オリエント・MAKO(SAA02001B3) 41mmケース、人気のダイバー入門編!

人気のベーシックダイバー、セイコーSKX007と人気で並ぶオリエント版!
ハドリーローマのバンドとサファイヤクリスタルARコートを装着!

例年に比べ気を持たせた桜も一気に花を開き、桜八分咲きのもとという絵に描いたような小学校の入学式も終え、さて花見と思ったらあいにくの雨天。タイミングの難しい花やね、桜は。
久しぶりに前から気になっていたベーシックなダイバーがセールにかかっていたので買ってみた。オリエントMAKO。評判通りなかなかのものでした。

感想まとめ

● 強い押し出しのない控えめで伝統的なダイバーデザインが好ましい。
● 大きすぎず小さすぎず、スポーツウォッチとしてならちょうどいい大きさ・厚さ。
● オンタイムでも違和感なく、200m防水のガンガン使える常用時計って感じかな。

【プラス面】
ダイバーとしては控えめなデザインで常用に使える多様性。
この価格帯で手巻き・秒針停止ができ、常用に十分な精度を持つムーブメント。
入念にフィニッシュされたきれいなケースと良好な視認性。

【マイナス面】
文字盤の黒のつや消しが、時にガラスが曇ったような印象を与える。
上記に加えミネラルクリスタルの風防が安っぽい。(透明感かな?)
好みによるが秒針先の差し色の赤が「朱」であって少々きつすぎる。

MakoScale

【スペック(寸法は実測)】
a:47mm / b:41mm / c:31.5mm / d:— / e:45mm / f:約2mm* / g:6mm / 厚さ:13mm
バネ棒込み本体のみ重量 :82g(*ベルト含まず)
写真の手首幅 : 55mm
*d はインナーベゼルを除いた文字盤の直径 *f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :F6922
●ケース :ステンレス、
側面=2次元曲面、ラグ上面=つや消し、側面=グロス、ベゼルエッジ=グロス
●風防 :ミネラルクリスタル(フラット)
●防水 :200m / ●リューズ :ねじ込み / ●裏蓋 :ねじ込み
●カレンダー :3時位置DAY/DATE
●蓄光 :略字・時・分針と秒針マーカー
●ダイアル色 :ブラックつや消し
●ベゼル :逆回転防止、色=ブブラック、120クリック
●ベルト :ステンレス、ダブルロック付き三つ折れクラスプ、バンド調整=ピン式、バンド幅=22mm(ダイバーエクステンションはありません)

細腕でも違和感のない41mmケース。素の状態から、いくつか改善?

通販で腕時計を買った時って、「実際どんなんやろ?」といつもワクワクします。
これも、アマゾンで17,800円で買った逆輸入品。腕時計としたらとても安いものなので少し心配もあるんだけれど、売っている米国なんかの評判を見るとセイコーのSKX同様ダイバー入門編として大変人気がある。ということはSKXの仕上がりは007や009で知っているので品質的にはたぶん大丈夫だろう、それにオリエントは国内生産って聞いてるし・・・
などなどいろいろ思いながらの開封です。

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さて、実物を見ると・・

一番に思ったのは大きさ。ちょうどいいんです。何度も言っていますが僕は周囲17cmの細腕。細腕のくせにダイバーが好きなんですが、本来ダイバーなどの大きく押し出しの強い時計では選択肢が狭まります。42mmまではOKと思っているのですが、この時計は41mmで、しかもベゼルがベベル状の形態なので張り出しがなく一回り小さな印象を与えてくれています。
次に、比較的おとなしい文字盤と針。インデックスもプリントではなくちゃんと貼り付けられています。これなら十分に仕事でも違和感なく使えます。
また、オリエントのこのクラスのムーブメントも進化して、今はほとんど手巻き・秒針停止ができるので便利ですね。
ステンレスベルトはダブルロックの三つ折れ。コマ部分はたぶん無垢に見せかけた巧妙な巻き板(じゃないかな?と、その音から思う)。カンも無垢でなく板を加工したもの。でも、見た目には充分なもので、シャラシャラ音以外は特に問題はありません。
竜頭の頭にもオリエントらしくロゴが加工されています。刻印とは言えない加工ですし高級感もあるとは言えませんが、このクラスでは珍しいかな。

っと、いいことばかりでもなく、

冒頭にも書きましたが、文字盤のベースの黒。つや消しなのですが、光の当たり具合でグレーに見える部分が、あたかもガラスが曇っているように見えるのです。最初、ガラスの曇りだと思って拭いてみたのですが効果なし。
実際、つや消しの加工がいけないのか、ガラスが悪いのか、あるいは双方の相性が悪いのか、分かりません。
また、ベゼルの黒も同じくつや消しなのですが、中途半端かな?という印象です。
微妙なことなのですが、気になります。フェイスの印象はなにより大切なものですからね。
僕はスカッとクリアなフェイスが好きです。(・・誰でもか・・)
この印象を改善したく、ガラスを交換してみることに。

いつものように風防をサファイヤに!
ベルトも交換。ワニ皮みたいなHadleyRoma-MS910。

選んだのはサファイヤクリスタルARコーティング、着色ブルー。ドームですが、今回はシングルドーム(要するに凸レンズやね!老眼には最適?)を試してみることに。
いつものように Crystaltimes.netさんから。$34.95。(高いね。)
結果は、写真を見て頂ければわかりますが、ARコーティングで反射も透明感を損なわず、シングルドームでコーティングされたブルーが際立つこともあって、曇っているように見える現象はなくスカッとクリアになりました。一気に高級感が増したと思います。
加えて、ベゼルのつや消し塗装を、軽く軽く番手の大きな仕上げ用のペーパーと磨きクロスで、文字を痛めないように軽く軽く軽く磨いてみると、ほんの若干光沢を増し、これも僅かなことなのですがサファイヤの風防と共にさらにいい感じになりました。

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ベルトはHadleyRoma-MS910。ブラウンのアリゲータグレイン。ダイバーウォッチの存在感(控えめでも)をもつこの時計に負けない厚めのストレートタイプ。
これでスーツでも、カジュアルでも万全になったんじゃないかなと。(ご満悦じゃね)
*この22mmサイズのベルト、「WatchStrap Selection」で売ってます。ぜひご参照を!

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動画はこちら!

最後に

買って良かったと思える時計です。実売は18,000円前後。決して値段には見えないコストパフォーマンスの高い時計だと思います。
セイコーSKX007や009と比べると華やかさや存在感の強さ、また個性では負けると思いますが、生活のどのようなシーンにも違和感なく使えそうな、強烈な個性のなさこそがこの時計の魅力なのではないかと思います。
僕らの世代は、オリエントって言ったら結構「安物」とか「変わり者」ってイメージがあるのですが、間違いだったと反省しています。
この時計はベーシックラインに近いけれど、同じくオリエント・バンビーノ同様、安くても信頼性が高く、より良い品質の機械式腕時計をつくろうという真摯な姿勢が感じられる時計だと思います。
ただ日本で買えるオリエントのベーシックな機械式ダイバーはMフォース。僕には大きく厚く重く派手な時計。パワーリザーブインジケータはなくてもいいから海外で売られているこんなオーソドックスな商品が日本で正規に流通していないのが実に残念です。
僕は少し部品を変えましたが、素のままでも水を気にせずガンガン使える常用時計の魅力は十分です。
大きさもちょうどいいしね。

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風防のブルーがきれいでしょ!

