ロングセラー セイコー クォーツクロノ SEIKO SNA411P1 = PILOT =

えらいことになってしもたね。僕の見通しが甘かった! 新型コロナ。
収束には向かっているということで、一頃よりは感染者の数も大幅に減って、少し安心かなとは思うけど、大きな経済的犠牲や、変化せざるをえない生活習慣・国/地方自治体の体制変化、そして何より医療関係者の献身の賜物であって、様々な面で多くの犠牲を強いられた結果やから、根本的な治療薬や予防ワクチンが未だない状況では本当の安心はできないね。
県境をまたぐ移動制限や、人が蜜になる業態の自粛要請なんかも解かれたけれど、全く油断はできません。

僕の仕事も、劇場(芝居)の宣伝関係の仕事が8割以上だったので、3月半ばから公演はすべて中止、よって、仕事も無し。一気に皆無。
国からの給付金などで少しは助けになるものの全てをカバーできるものでもなく、芝居やコンサートなど観客が蜜になることが商売の業態では未だ先が見通せないこの状態があと数ヶ月続くと・・お手上げやね。
仕事の手を広げるとか、他業種参入の機会を探るとか、何をしようにも世間全体が緊縮している状態ではなかなか簡単なことではないし。
ま、出来るだけのことはしておいて、覚悟だけはきめとこか!というような現在です。

そのような状態で二ヶ月半。ほとんど仕事もしないことを、引退後の生活の練習や! とか思って実は少し楽しんでいた面もあるんやけど、な〜んにもせんのは「つらい」の一言。
やっぱり「人間仕事が大事」にあらためて気付いたところで、「今後1年はこの状況から抜け出せない。元には戻らない」と認識して、コロナと上手に付き合って、失った二ヶ月半を、これから失うであろう数ヶ月を補う為に、あたらしいことにも取り組んで、まだまだしつこくがんばっていかなければね。

この二ヶ月半のストレスもあって、日曜に福井の三方五湖まで鯖街道をドライブしてみた。三方五湖の観光地、名物食堂、敦賀の海鮮市場・・行く先々超満員!・・大丈夫か?
移動制限が解除されたすぐに移動する自分も自分やけど、きっとみんな意識は一緒やねんね。
正直、観光地ナンバーワンの地域ならまだしも、地方の一観光地でこれやったら、ナンバーワン観光地はどうなってんねやろ?と、心配ではありますが、ここまで長丁場になると、ガス抜きも必要。コロナ対策で自分たちが出来ることはすべてやって、気を付けて、適当にストレスを発散することは長丁場を乗り切るには絶対に必要なことやとも強く思った次第です。

電池式クォーツクロノグラフ SNA411
製品紹介とチョットだけMOD!

長くなりましたが、本題です。
何を今更?感はありますが、2010年発売のセイコー電池式クォーツクロノグラフ SNA411のご紹介です。

発売後10年のロングセラーだけあっていまだにカッコイイと思う時計です。

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欲しいと思った2015年頃は確か17,000円前後で売っていました。ここ2-3年見かけることがなかったのですが、最近再び25,000円前後で出回るようになったようです。
この手の計算尺のついたセイコーのパイロットクロノグラフ(クォーツ)では、現在3種類くらいが市場に出ています。左から安い順に並べると・・・

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値段的にはSND253基準におよそ倍、4倍と倍、倍になります。サイズも小・中・大の関係です。比べると、さすがPROSPEXは高級感を醸していますが、僕はSNA411が一番カッコ良く思います。

ちょうどいいサイズ感と雰囲気・それに仕上げ

幅42mm、ラグからラグ43.7mm、厚さ12.8mm、僕にはちょうどいいサイズ感!
ムーブメントは 7T62 、ワンタイムアラーム付きセンタークロノグラフ
回転ロックがなく左右に自由に回るベゼルはチャプターリング部分と合わせて航空計算尺になります。(ま、使う人は少ないやろうけどね。見た目はカッコいいです。)
風防は凸レンズのようなシングルドームのミネラルハードレックス。

200m防水!で、リューズやボタンにはネジ式ロックが施されています。

ストップウォッチと一回だけのアラーム。機能的にも多すぎず少なすぎず、いくら機能があっても使いこなせない僕にはちょうどいい感じ。
外観も、少なくともチープ感はなく、今風では少々小ぶりなサイズ感もあって、いろんなシーンで違和感なく腕に納まりのいい時計だと思います。

ルミもセイコーらしく十分な光量です。

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リュースはスクリューダウン式。一段引いてカレンダー合わせ、二段引いて時刻合わせ。ま、普通です。
上下のボタンもネジでロックされます。
単純にストップウォッチの操作と、クロノ針の微調整や、アラームの設定に使います。

ストップウォッチの基本的な動きは、
上下のボタンのネジロックを解いて、上ボタンで計測開始。
センターの黄色針がスムーズに動き出します。12時位置小窓の黄色分針は一分毎に動き、59分まで計測できます。
上ボタンでストップ。
(因みに、計測中上ボタンでストップ、再度上ボタンでその位置から再計測できます。
また、計測中下ボタンでストップ、再度下ボタンで計測開始からの継続計測ができます。)
上ボタンでのストップ状態から、下ボタンで復帰、0時位置に戻ります。
パチンッ!と戻るのではなく、スーーと戻ります。

6時位置の小窓の針は通常現在時刻を表し、本来の時分針と一致しています。
(新品開封後使い始めの時刻合わせで、上下ボタンを使って一致させる必要があります。掲載の写真や動画はじゃまくさいのでまだやっていない状態です。本来の時分針と小窓の時分針に数分のズレがあります。)
小窓の時分針を上下ボタンで目的の時刻に合わせるとアラームが鳴ります。アラームを解除すると小窓の時分針は現在時刻に復帰します。
多分使わないので試していません。(〜じゃまくさがりがなんでこんな時計買うんや〜と、しかられそうやけど・・・)

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見た目も仕上げも良く、正確。この手の時計らしいずっしり感もあるし、サイズも大きすぎず。しかも200m防水。
ホントにコストパフォーマンスの高い時計だと思うのですが・・・

唯一不満な点が、スチールベルトです。

ベルト自体はこの価格他には珍しくエンドピースを含め無垢の実に立派なものなのですが、
一見3連のオイスタータイプに見えるものの、実は真ん中が分割された4連の駒を組み合わせたベルトです。なんで4連にしたんやろう?真ん中に分割の無駄な筋が入って見た目も悪いと思うんやけど。
しかも、それを強調するかのように真ん中の2連がミラー仕上げに磨かれていて、ピッカピカ。
綺麗な仕上げなのですが、僕にはこのピカピカと真ん中の筋の部分がチープに見えてなりません。

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そこで、この後中央2連のピッカピカ部分をヘアラインのつや消しにしてしまおうと思います。たぶんつや消しにすることで真ん中の筋も目立たなくなるんやないかな?

ピッカピカをつや消しに! チョットMOD!

では、ベルトを外して、ピッカピカ部分をヘアラインつや消しにしてしまいます。
ベルトを時計から外して、バックルも外して・・ ね、中央2連はピッカピカ。これが安っぽく見えるのは僕だけやろか?

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使用するのは「3M・スコッチ・ブライト」サビ取り用工業用パッドです。
新品のベルトですが、もったいないなんか思わず、思い切ってキズを付けていきます。
ストロークは真っ直ぐ均一に・・これがちょっと難しいけど・・・。
(詳しくは文末の動画を参考にしてください)

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カメラの目で見るとちょっと雑に見えるけど、とりあえずこんな感じ。
(後で、もう少し丁寧にやってみよ!)

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やっぱり、こっちの方が落ち着くよね。
チョットモディファイでした!

