自動巻腕時計、振って巻き上げると進む!?

なにかおもしろい話題でもないかなと思うけど、世間は連日コロナのニュースばかりで、罹患された方々や不幸にもお亡くなりになられた方々には本当に申し訳ないのですが、気が重くなってします。ここ一週間で仕事の環境も、町の環境も一気に息を潜めたように静かになってしまって、自分のような零細業者では楽観できないぞって不安が芽生えてもしかたないですね。
ただ、インフルエンザのアビガンやぜんそくの治療薬などで症状を緩和する臨床試験も進んでいるようなので、少し明るさも見えてきたのかな?海外勢の薬もあるけど、これらの薬が国内由来であることは心強いことであります。
あと数週間辛抱して、収束の兆しが見えて、日本に生まれて良かったね!と言えればいいのですが。
希望を持って、辛抱も明るい気持ちでしていきたいものです。
それにしても、トイレットペーパー、どないしてくれんねん!エエ加減にしとけよ!って、デマと転売目的の輩には言いたいね!こんなこと、日本国内で起きることが、なさけなく、はずかしいがな。
ホンマ、あかんやろ・・・。

さて、気を取り直して、自動巻き時計のゼンマイ巻き上げの話です。
以降なんども言いますが、こんなことどうでもいいという話です。

機械式オートマチック腕時計といえば、クォーツのように正確でもないし、日々ゼンマイのパワーを保ってやらないと気付いたら止まってた!みたいなことになるし、極めて正確な時刻が必要な生活を送る人には不向きな時計ですが、気遣ってやらないと止まってしまうと言うなんとも有機体的なところがいいなぁと思いますね。
電気信号を使う無機的な製品で無くて、ゼンマイの力を沢山の歯車やバネやその他の部品が精緻に絡み合って時を刻むって、人間の英知と技術のなせる、いとおしい機械やと思うわけです。
毎日生活を共にして、僕が生きて活動してる限り僕の為に真面目に時を刻み続け、いつの間にか共に年老いていく・・・そんな感じにもいとおしさを感じます。
ま、機械式時計に対する想いは置いといて、

自動巻き、手に持って振って巻き上げたら、進む!って知ってました?

ま、知ってても知らんでもいいような話ではありますが。

止まっている自動巻き時計の巻き上げは、セイコーの取説によると時計を水平に持って左右に振る、これが正しい巻き方です。また(状況にもよりますが)秒針が動き出したら時刻と日付を合わせて腕に着け、一日8時間以上使用すると動き続ける、となっています。

windup
一説によると、手巻き機能の付いている自動巻きでも、手巻きは使用せず、時計を着ける・または振ることで巻き上げた方が長持ちするとのことです。
とにかく、秒針が動いていれば、腕に着けてる限り止まらんし、たまに時刻合わせする以外な〜んにもせんでいいよってことなのですが、運動量の少ない生活を送る者としては使用中のゼンマイパワーの枯渇が気になります。ちょっと暇になったら、つい、腕を振ったり、時計を外して左右に振ったりしてゼンマイパワーを補充する習慣のある人も多いと思います。

ただ注意したいのは、振り方にもよるのでしょうが、

振れば振るほど時が進むということです。

時刻を秒まで合わせた後にパワーを貯めようと時計を振ると進んでしまって折角合わせた時刻がパーになってしまいます。
写真は、秒針の”0″に合わせてストップウォッチを動かし、約20〜25秒マニュアル通り時計を左右に振った結果です。
上からセイコーのムーブメント6R15、オリエントの40N52、ETAの2824を試しています。
どれも機械式の量産ムーブメントとしては多く使用されているムーブメントですね。

seiko6R15
orient40N52eta2824各時計の”0″に合わせてストップウォッチをスタートしてますが、振った後は時計が5〜7秒ほど進んでいます。
高級機は持たないので試せません(誰か試してみて!)が、たぶん、テンプのヒゲゼンマイが遠心力でたわむのが原因じゃないかと思うので、普通の機械式はおそらく同じ結果になると思います。

秒針停止機能のある機械式は正確な時刻合わせが出来ますが、下位機種で秒針停止機能をもたない時計はなかなか秒までの正確な時刻合わせが出来ませんが、振ると進むこの性格を利用し、タイミングを見計ればかなり正確な時刻合わせができます。

ほんと、この話題、どうでもいいようなことではありますかね。

ま、どうでもいいとは思いますが、
生活習慣、日々の運動量、使用中の時計の傾き、などなど様々な個人差で、精度は変わるという話でもあります。
また、原因がヒゲゼンマイのたわみだとしたら、巻き上げの為に力一杯激しく振るのは絶対やってはいけないことだと言うことにもなります。
生涯の伴侶にもなり得る、生き物のような極めてデリケートな持ち物ですから、ゼンマイの巻き上げ一つにしても大切にしてあげたいものです。

試した様子は動画で観てね!

ブルーダイヤルドレスウォッチの決定版! OrientStar WZ0371EL

この間、去年中学に上がった孫が1カ月ぶりに遊びに来ましてね、なんとこの1カ月の間に声変わりしとる。顔や姿はまだまだ子どもやのに声だけ太い大人の声。変やネ、異質な人類に思える。その異質な人類が眼鏡かけとる。ますます変や。内の家系は老眼以外目はいいはずなんやけど。原因は分からんけど、コンピュータ好きの孫なのでモニターの見過ぎやゲーム機の使いすぎかもしれんとのこと。
最近子ども、若者、中年問わずスマホやゲーム使いすぎなんやないかな。電車乗ってもほとんどスマホかゲーム機いじってるし、スマホ見てる人の大半もスマホでゲームやってるみたいやし。本読んだり、新聞読んだり、手帳と向き合ってる人なんかほんのわずかやね。そら目悪くなるよなぁ。
僕の老眼が進んだのはコンピュータ使う今の仕事始めてからやもんね。
紙の活字を読む、モニターで文字を読む、同じようやけど、反射光で読むものと発光する画面を常に見て読むのでは違うわね。きっと目に悪いよ。
それにしても最近の子たちのゲーム好きはすごいね。テレビのインタビューで、昔遊びで何が一番好きって聞かれた子どもが「コマ回しかけん玉かな。面白いから。」って答えてる場面があったけど、「ゲームとどちらが面白い」って聞かれて、即「ゲーム!」って答えてた。コマ回しやけん玉の方が奥深い楽しみがあるんやないかと思っていましたが、内の孫らに言わせるとゲームはたいへん奥深いそうです。なぜ、奥深いか、延々とゲームの内容やそのプログラムのバグの利用方法まで説明を受けましたがさっぱりわかりません。
人間の性別が男女でハッキリ分かれてたのに最近その境界がぼやけてるようにも思うけど、もっとハッキリした境界がデジタル族とアナログ族の間にあるのではないかと、なにやら心配なような怖いようなそんな気持ちになりました。

長ったらしい前置きでしたが、アナログ中のアナログ、最近買った自動巻き腕時計の話です。
(このページの写真のバンドはすべて外品です。)

何の説明もいらんネ!至ってシンプル・普通です。
普通ですが、正直べた褒めです。

03

ボックス型の風防を持つ典型的なクラシック感をもつ時計です。
でも、そのままの意味でクラシックな時計よりは現代風に少し大きくケース幅は38.5mm、ラグからラグの全長は44.3mm。大きすぎず、小さすぎず、僕の好きなサイズです。厚さは13.1mmありますが、ボックス型の風防を除けば約10mmなので、腕に着けると薄く感じます。
身体の大きさや腕の太さにもよりますが、腕時計の幅は40mmを超えると存在感がありすぎて、品を失っていきます。逆に36mm未満になると男性には物足りなさが増していく、と、僕は感じています。
ラグからラグの長さは、48mmを超えるとよほど手首の太い人以外は着けると腕の幅を超えているように見えます。専門職に必要な機能がある時計やサバイバルならいいですが、一般的にはカッコ悪く感じます。
そういった意味でこの時計のサイズは一般的な生活の中でドンピシャじゃないかと思います。

