメント

「自分さあ、電池交換できる?近所の時計屋に断らてん」(関西では相手のことを「自分」って言うことが多々あります)
「出来るよ。自分のん交換したしたことあるし。この時計か?」(この場合の「自分」は自分です。ややこしいねぇ)
「ん?文字盤に、なんかコロコロ転がってるで」
「あぁ、それ12時の飾りが取れてん」
「取れた、て、このままやったら針にひっかかって、時計動かんやん」
「そうやなぁ、なんとかならん?」
「やってみよかぁ?せやけどつぶれても知らんで。ええか?ええねんな?」
「近所の時計屋でも断られたもんやから、しゃあないわ、つぶれても」
と、いうような、わかったかわからんような訳で「FolliFollie」のファッション時計の電池交換と修理?です。
数年前に高島屋で4万円(+税)で買ったそうな。ファッション時計にしたら結構いい値段やね。(この値段覚えておいて下さい。あとで値段の話出てきますから)

とりあえず、内容の確認。

裏蓋を開けて、電池の規格を確認します。電池は「SR626SW」小さな電池です。
ちなみにこの種のボタン電池の記号末尾には「W」と「SW」がありますが、単純な2針や3針の時計には「SW」、照明が付いていたり、クロノグラフのような他針のもの、またデジタルのものなどは大きな電力がいるので「W」を使うのが一般的らしいです。
普通は「SW」、電力を多く使う多機能なものは「W」ということですね。
なので、普通の2針・3針時計の場合はどちらでもいいようなものだけど、できるだけムーブメントの規格に沿ったものがよろしい。と、いうことで「SR626SW」購入。近所の電気屋で300〜400円。

パッキン、ボロボロや・・。

裏蓋を開けた時に、ゴム紐のような細くて黒いものがボロボロっとでてきた。寿命を迎えたOリング(パッキン)です。
切れてボロボロなので再利用はできません。
引き受けた限りはキッチリやったらな!ということで、もともと買っておこうと思っていた腕時計用のOリングと、リューズ用のOリングをアマゾンで手配。

取れた12時の略字を元の位置に。

ムーブメントはミヨタの「SUPER2035」。この手のファッション時計によく使われているクオーツです。
リューズを抜いて(オシドリの位置などは後述)、文字盤ごとムーブメントを取り出し、裏返しに置いたペットボトルの蓋にチョコンと置いて。
ケース内にころがっている取れた略字をピンセットで取り出し、文字盤の12時位置に微量のアロンアルファで固定。
結構簡単に文字盤は元通りに。

さて、電池とOリングの交換にかかろ。

アマゾンから届いたものは以下。リューズ用Oリング、裏蓋用Oリングとセイコーのシリコングリース。リューズ用のOリングのケース、サイズ毎に区分けされています。以前割ピンを買った時も同じようなケースに入っていたのですが、サイズ表示のラベルがケースの裏に貼られており、ラベルを上にフタを開けると中身はバラバラ。サイズが分からなくなってしまったことがあります。どこかの国で作られたこの種の製品を開封する時は注意が必要です!

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リューズ用のOリング。この手のものラベルが裏に貼られてたりするので開封は慎重に。
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裏蓋用のOリングのセットとシリコングリース。右はシリコングリースを開けたところ。

●まず、ベルトの一カ所(どこでもいいのだけど)バックル部分のバネ棒を押し込んで、ベルトの輪を解く。普通の美錠のベルトならこの工程はいりません。

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●次ぎに、裏蓋用の工具で慎重に裏蓋をはずす。この場合はねじ込みなので左に回せばはずせます。
●裏蓋をはずしたところ。ミヨタの2035が見えます。時計の割に小さいね。

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写真の線と矢印、線の部分(横に細長い部品)を精密ドライバーなどで矢印方向に押すと、「ピョン」っと電池が飛び出します。結構勢いよく飛び出すので注意がいります。