最後に、ご注意。

バンドの幅は中途半端な21mmです。(アマゾンの製品紹介には20.6mmと出ていますが21mmです。)替えバンド探すのに苦労しそうやね。
NATOタイプのストラップなんかがよく似合いそうやけど、20mmを付けなければならんようです。
で、早速NATOタイプを付けてみようと思ったのですが、ベルトを付けるラグ部分の形状が少し特殊で、ケース部分が直線的に彫り込まれていて側面と上面は直角。またバネ棒の穴がかなり上寄りに穿たれているので、少し太めのバネ棒を付けると、バネ棒とケースの隙間がとても小さい。したがって、かなり薄くて柔らかな生地のストラップでないと通せません。

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太さ1.5mm以下のバネ棒や薄手のストラップなら大丈夫なようです。
今、手元にないので、折を見て試しています。

いつか、コロナ騒ぎが収まったら、風防もダブルドームに変えてみよう!楽しみが増えるね。

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動画も観てね!

先行きが見えなく不安をかかえている方も多いと思います。
自分に出来る十分な対策と、注意は怠らず、でも決して恐れることなく、今後数ヶ月(年?)、変わってゆく日常を受け入れながら新しい日常を作っていきましょう!

ハドリーローマの新しいバンドが入荷しています。ぜひ一度ご覧になってください。

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ギザギザベゼルのセイコー5風、作ってみたよ!

去年11月から今年1月にかけて、それでなくても忙しい年末年始やのに、胃腸炎・インフルエンザ・大腸ポリープと、立て続けにあって、やっと体調が戻ったと思ったら、コロナ騒ぎですわ。
それにしてもエライコッチャやね。コロナウィルス。ここ東大阪の東の端、生駒山の麓でもスーパーやドラッグのマスク売り場は空っぽです。
今日たまたま近所のコンビニに5袋売れ残っていて、2袋買いました。このごろあまり外出しないし、ま、充分でしょ。僕以上に必要な人もおるやろしね。
中国発ということで元々かの国が発信する情報には眉につばつけなあかんところやからなおさら何を信じていいんかわからんね。
新聞やテレビのニュース見てると国内ではまだそれほど心配せんでもいいようにゆうてるけど、ネットの情報では「こらエライコッチャで!」と大騒ぎせなあかんような身につまされる情報満載で、いままでは圧倒的に新聞やテレビのニュースを信じてたけど、SNSに出る中国本土からの情報なんか見ると信憑性を否定することもできないし、どっちを信じていいのかわからんこの頃です。
日本はまだ地獄の一丁目につま先入れた位なのかな?と思うけど、中国特に武漢近辺は三丁目か五丁目くらいにおるみたいやもんね。
とりあえず、観光客の多い大阪の繁華街には出ない。人混みではマスクする。手洗いは怠らない。などなど、自分に出来ることはやって、国の内外を問わず罹患した人には一日も早い回復と、一刻もはやく感染が終息に向かうことを祈るのみです。

正月休みに何本かアップしようと思っていた時計ネタも、そのような事情で今になってしまいました。
今回は、

ギザギザベゼルのセイコー5風、作ってみたよ。

です。先回のスモールウォッチの続きで。これも36mm幅の小ぶりな時計です。

ロレックスみたいなギザギザベゼルのドレスウオッチ、スイスのメーカーをはじめピンからキリまでいろんなメーカーが作ってる(作ってた)けど、僕の気持ちは複雑で、このタイプの時計を持つならロレックスデイジャスト!って思うけど、腕時計に100万以上も使う贅沢は僕には許されていないし、そもそももったいないと思ってしまう僕の金銭感覚やロレックスのギザギザベゼルは成金みたいという変な先入観もあって、欲しいけど買わない、でも気になる、やっぱりギザギザベゼル1本は欲しい、ほんと、僕にとって複雑な感情の時計です。
オリエントのギザギザベゼルを買おかなと思った時期もあったけど、明らかにロレックスの”真似し”に見えるし、決断が付かなくて・・・。
そんな時、モディファイ用の7S26のパーツを探していた時に偶然 e-Bay で過去のセイコー5用のギザギザベゼルのケースのセットを発見。
たぶん純正のパーツではなく、コピーじゃないかと思うけど、ケース・裏蓋・ダイヤル・風防・針にジュビリーのブレスがついて、約6,000円送料無料。
そうやん!これに気に入ったパーツを組み合わせて、アッセンブルすればええやん。自分で好きに組み上げるんやから真似しでもないし、おもろそうやん。
ってことで、このケースのセットを購入。その後、チョコチョコいろいろ買い集めたのが以下の写真のパーツ。

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左に固まっているのがそのケースのセット。
右上がムーブメント NH36。24石・21,600bph・パワーリザーブ41時間・ハッキング・手巻きも出来るセイコーの自動巻き。これは安いけどコピーで無く本物みたい。ちゃんと精度測定もされてます。
右下左はお馴染みクリスタルタイムスの CT083 ダブルドームサファイヤクリスタルの風防。ARでグリーン着色。
右下右はSKXのモディファイ用の値段的にちょっと上等な文字盤(MM300スタイル・イエロー・サンバースト)。
写真にはありませんが、この他に、
セイコー5用の小さなクラウン(直径4mm)
以上、まとめると・・・

ケース:6,000円
ムーブメント:2,500円(〜5,000円、いろんな値段があります)
風防:4,000円
ダイヤル:4,000円
クラウン:1,400円
しめて合計17.900円

こんなにかかるとは思っていなかった結構な費用で、たまにネットに出るセイコー5やオリエントのモデル(だいたい2万円チョイかな?)に比べても費用効果は少ないようやね。
でも、ムーブメントは4R相当のNH36やし、おそらくコピー商品混じりではありますが、既存の商品よりワンランク上、と思えるかな?
それに組み上げる楽しさもあるし、世間の誰とも被らない時計になるし、ええんちゃいますか?

組み上げは嵌め込んでいくだけなので難しくないのですが、ケースに附属のクラウン・ステム(竜頭・巻き芯)は7S26用で、ムーブメントをNH36にしたのでステムだけ慎重に切り落とし長さを合わせてやらなければなりません。
ちなみにNH36は何もしなくても7S26用のケースにピッタリ収まります。

ほんで、
出来上がったのがこの状態。

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文字盤の300Mはウソやけど、なかなかいい感じ?(自画自賛が過ぎるかな?)

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さて、以上やけど、風防をケース附属のミネラルクリスタルをそのまま使うと、費用は4,000円減ります。
ムーブメントについては7S26にすると、これは高い(7〜8,000円位?)ので、7S26にすることで不要になるクラウン(上記1,400円)を差し引いてもNH36かNH35を選択するのが安上がりです。機能も増すしね。

このブレス使い物にならん!やん!

ここまでで、うれしがってはいけませんでした。
ブレスのサイズを自分の手首に合わそうとしたら、巻き板の工作が悪いのか仕上げの磨きのせいか、駒の継ぎ手を外すことが出来ません。
セイコー5純正のものでも時々あるのですが、このブレスはどの駒の継ぎ手もこじり出そうとしてもビクとも外せません。調整不可能です。
まぁ、そのまま使うつもりは無かったけど、結構きれいなジュビリーやったのでチョット残念です。
ラグ幅は20mm。替えバンドの選択は豊富です。NATOバンドやチョット上等な革バンドなんかで楽しんでいこうと思ってます。

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幅:36mm、全長41.2mm、厚さ11.7mm。小ぶりやけど、僕にはジャストサイズ。

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動画も観てね!

SKX009をグレードアップ!ムーヴメントをNH36に入れ替え!