01

普段着でマーケットに買い物に行く時でも、家族で旅行する時も、ジャケット着たホテルでの会食でも、スーツで大事な顧客との会合でも、一人静かにバーで飲む時も、生活のどんなシチュエーションにも違和感なく問題なく使えますね。

IMGP6468

そうそう、自分の好みなんだから時計なんかどんなタイプでもいいんですが、ここで言っているのは着ける人本人の気持ちでは無くて、周囲の人・相手の人が感じる印象のなかで最大公約数的に違和感を持たれないということです。

つまり、地味な時計?なんてことはありません。

まずダイヤル自体の美しさです。
すばらしく深いブルーのドーム状に盛り上がった文字盤、立体的に錐をなす大きめのインデックス、ほぼ秒のインデックスに届く長さを持ち文字盤のドーム形状に沿って先が曲げられた秒・分針、分・時針は太めのドルフィン針。
そして、凝ったことにこの分・時針は中央を境にグロスとマットに磨き分けられていて、わずかでも周囲に光がある限り見落とすことはありません。すべてグロスで仕上げた針は時折周囲の環境で文字盤の色に溶け込んでしまうことがありますが、この時計は大丈夫です。このタイプの時計としては最高の視認性を持っていると言えます。

07

これだけでも美しいのですが、風防のボックスガラスもその屈折からこの時計に様々な表情を与えています。
ガラスに反射する光、ガラスの屈折を通して見えるブルーの文字盤とシャイニーに輝くインデックスと針。
すばらしい表情を持つ時計です。

02

ケースはクラシカルないたってシンプルでバランスの取れた形状です。
ラグはバンドを止めるバネ棒の穴が貫通しているタイプなので替えバンドへの変更も特殊な工具はいりません。
様々な使い方が出来る時計だからメタルや革、ワンピースのストラップなどバンドを変えて楽しむにはいい配慮だと思います。

オリエントの良心・パワーリザーブインジケータ

最後に、なんと言ってもこれがあれば安心、パワーリザーブインジケータが付いています。
ゼンマイのパワーの残量が一目でわかります。自動巻きだから腕に着けてる限りは止まりません、といっても最大巻き上げで40時間の容量ですからゼンマイパワーの残量は気になります。
このクラスの時計にパワーリザーブインジケータ。オリエントはもっと下位のクラスの時計にもこの設定のものがありますが、ほんと、オリエントの良心ですね!すばらしい。
実は僕もこのパワーリザーブインジケータのついた時計が欲しかったことがこの時計の購買動機です。

ざっとの紹介でしたが、

たとえばセイコーのSARB033や035などとおなじく、ちょうどいい大きさ、しっかりとした造り、適度な色気と上品さ、十分な存在感。
もちろん精度も充分(経験値日差±5〜10秒くらい、一週間位は時刻合わさずとも不便はありません)。
値段的には3倍も5倍もする舶来ものに負けない Made in Japan を誇れる時計のひとつだと思います。

04

SPECS —————-

MOVEMENT : ORIENT Cal. 40N52
Automatic
Hand-Winding Hacking

POWER RESERVE : Approximately 40 hours

CRYSTAL : Domed Mineral

WATER RESISTANCE : 50m

CASE MATERIAL : Stainless Steel

DIAMETER : 38.5mm without crown

THICKNESS : 13.1mm

CALENDAR : Date

BAND MATERIAL : Stainless Steel / CLASP : Fold-Over

P.S.
もし、今ボックス型の風防で手頃な値段のオートマチック、例えばセイコーのベーシックライン、SARY161などを検討している方がいらっしゃったら、ぜひこのタイプのオリエントスタークラシックも検討すべきだと思います。大きさを比べれば僕はセイコーより小さなオリエントスターのサイズ感が好きです。

IMGP6471

動画も観てね!

ギザギザベゼルのセイコー5風、作ってみたよ!

去年11月から今年1月にかけて、それでなくても忙しい年末年始やのに、胃腸炎・インフルエンザ・大腸ポリープと、立て続けにあって、やっと体調が戻ったと思ったら、コロナ騒ぎですわ。
それにしてもエライコッチャやね。コロナウィルス。ここ東大阪の東の端、生駒山の麓でもスーパーやドラッグのマスク売り場は空っぽです。
今日たまたま近所のコンビニに5袋売れ残っていて、2袋買いました。このごろあまり外出しないし、ま、充分でしょ。僕以上に必要な人もおるやろしね。
中国発ということで元々かの国が発信する情報には眉につばつけなあかんところやからなおさら何を信じていいんかわからんね。
新聞やテレビのニュース見てると国内ではまだそれほど心配せんでもいいようにゆうてるけど、ネットの情報では「こらエライコッチャで!」と大騒ぎせなあかんような身につまされる情報満載で、いままでは圧倒的に新聞やテレビのニュースを信じてたけど、SNSに出る中国本土からの情報なんか見ると信憑性を否定することもできないし、どっちを信じていいのかわからんこの頃です。
日本はまだ地獄の一丁目につま先入れた位なのかな?と思うけど、中国特に武漢近辺は三丁目か五丁目くらいにおるみたいやもんね。
とりあえず、観光客の多い大阪の繁華街には出ない。人混みではマスクする。手洗いは怠らない。などなど、自分に出来ることはやって、国の内外を問わず罹患した人には一日も早い回復と、一刻もはやく感染が終息に向かうことを祈るのみです。

正月休みに何本かアップしようと思っていた時計ネタも、そのような事情で今になってしまいました。
今回は、

ギザギザベゼルのセイコー5風、作ってみたよ。

です。先回のスモールウォッチの続きで。これも36mm幅の小ぶりな時計です。

ロレックスみたいなギザギザベゼルのドレスウオッチ、スイスのメーカーをはじめピンからキリまでいろんなメーカーが作ってる(作ってた)けど、僕の気持ちは複雑で、このタイプの時計を持つならロレックスデイジャスト!って思うけど、腕時計に100万以上も使う贅沢は僕には許されていないし、そもそももったいないと思ってしまう僕の金銭感覚やロレックスのギザギザベゼルは成金みたいという変な先入観もあって、欲しいけど買わない、でも気になる、やっぱりギザギザベゼル1本は欲しい、ほんと、僕にとって複雑な感情の時計です。
オリエントのギザギザベゼルを買おかなと思った時期もあったけど、明らかにロレックスの”真似し”に見えるし、決断が付かなくて・・・。
そんな時、モディファイ用の7S26のパーツを探していた時に偶然 e-Bay で過去のセイコー5用のギザギザベゼルのケースのセットを発見。
たぶん純正のパーツではなく、コピーじゃないかと思うけど、ケース・裏蓋・ダイヤル・風防・針にジュビリーのブレスがついて、約6,000円送料無料。
そうやん!これに気に入ったパーツを組み合わせて、アッセンブルすればええやん。自分で好きに組み上げるんやから真似しでもないし、おもろそうやん。
ってことで、このケースのセットを購入。その後、チョコチョコいろいろ買い集めたのが以下の写真のパーツ。

IMGP5965

左に固まっているのがそのケースのセット。
右上がムーブメント NH36。24石・21,600bph・パワーリザーブ41時間・ハッキング・手巻きも出来るセイコーの自動巻き。これは安いけどコピーで無く本物みたい。ちゃんと精度測定もされてます。
右下左はお馴染みクリスタルタイムスの CT083 ダブルドームサファイヤクリスタルの風防。ARでグリーン着色。
右下右はSKXのモディファイ用の値段的にちょっと上等な文字盤(MM300スタイル・イエロー・サンバースト)。
写真にはありませんが、この他に、
セイコー5用の小さなクラウン(直径4mm)
以上、まとめると・・・

ケース:6,000円
ムーブメント:2,500円(〜5,000円、いろんな値段があります)
風防:4,000円
ダイヤル:4,000円
クラウン:1,400円
しめて合計17.900円

こんなにかかるとは思っていなかった結構な費用で、たまにネットに出るセイコー5やオリエントのモデル(だいたい2万円チョイかな?)に比べても費用効果は少ないようやね。
でも、ムーブメントは4R相当のNH36やし、おそらくコピー商品混じりではありますが、既存の商品よりワンランク上、と思えるかな?
それに組み上げる楽しさもあるし、世間の誰とも被らない時計になるし、ええんちゃいますか?