SEIKO SARB065 cocktailtime

Around¥50, 40mm弱、最良のクラシックタイプウォッチ

バーテンダー石垣忍氏とのコラボレーションモデル。カクテルからイメージされたとか。
僕はカクテルはよく知らないのですが、この時計をはめてちょっとおしゃれなスーツ姿で頭の先から足の先までパリッときめて、スローテンポのジャズが静かに流れるバーにでも行きたくなる、そんな気分にさせる雰囲気を持っています。

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スペックから

Basic RGB

【スペック(寸法は実測)】
a:47.5mm / b:39.6mm / c:d:36.5mm / e:43.5mm / f:約1.8mm* / g:5.5mm / 厚さ:13mm
バネ棒込み本体のみ重量 :62g(*ベルト含まず)
写真の手首幅 : 55mm
*f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :cal.6R15C
●ケース :ステンレス、側面=二次元曲面、側面=つや消し、上面・ベゼル=グロス
●風防 :ミネラルガラス(ボックス型カーブ)
●防水 :5気圧 / ●裏蓋 :ねじ込み式シースルー
●カレンダー :3時位置DATE
●ダイアル色 :薄く青味のある白(パール)
●ベルト :牛革(黒に青ステッチ・Dバックル)、ベルト幅=20mm
●手巻き機能・秒針停止機能

最初にちょっと文句を言わせてね。腕の細い人は要注意!!

対象はベルトです。ついているベルトは黒の光沢のあるブルーステッチのベルトで、尾錠はDバックルになっています。

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ベルトもDバックルもとても品質のいいものなのですが、Dバックルをつけることが前提になった設計になっているので、尾錠のつく短いベルトは通常より短く、穴が打たれた長いベルトは通常より長くなっています。しかも、全体的に長い。
このブログでDバックルをつける時の注意を書いたことがありましたが、そもそもDバックルをつけると通常の尾錠より全長は長くなります。それなのにベルトも長い。どれほど太い手首を想定しているのかわからないけど、手首が170mmほどの僕の手首には長すぎて新たにベルト穴を穿たなくてはなりません。しかも、長い方のベルトがより長く設定されているので、ベルトの余りが長すぎて非常に格好悪い結果になっていまします。
また、Dバックルはきつく締めることができないので、革の硬さが馴染むまではその硬さが腕を締め付け浮き上がり、とても不細工かつ不快で、おしゃれどころではありません。
長すぎるベルトを少しでも緩和しようと通常の尾錠に交換してみましたが、尾錠側のベルトが通常より短いので、装着時尾錠が腕の外側に偏り、最悪の装着感になります。
この時計の雰囲気にぴったりの色合いを持つだけに、残念でしかたありません。
手首周りが175mm以下の人は、ベルトの交換が必須だと断言できます。

文句はここまで、本題にもどるよ。

以上の訳でベルトは光沢のあるリザード状アイシングブラウンのTAIKONAUT-008RCに変えました。(ハイ!ピッタリです)

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時計自体は素晴らしいと思います。クラシックなドーム型の風貌、オニオンのリューズ、光の反射を極めてうまく利用し、巧妙にカットされた時分針とくさび形の略字、このカットのおかげで真っ暗闇でない限り良好な視認性を確保しています。
綺麗に磨き上げられた大きすぎない40mm弱のケース、角度も長さも非常にバランスの取れたラグ。このラグの長さと角度のおかげで13mm強という若干厚めの厚さも気になりません。
そして、なによりこの時計の個性を表しているサンバースト状に加工されたほのかな青の文字盤と細いブルーの秒針。明るく正面から見ると白またはパールに見えますが、若干傾けるとほのかな青が放射線状・扇形に広がります。ほのかな青とパールの空間を繊細なブルーの秒針がなめらかに移動します。
本当に、いつまで眺めても飽きない美しさがあります。
通販サイトなどではこのダイヤルの色はわかりません。ただブルーダイヤルと書かれているものもあります。「ブルーはどうかなぁ?」と二の足を踏む人もいるのではないかと思いますが心配はいりません。抑制の効いた本当に上品なダイヤルです。
どれをとっても文句はありません。

ビジネスマンの日常には、オンでもアフター5のオフでも最適なんではないでしょうか。間違いなく周りから好感を持って見られる時計だと思います。
ただし、ジーパンはいてトレーナー着て遊びに行くようなシチュエーションには向かないと思います。

ムーブメントはこのクラスのセイコーメカニカルの定番 6R15。精度はメーカー値日差+25秒~-15秒、パワーリザーブ50時間。
実際通常の使用環境では日差はもっと縮まります。量産品のムーブメントですが信頼性・耐久性と精度は優れたものなので安心です。
防水も日常十分な5気圧、突然の雨や、洗面でも気遣う必要はありません。
僕が持っている同じムーブメントの他の時計は、デスクワークの多い環境でも日差±10秒くらいでリューズを巻かなくても動き続けます。
自動の巻き上げ効率がいい証拠です。信頼性は高いと思っています。

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美しさって、個人個人違うものだから僕が感じるこの時計の美しさは100%他人も同じように感じるとは思いません。でも、おそらく80%以上の人は美しいと感じるのではないかと思います。
奇抜なところがなく、極めてオーソドックスで、その構成要素だけを高いレベルで製造しまとめあげたものであるからです。

国産の腕時計をヨーロッパの高級品と比べることは多いですが、これは比べる必要はないと感じます。
また、コストパフォーマンスをはかることも必要ありません。コストパフォーマンスが極めて高いことは明白です。メーカー希望 55,000円。この値段でヨーロッパの量産高級機を手に入れた満足感と同等かそれ以上の満足感を得られると思うからです。
唯一無二、この時計はいい、と思います。

写真が少ないので動画も見てね↓

今度は、SEIKO SSB025×SSB031 のダイヤル入れ替え!? MODIFY 計画 その2

黒と白、入れ替えたらカッコいい!?

以前にやってみようと予想図まで作っていた SSB031とSSB025 のダイヤルを入れ替えてみた。

海外版セイコーの実売10〜20千円クラスのクォーツクロノグラフは、オートマチックのセイコー5同様手頃な価格で機能も見た目も十分楽しめるいい製品が多いと思っています。確かに50千円以上のクラスと比べると特にベルトなんか安っぽく見劣りするものですし、クオーツクロノグラフはなんとなく感じる全体的なオモチャっぽさも否めません。でも十分に許容範囲というか、これで十分というか、普段つけていても恥ずかしくないレベルではあるのですが。
そこで、少しいじればオモチャっぽさや、安っぽさを少しでも改良できるのではないかな?っと思ったのが今回の試みです。

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選んだのは、セイコーSSB025とSSB031。色違いの同型の時計です。どちらも実売10〜15千円くらい。
ムーブメントは 6T63。センタークロノグラフ。
通常秒針位置は1/5秒刻みでスムーズに動き、
9時位置にある60分間積算計で60分までの時間を測定できます。
4時40分位置にデイトカレンダーがつき、3時位置には24時間表示計、6時位置にはスモールセコンドが通常の秒を刻みます。
インデックスと時分針には夜光が施され、防水は10気圧。
ケースはリューズ・リューズガードを含まず40.5mm。ラグからラグの全長は47.5mm。
ラグ幅(ベルト幅)は20mm。(アマゾンの仕様には18mmと表示されていますが、20mmです)

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特筆すべきは、このムーブメント6T63。セイコーも含めクオーツのクロノグラフの多くは計測終了後リセットボタンを押すと、計測針はモーターで回したようにスーーっと0位置に戻りますが、6T63 は機械式のクロノグラフのように”パチン!”と一瞬で0位置に戻ります。ボタンを押し込むクリック感も節度のある好感の持てる設定です。
セイコーの同クラスのムーブメント 7T92 と比べると計測機能では劣るようですが、機械式のような動き、これがかっこいい。
実はこれがこの時計が欲しかった大きな理由の一つです。

さて、ともかく、これがオリジナルの姿。
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どちらもかっこいいといえばカッコイイ。大きさも大きすぎないし、視認性もいい。
でも、よく眺めていると、黒のSSB031はどことなくオモチャっぽく、白のSSB025は差し色の水色の影響もあって白物家電みたい。
少々見栄を張りたくなるようなフォーマルな場には違和感を感じます。
僕の感想ですが、違和感の大きな原因は、(両機に共通することは)チャプターリングの質感だと思っています。
このクラスの時計にありがちではありますが、いかにもプラスチック然とした質感(特に白のSSB025に顕著)がいただけません。
黒ダイヤルにプラスチックの黒、白ダイヤルにプラスチックの白。よけいにプラスチック感を強調する結果になっていると思うのです。
白のSSB025の三つのインダイヤルを縁取るシルバーの帯もないほうがいい、白のままでいいと僕は思います。光り方が安っぽく感じます。
値段を考えると、とてもいい買い物だと思うだけに、わざわざ安っぽさの演出は不要だと思います。
白と黒、どちらにしようかと考えている人がいるなら、僕は黒をすすめます。

そこで、予定どおりダイヤルを入れ替えてみよう!