●で、出来るかどうか分からないけど、リューズのOリング交換のためにリューズを取り外します。

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写真左側の円内。ほんの小さな穴が「おしどり」です。ここを押しながらリューズを引っ張るとリューズは簡単に抜けます。
穴が小さいので、バネ棒はずしの針などは太くて使えません。僕はコンパスの針で押しながら抜きました。
尚、引き抜く時、リューズは押し込んだ位置から引き抜きます。時刻合わせに使う一段引いた位置からでは抜けません。
リューズ用のパッキンはリューズのクラウンの内側にはめてあるだけの構造の様です。(間違っていたら指摘して下さい)
しかし、前のOリングは、たぶん文字盤の修理でリューズを外した時に脱落したのか、見当たりません。
適当な大きさのOリングを見つける以外ないようです。
1.4mmのOリングが合いそうなので、クラウンの中心におさめました。

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●裏蓋の直径を測ると、26.6mmあります。そこで、買ったばかりのOリングのセットから、26mmと26.5mmを取り出し、合わせてみると、26mmがピッタリです。
ノギスのクチバシが裏蓋のOリングの溝までは入らないので、こういう結果になったのかな?
Oリングを買われる時には実測値の周辺のいくつかのサイズを買っておくことを薦めます。

●シリコングリースをOリングに慎重に塗布します。シリコングリースは水飴の様な感じで糸を引くくらいの粘度です。僕は専用の塗布器を持たないので、綿棒で塗ってみました。裏蓋に装着するとこんな感じ。うまくいきましたね。

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あとはリューズを元に挿入(慎重に入れるとスッと入ります。くれぐれも慎重に。天真を曲げたりするとおしまいです)し、新しい電池を滑り込ませて、裏蓋を適当なトルクでねじ込み、完成です。

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意外と簡単やね。電池交換だけに限れば専用の道具は裏蓋外しくらいで、あとは精密ドライバーとコンパスくらいあればできるかな。

それにしてもの、ファッション時計の値段。

何年前か知らんけど、4万円したって。確かにネットでみると、ベルトは違うけどほぼ同型のものが定価4万円。但しネット通販での実売価格は1.5〜2万円。
百貨店で買ったから定価販売やったんやろうね。
でも、FolliFollieの値付けはまだ他のより高級な10万超えるようなブランド物に比べれば良心的やとは思うけど。
中身のムーブメントはミヨタの汎用品、素人の僕らでも600円位で手に入るもの。ケースにしたって風防にしたって、飾り物のガラスにしたって、けっして上等とは言えず、ベゼルなんかもあきらかなメッキ。新しいうちはキラキラ綺麗に腕元を飾るんやろうけれど、少し手入れを怠ったら、きっと見るも無残になるやろうね。
定価4万円出せば、セイコー・シチズン・オリエントなんかの国産なら、実に立派で綺麗で信頼性のあるものが買えるよ。文字盤の略字が脱落するなんか考えられへん。
FolliFollieとかこのクラスのブランド品で、セイコーやシチズン、オリエントなんかに委託生産しているものは別として、たいていは安いmiyotaやETAの汎用クオーツムーブメント使って中国でチョコチョコッと生産しているものですよね。
腕時計選ぶなら、ブランド物ファッション時計でもしっかりした時計メーカーの製品を選びたいと思いますね。
使い捨て感覚でどんどん新しいものに買い換えられる身分なら別やけど、僕は出来ないので。
ま、価値観の違いかもしれないけど。

一度は試してみたくなるDバックル。注意点は?

腕時計で少しオシャレをしたくなったら試してみたくなる「Dバックル」。見た目もいいし、ベルトにも優しいし、なにより付けやすいし。
お気に入りの腕時計、ベルトに試してみたくなった時の注意点をまとめました。
購入時のご参考に・・・。

注意点その1 Dバックルのサイズ

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腕時計のベルトのサイズは腕時計のラグ間の幅で決まっていますね。
腕時計のケースが40mm前後のものなら普通は20〜22mmくらい。
通常の革ベルトの尾錠(バックル)のサイズは、ラグ幅の2mm少なめくらいです。20mmのベルトなら18mm。(写真中央がごく普通のタイプです)
ただし、そうでないものもたくさんあります(写真BやC)ので、キチンと計ることが重要です。
また、ベルトの厚みも4mmを超えるものは装着できない可能性があるので注意が必要です。
くれぐれもベルトサイズとDバックルのサイズを混同しないように!