組み上げは嵌め込んでいくだけなので難しくないのですが、ケースに附属のクラウン・ステム(竜頭・巻き芯)は7S26用で、ムーブメントをNH36にしたのでステムだけ慎重に切り落とし長さを合わせてやらなければなりません。
ちなみにNH36は何もしなくても7S26用のケースにピッタリ収まります。

ほんで、
出来上がったのがこの状態。

IMGP5971

文字盤の300Mはウソやけど、なかなかいい感じ?(自画自賛が過ぎるかな?)

IMGP5972

さて、以上やけど、風防をケース附属のミネラルクリスタルをそのまま使うと、費用は4,000円減ります。
ムーブメントについては7S26にすると、これは高い(7〜8,000円位?)ので、7S26にすることで不要になるクラウン(上記1,400円)を差し引いてもNH36かNH35を選択するのが安上がりです。機能も増すしね。

このブレス使い物にならん!やん!

ここまでで、うれしがってはいけませんでした。
ブレスのサイズを自分の手首に合わそうとしたら、巻き板の工作が悪いのか仕上げの磨きのせいか、駒の継ぎ手を外すことが出来ません。
セイコー5純正のものでも時々あるのですが、このブレスはどの駒の継ぎ手もこじり出そうとしてもビクとも外せません。調整不可能です。
まぁ、そのまま使うつもりは無かったけど、結構きれいなジュビリーやったのでチョット残念です。
ラグ幅は20mm。替えバンドの選択は豊富です。NATOバンドやチョット上等な革バンドなんかで楽しんでいこうと思ってます。

IMGP6386
IMGP6388

幅:36mm、全長41.2mm、厚さ11.7mm。小ぶりやけど、僕にはジャストサイズ。

onwrist_IMGP6078
IMGP5984

動画も観てね!

『モナド』〜なんでもない工作の話〜

 

『ゼノブレイド』なるゲームの中で主人公シュルクが持っている剣だそう。
なんかよくわからんけど、孫が夢中で。
一昨年の夏に頼まれて、プラスチックの骨に粘土を重ねて全長40cm位のモナドを作ってやったことがあったんやけど、なんせ粘土やから、遊んでいる内にそこいらじゅう欠けて砕けて、さんざんになったらしい。
そこで、もっとちゃんとした「ほんまもんみたいなやつ」が欲しいと言われて、ちょうど仕事で製作したパネルの余りの板があるからなんとかできるやろう・・というええかげんな思いつきで、「ヨッシャ、じいちゃんが作ったる!」って軽く言ってしまった。板があるだけで作り方のアイデアもなんにもなしに軽く引き受けてしまったけど、孫は本気。こうなったらなんとかせなあかん。

そこで、ネットで調べたモナドの画像を元に、図面(というか板を切り抜くアタリ)制作。
今度の「ほんまもんみたいなやつ」は、孫の身長からして全長60cmはいるやろうし、ほんまもんみたいということで、光らせてもやりたいし、材料は厚さ6mmの柔らかい合板しかないし、などなど条件から、強度や電装部材の装着方法など考慮して、本来の形とは若干違うけれど、見た目ほぼモナドになるように・・。
厚み6mmの合板を3枚重ねで18mmの厚さを確保して、電池やLEDテープが収まりやすいように・・。
くらいの基本的な構想で、かんたんな図面製作。

zumen

あとは作りながらやっていこう。

黒の図面を2枚、合板に貼って切り抜き、外側の部材を2枚つくる。
(但し1枚は中央の四角の窓のみ切り抜かない)
赤の図面を1枚、同様に切り抜き内の部材を1枚つくる。
赤の部材の両面に黒の部材を貼り付けて、3枚重で厚みのあるモナドにする。
中央の四角の窓は電池ボックスを置くつもり。

さてさて、柔らかい合板とは言え、形に切り抜くって難しいね。糸鋸、カッター、ヤスリを駆使しても大工さんのようには上手くいかず、四苦八苦・・。でも、雑で粗いとは言えなんとか形にして、角や刃の部分をそれらしくヤスリで削いで・・。
下塗りの白を塗って、一日おいて赤を塗って、一日おいて、2000円で買ったLEDテープを貼って、
『発動?』する円形のくり抜き部分にアクリルの板を貼って、「機」って書いて(これが重要らしい)・・。

n_IMGP5483n_IMGP5482

ほんとはもっと上手にペイントしたり、できれば彫刻したりしたかったけど、時間もないし、ちょっと形は違うけど全長60cmは結構迫力のある似非モナドの完成です。
LEDを点灯すると、さまざまな光り方のパターンで予想以上に上手くいったようです。

 

n_IMGP5474
撮影場所は事務所のトイレ。失礼しました。

お披露目した夜は孫も大興奮!大事に抱いて寝たようです。
ちょっと面目躍如の一夜でした。
苦労した甲斐はあったかな。その後、仮面ライダーのオモチャより大事にしてくれているようで、なんとなくうれしいね・・。

ORIENT RAY RAVEN

「死んだのですか?」というコメントをもらいました。
生きてます。「悪いやつほど長生きする」「憎まれっ子世にはばかる」とか。自分が悪いやつだとか憎まれっ子だとかの自覚はありませんが、なかなか死ねません。
他にも心配してコメントをお寄せいただいた方々もいらっしゃって、うれしく思うと同時にご無沙汰をお詫びしたいと思います。

このブログを始めた頃、「若い人が腕時計をしない」を話題にしたことがありましたが、最近スマートウォッチを腕にしている若者をよく見かけるようになりました。フェイスがデジタル表示の多機能なものだけでなく機械式の時計と組み合わされたものも見かけるようになりました。腕時計という習慣においていいことだと思います。
僕もApple Watchが出たときには興味津々で、アップルストアまで見に行き「おもしろい」と思ったのですが、実は眼鏡をかけないと画面が読み取れないのです。老眼が進んでいて。
最近のものは興味深い機能も多くて便利だろうなと思うのですが、裸眼では見えません。
ということで、自分の中では、結局、腕時計は時刻がわかればええんや、という原点に戻ってしまいます。
ま、だれか老眼の目にあわせたスマートウォッチを考えてくれ!と言っても、僕の目で見えるディスプレイを想像すると、ドデカい腕時計になるだろうからスマートじゃないやろね。