結果はこんな感じ
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ダイヤルを入れ替え、ベルトを替えました。
あくまで、僕の感想ですが、こっちのほうがかっこいいし安っぽさやオモチャっぽさも緩和されていると自賛しています。
特に黒のケースに入れた白ダイヤル、白のチャプターリングが黒になっただけでとてもいい印象になったと感じます。
黒ダイヤルも周りがシルバーと白になったおかげでより引き締まり一回り小さくバランスのとれた見栄えに変わり、シルバーのタキメーターもより存在感が出ました。
(目標の第一段階は達成したかな? 第二段階はチャプターリングだけを取り替えて比べてみたいと思っています)

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動画も見てね!

参考までに、交換の手順

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スクリュー式の裏蓋を専用の工具で外し、写真赤矢印位置の「オシドリ」をピンか針で押し込みながらリューズを引くとリューズを抜くことができます。あとはムーブメントを慎重にケースから外します。
両機外したムーブメントを入れ替えて、これも慎重にリューズをもどし、裏蓋をしっかりとねじ込みます。
ね、以外と簡単。注意は外した針付きのムーブメントの取り扱いとリューズの抜き差しだけ。

最後に感想

ssb031_025_05いつも言ってることやけど、もう少しケースが小さくてもええんやないかと。40.5mmやけど、39mm強にして、チャプターリングの幅を細くするか内径を少し小さくするかすれば、視覚的なバランスにもっと締まりが出て、高級感が出ると思うんやけど、どうかな、セイコーさん、細腕族のために作ってくれへんかなぁ。
さておき、この両機、本質的には少々オモチャっぽさはあるものの、パッと見、見栄えもええし、はるかに高級な機械式のクロノグラフのような動きも魅力的やし、購入を考えている人にはいい買い物だと思います。
(ただし、海外生産なので、運が悪ければクロノ秒針がずれていたり、ダイヤルに埃が入っていたり、ケースのラグとラグの間の磨きが悪かったり・・潔癖さは求めない覚悟はいるけどね)

シンプルなバウハウスデザイン、役に立つドレスウォッチ Orient BambinoSER2400KA0

オリエントバンビーノSER2400KA0の紹介です。
クラシックなイメージのSAC00008W0に続き二つ目。こんどはバウハウス的デザインでグレーダイヤルのバンビーノ。
ピンクゴールドのインデックスを持つSAC00008W0(以前の記事)とグレーのダイヤルのSER2400KA0。どちらもシリーズの中ではちょっと変わり者ですが、どちらもきれいな時計です。

スペックから

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【スペック(寸法は実測)】
a:46.5mm / b:40.5mm / c:d:36.2mm / e:43.2mm / f:約2.5mm* / g:2.2mm / 厚さ:12mm
バネ棒込み本体のみ重量 :53g(*ベルト含まず)
写真の手首幅 : 55mm
*f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :cal.Orient F6724
●ケース :ステンレス、側面=二次元曲面、側面=つや消し、上面・ベゼル=グロス
●風防 :ミネラルガラス(ボックス型カーブ)
●防水 :3気圧 / ●裏蓋 :ねじ込み式
●カレンダー :3時位置DATE
●ダイアル色 :グレー
●ベルト :牛革型押し(黒)、ベルト幅=21mm
●手巻き機能・秒針停止機能なし

最大の売りはデザイン?少し大きすぎる?

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典型的バウハウスデザイン、とてもシンプルなインデックスと湾曲した文字盤、ボックス型の風防、文字盤の湾曲にに沿って先端がカーブ分針・秒針。昔はこういうデザインが多かったと思いますが、最近では珍しいクラシカルでとても上品なデザインです。

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この機種の文字盤はグレー。他に黒・白・青が選べるようですが、僕はこのグレーがとても気に入っています。
惜しむらくは大きさです。幅40.5mm。ケース幅いっぱいまで文字盤が占めるこの手のデザインで40.5mmは大きいと感じます。特に一般的日本人の腕なら38mm以下にして欲しかったと切に思います。海外向けの製品だからかもしれませんが、デザインが共通するドイツのユンハンス・マックスビル、米国のハミルトン・イントラマティックなんかでも38mmが採用されています。欧米でもこの手のデザインでは大きさを控えるようなのに返す返す残念です。
また、ベルトの幅も大きなケースに対しバランスをとったのか、ラグ幅は21mm。奇数幅の替えベルトって選択肢が少ないですよね。(ただ、20mmの替えベルトをつけてもさほど違和感はありません)

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また、後述しますが、全体のデザインに対して針が短かすぎると感じます。ケースを小さくすることでこの点もバランスよく解決すると思うのですが・・・。
救いは40.5mmという微妙なサイズ。大きすぎるという実感はあるけれど、ぎりぎりの許容範囲。これが41mmを超えるとダメ!というところです。

秒針停止・手巻機能はないけれど、信頼に足る精度

仕上げもよく、精度の良い機械式自動巻。価格を考えればコストパフォーマンスはかなり高いと思います。
特に驚いたのは精度のよいことです。正確には記録を取っていませんが、感覚的には日差5秒以内。一週間ほとんど修正なしで過ごせます。これはSAC00008W0も同様で、この価格帯でもオリエントのムーブメントは非常に優秀だと感じます。

欠点は?

大きすぎるというのは僕の細腕にも原因があるので欠点とは言えないでしょう。それを除いて最大の欠点は、針の形です。グレーのダイヤルに銀色に光る平坦なバー型の時分針。しかも短い。よほど光線の環境の良いところ以外では時刻が読めません。これは最大の欠点。

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いくらデザイン優先のドレスウォッチだと言っても一瞥で時刻が読める視認性は基本だと思います。
平坦な形の針は、一方向からの光しか反射しません。視点と針の対象角の延長上に光源がなければ銀色の平坦な針はただの灰色で文字盤と同化してしまします。
特に光源が限られている室内ではほとんどの場合一瞥で時刻が読めません。
また短い針も全体のデザインをよさを削いでいると感じます。少し針が細くなっても、時・分・秒針ともあと1〜2mm長ければとても高級感が増すと思っています。せっかく針先を文字盤の湾曲に沿って曲げるような細工までしているのだから、もう少し長い針が欲しいと思うのです。

非常にレベルの高い機械式エントリーウォッチ

いろいろ自分好みの欠点なんかも書きましたが、総括すると大変コストパフォーマンスの高い時計だということは明らかです。
正真正銘日本製の海外向け商品。ネットでは11千円くらい〜25千円くらいで売られています。
仕事にも、レジャーにも、冠婚葬祭にも、どんな場所でも違和感のないオシャレで嫌味のないシンプルなバウハウス的デザイン。シックな色合いの文字盤。よく磨かれた薄いケース。どれをとってもとても高いレベルでまとまっていると思います。
ただし、防水は3気圧ですから、水場でのレジャーや仕事、ハードな使い方にはには向かないでしょう。
以前記事にした兄弟のSAC00008W0は、自分では使い場所を選ぶ時計だと感じましたが、このSER2400KA0は使い場所を選ばない時計だと思います。つまりは役に立つ時計です。
機械式のエントリーモデルというだけでなく、もう一本おしゃれな時計を、と思っている人にはオススメできます。
ただし、少し大きいよ。

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動画は以下で↓

オールマイティ・SEIKO Mechanical SARB033

やっぱりいいね!セイコーメカニカル

以前に記事にしている SARB035 と同型の黒ダイヤルです。
白(オフホワイト)ダイヤルの SARB035 は、一見地味な目立たない極普通のドレスウォッチ(またはビジネスウォチ)と思われがちですが、なんのなんの、ベルトを替えるだけでビジネスからカジュアルまでなんでもこなせる優等生でした。(以前の記事を参照してね→ SARB035 最高のコスパ! ドレスウォッチの決定版!(Under ¥50k) )
今回は同型の黒ダイヤル、SARB033 です。