発端は、3年前に買ったSNK809のムーブメントを壊してしまった事。思えば風防を変えたり、針を変えたり、ケースを磨いたり、歩度調整のテストに使ったり・・好きなように部品を外しては付け、付けては外し、いじりたおしたことがいけなかったのでしょう。ついに止まってしまいました。
SNK809は大好きな時計の一つで、ただ壊れてしまったからとあきらめはつかず、新たに一本買おうと思ったことで一連の計画を始めます。

僕の好きな時計の中で、他にどうしても気になっていたことが一つあって、それはモディファイしたSKX009のカレンダーが白地であることで、黒地のネガ表示ならもっとカッコ良くなるんではないかなと思っていたことです。
今回SNK809が壊れたとなれば、黒地のカレンダーホイールが余ることになります。

そこで、
●SKX009のグレードアップ
SKX009のカレンダーを黒地にする。
カレンダーを変えるとなれば相当部品を外す作業が生まれるわけで、それならムーブメントも変えてしまおう。
ムーブメントは秒針停止・手巻きの可能なNH36ムーブメントにしてSKX009のグレードアップを図る。

●壊れたSNK809を甦らせる
苦労してグロスに磨き上げた(壊れた)SNK809のケースは放っておくには忍びないので、新たに購入するSNK809の中身だけを壊れたケースにもどして(壊れた)SNK809を甦らせる。

●余り物で新しい時計を組み上げる
新たにSKX007/009モディファイ用の文字盤と針を購入して、余った新らしいSNK809のケースに、同じく余ったSKX009の7S26ムーブメントを入れて新しい時計を組み上げる。
大好きなSKXと、SNKの合体です。

という3段階の計画です。

今回の内容は計画の第一段階、●SKX009のグレードアップです。

SKX009の7S26ムーブメントとNH36ムーブメントは大きさも構造的にもほぼ同じで、しかもNH36に装着されているスペーサーはSKX009のスペーサーと同じサイズです。
また、文字盤の干支足をはめ込む位置決めの穴はそのスペーサーに穿たれていますので、文字盤の装着も問題なしに行えます。
秒針停止と手巻きができない7S26からそれらを可能にするグレードアップには最適のムーブメントです。
いいことずくめのNH36ムーブメントですが、交換するにあたってクリアすべき大きな試練が2つあります。

Mov交換するためにクリアすべき事

1. ディホイール(以下曜車)の交換
秒針停止・手巻きの可能なNH36ムーブメントは、リューズ位置が3時位置に設定されています。
従って、ほぼ4時位置にリューズがあるSNK809や、SKX007/009にそのままセットすると、ムーブメントの傾き角度と曜車・日車の送り角の差で、特に曜車の表示に問題を生じます。カレンダー枠内で表示が傾きます。日車は誤差が少なく問題はありません。

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そこで、一般的には曜車のみリューズ4時位置用の曜車に変更する必要があります。
(一般的には元の7S26の曜車を新しいNH36の曜車と交換します。今回は曜車・日車の色を変えたいのでともに交換します)

2. SKX009のリューズ
ムーブメントが変わると言うことは当然巻き真も変わります。NH36の巻き真を(長さを合わせて)SKXのリューズに装着する必要があります。
通常リューズと巻き真はネジでフィットしています。巻き真がリューズの穴にねじ込まれていることが多いです。
しかしSKX009のものはそうではないらしく、巻き真を固定してリューズを回しても外れません。固定されているようです。
(正確に確認したわけではないので間違っているかもしれません・・)
兎に角分離出来ないので、NH36の巻き真をSKX009のリューズに付けることは困難です。

この二つの試練にどう対応しようかな?

一つ目は、時計の中身を少し分解しなければならない技術的な問題。
【これは根気よく丁寧に落ち着いて作業することで乗り越えようと思います】
二つ目は、僕の技術ではどうすることもできません。
【SKX007/009モディファイ用の巻き真がセットされたリューズが販売されていますので、これを使います】

では、始めます。

パーツ

壊れて分解したNNK809

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新しいNH36ムーブメント

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リューズと巻き真

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標準より少し大きめの、セイコーのスネーク「S」がレーザーで刻まれています。
「cryctaltime.net」で購入。

リューズを除いた今回必要なパーツ

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では、早速新しいNH36の曜車を外します

002曜車はムーブメント中心に飛び出た筒車にはめ込まれたCリング(止め座)で固定されています。
先の薄い精密ドライバーなどの工具でこじり持ち上げれば外れます。
ただし、外したはずみで飛ばしてしまうと・・・こんな小さな部品、老眼の僕には絶対探し出すことは不可能です。

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で、ラップでカバーしながら作業しています。

 

 

 

 

止め座が外れれば、いわば置いてあるだけの曜車は簡単に外れます。

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日車を外します。

今回は日車も変えたいので、一歩踏み込んで日車押さえ(金属板)を外します。
ネジは4ヶ所。慎重に外します。

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日車押さえを取ると、日車も簡単に外すことができます。
007この辺まで外すと、ムーブメントの地板にそっと置かれているだけの小さな部品を見ることができます。
ほんと、位置を示す小さな穴や刻みにそっと置かれているだけのものがありますので、ズレるとたいへんです。慎重に!

交換する日車をセットします。

009日車の内側に刻まれた歯と日車ジャンパー(赤矢印)をかみ合わせて、ムーブメントとズレが無いように設置します。

日車押さえを置きます。

010ねじ穴を目安にそっと慎重に正確に置きます。見た目水平にならず上下に動くことがあればどこかの部品にズレがあると考えられます。キッチリ水平にぶれなく置くことが一番大切な事なんですね(当たり前やけどね)。

ネジをもどしてしっかり固定します。

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曜車をセットします。

012曜車ジャンパーに噛む曜車の歯は曜車裏側に固定されていますから、あまり気をつかわず、上下にぶれなくセット出来ればOKです。

止め座で曜車を固定します。

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止め座を中心に嵌めて、ピンセットの先などで押さえてやると、パチンと嵌まります。

さて、リューズを一段引き、前後に回して動作確認。

015曜車・日車ともパチンパチンと切りかわればOK。それ以外は動作不良。どこかのかみ合わせが悪いということでやり直し!になってしまいますので、組み上げは慎重に行わなければなりません。
(ちなみに写真2ヶ所の矢印は文字盤の干支足が挿入される穴です)

 

ほんとのことを言えば・・・、僕は2回もやり直しをしました。曜車日車を回す歯車やジャンパーが少しズレてかみ合っていなかったりするんやろうね。ほんまにむずかしい。

SKX009の文字盤を外して、NH36に付けます。

016セイコーのこのクラスの文字盤は干支足をスペーサーの穴に挿入してあるだけのもののようで、ドライバーで文字盤とスペーサーの隙間をこじれば外す(抜き取る?)ことができます。
小さなクランプやネジはないので、簡単ヤネ。

外した文字盤を、NH36に装着します。干支足の位置よりも、文字盤のカレンダー窓と、ムーブメントのリューズ位置の関係を目安にすると簡単にはめ込めます。

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これでほぼ終了。

あとは、針を付けて、ケースに納めるだけ。

完成です。

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最後に、このSKX009。2年位前かな、モディファイしたものなのですが、YouTubeに載せると、「これはSKX009ではない!良さが失われてしまっている!」などボロクソなコメントをもらったものです。
でも、僕は、サファイヤクリスタルの風防、コインエッジベゼル、ベゼルインサートはブルーのセラミック、この仕上がりに大満足しています。もともと大満足のこの時計に、「S」が刻まれたクラウン、ハッキング・ワインディング可能なムーブメントが加わったのですから、自分としてはもうこれ以上は無いわけで、年甲斐も無くウキウキしているこの頃です。
(実は今度、ブレスを、少し軽くて感覚的に安っぽく感じる標準のジュビリーからストラップコードのしっかりしたジュビリーに付け替えてみようと思っています。・・・もっとカッコ良くなるんとちゃうかぁ〜?と、とどまるところはないのかな?)

今回の一連の作業を動画にしています。

興味のある方は観てね。

 

さて、次の段階は壊れたSNK809のケースに新しいSNK809の中身を入れる。これは簡単ですね。入れ替えるだけだから。
そして、その次の段階、余り物で新しい時計を組み上げるのですが、これも作業の核心は(余った)SKX009用の中身をSNK809のケースに入れることです。
この場合、一番に問題になると思われるとリューズと巻き真ですが、ムーブメントが共通なので壊れたSNK809のものをそのまま利用できるので問題なし。だから簡単にできる。と、思って作業していると・・・・あれっ?ちょっとおかしい・・という事態になってしまいました。
このくだりは次回に記します。

HOMEMADE WATCH その後

関係ないけど桜の開花日のはなし

毎年3月のこの頃、日差しに暖かさを感じる頃になると、気になるのが桜の開花日です。
以前も書きましたが、2月1日からの日ごとの平均気温の和が400℃を超えるたら桜が開花するそうです。
そこで気象庁のページから大阪の平均気温の記録をとって、足りない部分は過去の平均値を入れて計算してみると、

sakura_kaika

大阪では3月17日となりました。
ちょっと早過ぎるかな?これでは入学式には葉桜になってしまってるよね。
ちなみに日本気象協会の予想は3月22日です。
早過ぎるというのは2月の気温が例年より高かったからですね。温暖化?異常気象?・・わかりません。
さて、3月17日。当たるかな?