注意点その2 留め穴の位置

腕が細めの人は、ベルトの形状によっては装着できない例も

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写真は最近のごく普通の革ベルト(短:75mm、長120mm)に三つ折れのDバックルを装着した例です。
A は短い方のベルトの端、ベルトに留める尾錠の芯の位置です。
E は長い方のベルトの端、腕時計のラグの芯の位置にあたります。
通常は A〜E が腕時計を着けたときの12時側からベルトのバックルまでの長さになります。

僕の腕は、165mm強と細く、通常の尾錠では、かなり奥の穴で留め針を入れて使用しています。
市販の外品ベルト、特に欧米物の場合、長いベルトが多いのでどうしても余る部分が長くなります。
写真の左2点がその例で、ともに奥から2番目の穴を使用しています。

ごく標準的なこれらのベルトにDバックルを付けてみると、左から3・4点目のようになります。
尾錠の芯の位置(A)と、ベルトの長い方の端(E)は揃えてありますから、この間で尾錠の針が長い方の穴に入りロックされることになります。写真の例では B、C、D の”○”の位置です。

左2点の通常の尾錠は、B(黄色の○)の位置で止まっています。

Dバックル例、左3・4点目は D(橙色の○)の位置で止まらなければなりません。
しかし、写真左3点目青色のベルトを見て頂ければ分かりますが D の位置に留め穴はありません。(ベルトの穴は自分で開けたものです。不細工ですが・・)
左4点目の茶色のベルトの場合は、通常よりずいぶん奥まで留め穴が設定されているので問題はありませんが、左3点目の青は前述のとおり自分で穴を開けなければなりません。
また、左2点目の茶色のコードバンはベルトがボンベ状に膨らんだタイプなので留め穴を追加に開けることはできません。
細い腕ではDバックルは装着できない例です。

両開きタイプの Dバックル(右端)はすこしマシではありますが、これも通常の尾錠より奥(約5〜6mm)の留め穴を使用することになります。

B と D の長さは約10〜12mm。
普通の尾錠で使っている留め穴より、10〜12mm奥に留め穴がないと適当な長さにベルトを調節することができません。

逆にいうと、細い腕の場合、Dバックルを装着すると、一番奥の留め穴を使用してもベルトが長すぎてキッチリ腕のサイズに合わすことができないと言うことです。注意しましょう!

Dバックルの種類と注意点

両開きのタイプと三つ折れタイプ どっちにします?

最後に厚みのはなしです。
通常の尾錠の場合は、腕に装着した時、尾錠の芯(ベルトの端)はほとんど腕に密着しますが、両開きタイプの Dバックルは芯から下に金具があるので、ベルトの端は腕から浮いた状態になります。これが結構気になる厚みに感じます。

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三つ折れタイプはあまり気になりませんが、両開きのタイプ(写真右端)の厚みは、ものによっては10mmを超える物もあります。デスクワーク時など、腕がデスクに付く場合に結構気になります。特に少し厚めで固いベルトの場合はなおさら不自然な感もあります。
僕は厚さ3mm前後のうすめのベルトに三つ折れタイプがオススメです。

Dバックルは見た目もかっこいいし、通常の尾錠よりは脱落の可能性やベルトの傷みを和らげる効果もあるようなので、ちょっとオシャレに楽しむにはいいアイテムです。
最後の最後に、アマゾンなど通販で購入する場合、価格の目安は最低2,000円前後、出来れば3,000円クラスのものを選ぶと間違いはないようです。1,000円前後の物には結構粗悪品がありますので避けた方がよいでしょう。

夏が過ぎて、秋・冬になると革ベルトの出番だと思います。今から準備もいいかな?

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