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38.4mm×44.5mmの今では少し小柄なサイズに、邪魔にならない11.2mmの厚さ。このサイズが僕の腕にはちょうどいいのです。(なんども書いてますが僕の細腕は幅55mm、周囲170mm強です)
それに加えて、エレガントでスポーティな引き締まった黒ダイヤル。もうなにも言うことはない、やっぱり優等生です。

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スペック

SARB035 に記事にスペックがなかったので紹介しておきます。
いつもの図面は省略させてね。
●Dial window : Sapphire crystal
●Display Type : Analog
●Case material : Stainless Steel
●Case width : 38.4mm
●Case length (Lug to Lug) : 44.5mm
●Case Thickness : 11.2mm
●Dial color : Black
●Calendar : date
●Special features : Luminous
●Movement : Automatic cal.6R15
●Water resistant : 10 BAR

●Clasp : Buckle
●Band Material : Stainless Steel
●Band width : 20mm

改めて、最高のコスパ

安くても世界的に定評のあるセイコーのインハウスムーブメント・6R15。23石、21,600振動ではありますが、さすが国産スムーズに時を刻みます。精度も日差±10秒前後、日常使用に問題はありません。6R15は他にいくつか使用していますが、荒っぽい扱いが多い自分でも非常に信頼性の高いムーブメントだと感じています。

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このムーブメントに、とてもフィニッシュの効いた手を抜かない磨きが美しいケース、見やすいインデックス、その略字の先端まで届く分針、略字の内側をピタリと指す時針、この太いドルフィン型の時分針とは対照的なとても細く長い秒針。とてもメリハリのある、引き締まったいいデザインのダイヤル。風防もサファイヤクリスタル。
この価格帯で、これも磨きの効いた無垢のステンレスベルト。
ホント、ETAのムーブメントを載せた20万前後のスイス製時計と比べても絶対遜色ないと断言できます。
メーカー希望45,000円。実利を重んじる人には絶対のコストパフォーマンスだと思います。

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ベルトを替えてみよう!

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付属のステンレスベルトはなんの問題もない良いものだと思います。このままでもいいのですが、これからの秋冬にはやっぱり温もり感のある革ベルトがいいですね。

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で、秋冬に向けて、ストラップチェンジです。写真はカシスのベルト、マウイ・ダークブラウン。編み込みの革ベルトが欲しくて買ったのですが、ネットの写真ではわからないタマムシのような輝きのある代物でした。タマムシには好き嫌いがあると思いますが、ま、これはこれで、ドレッシー且つカジュアルでもいけそうないい感じです。なにより、非常にフィット感のいいベルトで、結構厚みもあるのにカーフのベルト特有の硬さがありません。適度にフィットするいい感じです。
ベルトの話はここまでにして、SARB033につけてみると、ステンレスベルトとはガラッと雰囲気が変わります。
なんか、うれしいね。どっか行きたなるね。
つけたところをコメントしようと思ったけど、あんまりピタッときてしまったのでコメントはありません。
これも時計の素材自体がエエからやろね。
たぶん、どんな色の革ベルトでもピタッときます。色は好みと服装次第で!

視認性のいいダイヤル

先にも書きましたが、各パーツの完璧な配置と、見やすい単純な略字に、太いドルフィン針、しかも、針のセンターを峰にトラス状に立体成型されているので、ルミがなくても、少しの光さえあれば時計の角度次第でキラッと光り時間を読み間違えることはありません。
もちろん、黒ダイヤルに白の針などで、視認性を高めている機種もありますが、「明るい」「薄暗い」「暗い」様々な環境での総合的な視認性ではベストだと思います。
老眼の進んだ自分には、特にうれしい視認性です。

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もちろん、定評のあるセイコーの夜光、ルミブライトも施されているので、全くの暗闇に紛れ込んでも2・30分、じっと目をこらせるか、わざと目をそらすと一瞬時刻が読める状態が数時間続きます。
暗闇の中、懐中電灯で20秒ほどダイヤルに光を蓄えて懐中電灯を消すと、感動的なくらい明るく美しく光ります。

動画はこちらで!

最後に

日本に生まれてよかった。こんないい時計が、Under$500 実売30千円ちょいでで買えるのだから。
先に”ETAのムーブメントを載せた20万前後のスイス製時計”と比べてって言ったけど、心からそう思います。
欧米人が ”ベイビーグランドセイコー” ってよく言うセイコーのメカニカルシリーズ。
特にSARB033と035、どんなシチュエーションでも役に立ってくれるオールマイティな日常時計の最右翼です。
僕は大好きです。まさに日本の良心やね!

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オリエント・SAC00008W0 / Bambino

クラシック感満載・雰囲気のあるドレスウォッチ

海外で人気のあるオリエントの機械式腕時計。日本では正規販売されていません。
この時計は逆輸入で15,800円。機械式腕時計としては最も安い価格帯のものですが、自動巻でDATEカレンダー付き、手巻き機能や秒針停止機能も付いて、仕上げもしっかりとした日本製です。
オリエントは日本では少々マニアックな感じで受け止められることが多いですが、海外では機械式時計のエントリーモデルとして非常に高い人気があるようです。1901年創業、1934年には腕時計製造を始めた歴史ある企業です。今はセイコーの傘下で、最近セイコーの事業再編でセイコーエプソンに吸収されるようです。会社は吸収されてもオリエントのブランドは継続されるようですが、これからもいい時計を作り続けてもらいたいと思います。
この時計は海外で売られている「バンビーノ」シリーズのひとつです。シリーズにはどれを選んでもよさそうなクラシカルな雰囲気のデザインが揃っています。しかも価格はすべてエントリーレベル。人気があるのもわかります。

まずスペックです

Basic RGB

【スペック(寸法は実測)】
a:46.5mm / b:40.5mm / c:d:36.2mm / e:43.2mm / f:約2.5mm* / g:2.2mm / 厚さ:12mm
バネ棒込み本体のみ重量 :53g(*ベルト含まず)
写真の手首幅 : 55mm
*f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :cal.Orient F67
●ケース :ステンレス、側面=二次元曲面、側面=つや消し、上面・ベゼル=グロス
●風防 :ミネラルガラス(ボックス型カーブ)
●防水 :3気圧 / ●裏蓋 :ねじ込み式
●カレンダー :3時位置DATE
●インデックス・針 :ローズゴールド
●ダイアル色 :白
●ベルト :牛革型押し(赤茶)、ベルト幅=21mm
●手巻き機能・秒針停止機能有り

こんなに雰囲気のある時計は最近見かけません。

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SAC00008W0はシリーズの中でも最もクラシック感満載のドレスウォッチです。
ドーム風防の中はボンベ状に膨らんだ文字盤、その膨らみにそってカーブした分針・秒針。ローマ数字のインデックス、オニオンタイプの竜頭。どれをとってもとても懐かしい形です。
インデックス・針はピンクゴールド、いい感じの華やかさです。
最近の腕時計にはない非常に雰囲気のある腕時計です。写真からも感じてもらえるのではないかと思います。
これが2万円以下で手に入るのだから、機械式ドレスウォッチ入門編としては最適だと思います。

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自分なりに思う欠点は・・・

もう一回り小さい方が・・・

商品を見た瞬間の印象は「デカい」に尽きます。ケース自体は40mm強なのですが、ダイヤルが白であることもあって膨張して見えます。腕にはめても「ちょっとデカいな」感はいなめません。
おそらく海外用なのでこれくらいの大きさがいるのでしょうが、クラシカルなデザインに今時の大きなケース、ぼくはいかがなものかな・・・と思っています。
下の写真は正面から見たオリジナル(左)と、ダイヤルはそのままにケースを38mm、ベルト幅を20mmにした加工画像(右)です。一回り小さい方が締まって見えませんか?