昨日までは良い天気だったので春の桜の話をするにも気分が乗っていたのですが、今日はあいにくの天気で・・・。この辺でサクラの話はやめといて・・・

この場をお借りしてザ・デストロイヤーさんのはなし

そうそう、ザ・デストロイヤーさんが亡くなったとのニュースがありました。
もう40年以上も前の夏のことですが、フェリーに乗って友人2人と北海道へ2週間の車の旅に出ました。
たぶん網走から紋別へ向かう国道で、昼食に立ち寄ったドライブインの芝生の庭にザ・デストロイヤーがいて、大きな体でソフトクリームを食べていたのです。もちろんマスクのまま。
求めたサインにこころよく応えていただき、一緒にソフトクリームを食べて、しばらく伝わらず、かみ合わない会話をしたのを覚えています。
マスクからのぞくほほえみをたたえ本当にやさしそうな目元が今でも印象に残っています。
いいおじさんでした。
旅の途中、エンジントラブルで二日間をつぶしたり、進路指示不履行で反則切符を切られたり、普段はない台風で足止めをくらったり、さんざんなめにもあった旅の中で、最高の思い出をもらいました。
心からご冥福をお祈りします。

また、前振りが長くなってしまいましたが、

パーツを寄せ集めて作った時計のその後

これまで、歩度調整くらい出来ると思っていたのは大間違い。
あれはビギナーズラックやったんか?
ムーブメントをいじるのはやっぱり難しい。

去年の5月にムーブメントを(ミヨタまがいの中国製?)に替えた「寄せ集め自作ウォッチ」のその後です。

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ムーブメント交換時の精度計測のとおり、非常に正確(日差+10〜-5秒位)に動いてはいたのだけれど、ある日偶然気付いたことがある。
腕に着けたまま手首を振ってローターを回すと、ほんの1秒ほど秒針が止まってしまう。すぐに再び動き出すんやけど、強めに時計を振ったり、チョットした衝撃を与えたら、必ず1秒ほど停止してしまうことに気付いてしもた。
理由も、原因も分かりません。
普通に生活してたら、多少激しく腕を振ることもあるので、一日に数秒は止まっているってこと、なんかな?
これに気付いてしまうと、これは気持ち悪い。腕を動かした時反射的に時計に目がいってしまう。あかん、気になる。
ということで、MADE IN JAPANのミヨタムーブメントを新たに購入し、改めて付け替えることにしました。

ついでに、文字盤と針も「見やすさ優先」で見栄えの違ったものにすることに。
仕上がりはこちら。

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「兎に角、見やすさ優先」の目標は達成したかな? なかなかエエね・・。と思っていました。
が、しかし、一日たって時刻を見ると、なんと、40分くらい進んでる。「なんや、これ?」ってなことです。

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確かに「MIYOTA」の彫り物があるし、間違いなくミヨタ製やと思うのですが、よく見直すと、「ANAJUSTED」の文字があるではありませんか。これって、未調整ってことやね。そうか。と納得。・・・いやいや、それにしてもすすみすぎやろ・・!

仕方なく、僕にとってはあの微妙で時間のかかる歩度調整をすることにしたんやけど、スマホアプリのタイムグラファーではまともな計測ができないような状態。

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目処になるものがないので、五里霧中にいじっている内に、たぶんイライラしてたんやろうね、ヒゲゼンマイを壊してしもた。しもたぁ・・・・、と思った時は後の祭り。折角買ったムーブメントはもう動いてはくれません。
(バランスホイール自体はパーツで購入できるので、いつの日かヒマと根気のある時に、バランスホイールの交換に挑戦してみようかな。)と、自分を慰めながら、もとの中華ムーブメントに再交換するはめになってしまいました。

ムーブメント自体をいじるのは難しいね。改めて実感した次第です。
と、時間とお金のかかった顛末の末、現在に至っています。

改めてこの寄せ集め時計を眺めてみて・・思いついたこと。

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インデックスが円形のマーカーの文字盤って、サブマリーナのように回転ベゼルのついたダイバーに多いタイプですが、こうやって普通のケースに入れてもなかなかカッコイイですよね。
もともと良好な視認性が求められるダイバーのために設計された文字盤だろうから、見やすいのは当たり前で、これがなにも飾りのないベゼルの中にあるのだから、なおさら視認性はいいし、ん〜カッコもいいし。
そこで、今度、大好きなセイコーファイブ、細腕にピッタリ小ぶりなSNK80xのケースにSKX00xの中身を入れたらカッコいいんじゃなかろうか?と思っています。
現在準備中。やってみたらまた報告しますね。

ORIENT Ray-Raven ハイドームサファイア装着!

ここ数日寒さが緩んだと思っていたら、昨日・今日はなんやろ?もはや桜の咲く気候ではありませんか。外出するにも上着無しでOKのような。実際昼間に車で外出したら、窓を開けていても心地いいくらいで・・。但し僕は花粉症があるので窓はなかなか開けられないのが残念です。
自転車に乗る時はダウンを着ているのですが、今日はいりません。ほんと、日替わりで何を着たらいいのか分からない変動の大きな気候です。雪に閉ざされる地方の方々には雪崩や落雪が心配です。くれぐれも気を付けてください。

話すことがない時は天気の話、などと言います。今日、話題がないのはさみしいので、チョット別の話題を。
最近見たテレビの番組で、「すき焼き」に関わる関東風・関西風の話題がありました。
割り下を使う関東風、砂糖と醤油だけで割り下を使わない関西風、それぞれのルーツなんかを解説していた番組ですが、その中の大阪での街頭インタビューで、複数の人が「すき焼きは親父が鍋奉行やった」と語っていたことが印象的でした。
僕が子どもの頃、日曜はほぼすき焼きと決まっていました。やはり、親父が作ります。
鍋にザラメはひきませんが、肉を炒めて大量の砂糖をかけ、とろっとしたところで肉を鍋半分に寄せ、タマネギとネギで壁を作ったあと豆腐や糸コンニャクを鍋にきれいにレイアウトして最後に醤油をかける。白菜は使いません。
極めて水分の少ないこってりとした甘いすき焼きの出来上がりです。卵で味を調えないと味が濃すぎて多くは食べられません。
こんなすき焼きを、ほぼ毎週日曜には食べていたのです。
僕は24歳の時、結婚と転勤で東京に出ましたので、それ以降はこのすき焼きとは疎遠になりましたが、親父と兄貴はず〜っとこの習慣を守っていました。そして、ふたりとも狭心症を患いました。
・・・たぶん原因は「こってりすき焼き」やね。

僕は今も同じ方法ですき焼きを作りますが、白菜をたっぷり入れて水分を出して、味控えめに作っています。
番組を見ながら思っていました。健康面から言えば、割り下がいいでしょうね。
でも、すき焼きの最初の一口。旨いよね〜。

すみません。しょうむない話でした。ごめんなさい。

さて、すき鍋を連想すると言えばそんな感じもする黒のダイバー、Ray-Ravenのフラットなミネラルの風防を、CRYSTATIMESのハイドーム型サファイヤクリスタルに交換してみます。
どんな見栄えになるかな?