で、久しぶりに時計の話題で再開します。
オリエントの「Ray Raven」です。

精悍な黒。抜群の視認性。

w01_IMGP5572

以前から黒い時計が欲しかったのと、なにより視認性です。キッパリ黒と白。兎に角見やすい。老眼のぼくでも昼夜を問わず裸眼で時刻を読むことができます。
もう一つの購入理由は大きさ。全長47mm、幅42mmをきった大きさは僕の170mmの腕にはピッタリ(上限ですが)だからです。

まずはスペック。

rayRayven_scale

【スペック(寸法は実測)】
a:47mm / b:41.7mm / c:31.5mm / d:— / e:45mm / f:約2mm* / g:6mm / 厚さ:13mm
本体のみ重量 :79g
メタルベルト重量 :73g(4コマ落とし状態)
写真の手首幅 : 55mm
*f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :F6922 / パワーリザーブ :約40時間
●ケース :ステンレス(黒)、側面=2次元曲面、ラグ上面=つや消し、側面=グロス、ベゼルエッジ=グロス(黒)
●風防 :ミネラルクリスタル(フラット)
●防水 :200m / ●リューズ :ねじ込み / ●裏蓋 :ねじ込み
●カレンダー :3時位置DAY/DATE
●蓄光 :略字・時・分針と秒針マーカー・ベゼル0位置マーカー
●ダイアル色 :ブラックつや消し
●ベゼル :逆回転防止、色=ブブラック、120クリック
●ベルト :ステンレス、ダブルロック付き三つ折れクラスプ、バンド調整=ピン式、バンド幅=22mm

たぶん、MAKOと同じケースだと思うのですが、幅(b)がMAKOの記事では41mmにしていましたが今回の計測では41.7mmでした。MAKOの計り間違いでした。

w02_IMGP5554
光線の加減で濃いグレーメタリックに見えます。

全体の印象は?

販売者の商品説明にも本体の色は黒とありますが、ガンメタ(イオンプレートかな?)です。とても精悍に黒光りしています。
ダイアルは円形の略字にグロスの黒縁に白の時分針が目に飛び込む文句のない視認性を持ちます。
カレンダーも全体の雰囲気を崩さない黒地に白文字で好感がもてます。
ベゼルの文字はMAKOより幅広のゴシック体でより精悍さを演出しているようです。
ひとことで言うと「カッコいい」でしょうか。
ただし、MAKOには感じる上品な雰囲気は薄いので、ビジネスに常用とはいかないかも。(あくまで一般論です)

時計としては?

(少ない?)経験上ですが、F6922ムーブメントは、22石・21,600振動。信頼できるムーブメントだと感じています。精度も、-5〜+10秒/日位(メーカースペックでは -15〜+15秒)。上等ですね。
自動巻きで、手巻き・秒針停止機能付き、パワーリザーブ40時間。この価格帯では申し分の無いものだと思います。

他には?

ベルトはステンレスのガンメタ、マットとグロスのコンビの処理がされています。エンドピースなど無垢ではないのですが、コマ継ぎは割ピン方式で厚さも薄すぎず、留め具の精度も文句はありません。普通に扱いやすく安っぽさのない金属ベルトです。
リューズはねじ込み式ですが、ねじ込む感触もひっかかりなくスムーズで、特にいいということはありませんが問題はありません。
秒分針はダイアルの秒インデックスの1mmほど内側まで届く視覚的にもいい長さで、針が短い不安定感や安っぽさもありません。
裏蓋もねじ込みで、イルカが二頭泳いでいます。ま、こんなもんです。
ルミはバッチリ光ます。ただし実用的には10分強かな?

 

w05_IMGP5507

ベルトを交換してみると・・

革ベルトも、NATOストラップも、似合います。シーンに合わせて楽しめます。

w04_IMGP5514
w03_IMGP5526

総括すると・・

定価435ドル、国内通販では2万〜3万円位(よく探せば2万円以下でも・・)かな?オリエントのダイバーでは入門編のベーシックな位置づけの時計ですが、見た目も、機能的にも、品質的にも全く不足のないいい時計だと思います。
黒の精悍さが欲しい人、ちょっとワイルドにいきたいと思っている人、それに老眼の人には絶対お薦めできる時計です。
なんといっても値段がリーズナブルでコストパフォーマンスは高い!って言い切れる時計だと思います。

動画も見てね!

 

P.S.

この半年間、本業の業績が思わしくなく、時間を作る余裕がなかったのです。
人間、余裕がなくなると焦ってヘマをする。ヘマを愚痴って失敗を人のせいにする。口をつくのは文句ばかり。という悪循環に陥ります。
「貧乏神のとりつくところは愚痴と文句」とよく言いますが、そのとおりで、自分も若干その悪循環に陥っていたようです。
悪循環を断ち切るには遊ぶこと、楽しむことですね!
さて、今からは、また趣味に遊びに仕事に、楽しさを忘れずやっていきたいと思っています。
このRaven、今度いつもどおりに風防をミネラルからサファイアに交換して見栄えをもっと良くしてみます!

普段使わない時計をオークションに出してみました。

 

もう4年くらいになるのだろうか、腕時計が好きになって、ネットを検索しては気になった時計を小遣い許す限り買って、気が付いたら30本を超えていて・・。
孫が言うとおり腕は一本しかなく、長く使わない時計もあって、これでは時計もかわいそう、使ってくれる人がいるならということで、今回は使用頻度の低い3本を選んでヤフーオークションに出品してみました。
ま、資産価値のあるような代物はないのですが、少し色気も出してクォーツのグランドセイコーも出しています。
ダイバーの2点は、ブログにも書いていますが、僕の腕には少し大きくて、つい他の時計を使ってしまうことになって普段の使用率が低いのです。いい時計なのに、置いておくだけではもったいない、時計に申し訳ないという思いもあってのことです。

このブログを読んで戴いている方に買っていただければ最高なのですが・・。

出品は、
● GS SBGX063
● Steinhart Ocean One Black
● Seiko SRP789 TURTLE(風防をサファイヤクリスタルに変えたMOD品)
の3点です。

興味のある方はぜひ覗いて見てください。

GS SBGX063

wp_GSオマケの革バンドはセイコー製のGS美錠付き、本物のワニ皮です。

オークションのページ
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c667498211

ブログの記事はありません。

Steinhart Ocean One Black

wp_oceanone

オークションのページ
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c666811784

この時計のブログのページ

Seiko SRP789 TURTLE

wp_turtle

オークションのページ
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s594979375

この時計のブログのページ

このSeiko SRP789 TURTLEは、モディファイ品です。
僕は時計をいじるのが好きだし、この辺以下の価格帯の時計のパーツを少し高級なものに変えたら時計の価値も変わると心から思っているのですが、他の人にはどう映るのか分からないところがあって、もし、この時計が防水機能が失われている(であろう)にも関わらず、目論見どおり買ってくれる人がいたら、僕の価値観もチョット正当性を持つのではないかと・・。
実験的な意味もあります。

結果の如何に関わらず、また報告を兼ねてブログを書きたいと思っています。

p.s.

それにしても、暑いね。猛暑?烈暑?激暑? なんていうんか知らんけど、殺人的ではあります。
昨日、僕の事務所も、巨大な積乱雲の真下になって、強烈な雨・風、そして空気を裂くように鳴り続ける雷で、人生で初めて気象変化で怖い思いをしました。ほんの1時間くらいのものでこれですから、先日の豪雨災害を被られた方々の恐怖は大変なものだと思う次第です。
西日本豪雨の被災者の方々、ボランティアの皆さん、ご不自由もありましょうが、何卒水分補給、日影での休憩などに気を配って、体をこわさないよう、心からお祈っています。がんばってください!