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また、文字盤は色は白ですが、若干緑がかった白です。僕はこの色がとても寒く感じます。真っ白か生成りでよかったのに。

中途半端な21mm幅のベルト

ベルト幅は21mmです。一般に売られている替えベルトは偶数が多いので、21mmを探すのは根気が必要です。ま、20mmのベルトをつけてもそんなには違和感は感じませんが・・。たった1mmです。20mmにすればよかったのに。

「よかったのに」がほぼ3つ付きましたが、どれも自分の腕の細さと、好みの問題なので、充分に無視できる欠点です。

ベルトを替えてみよう!

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NATOストラップは全て20mm幅です。そんなに違和感ないよね。

クラシカルなドレスウォッチなので、定番は附属の革ベルトのように茶色や黒の革ベルトやメッシュタイプのベルトがいいのですが、カラフルなNATOタイプも似合います。
差し色がピンクゴールドの時計なので、オレンジや赤系のベルトなら女性にも大いに好まれると思います。
グリーンや紺系も、この時計を一気にカジュアルに仕上げてくれます。
こう見ると、結構オールマイティに使えそうやね。

動画も見てね!

最後に、細腕の人のために・・・

40mm強の時計、どれくらい大きく見えるのか

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標準の革ベルトと、NATOタイプ、37mmの時計を比較しています。
革ベルトは腕にフィットするので特に時計の大きさが強調されます。
NATOタイプは構造上ベルト自体に幅が出るので、比較的時計が大きく見えるのを緩和してくれます。
40mm強のケース、許容範囲ですが37mmケースと比べれば大きさの違いは明確ですね。

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いずれにしても、とても良く出来た時計だと思います。
日本製、オール自社製造。造り、見た目、精度、機能、どれをとっても文句のないものです。
これが15,700円。日本は真面目にいい仕事するね!

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セイコー5/SNK809K2 一番安い機械式時計。最良のエントリーモデル!

細腕にピッタリのサイズ、日常使いにうってつけ。一皮剥けばさらにいい感じ!

小さすぎると言う人もいると思いますが、小さい分とても上品に感じる時計です。
機械式・効率のいい自動巻・DAY/DATEカレンダー・日常防水・充分許容範囲の精度(日差+10〜15秒)・まとまりのいいデザインと優れた視認性・明るく光る夜光・・・日常使いに求められるものはすべて揃って実売価格7,000円位。
これ以上、なにを求めるのかと思うくらいのよい出来上がりだと思います。
ただし、腕時計に「押し出し」や「派手さ」「ステイタス」「ブランド」を求める人には向きません。

スペックから

Basic RGB
写真はケースを磨いたあとのものです

【スペック(寸法は実測)】
a:42.6mm / b:37.3mm / c:d:30.5mm / e:38.5mm / f:約2.4mm* / g:4mm / 厚さ:10.8mm
バネ棒込み本体のみ重量 :47g(*ベルト含まず)
写真の手首幅 : 55mm
*f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :cal.7S26
●ケース :ステンレス、側面=二次元曲面、つや消し(ヘアライン状でなく完全なマット)
●風防 :ミネラルガラス(フラット)
●防水 :3気圧 / ●裏蓋 :ねじ込み式スケルトン
●カレンダー :3時位置DAY/DATE
●ルミブライト :インデックス各略字・時,分,秒針
●ダイアル色 :ブラック
●ベルト :キャンバス地、バンド幅=18mm
●手巻き機能・秒針停止機能はありません

竜頭の存在を消したシンプルなデザイン

「自動巻で精度もそこそこイイし、竜頭なんかいらんやろ。どうせ手巻機能もないし・・」とでも思ったのか、実に小さな竜頭が4時側にさりげなく付いています。これがかえって全体的にスマートで上品な印象を出しています。
ダイヤルは、分を表すアラビア数字を大きく、時を表す数字は小さく内側に。
時・分・秒針は、この価格帯の時計にありがちな短い印象もなく、長くはないもののしっかり必要な部分を指し示す設定で好感の持てるバランスです。
黒のダイヤルに、白のインデックス、太すぎず細すぎずのアルファ針、差し色に秒針先端の赤。視認性は最良。
ミリタリー風のダイヤルですが、各エレメントに押し出しの強い部分もなく、とても上品に仕上がったデザインです。

マイナス点はケースの仕上げ?

僕の意見です。ケースのつや消し処理。ミリタリー風ということでこういう設定になっているのかもしれないので、これはこれでいいのですが、どうしても実用本位の安っぽさを感じます。光を全く反射しないマット仕上げなので、周りの環境にかかわらず、白っぽい灰色に見えます。キャンバス地の黒ベルトと相まって、仕事も含む日常使いには色気が少なすぎると感じます。アウトドアで遊ぶのには良い設定なのかもしれませんが、どうも引っかかります。

そこで、一皮剥いてみると・・・!

この時計をレビューしている、アメリカ(ハワイ?)の「minitwatch」さんのサイトでケースを磨いてベルトを交換する動画を見つけ、時計を壊すリスクも考えず同じようにやってみることに。

用意したのは、クルマの小キズ修復用のコンパウンドとフエルトの先端をつけたリューター。
まず、裏蓋を開けて→竜頭を引き抜き→ムーブメントを取り出して→裏蓋をもどし→竜頭の穴に爪楊枝をねじ込んで→風防をマスキング。
※ムーブメントの取り出しはちょっとした不注意が致命傷になるので慎重に、自己責任で!

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ここからリューターに「粗キズ用コンパウンド」を塗り込んで全体を粗磨き。
次ぎに、これはうまくいきそう!と気合いを込めて「細キズ用コンパウンド」でひたすら磨くと、こんな具合。

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最後に仕上げ用クリームを不織布につけて丁寧に仕上げ磨き。
あとは丁寧に拭き上げて、分解の逆の手順でムーブメントをもどし、裏蓋をギュッと締めれば出来上がり。
※わざわざムーブメントを取り出したのは、リューターで磨くと対象物が結構熱を持つから。熱すぎて時計本体に影響があったら困るので。
※コンパウンドは自動車のボディ用で「粗」「細」「仕上げ」3本セットでどこでも売ってるものです。

ベルトを交換

幅18mmのベルトは持たないので、一工夫。古い20mmベルトをカッターで加工してしまおう。
ワンタッチバネ棒とやらが付いていたゴールドブラウンの20mm幅のベルト。ワンタッチバネ棒は工具なしで簡単にベルトの付け替えができる優れものですが、このバネ棒がこわれて、こわれたバネ棒をベルトから取り出すにも取り出せず、無理にやったらベルトのバネ棒付近が一部裂けて使えなくなったモレラート製。(長い説明やね・・)
このベルトのバネ棒部分の両端を18mmにフィットするよう1mmカットして、付けてみた。
とてもいい感じです。

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これを教えてくれた「minitwatch」さんは、タイメックスの替えベルトにしています。で、ぼくもタイメックスの替えベルトを探したら、こんなものがありました。3,240円。届いた商品のケースにはご丁寧に12.99ドルってタグが付いてました。
これをつけるとこんな感じ。これも、いいね。

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最後にビフォー・アウター。

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どうです?自分は大成功と思っています。
この夏お世話になったセイコーのダイバーSKXに替わって、秋冬はこれでいきます。

動画で確認↓↓

p.s.  ここまでやったんやから、今度はヒマを見つけて、反射しすぎる風防を外品のサファイヤガラスへの交換にチャレンジしてみるぞ〜!