CRYSTATIMES CT039

直径31mm、エッジ高2.7mm、ドーム高2.3mm、合計の高さ5mmというドームでもハイドーム型です。あきらかにこんもり盛り上がっています。
盛り上がっていますが、ダブルドームなので凸レンズのような見え方はしません。ほとんどの角度でとてもクリアな視界が確保されています。
無反射コーティング、グリーン着色を選択しました。
●CRYSTATIMESのページはこちら
https://crystaltimes.net

rrmod_02

ドームのこと

Ray-Ravenのベゼルは外側から内側に高くなる傾斜がついているタイプです。この傾斜とドームの盛り上がりの傾斜が一致していて、側面から見るととてもいい感じの一体感があります。
昔、クルマのデザインでフラッシュサーフェスというボディとウインドウの段差を極力なくした外観を持つクルマが初めて出た時(確か、いすゞのファーゴやったかな、1BOXのバンの)、その格好良さに驚いたものですが、おなじような感覚になります。
ベゼルから2.3mmも盛り上がっているので、不用意にぶつけたりする可能性はあります。多少注意は必要かもしれません。
ダブルドームなのでほぼどの角度から見ても歪みはありませんし、サファイアクリスタルの優れた透明感は、ミネラルクリスタルから交換してみると明らかに違いがわかります。

グリーンコーティングのこと

rrmod_03

ブルーや無着色も選択肢にはありましたが、グリーンを選択したのは、針とインデックスの蓄光の色がきれいな緑なのでいいかなと思っただけのことです。
実際、正面から光が当たると、エッジ部分に集まった光が風防外周を青緑〜緑に縁取りとてもきれいです。正解だったと思います。また、コーティングが内側だけなので、表から見て、白の反射光は緑を帯びますが、内側の文字盤に緑が邪魔をすることはありません。無反射であることもあって素晴らしくクリアな視界が保たれています。

まとめると

ミネラルクリスタルからサファイアクリスタルに変更する価値は、実際には”やってみなければわからない”程度の差かもしれませんが、硬さや、透明感はやはり優れていると感じます。
ドームにするか、フラットにするか、ドームでもレンズのようなシングルドームか歪みのないダブルドームか、好みは分かれると思いますが、いずれのものを選んでも交換する価値はあると思います。

rrmod_compair
左はドーム高1mm、シングルドームのCT020を装着したマコ。右は今回のドーム高2.3mm、ダブルドームのCT039装着のレイレイブン

今回のRay-Ravenは精悍でまとまりのある時計ですが、どちらかというとスポーティでカジュアルな時計です。
サファイアを装着したから高級感が増した、というような種類の時計ではありません。
実際、交換してみても高級感が増したというような印象はありません。
ただし、格好良さはより増したと確信しています。

ちなみに、一万円前後で買えるセイコーファイブのドレスウォッチなどは、標準の風防をサファイヤに変えると、「高級感」を語ってみたくなるような変化を見せます。高級感の増減の印象は対象の時計次第かもしれません。

最後に、今回の費用は、使わなかったガスケット代を含め6,700円。高いけど、よかったか?わるかったか?と問われたら、迷いなく良かったと答えます。

動画あります!

今回は久しぶりの風防交換作業だったので、改めて交換手順を入れています。ぜひ見て下さい。

P.S.
そうそう、またすき焼きの話やけど、晩ご飯にすき焼きを食べる時は白ご飯が合いますね。で、残った鍋をそのまま冷蔵庫で保管して、翌日の昼、その鍋に冷やご飯を混ぜ込んで温めて、僕らは「すき焼きご飯」と言ってたけど、これが子どもの僕には大のごちそうやったのを覚えてます。
あかん、すき焼きが頭からはなれへん。
今日は早く帰れそうやし、肉買って帰ろかな。

セイコー5 SNKL15、風防交換でさらにランクアップ!

第三章 D.I.Y セイコー5に高級時計定番のサファイヤクリスタルを投入!

楽しみ方 =第三章= は、風防交換。

この時計の良さ・個性を保ったままランクアップするのはここが最終段階かな?
標準のミネラルクリスタル(ハードレックス)の風防を、腕時計高級品には欠かせないサファイヤクリスタルの風防に交換してみます。
(交換方法は過去のブログにありますので参考にして下さい。)

IMGP4913サファイヤクリスタルは”CRYSTALTIMEShttps://crystaltimes.net/ から買った
品番:CT063LD $34.95
低めのダブルドーム、ARコーティング、グリーン着色のサファイヤクリスタルです。
直径:30mm、
厚さ:1.8mm〜0.8mmのドーム状、
エッジ 1mm。

 

交換前と、交換後の比較

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n_IMGP4963

同じような角度で撮っています。上が交換前、下が交換後。
フラットな交換前と、ドーム状の交換後では光の反射が違うのがわかります。全体に反射する交換前に対して交換後の反射光は収束しています。また、此の角度では特によく分かりますが交換後の方が透明感がキリッとメリハリのあるものになっていますね。

普通に見るとそんなに変わらない?

この角度ではどうかな?

IMGP4924

正直、交換前と違いは分かりません。
クリスタルを替えたからと言って、時計自体がひっくり返るほど変貌するわけではないので、こんなものかな?
でも、人間が感じる「雰囲気」っていうのは不思議なものです。
目はそのままの実像を細部まで多くの情報としてとらえますが、人間の脳は、得た多くの情報にふるいをかけて再解釈して「見た目」として理解します。ふるい落とされた情報は「見た目」には反映されていません。
では、ふるい落とされた情報は? 決して消えるものではなく潜在的に「見た目」を補足して「雰囲気」として感じさせるものだと思います。

例えば、素材が悪く雑な造りのものにいくらキレイに見せる装飾をしても、評価としての雰囲気はマイナスに感じるし、
なんの飾りもなくても素材が良くフィニッシュの効いた造りのものなら、評価としての雰囲気はプラス方向を向きます。
低級品と高級品の違いもそんなところにあると思います。

セイコー5はちょうどこの中間(よりチョット下?)にあると思っています。
上へ行こうか下へ行こうか・・たよりなく漂っている状態。そこにバンドでも風防でも、少しでも素材が良く細部までフィニッシュの効いた良い造りのものに替えてやれば、たとえ「見た目」に変わりはなくても、感じる雰囲気は上へ向くしかないですよね。
風防の交換で雰囲気は明らかに向上します。

買ったそのままの状態で使うのも良し・・・ですが、手入れを怠るとすぐに下に行ってしまうのかもしれないので注意が必要です。
下の写真

wp_hilight

SNKL15のベゼルです。ハイライト部分は普段の豊かな光量の中では右の様に見えます。問題ありませんね。
でも、光を変えて詳しく見ると左のようにも見えます。ムラや粗さが少なからず確認出来ます。鏡面にキレがありません。これがSNKL15のケースの実態です。さほど丁寧に磨き上げられていないということです。
「見た目」の状態では、こんな些細なムラの情報はふるいにかけられます。しかし潜在意識下の情報としては持っているので繊細な人はマイナスの「雰囲気」として感じてしまうでしょう。SEIKO-5が決して「高級品と匹敵する」にはならない由縁かもしれません。
ただ、SNKL15の場合、キレイに手入れさえしてやれば、このようなマイナスの情報が「雰囲気」の中に顕在化することは無いくらいのレベルで作り込まれていると感じます。普段手入れさえしてやれば問題はないことです。

“理屈っぽいのう!何ゆうてるかわからへん。要は何が言いたいんや?”
見た目にさほど大きな違いはないけど、ワンランク上の雰囲気は身に纏ったということ。オーラみたいなもんかな? ビデオで確認してね!

細かいことはさておき、結果は上々

さて、上へ行こうか下へ行こうかたよりなく迷っているSNKL15に、背中を押すように高級なサファイヤクリスタルの風防と、上質な革バンドが加わりました。
サファイヤクリスタルのキレのある透明感と、ほのかなグリーン、また反射光を和らげ側面からでもクリアに視認性を高めるダブルドームの形状を持つ風防は、SNKL15の雰囲気を格段にプラス方向に引き上げていると感じます。上々です。

側面からの視認性

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直接の反射光が無い限りキレキレのメリハリの効いた透明感です。

ドームの穏やかな表情

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高さ1mmのドームですが、わずかな曲面が和らいだ雰囲気を醸します。

表情を華やげるほのかなグリーン

IMGP4922
白色のLEDの照明はほんのりグリーンに反射します。

機械式腕時計としては極めて安い7,000円強で買った時計ですが、バンド(約6,000円)、風防(約4,000円)の費用を合わせると、結局17,000円くらいの価値になります。
結果的に僕が今感じている雰囲気的な価値で言えば、30,000円クラスあるいはそれ以上。
100,000円以上の時計と比べても、実際に並べてよく見なければ、雰囲気的には変わるものはありませんし、僕としては丁度いいサイズ感で好ましく思えます。

2段階のランクアップで・・

買ったまま手入れしながらキレイに使う ➡ バンドを替えてランクアップ ➡ 風防まで替えてさらにランクアップ。
ランクアップと書いていますが、実際、段階毎にランクアップを実感できます。
三年くらいかけて、ゆっくりこのステップを踏めば、堪能できるやろうね!
本来の腕時計の楽しみ方とはちょっと違うかもしれないけど、セイコー5だからこそできる、満足感を段階的に与えてくれる腕時計のもう一つの楽しみ方ではあると思います。

セイコー5 SNKL15、バンドを替えて楽しもう!