真夏のストラップ

いやー、惜しかったね。サッカー日本代表。ベルギーがさすがの実力なのかもしれないけど、午前4時過ぎには8強をほとんど確信的に期待させてくれた戦いぶりに感激です。頑張ったね!ありがとう!
でも、結局3時間ほどしか寝ていない僕は少々寝不足気味で、しんどいけどね。

さて、しばらくサボっていた腕時計の話です。
ここ一週間ほどで急に真夏がやってきたようで、「暑い」というより「酷暑」の毎日です。今日7月3日ですが、きっと明日くらいには一斉にセミが鳴き出すのではないかと思っています。去年は7月10日でした。
子供の頃から大好きだったうるさくセミの鳴く夏です。
深く青い空に白い入道雲の白、強烈な日差しに海の群青、山を覆う木々の深緑、そして木漏れ日の地面にくっきりとした影の黒。
強いコントラストに溢れる夏の色彩が、ワクワクと夏休みを待った子供の頃の高揚感を今でも蘇らせてくれて、心だけでも若返った気持ちになります。(実際には体は昨今の夏の暑さに悲鳴をあげますが・・・)

余談ですが、僕は夏の海岸線の道路を、エアコンつけずに窓を全開で潮の香りを感じながら車を走らせるのが大好きです。
汗と潮風でベトっとする肌を窓から入る風で乾かすのが大好きなのです。同乗者は嫌がりますけどね・・・。《・・長々とゆうてんと、そろそろ本題やで・・》
そんな気持ちになるので、この時期は室内に閉じこもらず、海山へ遊びに行きたくなります。
暑い夏に海山へ出かける!となると、手元の腕時計も衣替え!しなければなりません。

腕時計の衣替え

夏、暑い、汗をかく、水に触れることが多い・・ということになりますので、
当然腕時計は水に濡れても気にすることなく、遊び心を盛り上げてくれるような衣替えをしたいと思うものです。
梅雨に入ってからはじめじめ湿気も多いので革バンドよりは金属ブレスの方がいいかなと思い、写真のSKX009(ベゼル:コインエッジ、インサート:セラミック、風防:ダブルドームサファイヤです)にタイコノートのブレスを常用しています。

wp_IMGP5021

急な豪雨や、なんと予想だにしていなかった大きな地震までありましたので、水に強く、ちょっとタフそうなこの時計は役に立ってくれました。《何の役に立ったんかようわからんけど・・》
これからの本格的な夏にも活躍してくれると思います。
仕事の時は、革バンドのセイコーファイブSNK803。この革バンドについては後述します。

この2点に加えて、手元の夏によく使う腕時計を衣替えしてみました。

wp_IMGP5027

ステンレスベルト? NATOストラップ?

夏はやっぱり水対策の金属ブレスと、遊び心のNATOストラップかな。ということで6点の衣替えです。
まずは定番ドレスウォッチ。最近のニューカマー・セイコーファイブSNKL15(右)に金属メッシュベルト、セイコーメカニカルSARB035(左)にネイビー/白のNATOストラップ。実はこの組み合わせのSARB035は数年前から大好きな組み合わせです。

wp_IMGP5007

次ぎにクラシックタイプのドレス。スーツ姿に大人のバーが似合うセイコーメカニカルSARB065(右)をベージュ/ネイビーのNATOストラップでカジュアルに!これがなんと期待はずれに似合うのです。
そしてグレーダイヤルのオリエントバンビーノSER2400KA0(左)には薄いグレーのNATOストラップ。これは仕事でも使えます。

wp_IMGP4998

少し気分を変えたい時にミリタリースタイル。ハミルトンカーキフィールド38mmにカーキのNATOストラップ。ジーンズでフィールドに出る時には実によく似合います。最後は大好きなセイコーファイブSNK8xxシリーズの黒ダイヤルSNK809にエンジニアタイプの金属ブレス。これは夏だからということでもなく、雨ニモマケズ風ニモマケズ、タフによく働いてくれます。

wp_IMGP5001

以上、これで今年の夏は仕事も遊びも万全かな?

NATOタイプのストラップで思うこと

正直、腕元がかさばるので長袖を着る冬の間はほとんど使いません。でも、夏になって薄着で身軽に遊びに出るような時にはピッタリだと思うのです。安くていろんな色を持てるし、軽いし、装着感もいいし、付け替えも楽だし、仮に汚しても洗濯できるし。なにより遊び心をくすぐってくれるし。普段使っている時計がこんなに表情を変えるのは驚きでもあるし、ほんとに素晴らしいアイテムだと思います。ただし、半袖の腕でも堅苦しい仕事には不向きかな?

金属ブレスに思うこと

冒頭で紹介したSKX009にタイコノートの無垢のステンレスベルト。たしかにSKX標準の巻き板ステンレスベルトより高級感があるしかっこいいんだけれど、重い。とても重い。計ると166gあります。
上の写真にあるSNK809に巻き板のエンジニアタイプブレスの組み合わせは93g
オリエントバンビーノにNATOストラップの組み合わせは64g
ね、どれほど重いか分かりますよね。
市販されている高級な無垢ステンレスブレスのダイバーウォッチは170g前後が普通なので、この重みこそ高級感と言う人もいますが、筋骨隆々の若者ならいざしらず、骨張った細腕の華奢な体型には、腕を動かしたり、自転車やバイクにでも乗ろうものなら手首をハンマーでたたかれているようなものです。
腕を鍛えようとしている人は別にして普通の人の腕の健康の為にはもう少し軽い方がいいかな。と思えば、ダイバーにウレタンバンドやNATOストラップは実に賢明な選択かもしれません。

IMGP5032
ステンレスバンドの重さ

参考までに、ステンレスバンドの重さの比較です。左2点は手首17cmに合わせてあります。
(左)タイコノートの20mm無垢ステンレス/(中)SKX009標準の22mm巻き板式ステンレス。/(右)手元にある中で一番軽いチープカシオ。
無垢のステンレスなら、ベルトだけでチープカシオ全体の倍もあるんですね!

最後に夏に不向きな革バンドのこと

水に弱い、暑苦しい、汗をかくと臭くなる・・などなど、夏には敬遠されがちな革バンドですが、最近の革バンドにはほとんど耐水加工(WATER RESISTANTの表示がある)が施されていますから、水に弱いとは言えないし、清潔に固絞りで水拭きしてやるとか手入れさえしてやれば臭くもならないし、本当は気にすることはないのですが、逆に少し気になるから(布拭き程度でも)手入れをすることで清潔を保つことができるとも言えます。
むしろ、手入れをせず使いっぱなしで夏を過ごしたステンレスブレスの方が、パーツの継ぎ目や本体との接合部に汗や脂やホコリがこびりついて気づかぬ間に酷く不潔な状態になってしまうものです。ブラッシングしながら水洗いとか、あれば超音波洗浄機での洗浄とかが必須ですが、そんなメンテ、している人の方が少ないのではないかと思います。

冒頭で後述すると言ったSNK803に付けているバンドはハドリーローマMS-784(オイルタンレザー・ブラウン)は、耐水加工よりも強力な防水加工(WATER PROOF)が施されています。少しの水没なら水から引き上げた状態で水をはじいて何の影響もありません。

wp_水濡01
水深20cm水没20分後の様子
wp_水濡02
ティッシュで軽く水気を取り、10分後

数分以上水没しても多少の水を吸いますが、10分もすれば元の状態になります。長期間使い込めば防水性能も劣化するとは想像できますが、夏でも革バンドを外せない方には最適の革バンドです。
こんな革バンドもあるのです。