違和感のない限界かな?42mm、セイコー5

ずっと気になっていたセイコーファイブ・SNZH53J1

腕時計で楽しんでみよう!と思い立って、いろんな時計を写真で物色しはじめてからずっと気になっていたこの時計。ブルーのセイコーファイブSNZH53J1。
安くてもしっかりした中身が定評のセイコーファイブ、どれほどの品質か、ひとつは試してみたかったので。
SNZH53J1、セイコーファイブスポーツの中では素直にとてもかっこいいと思う。

スペックから

SNZH53J1

【スペック(寸法は実測)】
a:47.6mm / b:42mm / c:32mm / d:30mm* / e:45mm / f:約1.5mm* / g:6mm / 厚さ:14mm
バネ棒込み本体のみ重量 :82g(*ベルト含まず)
写真の手首幅 : 55mm
*d はベゼルを除いた文字盤の直径 *f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :7S36
●ケース :ステンレス、側面=三次元曲面、ラグ上面=つや消し、側面=グロス
●風防 :ミネラルクリスタル(球面)
●防水 :100m / ●裏蓋 :ねじ込みスケルトン
●カレンダー :3時位置DAY・DATE
●蓄光 :略字内縁・時・分針と秒針マーカー
●ダイアル色 :ブルー(紺)
●ベゼル :逆回転防止、色=青(縹色’はなだいろ’?)、120クリック、レジン?でコーティング
●ベルト :ステンレス、ダブルロック付き三つ折れクラスプ、バンド調整=割ピン式、バンド幅=22mm

【プラス面】
実売価格税込み15〜18千円。
機械式自動巻・デイデイトカレンダー・100m防水・40時間パワーリザーブ、
どこから見てもしっかりとしたよくできた時計。
シンプルな文字盤に大く太い針、とても優れた視認性。
文字盤外周まで届く秒分針、略字の内側にきっちり収まった時針、とてもきれいな配置。
この価格帯によくある針が短かい貧相感はない。時計としてリッチな感じ。
文字盤とベゼルのブルーの違いが気になる人もいるようだけれど、僕は上品ないい配色だと思う。

【マイナス面】
(僕には)少し大きく分厚い。
附属のステンレスベルトがいかにも安っぽい。
ベゼルの回転が甘い。
(120刻みの逆回転防止ですが本格ダイバーのカシっとした節度はなくカチャカチャ軽く回ります)
手巻き・ハッキング機能がない。(しかたないか・・)
少しキラキラしすぎる。
全体のデザインがファットな感じ。メリハリに欠ける。
少し太いベルト幅。この形なら20mmのほうがいいと思うのですが。
バネ棒と本体の隙間(図面のf)が狭いので、NATOベルト交換の際は附属のステンレスベルトのバネ棒では太いので細いバネ棒(1.4mm位)が必要な場合があります。

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感想まとめ
● 本当の高級感は期待できませんが、手元を飾るにはとてもいい感じです。インデックスの秒の刻み、略字のバーが大きく長く、また風防まわりの光沢のあるリングが少し太いこともあって、必要以上にキラキラするのがかえって高級感や上品さを削いでいるのかなと思います。ただし、これがこの時計の大きな個性ではあるとは思いますが。
● 附属のステンレスベルトは無垢のように見えますが、振ると秋の虫のようにシャラシャラ音がします。いかに安っぽいと感じます。腕にきっちり着用する人は気にならないかもしれません。ラフなはめかたをする人には気になるかもしれません。
本当にしっかりしたいい時計に、いかにもチープなベルト、なんなんでしょうこのアンバランスは。
と、ボロクソゆうてますが、とてもよく加工されたベルトなので、キチンとはめていれば誰にもチープ感は伝わらないと思います。

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ベルトのコマの中心に筋が通っているね。それ以外一見無垢に見えるけど・・。

● ブルーダイヤルの普段仕様・遊び時計がほしい人にはおすすめできます。あくまでカジュアルな使用が似合う時計だと思います。

 

BLANCPAIN Fifty Fathoms ?

形状がよく似ているからでしょう、Fifty Fathomsを装うパーツが出ているようです。
完成品はFiftyFive Fathomsっていうようです。安くても実力のあるセイコーファイブだからこそ対象になる遊びでしょうか。

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左からSNZH53、それを改造したFiftyFive Fathoms、本家ブランパンFifty Fathoms

この時計が50〜60個買えるような高級時計を装うって面白いね。いつか挑戦したいと思っています。
実はこの外品パーツの文字盤なら過度なキラキラ感がなくて、きっとビジネスにだって使えるいい感じになると思います。
ところで、50ファゾムは約90m、55ファゾムなら約100m、丁度セイコーファイブの防水機能100mになりますね。

少し大きめのケース42mmだけど・・

ケースは42mm、僕にとっては限界の大きさです。でも大きなケースの割に風防の直径は30mmと小さいので、それほど大きさは気になりません。
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全体のデザインはファットな感じがするのが残念ですが、スマートさはないものの、ケース側面の断面は変化のない円弧であったり、ベゼル・インデックスの各パーツ・形状とあわせ、とてもクラシカルな印象で好感が持てます。
正面のデザインはリッチ、全体の印象はファット。例えば風防周りのリングやインデックスの略字を少し細めたり、ラグの形状に変化をつけて細く見せたりすると全体にメリハリがきいて、上品さも増し、よりよい印象になると思うのですが。
この時計が売られている地域では、このリッチでファットな感じが受けるのかもしれません。

青について

ブルーダイアルって本当に難しいですね。僕の手元にあるセイコーの別の2本、SKX009SND255と比べると、赤の比率が高い順に、SND255→SKX009→SNZH53 となります。極端に言えば、紫→濃紺→青に近い紺 みたいな感じです。
SKX009の紺はフラットな濃紺色、SNZH53の紺はそれより青に近く光沢があります。さらにベゼルは文字盤の紺より少しうすくくすんだ色です。縹色(はなだいろ)に近い感じです。好みの問題もありますが、上品ないい色です。
少し派手と思われがちなブルーダイアルですが、この時計は縹色のベゼルもあって落ち着いた表情を見せています。
ベゼルについては、表面がクリアなレジン(?)で覆われていて適度な光沢を持ち、とてもいい感じです。ただし、キズには弱いかな。

● 動画も見てね!●

徹底的に遊びに使おう!

ベルトをNATOの替えたら遊び感満載です。

僕は22mmの革ベルトを持たないので手持ちのNATOベルトに替えてカジュアルに使いたいと思います。革ならきっとブルーやブラウンの革ベルトは似合うでしょう。こんど小遣いが出来たら試します。
こんな感じ。

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なかなかいい感じですね。
22mmの革ベルトを持たないと言いましたが、手持ちの時計はほとんどが20mmなのでNATOベルトもほとんどが20mmです。
そこで、22mm幅のラグに20mmを付けるためのちょっとした工夫です。厚み0.45mm/直径6mmのワッシャをベルトの両端に挟んでみるとこんな感じです。ベルトが左右に遊ぶこともないし、ワッシャの光沢も邪魔になるどころかいい感じです。

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ただし、普通のベルトでやると取れなくなるからやってはいけません。

一週間試してみて

一日に10〜15秒くらい進むみたい。SKXの7S型より進み具合が大きいけれど、充分許容範囲内やね。遅れるよりはええしね。
僕はデスクワーク中心やけど、腕に着けている限り止まることはありません。
セイコーのベーシックなムーブメントですが、巻き上げ効率もいいしホントいい精度、コストパフォーマンスに優れると思います。

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なんの飾り気もない7S36、実直そのもの

手巻きとハッキングがないのはホンマに残念やけど。
クラシックダイバーの趣、飽きのこないブルー、ドーム状の風防。
これで、少しスリムな部分があってメリハリの効いたスマートさがあったら最高なんやけどなぁ。
他の色を選ぶなら、黒ダイアルにシルバーのSNZH59は汎用性が高そうだけど、いっそ派手に黒ダイアルにゴールドのSNZH57がええかな。

最適の38mmケース。 ON/OFF問わず日常ガンガン使える実用ミリタリー

ハミルトン・カーキ・フィールド 38mm どんな時計?