第二章 D.I.Y セイコー5は革バンドでカッコよく!

楽しみ方 =第二章= は、チープだと言われるメタルバンドを革バンドに替えます。

セイコー5スポーツ以外のセイコー5は種類を問わず標準のメタルバンドやキャンバスストラップを少し上質な革バンドに替えるだけで圧倒的にカッコ良くなります。
今回は4〜6千円クラスの牛革、型押しのバンド、黒・焦げ茶・茶色を試してみようと思います。

革バンドに交換!

交換方法は、下のビデオの後半にあります。板バネ式のメタルバンドの弓カンは結構外しにくいものもあるのでビデオを参考にして下さい。コツは、細めの鋭いバネ棒はずし工具を持つことと、バネ棒の片側を押し込んだら、弓カンを時計の表方向から裏方向にずらして外すことです。方向を間違えると多分はずれません。慣れれば意外と簡単です。

とりあえず、三本の結果は? こんな感じ。

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オイルタンの黒バンド。オールマイティですね。
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アリゲータ型押しの焦げ茶のバンド。ドレスウォッチの定番やね。
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白スティッチの効いたシャークスキン型押し。色はtan。スポーティー。

革バンドも、内側にクッションを挟んで表と裏を縁で縫い合わせたドレッシーなタイプから、縁を断ち切ったような加工や、縫い目の糸色を変えてスティッチを強調したスポーティーなもの、
また、牛革に鰐やシャーク、トカゲ、蛇などの革に模したエンボスを施したものなど多種類あります。
牛革以外の本物の革は希少なので高価になりますが、牛革のエンボスは見栄えも良く比較的安価なので、2・3本持てば一つの時計でいろいろなシチュエーションを楽しむことができます。

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先回、メタルバンドの調整をして、そのままでも充分使えるドレスウォッチだと評価していたSNKL15。
今回は革バンドに交換、これで一気にワンランク上の上品で上質なドレスウォッチに変身したと僕は思っています。
セイコー5を買ったなら、革の替えバンドを最低でも2本持てばセイコー5はその本来のカッコ良さ、本領を存分に発揮してくれるとあらためて実感しています。

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次は、少しハードルは高くなりますが、風防をサファイヤクリスタルに変更します。
標準のミネラルクリスタル(ハードレックス)でも充分なのですが、浅い角度でのボーっとした反射などが、メリハリの効いたスカッとクリアな見栄えになるはずです。
ただのセイコーファイブかぁ・・」とは言わせないレベルにできるかな?

今回のバンドは
HADLEY ROMA / MS-784 Black 18mm
オイルタンレザーの非常に腕に馴染みやすいお薦めの革バンド。
HADLEY ROMA / MS-836 DarkBrown 18mm
ドレスウォッチの定番。アリゲータ型押し・セミグロスのやや光沢ある上品な造りの革バンド。
HADLEY ROMA / MS-906 Tan 18mm
シャークスキン型押し、白スティッチの効いたオシャレな革バンド
どれも、以下で購入できます。ぜひ覗いてみてください。

HRwb

それにしても、大谷君。すごいね。完全無欠、非の打ち所がないとはこういうことか?
僕は、子供の頃、月間の漫画雑誌に連載の野球漫画の発売日が待ち遠しいあのワクワクと期待感に溢れた気持ちで、ネットのニュースと夜のスポーツニュースを楽しみにしています。
いや、今、唯一の楽しみかもしれんね。最近ろくなニュースないもんね。国内も、国際も。
夜のニュースなんか、昼のワイドショーと変わらんくらい、事実よりもなんかようわからん憶測と疑惑と推測コメントばっかり。うんざりやね。殺人や傷害事件から政治、国際ニュースまで、なんか本質忘れたようなズレた違和感があるのは僕だけやろうか?
ほんま、阪神も弱いし。藤波!どおしてんねん?
ま、その中で、大谷君。僕は君に感謝しています。

自分好みの時計、作ってみよう。-その3・その後

作ってみた自分好みの時計の後日談です。

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突然止まってしもた!

3月の初旬に完成した時計ですが、順調に動いて2週間ほど経った時、突然止まってしまいました。
原因はわかりません。なんの前触れもなく突然の停止です。
たぶん、ムーブメントをケースにセットする時に、取り付け固定用にフィットするクランプがなく、暫定的にテープや廃品のプラスチックで無理やりケースに収めてしまったことが、どこかに無理をきたすことになったのかな?
寄せ集めのパーツを組み立てて出来上がった時計がうれしくて、暫定的にと言っているのに常時腕に着けて結構乱暴に扱っていたのがいけなかったのかもしれないと反省。
動かないムーブメントを素人なりに分解してみると、3番歯車4番歯車がぐらついていて、特に4番歯車は「ほぞ」が欠けているようで・・。
しかたなく新しい MIYOTA 8205 を買う羽目に。

買い換えMov. これ、ほんまにミヨタかぁ?

壊れたムーブメントは、eBay : ajia544という販売元から “MIYOTA 8205 Movement automatic watch Mechanical miyota 3o’clock” という商品名ででている ¥3,735で買った物。
今回は同じく eBayですが jindia という販売元から、”MIYOTA 8205 Mechanical Automatic Watch Movement “ という商品名ででているもの、値段は ¥1,848 。半額です

半額だけに、文字盤干支足を固定するビスや、新しいケースに取り付ける際の巻き芯などは付いていません。
また、同じ “MIYOTA 8205” となっていますが、ローター部分にはメーカーや型式などの刻印もなく、他のパーツにもなんの刻印もありませんし、明らかに部品の形状やレイアウトが以前のものと異なります。大きさと取り付け用のネジ穴の位置などは同じですが、まったく違うムーブメントです。(形状の違いは後述の写真を見てね)

大丈夫やろか?・・と、文字盤と針を恐る恐る取り付けてみると、なんと、リューズ2段引きで秒針停止しますし、リューズを回せば手巻きが可能です。また、カレンダーの合わせ方も違うようでリューズ1段引きでリューズを回し続けるのでなく、日付が変わるところまで回し、変わったら少し戻し、また少し回すと次に変わります。
本来のMIYOTA 8205とは全く違うようです。

なんか、違うなぁ〜・・と思いながら、ま、ハッキングも効くし、手巻きも出来るし、動けばいいか・・!

腕時計用クランプ届きました!