HRwb

wp_水濡00

またまた余談です。水没写真のSNK803。ケースをグロスに磨いたり、風防を変えたり、時分針を変えたり、風防を外したり付けたり、そのたびにケースを開けたり閉めたり、いじりまくっているのですが、この程度の水没にはビクともしません。元の製品性能は3気圧防水(日常生活防水)です。「防水」を謳う性能で、3気圧と言えば雨粒や洗面時の水はねくらいには耐える程度と言われる最下位の性能。たよりないものですが、2〜30cmの水深なら数十分水没しても大丈夫。基本設計がいいのでしょうね。海外製とは言えさすがセイコーだと思います。

さ、理屈っぽいことはおいといて、ストラップで夏を楽しく過ごしたいですね!

p.s.
事務所のベランダでピーヒョロピーピー聞き慣れない鳥の声がするので覗いてみると・・こんな鳥が・・

wp_イソヒヨドリ

調べるとイソヒヨドリです。名の通り本来海辺に生息する鳥の様です。
事務所は大阪の東の端、海までは20kmの生駒山の麓なのになんでこんなところにいるんやろうね。
ま、わからんけど、磯の便りをここまで持ってきてくれたんかね?
あ〜海行きたい。とはいえ、釣りも、サーフィンも、ヨットも海の遊びはな〜んにも出来ないくせに、
海、行きたいんやね。

 

 

ケースの鏡面磨き、やってみた。Seiko SNK803

グランドセイコーみたいなキレイな鏡面、出せるかな?

GS

素人の金属磨き顛末。

SNKシリーズのサンドブラストみたいな完全無反射のつや消しを、去年の3月に「一皮剥けば・・」と手持ちの材料で磨いてグロッシーにしたら一気に雰囲気がよくなったSNK803。当時はピカピカになってドレスウォッチとしても使えるといい気になっていたんですが、よく見てみると、表面は平滑でなく小さなデコボコのためかくすんで鏡面にはなっていないのがずっと気になっていました。
リューターの先端に最初はゴム砥石を付けて全体を荒磨きし、ホームセンターで買った(クルマのボディ用)荒キズ、小キズ取りのコンパウンドとフェルト先端で磨いていました。当時のブログを読み返してみると、もっと荒いペーパーかなんかで下地から作らなければならないという思いはあったようで、「磨き始めは2000番くらいのペーパーかな?」なんて書いていました。後日、「鏡面磨き」の動画を見てみると、もっと荒い耐水ペーパー600番くらいから始めて、「赤棒・白棒・青棒」という固形コンパウンド(研磨材)をリューターのフェルト先端に付けて磨くと鏡面造りができるようだと知って挑戦してみることに。(ちょうど今年は正月休みが長いくて時間のかかる作業も気にならないしね)
先に結果はこちら。左は作業前、右が作業の結果。

comp01

知らんかったこと

60数年生きてきてこんなことも知らんかった、って思うことに遭遇しました。
それは、砥石やペーパーで金属を磨く際に「研ぎ汁」が大事やということ。子供の頃じいさんから包丁やノミ、ナタなどを砥石で磨くことを教わったけど、砥石で磨く時にかける水の意味なんか考えることもなかったし、ただ漠然と方法を習っただけやったんやね。
砥石の粒子や磨がれた金属の粒子が研ぎ汁のなかでもまれてより小さい粒子になってキレイな研ぎが出来るとのこと。
知らんかった。
耐水ペーパーも同じ。
ただ、固形のコンパウンド(研磨材)とリューターのような回転ツールは回転の摩擦熱で研磨剤が溶け出すので水はいらないみたいやね。
これだけ知ってたら大丈夫やろう。と自信満々で作業開始。

では始めてみよう!

動画はこちらで

●作業前の中途半端な磨きのケース

process04_before

全体にくすんで、グロッシーではありますが鏡面ではありません。
ムーブメントは外してありますが、加えて念のため風防も外します。

●#600耐水ペーパーから

小さなものなので、指で水を付けながらペーパーをケースに当てていきます。
#600➡#1000➡#1500と段階的に当ててみました。それぞれの結果は以下の写真。

process02_600
#600の結果

 

process03_1000
#1000の結果
process04_1500
#1500の結果

#1500までいけばかなり映り込みもあると思っていましたが、そうでもありません。と、いうことは下手なのか時間が短いのか、分からないけど・・。ま、反射する光に歪みは少なくなったし、遡ってやり直すのも邪魔くさいので(ホンマは邪魔くさいはあかんよ!)次の段階へ。

●赤棒・白棒・青棒

リューターを買った時に付いていた先端のセットの中に、50×20×8mm位の緑のかけらが入っていたけど、これが青棒だとは知りませんでした。今回いろいろ調べて出会ったのがこの固形コンパウンド(研磨材)です。アマゾンで3本セットで1,580円。
届いたものはこちら。

process01

大きく、重い、ほんまブロックやん。金属加工のプロ以外で、特に素人の趣味でこれを一生のうちに使い切る人は居るのかな?と思うくらいの量です。ホームセンターでチューブ入りのコンパウンドを買うよりも超お得!比類無きコスパです。
それにしても、緑がなんで青なんやろ? ”青丹よし(あおによし)”の青かな?なかなか雅やね。
これを、リューターにつけたフエルト先端につけてケースを磨きます。

process04process05

荒いのから細かい仕上げ用へ、赤➡白➡青(緑)の順です。
リューターにセットした回転する新しい先端をブロックに軽く押し当てると、摩擦熱で固形コンパウンドが溶けて先端に塗布されたます。これをケースに軽く押し当てながら磨いていきます。3段階の磨きを終えたものがこちら。

process04_result

やった・・、鏡面が出ました。周囲の映り込みにもキレがありますね。
正直なところ細かく見ると歪みや荒さがありますが、初めての試みとしては及第点かな?

●ついでに、ラグ上部のみをつや消しにしてみよう

きれいなヘアラインは望めませんが、手元にある道具で、ということでマスキングテープと「スコッチの3M工業用パッド、サビ取り用」で細かなキズを付けてつや消しにしてみます。

process06

パッドは小さくカットして、マスキングから露出したラグ上部をこすります。ケース・ベゼルの円にしたがって一方向にこすっていきます。角度がズレると仕上がりが汚いので必ず一方向に!
処理がすんだらテープを外して、中生洗剤と歯ブラシでキレイに洗って(できれば超音波洗浄機なども使って)その後完全に乾燥させます。

●外した部品を組み込んで完成。グロッシーからシャイニーに!

完成の図。

result01

グランドセイコーのガラスのような透明感のある磨きには遠く及ばないけど、少なくとも他のセイコー5に比べたらいい出来かな? 鏡面も出たし、シャイニーに輝いています。自分的には3〜4万円クラスの磨きになったのではと満足しています。
延べ作業時間は6時間ほど。無駄ではなかったね!

result02

知らんかったことで作業後に知って後悔したこと

荒い番手から細かい番手へ段階的に磨ぐ場合(今回の様にペーパーの#600、#1000、#1500を使う場合)、例えば#600は縦に磨いて、#1000は横に、そして#1500は縦に、というふうに磨く方向を変えて、前の番手のキズを無くしていくように磨くのが短い時間でキレイに磨くコツだとか。初めに知っていればもっとキレイにできたかも?