感想まとめ

●腕が細めの人に最適!38mmケース。
●とてもよくまとまったデザイン。フェイスを目一杯使った見やすいインデックス。見栄えのいい長い針。
●控えめながら、しっかりしたケース、長目のラグ、カーブガラスなど、存在感のあるクラシカルな仕上げ。
●日差は+5秒ほど。十分な精度。パワーリザーブも42時間で充分。平均的であるが日常使いでは気にならない。

【プラス面】
視認性良好。夜光もきれいに比較的過不足無く光る。防水も10気圧で日常使用には充分。
38mmケース、厚さ11mm。大きすぎず、小さすぎず、厚すぎず、薄すぎず。重すぎず、軽すぎず。
まさにちょうどいい大きさ。
扱いやすい少し大きめのクラウン。
【マイナス面】
腕周りが180mm、腕幅が60mm以上の人には小さいと感じるかも。(その場合は40mmや42mmケースのカーキがオススメ)
リューズは普通のプル・プッシュ式。できればねじ込みリューズが欲しかった。
リューズガードもなく大きめのリューズなのでぶつけたり、落とした時が心配。

Basic RGB

【スペック(寸法は実測)】
a:47mm / b:38mm / c:32mm / d:30mm / e:42.5mm / f:約2mm* / g:6.5mm / 厚さ:11mm
バネ棒込み本体のみ重量 :52g(*ベルト含まず)
写真の手首幅 : 55mm
*d はインナーベゼルを除いた文字盤の直径 *f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :ETA 2824-2
●ケース :ステンレス、側面=二次元曲面、ベゼル面のみグロス、他はつや消し
●風防 :サファイヤクリスタル(カーブ)
●防水 :10気圧 / ●裏蓋 :ねじ込み式スケルトン
●カレンダー :3時位置DATE
●ルミブライト :インデックス各略字・時,分針
●ダイアル色 :ブラック
●ベルト :レザー、バンド幅=20mm

● いつでもどこでも使える、一本は持っておきたい時計

n_hk02
なんと言っても特長は38mmケースのミリタリーということだと思います。
ミリタリーというと、いかにも無骨な実用本位の時計を思い描きます。日常の使用では場にそぐわない場面も想像してしまいます。
しかし、38mmという今では小さめのケースのおかげで、無駄な押し出しもなく、インデックスや針を小さなダイヤルにおさめることで、返ってまとまりもよく見栄えのいいダイヤルになっています。
そして、ケースは38mmですが、ラグがケースに対して長目に設定されていて12時側から6時側への全長は47mmありますから決して小ささを感じさせない全体的なデザインになっているため、どんな場面でも違和感の無い使用ができると思います。
ONなら、デスクワークでも、営業でも、荒っぽい現場作業でもがんがん使えます。スーツでも作業着でもまったく違和感がないでしょう。
OFFはONより得意でしょう。山でも、海でも、ちょっとしたスポーツでも、きっと似合います。カジュアルウエアでもスポーツウエアでもOKでしょう。特にベルトをそれなりに替えるとアクティブな気持ちになれます。
唯一、気の張ったパーティなんかでは少しそぐわないかな・・と思うくらいです。
ぜひ一本は持っておきたい時計です。

●とてもまとまった印象のフェイス

小さいフェイスとか言ってますが、実際の文字盤の大きさは、32mm。
僕の持っている一番大きな時計、ステインハートオーシャンワンはケースが42mmですが、文字盤の大きさは30.5mm。実はこの時計よりも小さいのです。
よい視認性を得るのに十分な大きさは確保しています。
長い針も大きな長所です。秒針・分針の先端はは文字盤外周の秒インデックスの外側いっぱいを回ります。時針の先はインデックスの大きな数字の内側にかかるところを指しています。とてもバランス感のいい配置です。
僕は時・分・秒針がこのようにきっちりとインデックスを指すレイアウトが好きです。これは時計の高級感にも繋がると思っています。
最近の大きな時計では、流行で無理矢理大きくした文字盤に、ムーブメントが許す重さの針を付けるため、比較的針が短く見えるレイアウトのものをよく見かけます。これはバランス感覚に欠けるし、なにより、針先がインデックスに届かないのは時計として邪道ではないのかと。クロノグラフなんかでは特に、ストップウォッチ秒針が数分の一秒のインデックスに届かないため正確に時間を把握することができないものも多く見かけます。これはいけないと思うのです。
それに短く見える針は著しくチープに感じるのは僕だけではないと思います。

●38mmと40mm、少し比較してみよう

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これはハミルトンさんのホームページからの画像です。
インデックスの秒目盛り、数字の大きさ、省略されていた3時を表示、内周24時間の数字に加えられた目盛りなんかが明らかに違います。
2mm大きくなっただけでこれだけ余裕が生まれるのですね。
でも、追加された内周の24時間目盛りのためか、時針は短くなっています。
デザインは好みのものですが、僕はキュッと締まった感じの38mmが好きです。
※40mmのものは、新しいH-10型というムーブメントを搭載したモデルです。パワーリザーブ80時間、すごいね。

●ベルトを交換してみよう

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標準では、少しゴツ目の黒のレザーベルトが付きます。(この他にメタルベルトの仕様もあります。)
特に過不足の無い品質のベルトです。
しかし、時計自体のデザイン的な仕上げがいいので、シーンに合わせてベルトも交換すれば尚雰囲気が出ます。

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茶色やグレーのベルトなんかもいいですが、OFFなら、NATOタイプがとてもよく決まります。
シンプルなウレタンなら黒以外でもオレンジなんかいいだろうと思います。

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夏場、汗をよくかく時期にはメタルのベルトが欲しくなります。が、純正のベルトを手に入れるには15千円程度と結構高額です。そういう思いのある人はメタルベルトが標準装着されているタイプを購入しておくのがいいかなとも思います。

●精度はそれなり

ムーブメントは、ETA-2824-2。舶来の機械式腕時計によく使われているETA社の汎用ムーブメントです。
よく、「エタポン」とか言って馬鹿にしている人もいますが、多く出回っているため、非常に高い信頼性と容易なメンテナンスを両立しているいいムーブメントだと思います。仮にこわれても、修理に心配はいらないと言うことです。オーバーホールも比較的安いしね。
パワーリザーブは42時間。平均的ですが充分ですね。自動巻の巻き上げ効率は分かりませんが、日常腕に着けている限り止まることはありません。
この個体の精度は、+約5秒/日で安定しています。
ちなみに、さっき大きさのことで出てきたオーシャンワンも同じムーブメントで、精度も同じです。
ETA-2824-2、少し進み目の設定になっているようです。

動画はこちらで!

● 結論

手首が細めの人には絶対おすすめです。僕は170mm、幅55mmですが、実にしっくり馴染みます。
実売価格50千円前後、お買い得な実用時計だと思います。
ハミルトンやセイコーがはずかしい、って人もいます。僕はちがうと思っています。
実売50千円くらいで、とても高品質で高評価の時計を大量に提供し続ける企業の技術ってすごいと思いませんか?
それだけでも尊敬できる企業だと思うのです。
ハリウッド映画にはいっぱい出てくるしね。「インターステラー」なんかハミルトンの時計はいい役をしていたしね。
持って絶対損の無い時計だと思います。

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シチズンコレクション CA0454-56E エコ・ドライブ メタルフェイス

求めやすいクロノグラフ シチズン・メタルフェイス CA0454-56E

どんな時計?