今回はきちんと、クランプでケーシングします。

やっぱりデリケートな精密機械のことなので、取り付けはきちんと行わねば、といことで、ケーシング用のクランプとスクリューのセットを買いました。
eBay “bestshop996” から “Watch Movement Repair Adapter Securing Screw&Washer for ETA 2824 2836 284”。MIYOTA用でなくETA用ですが、いろんなサイズが入っているので、なんとかなるやろうと買ったものです。値段は ¥981。

IMGP4786

取り付けの詳細は省略しますが、
まず、
文字盤を固定したムーブメントに金属のクッションを嵌め、ムーブメントに穿たれたケーシング用のネジ穴を利用してクランプでクッションを押さえつけ固定します(赤矢印)。クッションは文字盤の縁とクランプで挟まれ固定されます。
次に、
ケースに挿入。クッションに穿たれたケーシング用ネジ穴位置で、ケース内側(裏蓋のスクリュー溝のちょっと下)に刻まれた溝にクランプの端を差し込んで、ねじ止めすればケースに固定されます(黄矢印)。

IMGP4792

実にしっかり固定できました。
この安もんのムーブメントがいったい何者か不明なのが少し気がかりではありますが、なかなかうまく収めることができたと、結構満足な出来ではあります。
こんな感じ。右は以前の壊れたムーブメント。ね、明らかに違うものだとわかります。

クランプでのケーシングて結構ハードル高いよな・・

因みにムーブメントのケーシングですが・・

SEIKO-5 など、低価格帯の製品はプラスチックのクッションを介してケースに収められています。

7s36
SEIKO-5 の 7S36 ムーブメント周囲の黒部分(黄斜線)がプラスチックのクッション

同じセイコーでも、メカニカルラインになるとクランプで固定されています。

6r15
SEIKO SARB035 の 6R15 黄線部分がケース固定用のクランプ

クランプでネジ止めして固定するのはしっかりしていいのですが、素人が「ちょっと風防や針を変えてみよう」とかモディファイしたい場合にはハードルが少し高く感じます。ホントに小さなネジで止めるので取り扱いには注意が必要です。(今回も、ピンセットで少し強く掴んだネジをはじき飛ばしてしもた。2本も。小さなものやから、飛んでいってしもたら見つけるのは至難の業であります。ムーブメントの中に入り込んでしもたりしたらもう、アカンもんね
その点、プラスチックのクッションなら精密工具も過度の集中力もほとんどいらないし気楽に遊べます。
そう考えると、SEIKO-5 を筆頭に1〜2万円クラスの時計は、
買ったままで楽しむ→ベルトを変えて楽しむ→モディファイして楽しむ、
と3段階の楽しみ方をハードル低く提供してくれるので「自分でいじって楽しめる」貴重な存在だと改めて感じます。

さて、正体不明のムーブメント、今ハマっている歩度調整を行いました。

グラフはありませんが、調整前は rate= +25sec/day beat error= 3msでした。
いつものように根気よく調整した結果、このグラフ。いい感じでしょ。

IMG_1510

後はまた、数日着用してみて経過を観察かな?

 

 

 

自分好みの時計、作ってみよう。-その3-

なんか、最近ニュースを見るのがいやになってきた。前向きで明るく希望を抱かせるようなニュース、無いね。国会審議が進まないほど森友の問題って大きな問題なのかな?相撲もそうやったけど、今回のレスリングのことも、わからんことばっかり、推測ばっかり、未確認ばっかり、本来これってニュースじゃないよね。報道も政治も疑惑と事実を比べたら当然事実の方に重きを置いて議論し対策し報告し実施するのが社会の中での役割やと思う。他に大事な現実・事実としての課題が一杯あるやろうにね。ホンマしんどい。疑惑が事実につながるならいいけど、もしただの根拠の薄い疑惑やったら、だれがこの間の時間的・経済的損失の責任を取るのやろうか?ホンマに嫌。っと、せめて自分の日常だけは明るく、オモロく、楽しく送りたいものやと、仕事と趣味に精を出したいと思います。元気に明るく精一杯生きることが、一介の市井の民としての役割やろうからね。

長くなったけど、ついでに無駄話をもうひとつ。四年前に聞いた話やけど、「桜の開花」時期のこと。もうそろそろでありますが。2月1日からの平均気温の和が「400℃」に達する日に桜が開花するっていう話です。この話を聞いて、2014年に2月1日からの大阪の最高気温と最低気温の中間値を足し算していって、3月24日に392℃。翌25日に408℃。自分の目視ではありますが25日に地元の桜並木で数輪の開花を確認して、「400℃、ホンマやんか・・」と驚いたことがありました。ま、どうでもいい話ですけど・・・。

先回速報の「自分好みの時計を作った」の詳細です。

ロレックス×オメガ×ジン×ジャパンmove?得体不明の腕時計!?

さて、時計の組立の詳細です。

繰り返しになりますが、使ったパーツは以下のとおり。
部品 PARTS
Movement
MIYOTA 8205
eBay : ajia544  ¥ 3,735
Jewels : 21pcs Vibration(/hour)21600 Accuracy(/day): -20~+40sec.
Running time : 42hours
Hands
Aviator Military Sinn Style Broad Arrow Hands
eBay : raffles-time  ¥ 2,346
Case
P707 Parnis Sapphire 40mm Watch Case
width : 40mm / length : 49mm / thickness : 13.8mm band width : 20mm
eBay : qifawatch ¥ 3,912
Dial
31mm black watch Dial fit Miyota
eBay : frank-77_0 ¥ 1,557

and (Movement Casing clamp and Screws) ¥ 934 + ¥424(shipping)

partlist

合計12,484円。セイコー5なら買えるくらいの出費です。ちなみにこれにバンドもいるから、ま、20,000円位の予算が必要です。部品の紹介にもありますが、ケースは「Parnis」という中国製。Parnisは今回と同じミヨタのムーブメントを使って、立派なステンレスのバンドを付けた完成品(ロレックスやオメガのそっくりさん)を定価15,000円位で売っているので、わざわざ組み立てる必要があるのかどうかは、、、実際僕にもわかりません。でも自由にパーツを選択できるし、作業自体も僕は好きなのでエエんやないかな?と思います。
作業中の動画を上げているので、そちらも参照して頂いて、ここでは段階毎の注意点や問題点を書いておきたいと思います。

それではステップ-1 文字盤の干支足を切る

文字盤はミヨタのムーヴメント以外にETAのものなどにも適合する汎用性を持っているので、4本の干支足があります。不必要な干支足を取り除くことが必要です。

干支足切り

ミヨタのムーブメントに必要なのは2カ所。あらかじめダウンロードした図面でハッキリわかりました。図面はとても参考になりました。

miyota_draw_move
miyota_draw

図面はシチズン・ミヨタもホームページからダウンロードできます。
http://miyotamovement.com/

ステップ-2 文字盤をムーブメントに取り付ける

干支足ネジ留め

届いたムーブメントのパッケージには、ムーブメント本体(仮のリューズ付)・プラスチックのクッション・天真・金属のリング・小さなビス2本の6点が入っています。天真はケースに附属するクラウンに付けて使用することや、プラスチックのクッションはケースの規格によって使用できるのやろうか?くらいの想像はつきますし、小さなビスの目的が文字盤の干支足留めであろうことは、以前ラドーをいじった時に干支足がビスで固定されていたので理解できましたが、金属のリングの目的が分かりません。文字盤をムーブメントに干支足を合わせて被せた時に、文字盤がカレンダーに干渉してしまうことがわかって、はじめてここに隙間を作るスペーサーの役目だと気づく始末。万事がそんな調子で、やってみないとわからないことばかり。ホントおもしろい経験です。

リング

とにかく、ムーブメントにリングを付けて、結果出来た穴に干支足を通して文字盤を装着。その後干支足をビスでムーブメントに固定します。

ステップ-3 針を取り付ける

針取り付け

カレンダーこれはいつも紹介している手順での取り付けですが、ムーブメントが今何時を示しているのかが分かりません。分針だけを軽く仮に取り付けて、リューズの時を進める回転方向を確認して、針を外し、見えない針をどんどん進めて、日付が変わるタイミングを探します。
日付が切りかわる瞬間が午前0時0分。この位置で時針・分針を取り付けます。秒針はどのタイミングでもOKですね。

ステップ-4 ムーブメントクッションを取り付ける

組み上げた時計の中身(文字盤・ムーブメント・針)をケースにきっちり収めるためのスペーサーがムーブメントクッション(以下クッション)です。これをキチンと装着しないとケース内で中身が踊ります。装着専用の特殊な留め金(ケーシングクランプ・以下クランプ)とケースおよびクッションに穿たれたねじ穴に合うネジで、クッションと中身を固定し、次ぎにクッションとケースを固定するようです。ところが、今回買ったケースにも、ムーブメントにもクランプとネジは附属しません。そこで、「クランプ・スクリュー」を検索し、それらしいものを買ったのですが、これが失敗。買ったものはどうやらETAムーブメント用のもののようで、ミヨタのムーブメントに刻まれた場所にクランプは大きすぎて入りません。また、ネジもサイズが合いません。クッションの固定には、クランプは使えますが、こちらもネジがサイズ違いで使えません。全くの失敗です。僕の知識不足ではあります。反省を踏まえ、再度ムーブメントやケースの販売を調べてみると、必要な数のクランプ・ネジをセットで販売している業者もあるようです。また、ミヨタ用を売っている業者もあります。(ミヨタのホームページの仕様書にはクランプとネジの型番が示されています)パーツの購入にはこういう附属品にも注意が必要だと痛感しています。