#600の耐水ペーパーから始めたけど、「赤棒・白棒・青棒」の粒度は、
赤棒:#300、白棒:#1200、青棒:#3000、だそうです。
と、いうことは、耐水ペーパーの#1500までをキッチリ行えば、赤棒・白棒は要らんかったんか?
そうか、#600の耐水ペーパーのあと、いきなり白棒からいけばよかったんか?
または、そもそも耐水ペーパーは要らんかったんか?
てなことを作業を終えた後に思っています。
ま、今回はSNKのケースの表面に(本来のケースのつや消し処理のせいか)細かいけれど結構深いデコボコがあったようなので、耐水ペーパーから始めたのは意味があったことだと自分を慰めています。

リューターと研磨材を使って磨く際、高回転や、強く押し当てることで過度に熱を持たせると「バフ焼け」と言われる現象で対象が黒ずんでしまうこと。
これは実は作業中にあったような気がする。ケースがむちゃくちゃ熱くなって、結局やさしく根気よく磨くのがいいようやね。実際最後の青棒なんかホント、フェザータッチで軽く磨くと驚くほど上手くクスミ・ニゴリが取れていくということは今回の経験で分かったことです。

result03

ちなみに写真のバンドは、ハドリーローマ MS-784 Brown、オイルタンレザーの馴染みのいいバンド。フォーマルにもカジュアルにも違和感なく、しかも防水仕様のオールマイティ。興味ある方はこちら↓
http://www.ngart.gr.jp/watchband/

そうかぁ、そういうことか。と後になって分かることも多い今回の6時間に亘る作業ではありました。
機会があれば次回、完璧に行いたいと思っています。

今回の費用はフェルト先端1,200円(28個)、赤白青棒1,580円しめて2,780円、ムーブメントや風防を外したりと、手間も経費もかかった約6時間の作業。結果、どのプロセスが効果があったのか正直なところ分かりませんが、特に気になっていたクスミは消えてクリアな鏡面を出せたし、グランドセイコーには遠く及ばずとも、ま、成功とします。
・・・・磨きは”荒目➡細目”を段階的に丁寧にという基本が大切、を改めて実感。
・・・・それにしても、荒目・中目をもっと丁寧にやればもっとキレイな鏡面にできたのかな?

古い RADO SEAHORSEリペアの巻

中学時代の友人から預かった、彼が若い頃に着けていたRADO。ケースも風防もキズだらけ。
彼曰く「手巻きの時計やけど、巻いても30分位で止まってしまいよる。だいぶ前に一回オーバーホールはしてて、数年前にこんな具合になってからは使ってないんや。きれいに動くようにできる?無茶苦茶なってもええから、いっぺんやってみてよ」
たしかに30分位動いたら止まる。少し衝撃を加えれば動き出す、が、やっぱり30分位で止まる。
と、いうことで、どうせつぶれてるならあそばせてもらうことに。

aft01

結果は上の写真。とりあえず、日常の使用に耐えるくらいのきれいさにはなったかな。
写真のバンドはオリジナルの巻き板のブレスからハドリーローマの MS-836 、アレルギー対策済みのセミグロス、アリゲータグレイン。美錠はバンビ製のDバックルに交換しています。このタイプの時計にはよく似合うバンドやね。
先細りのバンド形状で美錠幅16mmやからDバックルもしっくりくるし。なにより上品やしね。
【このバンド、売ってます(5,780円税・送料抜き)。興味ある方はこちらを見てね!】
眺めても、腕に着けてもクラシック感満載のいい感じに仕上がったなと悦に入っています。
古いけど、キズも風格の内って感じしますな。

作業顛末。まずはケース。磨いてみよっと。

あれ、オシドリは?

裏蓋はスクリューなので、くるくるっと回して外して、リューズを抜こうと思ったら、オシドリを押して解除する穴やそれらしき物がない。あれ?ないよなぁ。これでは進まんがな・・。
そこでネットで「RADO オシドリ」で検索してみると、ムーブメントは若干違うけれどよく似たものの解説を発見。
リューズの穴のすぐ斜め横のネジを緩めるとのこと。
そうか。ネジでとまってるのか。いろんな方式があるんやね。勉強なった。(オシドリを操作するネジの位置は後の写真を見てね)
緩めたらいいんやね、ネジを。と、くるくる回すと、ん、取れんやん。また、くるくる。
なんか、ピンッと小さくはじけるような感触があって、取れた、やっと取れた。
しかし、このええ加減さが後で泣きを見るはめになろうとは、この特は思いもせんかったのです。

さて、中身も外したし、とりあえずケースをきれいにしよう!と無邪気に作業にかかります。

bf03

ケースはキズだらけで、しかもくすんでいます。きれいな鏡面であったろう側面も写真のようにくすんでいます。

bf02
また、どうやったら無垢のステンレスがこんなにへこむのか、と思うくらい深い打ちキズもあります。
風防も細かなキズの多いこと。しかも、ケースと同じくひっかき傷じゃなくて打ったような小さいけど深いキズがほぼ全面に散在しています。
こら、完全復活は無理やね。と思いながら、くすみとちいさなキズだけでもきれいにしよう。

(作業自体は退屈なので故意に写真はありません)今回は、手持ちのリューターで作業。ゴム砥石の先端でケースの細かなキズを取っていって、後はフエルトの先端に、時計研磨のキクモールを研磨剤にしてケース風防とも磨くことに。
風防はボックスドーム型のミネラルガラスなのでキクモールなどの細かな研磨剤で小キズくらいはきれいに取れるはずです。
ゴム砥石を当ててつや消し状態のケースもキクモールで丹念に磨けば鏡面に近い仕上がりになります。

結果はこれ、

mid01

ね、そこそこきれいになったかな。
でも、ケース・風防とも、肉眼ではほとんど見えないけど実際には深い打ちキズが各所に残っています。
mid03
接写で写真を撮ったり、ルーペで確認するとよくわかります。肉眼でも光の加減によってはハッキリと分かります。
mid02
が、肉眼でほとんど見えないならええとしよう。と、この辺でとりあえず作業オワリ。

さてと、分解掃除まではできなけど、

ちょっと中を見てみよ。

で、30分で止まるムーブメント。リューズを差し込んで動きを観察しようと思ったら、入らない。なんで?
オシドリのネジを締めても緩めても結果は同じ。リューズは時刻合わせの位置までしか入らない。
リューズを抜いた時の「ピンッと小さくはじけるような感触」がいかんかったんか?
これでは、ここでおしまいになってしまうやん。ただ、つぶれた時計のトドメをさしたってか?
よーし、外しまくったる。どこかで読んだ「上から順に外せばなんとかなる」を参考に(え?ガイドラインはこれだけ?ほんまになんとかなるん?)文字盤外しから開始。
(頭に血が上った感情的な理由で写真はありません)

文字盤は「干支足」ってものでムーブメントに装着されている、くらいの知識しかないのに大丈夫かいな。
まず針を取って、側面を観察すると干支足らしきもの2本を確認。側面のそのすぐ横に2本ともおなじようなネジがあったので、とりあえず緩めてみよう。
と、正解。文字盤が抜けました。少し自信になるね。
ムーブメントのオモテ面にはカレンダーの文字盤が付いています。外側に日付、内側に曜日。
内側の曜日の文字盤は置いてあるだけなので簡単にとれます。取れた後にはチョット複雑な穴の空いた押さえと思われる部品が。ネジ2本で止まっているようなので、さっきの根拠のない自信のままに外すと、外れたよ、ん〜これが日付の文字盤(リング形状)を押さえてるんやね。なるほど。で、日付の文字盤も外して。
じっくり見ようと手に持つと、なにやら小さな物が手の平にあたったような・・・。
あわてて机を見ると、1mm×2mmくらいの小さな部品を発見。これってオシドリちゃうん?
リューズを抜く時にゆるめすぎたんやね。で、オシドリが抜け落ちてたんや。と納得。