● 国内生産最安級ではあるが、品質には国内産ならではの安心感がある。
● メタルフェイスというだけあってメタリック感は充分。ステンレスブレスもある程度角を強調した統一感のあるイメージ。
● 40mmケースで大きすぎず、キラキラのわりには妙な押し出しを抑え、抑制のきいた好感の持てるデザインであるが、存在感も抑制気味。

【プラス面】
ちょうどいい大きさ・重さ。日常の使用に気をつかわない防水性・堅牢製。見やすい文字盤。抑制の効いたデザイン。
国内産の安心感。製品としての完成度。クオーツならではの精度。ソーラーパワー(?)。
クロノグラフを含め複雑な機能のを省いた簡易な操作性。
【マイナス面】
抑制の効いたデザインのためか、理詰めでデザインされたような冷たさがあり、”華”には欠ける。
クロノグラフのボタン、ストップ・再計測の際のクリック感がない=感触が悪い。
日付窓が小さく、表示が奥まっているので非常に見づらい。
長期間仕舞っておいた場合や、冬場袖に隠れる場合など、パワーが心配になるが確かめる術がない。

Basic RGB

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【スペック(寸法は実測)】
a:46.8mm / b:40mm / c:34.2mm / d:30mm* / e:42mm / f:約2mm* / g:6mm / 厚さ:12mm
バネ棒込み本体のみ重量 :56g(*ベルト含まず)
写真の手首幅 : 55mm
*d はインナーベゼルを除いた文字盤の直径 *f はバネ棒通しの穴の中心からボディまでの隙間
●ムーブメント :B612-S083451 クロノグラフ
●ケース :ステンレス、側面=二次元曲面、ラグ上面のみつや消し、他はグロス
●風防 :ミネラルクリスタル(球面)
●防水 :10気圧 / ●裏蓋 :ねじ込み
●インダイアル :12時位置=クロノグラフ60分計・6時位置=スモールセコンド・9時位置=24時間計
●カレンダー :3時位置DATE
●ルミブライト :インデックス各略字・時,分針
●ダイアル色 :ブラック
●ベゼル :有色メッキ・タキメーター(刻印)
●クロノグラフ :1/5秒〜60分計測、計測中断-計測再開可(中断を含まない総時間)、リセット=時計回りにグルッと0位置に戻る(カチッと瞬時には戻らない)
●ベルト :ステンレス(無垢)、三つ折れクラスプ、バンド調整=Cリング、バンド幅=20mm
●その他:ソーラーセル/エコドライブ・秒針停止機能・日付早修正機能・充電警告機能・過充電防止機能
※ パーペチュアルカレンダー、電波修正、パワーリザーブはありません。

● よく出来ているけれども、”華”を感じないデザイン

ケースの仕上げや、製品としてもシッカリ感、精度などはさすが国内産だけあってボトムクラスの時計ですが高いクォリティを持っています。ケース内のホコリや針のズレ、ケースの磨き不良やカン合部のがたつき、リューズのあまさなど安価な海外生産品にある心配は一切ありません。
ベゼルの有色メッキも入念で、彫られたタキメーターの白文字もくっきりとよい精度で仕上がっています。
黒のダイヤルに艶あり銀の針。時・分針とインデックス略字には夜光が塗られます。シンプルで非常に見やすいフェイスです。
ただ、日付表示は非常に見にくいものです。表示がかなり深い位置にあるうえに窓が小さいためです。
デザイン的な大きな特長はダイヤル内周に施された銀色のリングです。分針の先はこのリングの円にちょうど届くように設定されており、全体のデザイン的には比較的短い分針を長く見せる効果もあるようです。
このリングの効果もあって、メタリックフェイスというように、全体にメタリック感がみなぎります。
しかし、印象としては、理詰めでデザインしたような冷たいイメージが拭えません。
それが狙いなのでしょうが、僕は、生活の中で身にに着ける物としての親しみや暖かみというような要素は感じられず、無機的な華のないデザインに感じます。(単に好みの問題だと思いますが・・)

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風防はサファイアクリスタルではありませんが球面ガラスと称するカーブガラスです。表面だけのカーブガラスのようで、深い角度の斜めからはレンズ効果でダイヤルは読めません。好みの問題ですが、ぼくはこのタイプのガラスが好きです。

● 無機的なデザインを少し緩和できるかな

無機的な華のないデザインと言いましたが、これは適度に角をきかせたステンレスブレスの影響が大きいとも思えます。
そこで、少し色差しの意味もこめて、ブラウンの革ベルトに替えると印象はかなり変わります。
シンプルなフェイス、ドームのように盛り上がった風防とも相まって、どことなくクラシカルな良い雰囲気に変わります。
ベルトのおかげで暖かみも増し、冷たい印象が緩和されます。身に着けるなら僕はこの状態が好きです。
また、黒でもNATOタイプの織り目の大きめのストラップに変えると、同じような効果と、黒の締まったいい感じになります。
標準装着のベルトを変更すると印象がガラッと変わる時計の良い例だと思います。

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● ソーラーパワー/エコドライブのこと

この時計はエコドライブでもボトムエンドのムーブメントなので、充電量をチェックする機能はありません。従って、買った時点、長期間暗所に保管した場合などはもとより、冬場など屋外の光に接する機会の少ない季節などは充電量が気になります。
取扱説明書では、一旦充電を切らせて停止させてしまうと、
動作するまでに屋外で25分〜3.5時間、屋内照明下なら80時間も置いておく必要があります。
その後一日動作分を確保するには屋外で2〜3分、屋内照明下で3.5時間、
フル充電するには屋外で8.5〜40時間、30W蛍光灯の直下で150時間もかかるとあります。
一旦バッテリーを上げてしまうと、フル充電を期待すると曇天の日なら40時間、冬場なら一週間近く屋外で光を浴びせることが必要です。これは大変ですね。
充電残量が分からないだけになおさら気になります。
僕は一週間に一度くらいは、晴天の日に数時間ずつ日干ししています。
ただ、フル充電になると、約7ヵ月は保つらしいし、切れる7日前には警告(秒針が2秒刻みに動く)があるらしいのでそれほど気にすることはないのかもしれませんが、やはり、気になります。
それに、二次電池って代物です。要は充電式のバッテリーですね。長期間の使用では当然バッテリー自体にも寿命がありますし、機械部分の劣化で負荷が大きくなり、当初の性能は維持出来ないみたいです。従って定期的な分解掃除が必要(メーカーは2〜3年に一度のメンテナンスを勧めています)で、全くメンテナンスフリーと言うわけにはいきません。

これなら、僕は単純に普通のボタン電池式でいいのでは?と思うのですが、どうでしょうか?

● クロノグラフはそれなり、値段なり。

クロノグラフの機能です。ダイヤルセンターを中心にする長いクロノ秒針が1/5秒ピッチで進み、12時位置のクロノ分針で60分間計測できます。リューズ上のスタート/ストップボタンで計測開始、中断、計測再開ができます。リューズ下のリセットボタンはリセット専用で、計測中どんな状況であろうと押せばリセットされます。
最低限のクロノグラフ機能で、単純なだけ操作も簡単。僕はこれで十分だと思います。
但し、気に入らない点は2つ。
まず、スタート/ストップボタン。スタート時はクリック感があるのですが、それ以降ストップ、計測再開時はまったく感触がありません。ボタンを押す感触がないというのは実に気持ちの悪いものです。
二つ目はクロノグラフ秒針。このクラス以下のクオーツクロノにほぼ共通していることですが、針先がダイヤル外周にある1/5秒刻みの目盛りに遠く届いていません。後1mm強長ければはっきり0.2秒を読み取れるのに残念です。
せっかくの1/5秒計測がこれでは意味が無いと思うのです。
クオーツムーブメントのトルクの弱さからくるものなのかもしれませんが、もし、そうならダイヤルを少し小さくしてでも本来の機能を果たせるようにすべきだと思うのですが・・。
ま、見栄えが優先されているのでしょうが、間違っていると思います。

動画もみてね!

● 結論

実売3万円を切る価格を考えると、信頼できる時計です。40mmケースという大きさも一般的な日本人にはジャストサイズだと思います。普通に良い時計ですが、見た目の存在感や魅力に欠けると感じます。
工作も良く、視認性も、精度にも問題はありません。高級感ありとは言いませんが、気になるようなチープ感はありません。
ホント冷たい感じはしますが、ベルト一本で結構雰囲気が変わり、そういう意味では楽しめる時計でもあります。本体自体のデザインがメタル!と現代性を強調しているようですが、実際にはドームガラスや単純なインデックス、長く見える時・分針などクラシカルな要素で構成されているからです。
いろいろ試してみたいと思いますが、装いようでは一気にイメージが激変する可能性のある時計です。
電池交換不要というものを試したくて買ったものですが、実際には電池式のクオーツや機械式の腕時計と同様のメンテナンスは必要な様子。これなら特にソーラーでなくてもいいのではないかと思う。日光浴を気にする必要もないしね。
時計購入の第一条件にソーラーを置いている人は、良く取説を見て特にメンテナンスに関する項目をチェックすべきだと感じます。