クッション

ま、落ちこんでも仕方ないので、なんとか中身をケースに押し込んでしまいたいと・・!今回、クッションは金属製ですが、プラスチックのクッションを使っている時計はたくさんあります。また、それらはクランプを必要とせず、プラスチックの弾力で各パーツを固定しています。そこで、金属のクッションにセロテープを貼って、その弾力でほぼ固定することはできないかな?ということで試してみると・・・、ムーブメントとクッションの隙間にはテープ1重。クッションとケースの間は3重で、全て結構キッチリはめ込むことができて、水平方向にがたつくことは防げると判明。
適当なクランプとネジを見つけるまでの暫定処置ではありますが、僕の頼りないネジ締め技術よりはこの方がいいかもとも思っています。

クッション02

しかし、よく考えると、水平方向の隙間は埋まったけど、垂直方向には無防備です。このままではケースの中で中身がガタガタ踊ることは必定です。ケース裏蓋のねじ込みの縁から、ケースに収めてクッション表面までの距離はおよそ1mm。つまりガタつく隙間は約1mm。(ケース縁からクッション表面までの距離約2.4mm – ケース裏蓋のネジの高さ約1.4mm = 隙間約1mm)そこで、詰め物を・・・、クッションの形状(外形32mm、内径27mmほど、厚さ1mm)に合ったものは・・・と身の周りを探していると、ありました。薬の空き瓶の蓋の内径がちょうど32mm、その内側のクッションを切り取ればちょうどいいかも・・・。(ホントはホームセンターへ行って、ガスケットの類いを探そうかと思ったのですが、邪魔くさがりの悪い性格で・・)サークルカッターで切り取ると厚さもちょうど1mm、仕上がりは不細工ですが目的は果たせそう。

詰め物

早速ケースに埋め込んで、裏蓋を締めてみると、裏蓋を締めきったケースの厚みは詰め物をしていない正常値と同じ。垂直方向に振ってみても指先にガタツキは感じられず。まず成功と考えていいのかな? いいやろ!

ステップ-5 リューズの寸法合わせ

リューズ

さて、素人の僕が一番緊張すると想像していたリューズの天真の寸法あわせです。実際切りすぎると途方にくれますもんね。しかし避けては通れません。ムーブメントに附属の新しい天真を、ケースに附属のクラウンにねじ込みます。たまに、ムーブメントの巻き上げ方向に合わせて逆ねじになっていることもあるようですが、これは普通です。
これをケースに収めたムーブメントに差し込みます。日付合わせ・時刻合わせの位置でリューズがしっかり機能することを確かめて、通常位置に押し込みます。ここで、ケースの縁と、クラウンの縁の長さを計ります。

ステムカット

リューズを引き抜いて、クラウンを外し、天真のネジ部分を計った長さだけニッパーで切り落とします。天真の切り取りのバリをペーパーでキレイにして、クラウンをしっかりねじ込みます。これでリューズを時計にキチンと装着出来ます。このケースのリューズはねじ込みになっています。リューズ通常位置ではバネで外側に押し出されたリューズを、ネジが噛むまで押し込んで回すと非常になめらかで高級感のある感触でケース縁までねじ込めます。ねじ込みリューズはなんとなく安心感がありますね。
うまく行きました。バンドを付けて完成です。

完成

(完成?中身セロテープとプラスチックの廃材で?・・完成?てか?)と言われそうですが、ハイ、僕なりに完成です。残された課題、クランプなんかは今後の改善点ということで。

完成です!

針と文字盤は蓄光が施されています。針はグリーン、文字盤はブルー発光ですが、文字盤のブルーは弱く役に立つのは数十秒です。針は秒針まで結構長く光ります。

ルミ

いろんなバンドを付けてみました。メタル、NATO、革・・・

ステンブレスnato

どれもいいけど、最終的にこれが一番似合うと付けたバンド。

HDMS

ハドリーローマMS-836、ブラウン・セミグロスのクロコダイル型押しカーフバンド。Dバックルを付けていますが、私見、文句なく似合います。

HRwb 01_IMGP3180

身につけて3週間ですが、精度はムーブメント仕様書に書かれた限界、+30秒/日、くらいです。結構進む。感覚的には進みすぎ。これはもう歩度調整やるしかないのかな?(やったことないけど・・)自動巻きの振り子に回転方向の矢印が付いているので、一方向のみ巻き上げが効く方式でしょうが、効率はいいようです。ほとんど腕を動かさないデスクワークでも、止まったことはありません。少し時計を振るとキュルキュルと振り子が廻る音がずいぶん長く続きます。ミヨタ8205は機械式ミヨタの中で一番安いものだと思いますが、現時点ではセイコーの7S26同様にとても出来のいいムーブメントだと感じています。

最後に思ったこと。

前にも書きましたが、同じくらいかもっと安い費用で中国メーカーの今回仕様同様の完成品が買えます。でも、パーツを自分で選ぶことで完成品にはない時計が出来上がりますし、自分の好みで選ぶ訳だから当然好みに合います。また、組み上げる作業も好きな人なら何よりの楽しみだろうし、しっかり出来上がったらこれはもう愛着を持つしかないですよね。僕はこれでまた一つ楽しみが増えたと喜んでいます。
しかし、痛切に感じるのは目の衰えと手先指先の器用さの衰えやね。ほんまに歳はとりたくないね。今欲しいのは使い勝手がよくて品質のいいルーペまたはキズ見。小さなものの固定台。それからなによりとびきり品質のいい精密ドライバーと消磁のピンセット。前のラドーいじりの時もそうやったけど、今回のクランプや干支足留めのネジの小ささは半端や無いもんね。時計屋さんは偉い!と思う。こんな小さなもの扱うんやから。これでもいろいろ調べて買ったつもりの精密ドライバーやけど、これらの小さなネジの溝にきっちりと先端が食い込むドライバーにあたったことがない。いつも先端を少し研いでやらないと食い込まないし、きれいに研げたかどうかも正直わからない。クッションにテープを巻く段で書いてたけど、自分のネジ締め技術がないというのはこのこと。とにかく、しっかり小さなネジを締めきれる道具とよく見えるレンズがほしいな〜、と思っています。

自分好みの時計、作ってみよう。-その2-

オリンピックも気づけばもう明後日閉会。始まってしまうと2週間もあっという間ですね。
それにしても女子選手の活躍には目を見張るものがありますね。(よかったな!小平!ようがんばった。)
正直、冬季オリンピックで日本選手がこんなに活躍することなんか子供の頃には叶わないことやと思っていた。今は本当に誇りに思います。残り3日、まだまだ期待しています。

さて、先回の続きです。

腕時計、組み上げました!

先月末に注文していた部品(ケース・ムーブメント・ハンド・ダイヤル/詳細は前回のブログを見てね)が、今月15日には揃い、内容をチェックしていたのですが、ムーブメントをケースのクッションに固定する留め金(クランプとネジ)がなかったり、ミヨタのムーブメントは干支足2本のはずなのにダイヤルの干支足が4本あって訳がわからなかったり・・・。いろいろあったのですが、素人なりに不細工な技でカバーして(できたかどうかわからないけど・・)。空いた時間に作業をすすめ、一応の完成をみました。
こんな感じ。

IMGP4655

丸一日半経過しますが正確に順調に動いています。
思いの外ゴツい印象があって、当初予想していた印象とは若干違うのですが、自分で組み上げたということで愛着も湧くかな?
こうやって見てみるとジャンルも国籍もなんかわからん感じではありますが、視認性だけは抜群です。

IMGP4657

作業の詳細は次回以降に詳しく・・・。

組み上げの、簡単なようで難しく難しいようで簡単な詳細は後日詳しく書き置くつもりです。
まずは自慢したくて速報まで・・。