左側にオシドリを含むリューズの機構が見えます。この中のオシドリ(矢印1)がなんと脱落していました。オシドリはキチ車の手前の巻芯の溝に食い込むはずなので、そんな位置にセットして、ウラ面のネジを締めこんでやっとオシドリを元の位置に固定。修復した状態が下の写真。(ここまで来てやっと気持ちも落ち着き後のために写真撮影)

mid06_B
知らないとはいえ、無知と想像力不足が生んだ無駄な難作業やったね。

mid05_B
こちらオモテ面、矢印のネジがオシドリを留めているネジ

部品ってこんなに細かいとは・・

ところで写真の矢印2の細くて小さなバネ、フレームの形取られた凹部に置かれただけで、矢印3のこれもフレームの円形凸部にはめ込まれただけの小さな剣のような部品をテンションを持って押さえています。
作業中これがすぐはじける。バネやからね、はじけるし、もとにもどすのも大変やし、ほんと、厄介。
矢印3の剣のような部品はカレンダーの日付リングの内側に刻まれた溝にはまって、矢印4が24時間ごとに一コマ日付送りをした時カレンダーの窓にキッチリと位置決めする部品。なので、この剣のような部品もバネも向きを間違えれば機能しません。
バネの中心の穴は、先ほど外したこれらを押さえる部品の止めねじが入り、これらを固定しているようです。
とにかく、部品の位置決めが終わったら、早く押さえを付けて固定してしまわないと・・と焦りの気持ちが出てくるんやけど、焦れば焦るほどバネはまたはじけます。
ん〜〜、時計いじりは忍耐と平常心と集中力、それとルーペでしか分からないような小さな部品がピョンと飛んでしまっても探せるように作業台の整理とガードを置いておくことやと、つくづく納得。
幾度かの試行錯誤の後、カレンダーの日付リングと押さえを無事装着。・・肩凝った・・

さて、この状態でゼンマイを巻き上げて、テンプを観察

チチチチチ・・・っと元気にけなげに動いとるやん。このまま一晩置いとこっと。
約14時間経過後の翌朝見ると・・、おお、動いとるやん。止まってないやん。原因は分かりません。でも動いてるやからこのままそ〜っと組み上げてケースに収めよかな。友達には「えらい苦労して動かした」って言っとこっと。
オモテ面の曜日の円盤も押さえ部品の中央にセットして、リューズを引いてくるくる回すと、カレンダーもちゃんと動作するのを確認して、文字盤を装着、外した針をセット。
実は、針をセットする時、分針がインデックスの飾り石に当たってしまってうまくいきません。原因は文字盤をセットする時ちゃんと深い位置までセット出来てなかったんやね、再度文字盤をきっちり干支足が底まで付くところで固定すると、やっと正常な高さになって分針もスムーズに動くように。(何度も少々荒っぽく時分針を取ったり付けたりしたので針穴やハカマを毀損していないか心配が残るところではあります・・・いつか衝撃で脱落せんやろか?)

aft05

少し心配の種ものこったけど、ケースに戻して、一応の完成。
ま、これがリペアと言えるかどうかわからんけど、ちゃんと30時間以上動くし、精度も一日1分も変わらんので成功か?
原因がわからないまま偶然動くようになったムーブメントってことも、針の装着に心配の種が残ったこともあるけど、とりあえず息を吹き返したRADOに感謝、やね。

aft06

風防の深いキズ、もう少し磨き込んでみよかな・・。
なんか愛着わいてきた・・このまま譲ってもらおかな・・。

なぜ腕時計は時計屋で買うのがベストなのか?

ネットの写真だけで買うのはどうかな?

腕時計のデザインを決定する要素は意外にたくさんあります。
ケースの形・大きさ・色・磨き、ケース曲面の形状、ラグの形・長さ、ベゼルの形状・質感・色、リューズの大きさ、風防の形状、ベルトの質感、ダイヤルの色・磨き、インデックスの形・質、針の色・質・長さ・・等々。
どれ一つをとってもその腕時計の全体印象を左右する大切な要素です。

インターネット通販で腕時計を購入しようと思うと、掲載された情報から、実際のデザイン要素をいくつ把握することが出来るでしょうか。
僕は、重要な個々のデザイン要素を読み取ることはできない。と思っています。
全体のおおよその印象はつかめます。でも、ケースの大きさだけでも写真からは判断できないし、詳細と称する説明もいい加減なものが多いと感じています。
アマゾンなんかは掲載する写真の規格が白背景・正面などと決まっているようで、把握できるその時計のデザイン的な特長は全体の形と文字盤の印象くらいです。表面がグロスなのかマットなのかも分かりません。これではいいも、わるいも分かりませんよね。
時計屋で見て、型番を確認して、ネットで買う。というなら分かりますけどね。

風防だけでも印象に大きな違い!

特にネット掲載の写真では分からない要素の一つが風防だと思います。
風防にはおおよそ3種の形があります。表面がフラットなもの、ゆるやかな曲面になったもの、ドーム状になったもの。
僕が子どもの頃、大人のしている時計はほとんど最後のドーム状のものでした。最近はフラットなものが多いですね。
素材もおおよそ3種、高価な順からサファイヤ、ミネラル、プラスチック(アクリル)。この順は硬さや透明度の順でもあります。

s_IMGP1237
左からフラットなサファイヤ、フラットなミネラル、カーブしたサファイヤ。映り込みが違うね。

正面と斜め、一つの時計が持つ二つの表情。得した気分やね!

僕は曲面になったものが好きです。本当はクラシックなドーム型がいいのですが、不注意な性格でついついモノに時計を当ててしまうのでドーム型は不向だからです。ちなみにドーム型は加工のしやすさからほとんどがプラスチックです。
サファイヤは硬くて成形しにくいからかフラットなものがほとんどですが、たまに曲面のサファイヤ(カーブ サファイヤ)を装着したものがあると欲しくなります。ミネラルは結構加工しやすいのか経済的な値段の時計でも曲面のものが多くあります。
フラットな風防を持つ時計はそれなりに見やすくていいのですが、角度を変えて見ても印象はさほど変わりません。しかし、曲面の風防を持つ時計は斜めから見た時のもう一つの表情が豊かで、クラシカルな雰囲気につい見とれてしまいます。一つの時計で二つの印象、得した気分になりませんか?
時計を腕に着けて、いろんな角度から見て、初めてわかる特別な表情があります。それはとても魅了的なものです。

citizen

上の写真はシチズンメタルフェイス CA0454-56E 実売27〜28千円くらいの比較的安いモデルです。
セイコーSDN363を素人細工でクズにしてしまった時(クズにした顛末は、安いクロノグラフ改造編(under ¥10k) )に、貯まっていたビックカメラのポイントで手に入れたものです。
球面ガラスって言ってますが、ミネラルを曲面にしてベゼルから少し盛り上げて装着し、ドームのような雰囲気を作っています。リューズの真上に映っている白い光はベゼルではなく盛り上がった風防の反射です。左上はネットなんかでよく見るこの時計の写真。
インターネット通販の写真ではこの雰囲気はわかりませんよね。
だから、時計を手に入れようと思ったら絶対に時計屋に行くべきです。いろんな角度から眺めて、腕に着けて、それからお金を払うべきだと思います。

なかなか店に行けない人に、出来るだけいろいろな角度から時計を見ることができる動画をUPしています。
暇があったら一度見てね。
https://www.youtube.com/channel/UCDizOP7RcU8oU6jYrUijpzw

高級な腕時計はほとんどがサファイヤを使っています。しかしスイスの高級品の中で古くからあるクラシカルな人気商品はアクリルのドーム型が多く、これらを時勢に合わせるためにサファイヤをカーブに加工して前述のシチズンのようにベゼルから盛り上げて装着するなど、雰囲気を壊さずにモデルを継承するよう、メーカーも苦労されているようですね。